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鴉の旗
攻略戦・二夜目
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昼間は不気味なほど静まり返っていたが、夜の闇と共にまた攻撃は開始された。しかも初日には使用してこなかった簡易型投石器も投入され、負傷者を増やしていった。
「小型の投石器だ!戸板で十分防げる!二人一組で対処せよ!」
やっかいな物を持ち込んで来たと思う間もなくさらに士気を折るような報告が来る、投石器によって、偵察に出ていたきり帰って来ず行方不明扱いとなっていた者の首が投げ込まれてきたのだ、戦死者は後でまとめて弔うよう指示を出していると、さらに急報が寄せられる。
「南東、井戸近くに敵襲!」
「援軍10名、訓練通り塀を越えさせるな!他のポイントはそのまま維持、念のため西北ポイントに5名!」
小さく舌打ちしながら指示を出す、昼間のうちに侵入できる経路を調べ上げ投石器の組み立てまで行った事を察すると、準備の入念さ、人員を偵察に避ける豊富さが推察できた。もし出払った人員がいるならば逆に地理に明るいこちらが偵察と奇襲をかけられたであろうに、どうしても後手に回ってしまっている。
「戦死者は?」
「14名になりました」
投石器のみならず、門の上に少し出ただけでクロスボウの集中砲火を喰らう、死体を調べると5発の命中を確認でき、少なくとも5丁以上のクロスボウが存在する事が確認できた、プレートメイルすら貫通するクロスボウまで多数持ち込まれているとなると、いよいよ門が破られたら終わる可能性が高い、しかもここまで追い込まれながら、まだ敵の総数が掴めていなかった。
この状況に元来こらえ性のない性格であるエレーナはいっそ突撃をかけ玉砕したい心境にすら駆られていたが、犬死でしかない事は分っていたので必死に堪えていた、敵にも相当数の被害は出ている事は明白であり、多くとも700は超えていないであろうという読みもあり『敵も苦しいはずだ』自分にそう言い聞かせ、ギリギリのところで踏みとどまっているようなものであった。
部屋の中は静かであった、それゆえに村から聞こえてくる怒号がかすかに聞こえてくる、アルマ母娘とユリアーヌスのみの部屋で全員が微妙に息苦しさを覚えていた、埒が明かないのと気を紛らわせるためもあり、ユリアーヌスが口火を切った。
「ところで、名前は決めたの?」
一瞬ビクっと肩を震わせた後で「まだです」と小さな声で答えた。
「まぁ、私もまだ決めてないんだけどね、あのヘボ詩人に意見を求めたらとんでもない名前を言い出しそうだしね」
クスっと笑いながら言ったが無反応で寒い空気になりかけたところで、話題にしたヘボ詩人が入って来た。
「ヘボ詩人が飲み物をお持ちしました」
イゾルデの言葉でようやくアルマもクスっと笑った、お盆の上には同じカップが二つ乗せられておりホットミルクにハチミツを溶いた物が淹れられていた、アルマが先に取るように促される、警戒しているアルマをなるべく安心させるための方法ではあるが、いささか過剰ではないだろうか?そんな事をイゾルデが考えていると、ユリアーヌスが尋ねる。
「村の被害状況はどう?」
すでに負傷者や避難してきた村人が多数おり、運び込まれた負傷者が死者に変わって来てもいる、なるべく動揺させないように平静な声でイゾルデは答える。
「死者は10名を越えました、けが人も増えております」
ユリアーヌスとイゾルデの会話を聞きアルマの顔が青ざめ、思わず側にいる母の手を強く握った。戦況が芳しくない事は薄々気付いており、前回とは全く異なる様相を呈しているのは理解していたが、具体的な死者数を聞き心穏やかではいられなかった。
そんなアルマにユリアーヌスは静かに語り掛ける。
「ねえアルマ、こんな時だから楽しい話をしましょう、ここで嘆いても戦況は変わらないんだから」
側で聞いていたイゾルデは多少不謹慎な気もしたが、気を紛らわせるのは必要であろうと思い、あえて気軽な口調で話しかけた。
「子の事なら心配ないと思うぞ、領主の血縁者は人質として価値があるから、まず無事に扱われる可能性が高い、私などどうなるか分からんがな」
その言葉を聞いてもアルマの様子はほとんど変わらず、どことなく怯えた様子に変化は見られなかった、自身も子を宿しているユリアーヌスにはその理由がはっきりと分かっていた。
