お茶会は終わらない

NO*NO(ののはな)

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S女の文化祭

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8月のラスト1週間は午前が補修授業で、午後は文化祭の準備。

新学期入ってすぐに校内テストをしてから文化祭が2日間続くけど、S女の文化祭は他校みたいな屋台っぽいのとか派手なステージは無い。

文化発表とバザー、って感じ。
美佐姉の頃もずっとそうだったみたい。
私はその頃は小学校の低学年とかだったから来たこと無かったけど。
お祭りっぽくない文化祭だからお母さんたちも私を連れて行こうとはならなかったのかも。
遠かったからかな?

写真部も展示がある。
美術部とか書道部、華道部も。
茶道部は野点のだてをするし、吹奏楽部と合唱部、演劇部はステージ発表をする。

S女の吹奏楽部は県大会で金賞は取ったけど代表にはなれなかった。
A高校もそうで、県の代表高はa高校だった。
偏差値的には上の下ぐらいで自由な校風のところ。
ここも私の地元に近くて、結構友だちが行っている。
確か、かおるちゃんの友だちの優子さんもa高校だったはず。執事カフェの時の男装姿しか知らないけど、素敵な大人になってるかな?
あ、もしかして成人式にかおるちゃん見に行ったら会えるかも?

バザーはいつもかなり好評で、近所の奥様たちもいっぱい来る。
料理部のお菓子とか手芸部の作品とかも売れ筋だけど、園芸部の花や野菜がバンバン売れる。

運動部の子らは裏方とか売り子のお手伝いとかに駆り出されているけど、もともと文化部と兼部している子も多いし、教室ではクラス展示をしているから全く不参加、無発表って子はいない。

そんな真面目な文化祭だけど、普段は入れないS女の校内に入れる!ということで男子高校生率が高い。
S女には女の先生とおじいちゃん先生しかいないけど、PTAのお父さんたちが巡回してくれるから、そんなに揉め事は起こらないけどね。

私は写真部の展示の受付当番だけで、あとは自由時間!
美希とようちゃんと時間が合わない時は恵とバザーを回ったり、吹奏楽部の演奏を聴いたりした。

体育館も冷房が入っているので快適。
吹奏楽部の発表が終わってしばらくはステージ発表が休憩だったのでそのまま座席で恵と話していたら、私服の男の子たち2人に声を掛けられた。

「君たちS女でしょ?一緒に回らない?」

え…と、恵と顔を見合わせて固まった。

明らかに中学校の時の男子女子ではないノリの声掛けに戸惑ってしまった。
え~、正解が分からない!

「緊張してるの?かわいいね~。怖くないよ、しばらくここで話そうか?」

私と恵を挟むように男の子たちは座った。
人目もあるし適度な距離はあったので怖くはなかったけど、は、は、恥ずかしい~。

「何年生?」

「あ…1年生です」

「運動部っぽいよね。何かやってるの?」

「バレー部」

「今人気だよね~。俺○○選手が好き。豪快に飛ぶのがカッケェな!って」

「あ!私も好きですよ。あんな風に飛べたらいいなって!」

うわ…恵と向こうの人、盛り上がっちゃってる。
バレーかあ…。

「バレーね。君は?」

「えっと、見るのは好きですけど」

「俺も。ね、敬語はいいよ。俺も1年生だし。君は何部?」

あ、そういう意味の君は?だったのか。

「写真部です、あ、写真部、よ?」

「ふっ。かわい…。じゃあ写真見に行こ?君が…あ~、名前聞いてもいい?」

「森宮さち。…あなたは?」

「俺は高山徹。さちちゃんの写真見たいな」

ホントに同い年かな?とてもそうは見えないんだけど…。

「徹くんはどこの学校?」

「ん?a高校に」

「に?」

なんだ?そのニュアンスは。

「ふふ。バレた?」

「え?あ!1年生って、もしかして大学1年生?!a高校いたってこと?!」

「そ。で、1浪してるから今年…」

「えっ?!あれ?じゃあ優子さん、なんだっけ、高原?優子さんは知ってます?」

「え~?優子ちゃんの知り合い?世間って狭いな~」

「正確には知り合いじゃありません。私、優子さんの友だちの従妹なんです」

「友だち?誰だろ?ポンちゃんかな?」

「いえ、笹野かおるです」

「は?!あのクールビューティーの?!」

「……似てないですけどね」

「いや~。似てないけど、俺としてはさちちゃんの方が好みかな」

「気を遣わなくていいですよ」

「いやいや、ホントに。俺、高校ん時も笹野かおるとか宮森レミじゃなくて違う子が好きだったし」

「レミさん知ってるんですか?」

「顔だけね。中学も高校も違ったから。あの2人は有名な美人だったからね」

「レミさんの彼氏は知ってます?」

「いるってのは聞いてたけど、フェイクじゃねえか、って噂だったな。勉強一筋!って感じだったらしいし男の影無かったみたいだし。笹野の方も『好きな人がいる』の一点張りで振りまくってた…あ、ごめん」

「いえ、別に、事実なので」

「あ、そうなんだ。ま、そんなことより写真見に行こうよ」

高山さんは連れの人に一声掛けて、私と一緒に体育館を出た。
恵がパチパチと大きく瞬きしながら見送ってた。
後で質問攻めにされそう…。

でも、この人の隣は…なんだか嫌じゃない。
人懐っこいけど踏み込んでこない、みたいな?

私はちょっとドキドキしながら写真が展示してある視聴覚室へ向かった。






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