Re.start ～学校一イケメンの元彼が死に物狂いで復縁を迫ってきます～

第七章

45.様子がおかしい紬ちゃん

  梓、大和、奏。
  三連続でフラれて完全に心が折れてしまったけど……。
  気持ちを立て直してめげずにアピールを続けようと思い、教室へ戻って梓を探した。

  ところが、教室内を隈なく探しても梓は何処にも見当たらない。
  だから、自分の席でスケジュール帳に何かを書き込んでいる一人きりの紬ちゃんに梓の行方を聞いた。



「ねぇ、紬ちゃん。梓が何処にいるか知ってる？  さっきから見当たらないんだけど……」



  彼女には、たったそのひと言しか言ってない。
  たったそれだけ……。

  それなのに、正面に立っている俺を見上げた紬ちゃんは、じわりと涙を浮かべて今にも泣き出しそうな表情をしていた。



「蓮くん……。ごめん、私には耐えられないっ……」



  彼女は突然スクッと席を立つと、手帳をパタンと閉じて手の甲で涙を拭いながら猛ダッシュでどこかへ去って行った。
  俺は教室を出て行く彼女を目にしたままポカンと立ち尽くす。



「えっ？  待って、紬ちゃん……」



  唯一まともな彼女でさえ俺に冷たい。
  しかも、耐えられないってどーゆー意味？

  何かがおかしい……。
  まるでみんなが口裏合わせしたように俺を避けている。
  一体、みんなどうしちゃったんだろう。


  その場に一人取り残された俺は、梓、大和、奏に次いで紬ちゃんにもフラれてしまったようだ。