「違うわよ、アルマが恐れているのは私達よ、私の子が無事生まれたら邪魔者として始末されるのではないか?そんな風に思ってるんでしょう?」
ユリアーヌスの発言にアルマは肩をビクっと小動物のように震えながらより一層強く母の手を握る、イゾルデも若干気付いてはいたが『それ言っちゃまずいでしょう!』と心中では思っていた。
「そんな心配いらないんだけどね、まず子供は生まれても成長するまで何があるか分からない、王族でも貴族でも農民でもそれは一緒、生まれたから他はいらないっていって処分していったらそんな家すぐに断絶するわよ」
血なまぐさい話は大量にあるのだけれど、ここではあえて触れないようにしておきながら、彼女は続けた。
「だから楽しい話をしましょう、二人の子供がちゃんと成長できた時に、どうするのがみんな幸せになれる方法なのか?って話をね」
少し落ち着いた様子のアルマを見て、イゾルデが候補案を提示し始める。
「農民に戻し隠し分家としてやっていく、もしくは子のいない騎士家に養子に出す、といったあたりが無難かな?」
その提案を受け、小さな声でアルマが意思表示を行う。
「なるべく目の届くところに置きたいです」
見知らぬ所に養子に出すのにはどうしても抵抗を感じた、人知れず亡き者とされるのではないだろうか?どういう環境で育てられるのだろうか?心配しだすときりがなくなりそうだし、その考えは皆理解できる所だった『まあ農民として隠し分家が妥当だな』と皆が思ったところで、ユリアーヌスが変わった事を言い出した。
「農民として育てると、いざという時に剣術も馬術もできず苦労しそうよね、誰かさんみたいに」
アルマの母以外は皆ある人物を思い浮かべ、不謹慎にもプっと吹き出した。
「だからいっそ、騎士家の者とすればいいんじゃないの?遠方に養子に出さなくても都合のいいのが一人いるわけだし」
これに関しては誰の事を言っているのか分からず、皆を代表してイゾルデが質問した。
「オルトヴィーン伯爵家の者ですか?遠方ではないですが手元とも言い難くアルマの希望に沿うとは言い難いのではないでしょうか?」
クスクスと笑いながら、ユリアーヌスはイゾルデを指さしながら言う。
「あなたよ」
「え?」
完全に虚を突かれ、何を言っているのか分からないといった風情のイゾルデを余所にユリアーヌスは続ける。
「あなたの夫は今回の戦役で華々しく戦死『父は村を救った英雄よ』と教えながらこの屋敷で、乳母のアルマによって育ててもらえばいいんじゃない?」
たしかに理屈は通るし、実の親子の名乗りこそできなくても手元に置いて育てられる、しかしどうしても引っ掛かるものがある、そんな空気を代表してイゾルデが言う。
「私は出産どころかまだ男性経験すら・・・」
「吟遊詩人マリア・イゾルデなかなかいい芸名よね」
顎に手をやり、首を小さく上下させながら、自らのネーミングを自信ありげに言うユリアーヌスに対し猛抗議を開始する。
「教会に目をつけられて、魔女呼ばわりされて火炙りなんて絶対にイヤですよ!」
「大丈夫!検査すれば処女だって分かるから!」
「そういう問題じゃないでしょ!」
顔を真っ赤にして抗議するイゾルデXX歳を尻目に、久々に明るい笑いが洩れた、ただアルマの母だけはこの空気にとまどい唖然とする他なかった。二人きりの時、彼女はマルマに「王族とか貴族って変な人が多いのかねぇ・・・」と語った。
暗闇のなか位置を把握されることを避けるために明かりもない状態で腰を下ろし戦況報告を聞いていた、不意打ちに成功し一晩で陥落したブラゼ村と違い、二重三重に張り巡らされた警戒網に引っ掛かり不意打ちはできず、徹底抗戦の構えを取られただけに戦況は厳しいものとなっていた。
元々不意打ちが成功するとは考えてはいなかったが、実際に徐々に増えていく戦死者の報告を聞くと、たとえそれが想定内の数字であっても焦りが出て来る。
「戦死者は?」
「61名になりました、負傷者も30名を超えています」
少し足が震えるのを実感していた、自分の立てた作戦によってこれだけの味方が命を落としたという事実に今更ながら恐怖を覚えた、暗闇で表情は読み取れずその震えも周りには気付かれていなかったが、一人が声をかける。
「明日で終わるんだろ?」
「ああ」
平静な問い掛けの声に反し、回答には若干の振るえが感じられた。
「気にするな皆納得しての事だ、明日の作戦ではもっと死ぬ、それでも気にするな、皆希望に賭けたんだから」
「ああ」
