生まれるはずだった人

ふぁ

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大切な時間

明日

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赤ちゃんの部屋に戻って私がお風呂に入るよーというと赤ちゃんはいやいやと顔を振った

私が思うに赤ちゃんは明日、自分が居なくなることをわかっているのではないか…
そう思っていた

嫌がる赤ちゃんを無理やりお風呂に入れた
赤ちゃんも遊び疲れたのかお風呂の中で寝てしまった


寝てしまった赤ちゃんをベッドに寝かせ
赤ちゃんの頭を撫でながらクハクは言った



クハク「明日、だな」

ヨサクは赤ちゃんのほっぺをツンツンしながら言った
ヨサク「明日…ですねぇ」


ヨサク「…嫌だなぁ…こんな可愛い顔を見るのも明日で…」


クハク「…来年はお前一人で赤ちゃんを育てるんだ…」


ヨサク「へいへい、頑張ります。こんなことが何回も続くと思うと、心が痛むー…」


クハク「…少なくとも、ここにいるサポーターは皆同じ気持ちを持ってる…辛くなったら、誰かに頼ればいい。」


ヨサク「先輩頼っていいですか?」



クハク「はぁ?…めんどくさいからいやだ。他を頼れ」



ヨサク「…えー頼りなーい」

クハク「あ?」

ヨサク「…すみません」



赤ちゃんはすやすやと眠っている。この顔を見るのが最後だと思うとさみしい気持ちでいっぱいになった

同時に地上に降りることのできる赤ちゃんがとても羨ましくてしょうがなかった



ヨサク「…はぁー私もまたお母さんに会いたいなー…………………………ハッ、ウソウソ!今の嘘!」



クハク「…うるせぇ、赤ちゃんが起きるだろ。

もう7時か…そろそろ帰るか」


ヨサク「…はーい…」




ヨサク「また、明日ね…赤ちゃん」



クハク「…行くぞ」



赤ちゃんの部屋をでると今までの出来事を思い出して泣きそうになった


クハクも私を察してくれてなにも言わなかった

この短い時間が大切に思えた








その時、走る音が近づいてきた
その姿は纏長とミンだった


纏長「クハク、何か見なかったか?」


クハク「?」
ヨサク「?」

ミン「たった今本部から鬼が出たとの情報が入りました!」


クハク「は?鬼は明明後日に来るんじゃ無かったのか?」



ヨサク「鬼ってなに?」



纏長「ヨサク、あとで話すからここでミンと一緒に待ってて!」


クハクと纏長はいつもうるさくしてはいけない廊下を走ってどこかに行ってしまった

あの廊下走ってもよかったのか?
まぁいいや


ヨサク「…私がミンって名前つけたの覚えてくれたんだ!嬉しいな」



ミン「私も貴女に会えて嬉しいわ。確かヨサクだったわよね?」


ヨサク「そうだよー!ミンは纏長の研修生?」


ミン「そうなの。」



ヨサク「いいなぁー。いろいろと丁寧に教えてくれそう」


ミン「クハク先輩から教えてもらってないの?」



ヨサク「いやー、先輩の説明下手くそすぎて笑」

ミン「そっかー、困ったことがあったらいつでも相談してね」


ヨサク「頼りになるぅ!では早速、鬼ってなに?」



ミン「唐突ね…。鬼は赤ちゃんの夢を食べる魔物のこと、詳細はよくわかってないんだけれど突然、赤ちゃんのいるこの場所、ベビーハウスに集まってくるの。」


ヨサク「じゃあ、今その怪物と先輩たちは戦ってるのか」


ミン「そういうこと」


ヨサク「ほぇーそんなの授業で習ってなくね?学校ブラックかよー」


ミン「?!ヨっヨサク…」



ヨサク「ん?」


私はミンの見ている方向を見ると気持ち悪い見たことのない魔物が立っていた


ミン「ヨサク逃げて!!」


ヨサク「えっ…でも」


ミン「早く!!」


ミンはそういうと手から鉄を出し始めた
ミンは鉄を操る特技を持っている

何故鉄関係の仕事に就かなかったのか謎だ

その鉄は段々と固まっていってやがて武器のように固まった


ミンはその鉄を魔物におもいっきり叩きつけた

ミン「せい!!」


ゴーンと音がなり
魔物は苦しんだが今度はミンに向かって突進してきた

ミン「きゃああああ」



ミンは倒れて動かなくなった
私はなにも出来なかった



そこに先輩が現れた
クハク「下僕!!!背後!」


唖然とした私も魔物の一撃を食らった













あまり痛くなかった

その瞬間私のからだの反発で魔物は吹き飛んだ






纏長「…魔物を吹き飛ばしたぞ…」


クハク「あのクソ下僕、どんなに傷つけても力を使っていれば怪我しないらしい」


纏長「無敵かー」


魔物は起き上がって私に突進してきた


ヨサク「どうすればいいの?…どうしよう、あっ話し合いでもしませんか…?なんつって、だからお願い!襲わないでー!!」



今度は魔物が当たったとき、少し痛みを感じたがまた跳ね返した


跳ね返したすきにクハクが拳の一撃、弱った魔物を纏長がロープで結んだ


纏長「捕獲完了」


クハク「おい、47355minが反応無しだ」


ヨサク「ミン、しっかりして!!」
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