生まれるはずだった人

ふぁ

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大切な時間

明後日

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先輩と赤ちゃんの場所に向かう時間、他の赤ちゃんが起きてしまうから静かにしないといけないのだけれど、高揚が押さえられなかった

クハクが小さい声で足音がうるさいと言われ、少しイラッとしたが大したことないので別にいいやと思い、流しておいた


足を進めるにつれて赤ちゃんの泣き声が大きくなっていく、


ヨサク「赤ちゃん泣いてますね…」


クハク「この泣き声は俺達の赤ちゃんじゃない。」


ヨサク「…でも、泣きっぱなしって可哀想じゃないですか?」


クハク「俺も…そう思う…でも、ダメなんだ。自分の担当する赤ちゃん以外は触ってはいけない。」


ヨサク「えー」



そんなことを言いながら赤ちゃんが大泣きしている隣の部屋を通ると私達が担当さている赤ちゃんの部屋についた

コンコン
クハク「入るぞ」

ヨサク「元気にしてたー?」

赤ちゃんは私達の声を聞いて駆け寄ってきた

クハクが駆け寄ってくる赤ちゃんを抱っこして頭を撫でた


赤ちゃん「にー」


クハク「?!」

ヨサク「?!」




ヨサク「…今っ、にーっ…て?!」

ヨサクは赤ちゃんを指さして叫んだ

クハク「…おっ落ち着け、お前の聞き間違えだ…きっと」




赤ちゃん「にー?」


クハク「…」

ヨサク「やっぱり、にーって言ってますよ!」


クハク「いや…そんな…はずは…」


すると赤ちゃんはクハクの髪花を掴んで言った
赤ちゃん「にぃー」
 
赤ちゃんは自分の指で口角を上げた 


クハク「……」



ヨサク「…」



クハク「お前、何か変なこと教えただろ?」

ヨサク「えっ?!な…なにもしてませんよ…、せっ先輩が教えたんじゃないんですか?」


目がキョロキョロしているヨサクに赤ちゃんはこう言った








赤ちゃん「げーぼーくぅー!」







ヨサク「へ…」


クハク「…」


ヨサク「先輩ー、赤ちゃんに何教えてんですか」


クハク「…違うっ!こんなことを教えた覚えはない!」

赤ちゃん「…げほくー」



ヨサク「ほーらほら、赤ちゃんが下僕って覚えてますよ?だぁれのせいですかねぇー。そんな汚い言葉教えた人ー」



クハク「黙れ」



赤ちゃん「…うぇぇぇぇん」




ヨサク「もうー、先輩が怖い顔するからー赤ちゃん泣いちゃったじゃないですかー、あっ、吐く先輩、いないいないばぁとかしたらどうですか?」


クハク「殺す」




それから一時間後






ヨサク「赤ちゃんって、喋るんですねー!」

クハク「いや、喋るやつなんか滅多にいないぞ」



ヨサク「へぇー。なんか寂しい」



クハク「?」

ヨサク「だって、あと3日でお別れでしょ?あっ、今日を入れて2日か。あの子は今日、明日、明後日、しか無いんだよ…あと、ここにいる時間が…」

クハク「…寂しくなるな。でも、また新しい子が来る」ヨサク「それでも!」





ヨサク「たった一人のこの子にはもう…会えないんだよ…」



クハク「そんなこと言ったって時は過ぎる。出会いがあれば別れもある。習わなかったのか?」



ヨサク「…」



クハク「こいつはきっと、何処かでまた会える。そんな気がする。だから大丈夫だ。泣くな下僕のくせに」




ヨサク「お母さんに会わせなきゃいけないの、解ってるのに……会わせたくないなぁ…」


クハク「そうか?俺は早くお母さんに会わせたい。」



クハク「そんで、俺達の代わりに地上で逞しく生きてほしい」


ヨサク「…」


かっこいいこといいやがって




クハク「だから、今の時間を大切にしろ。赤ちゃんにより、幸せをあげるんだ…今の…うちに…」



赤ちゃん「にー」



私とクハクは赤ちゃんと遊んで楽しく過ごした


絵本を読みきかせてあげたり、絵を描いたり、ボール、積み木で遊んだり


あっと言う間に時間は過ぎて夕方になった



太陽が沈んだら赤ちゃんを寝かせ
そのあと先輩とトランプをした


ヨサク「くっそぉー!!」


クハク「ふん!どうだ!」

ヨサク「イカサマだぁー!!」

クハク「敬語忘れてるぞアホ下僕」

赤ちゃん「スヤァー」
次の日


クハク「今日は外へ行って、赤ちゃんと最後の散歩、午後は神社にお参り」


ヨサク「…胸が苦しくなるので最後とか止めてくれませんか?」



クハク「命令すんな」


ヨサク「はーい。質問があるんですけどー」 


クハク「ん?」


ヨサク「赤ちゃん大丈夫なんですか?」


私が目にしているのは巨大なシャボン玉のような玉の中に赤ちゃんがハイハイしてクハクの後をついてきている現状


そのまま、赤ちゃんは他の赤ちゃんの方に遊びに行った


それをベンチで座ってみているサポーターと緊張している研修生の隣で私達はうるさくしていた


クハク「さっき、説明したろ、赤ちゃんは外は危ないとされているからこの丸いやつにいれると」



ヨサク「先輩の説明が下手くそすぎてついていけませーん」


クハク「…お前はまだ15でピチピチだろ?そんくらい理解しろ!」


ヨサク「…てことは先輩…もしかしてそうみえておじさ」

クハク「殺されたいのか。把握した」



ヨサク「嘘でーす。ぎゃーっ殴らないでー!」


私がクハクに追いかけられていると、次第に赤ちゃん達も私を追いかけてきた


ヨサク「いやぁぁぁー!!」


とか叫んでいたけれど実はとても楽しかった


こんな時間が続けばいいのになぁと心のなかでは思っていた


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