激励の声はあくまで平静であったが、返答には若干の迷いや震えが感じ取れた。
「もう引き返せんしな」
「ああ」
その会話を最後に沈黙が暗闇を支配した。
「小型の投石器だ!戸板で十分防げる!二人一組で対処せよ!」
やっかいな物を持ち込んで来たと思う間もなくさらに士気を折るような報告が来る、投石器によって、偵察に出ていたきり帰って来ず行方不明扱いとなっていた者の首が投げ込まれてきたのだ、戦死者は後でまとめて弔うよう指示を出していると、さらに急報が寄せられる。
「南東、井戸近くに敵襲!」
「援軍10名、訓練通り塀を越えさせるな!他のポイントはそのまま維持、念のため西北ポイントに5名!」
小さく舌打ちしながら指示を出す、昼間のうちに侵入できる経路を調べ上げ投石器の組み立てまで行った事を察すると、準備の入念さ、人員を偵察に避ける豊富さが推察できた。もし出払った人員がいるならば逆に地理に明るいこちらが偵察と奇襲をかけられたであろうに、どうしても後手に回ってしまっている。
「戦死者は?」
「14名になりました」
投石器のみならず、門の上に少し出ただけでクロスボウの集中砲火を喰らう、死体を調べると5発の命中を確認でき、少なくとも5丁以上のクロスボウが存在する事が確認できた、プレートメイルすら貫通するクロスボウまで多数持ち込まれているとなると、いよいよ門が破られたら終わる可能性が高い、しかもここまで追い込まれながら、まだ敵の総数が掴めていなかった。
この状況に元来こらえ性のない性格であるエレーナはいっそ突撃をかけ玉砕したい心境にすら駆られていたが、犬死でしかない事は分っていたので必死に堪えていた、敵にも相当数の被害は出ている事は明白であり、多くとも700は超えていないであろうという読みもあり『敵も苦しいはずだ』自分にそう言い聞かせ、ギリギリのところで踏みとどまっているようなものであった。
部屋の中は静かであった、それゆえに村から聞こえてくる怒号がかすかに聞こえてくる、アルマ母娘とユリアーヌスのみの部屋で全員が微妙に息苦しさを覚えていた、埒が明かないのと気を紛らわせるためもあり、ユリアーヌスが口火を切った。
「ところで、名前は決めたの?」
一瞬ビクっと肩を震わせた後で「まだです」と小さな声で答えた。
「まぁ、私もまだ決めてないんだけどね、あのヘボ詩人に意見を求めたらとんでもない名前を言い出しそうだしね」
クスっと笑いながら言ったが無反応で寒い空気になりかけたところで、話題にしたヘボ詩人が入って来た。
「ヘボ詩人が飲み物をお持ちしました」
イゾルデの言葉でようやくアルマもクスっと笑った、お盆の上には同じカップが二つ乗せられておりホットミルクにハチミツを溶いた物が淹れられていた、アルマが先に取るように促される、警戒しているアルマをなるべく安心させるための方法ではあるが、いささか過剰ではないだろうか?そんな事をイゾルデが考えていると、ユリアーヌスが尋ねる。
「村の被害状況はどう?」
すでに負傷者や避難してきた村人が多数おり、運び込まれた負傷者が死者に変わって来てもいる、なるべく動揺させないように平静な声でイゾルデは答える。
「死者は10名を越えました、けが人も増えております」
ユリアーヌスとイゾルデの会話を聞きアルマの顔が青ざめ、思わず側にいる母の手を強く握った。戦況が芳しくない事は薄々気付いており、前回とは全く異なる様相を呈しているのは理解していたが、具体的な死者数を聞き心穏やかではいられなかった。
そんなアルマにユリアーヌスは静かに語り掛ける。
「ねえアルマ、こんな時だから楽しい話をしましょう、ここで嘆いても戦況は変わらないんだから」
側で聞いていたイゾルデは多少不謹慎な気もしたが、気を紛らわせるのは必要であろうと思い、あえて気軽な口調で話しかけた。
「子の事なら心配ないと思うぞ、領主の血縁者は人質として価値があるから、まず無事に扱われる可能性が高い、私などどうなるか分からんがな」
その言葉を聞いてもアルマの様子はほとんど変わらず、どことなく怯えた様子に変化は見られなかった、自身も子を宿しているユリアーヌスにはその理由がはっきりと分かっていた。
「違うわよ、アルマが恐れているのは私達よ、私の子が無事生まれたら邪魔者として始末されるのではないか?そんな風に思ってるんでしょう?」
ユリアーヌスの発言にアルマは肩をビクっと小動物のように震えながらより一層強く母の手を握る、イゾルデも若干気付いてはいたが『それ言っちゃまずいでしょう!』と心中では思っていた。
