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第一章
6.突然のラブレター
しおりを挟む空腹状態で教室に戻ると、机の上に腕を置いてうつ伏せになった。
ガヤガヤと賑やかな教室内で孤島のように佇んでいる机。
ここで1人きりでご飯を食べる勇気がないからいつも屋上に行ってたのに、阿久津くんに邪魔されたから食べれなかったよ。
それに、彼は何もわかってない。
私がどんな気持ちで彼女と繋がってるかさえ。
ぼっちとわかってるなら放っておいてくれればいいのに。
私の事なんて気にしなくていいのに……。
……ん、待てよ。
さっき靴の中に入ってたメモの差出人は、もしかして阿久津くんだったのかな。
だから、話があって屋上に来たのかな。
結菜は先程の件を思い浮かべていると、隣の机の杏のグループのヒソヒソ話が耳に入ってきた。
「あの作戦が成功したらいよいよ杏も彼氏持ちかぁ」
「えへへ、どうかな~。向こうが好意を寄せてくれてるかわかんないし」
「先にブスが踏み台になっていれば美人は余計引き立つって。杏を断る男なんていないよ。絶対オッケーするって」
「そうかなぁ~。でも、自信ないなぁ」
「さっき例の手紙を仕込んでおいたからね。パーティはこれから。まずは自分に自信をつけなきゃ」
会話の内容からして、杏は誰かに告白でもするつもりなのかな。
でも、彼女たちは相変わらずひどい言い様。
ブスが踏み台って一体何の話だろう。
杏はスタイル抜群で今流行りのナチュラルな前髪に茶髪ストレートで、二重まぶたに血色のいいあひる唇。
中学生の頃からモテていて、何人かの男子と噂になってた。
黒縁メガネで肩甲骨の下までの一本結びの私とは雲泥の差。
もちろん、私も彼女のように可愛くなりたい。
ーーでも、6年前に告げられたあの言葉が今の私を作り出している。
ネガティブ思考のまま目を閉じていると、突然賑やかだった教室内から一斉に声が引いた。
それと同時に私の左側から人の気配がした。
異変に気付き身体を起こして目を横に向けると、そこには憧れの二階堂くんが立っている。
あまりにも想定外な事態に唾を飲み込む事さえ忘れてしまった。
彼は私と目が合った途端、赤面したまま口を開いた。
「早川さん」
「ひゃっ……、あっ! ……はい」
「さっきは手紙ありがとう。ラブレターだったんだよね?」
彼が目の前に差し出してきたのはピンクの封筒。
しかも驚く事に、『Dear 二階堂くん From 結菜』と見覚えのない筆跡で書かれている。
もちろん二階堂くんに手紙なんて書いてない。
だから、一瞬で誰かが仕組んだ罠だと思った。
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