「そんな心配いらないんだけどね、まず子供は生まれても成長するまで何があるか分からない、王族でも貴族でも農民でもそれは一緒、生まれたから他はいらないっていって処分していったらそんな家すぐに断絶するわよ」
血なまぐさい話は大量にあるのだけれど、ここではあえて触れないようにしておきながら、彼女は続けた。
「だから楽しい話をしましょう、二人の子供がちゃんと成長できた時に、どうするのがみんな幸せになれる方法なのか?って話をね」
少し落ち着いた様子のアルマを見て、イゾルデが候補案を提示し始める。
「農民に戻し隠し分家としてやっていく、もしくは子のいない騎士家に養子に出す、といったあたりが無難かな?」
その提案を受け、小さな声でアルマが意思表示を行う。
「なるべく目の届くところに置きたいです」
見知らぬ所に養子に出すのにはどうしても抵抗を感じた、人知れず亡き者とされるのではないだろうか?どういう環境で育てられるのだろうか?心配しだすときりがなくなりそうだし、その考えは皆理解できる所だった『まあ農民として隠し分家が妥当だな』と皆が思ったところで、ユリアーヌスが変わった事を言い出した。
「農民として育てると、いざという時に剣術も馬術もできず苦労しそうよね、誰かさんみたいに」
アルマの母以外は皆ある人物を思い浮かべ、不謹慎にもプっと吹き出した。
「だからいっそ、騎士家の者とすればいいんじゃないの?遠方に養子に出さなくても都合のいいのが一人いるわけだし」
これに関しては誰の事を言っているのか分からず、皆を代表してイゾルデが質問した。
「オルトヴィーン伯爵家の者ですか?遠方ではないですが手元とも言い難くアルマの希望に沿うとは言い難いのではないでしょうか?」
クスクスと笑いながら、ユリアーヌスはイゾルデを指さしながら言う。
「あなたよ」
「え?」
完全に虚を突かれ、何を言っているのか分からないといった風情のイゾルデを余所にユリアーヌスは続ける。
「あなたの夫は今回の戦役で華々しく戦死『父は村を救った英雄よ』と教えながらこの屋敷で、乳母のアルマによって育ててもらえばいいんじゃない?」
たしかに理屈は通るし、実の親子の名乗りこそできなくても手元に置いて育てられる、しかしどうしても引っ掛かるものがある、そんな空気を代表してイゾルデが言う。
「私は出産どころかまだ男性経験すら・・・」
「吟遊詩人マリア・イゾルデなかなかいい芸名よね」
顎に手をやり、首を小さく上下させながら、自らのネーミングを自信ありげに言うユリアーヌスに対し猛抗議を開始する。
「教会に目をつけられて、魔女呼ばわりされて火炙りなんて絶対にイヤですよ!」
「大丈夫!検査すれば処女だって分かるから!」
「そういう問題じゃないでしょ!」
顔を真っ赤にして抗議するイゾルデXX歳を尻目に、久々に明るい笑いが洩れた、ただアルマの母だけはこの空気にとまどい唖然とする他なかった。二人きりの時、彼女はマルマに「王族とか貴族って変な人が多いのかねぇ・・・」と語った。
暗闇のなか位置を把握されることを避けるために明かりもない状態で腰を下ろし戦況報告を聞いていた、不意打ちに成功し一晩で陥落したブラゼ村と違い、二重三重に張り巡らされた警戒網に引っ掛かり不意打ちはできず、徹底抗戦の構えを取られただけに戦況は厳しいものとなっていた。
元々不意打ちが成功するとは考えてはいなかったが、実際に徐々に増えていく戦死者の報告を聞くと、たとえそれが想定内の数字であっても焦りが出て来る。
「戦死者は?」
「61名になりました、負傷者も30名を超えています」
少し足が震えるのを実感していた、自分の立てた作戦によってこれだけの味方が命を落としたという事実に今更ながら恐怖を覚えた、暗闇で表情は読み取れずその震えも周りには気付かれていなかったが、一人が声をかける。
「明日で終わるんだろ?」
「ああ」
平静な問い掛けの声に反し、回答には若干の振るえが感じられた。
「気にするな皆納得しての事だ、明日の作戦ではもっと死ぬ、それでも気にするな、皆希望に賭けたんだから」
「ああ」
激励の声はあくまで平静であったが、返答には若干の迷いや震えが感じ取れた。
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「ああ」
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