夢で逢いましょう

ろくろくろく

文字の大きさ
6 / 36

チンコを揉み揉み

しおりを挟む

タオルを取って来ると遥果は言ったけど、シャワーを浴びた方が早いと思う。
今日のセックスは遥果がイッて無いからだ。
最後までやると必ず中出しをされてしまうのだが、よく聞くセックスの定義では中出しは駄目だって決まり(?)があったから最初の方はこれでいいのかと不安になった。しかし、よく考えたら赤ちゃんが出来たりしないし、元々は排泄の為の器官なんだから悩む必要は無い、歩いても「アレ」が垂れてくる訳じゃ無いからキッチンの方に声を掛けて風呂場に行った。

さっきお風呂に入ったばかりだから簡単にお湯を被っただけでシャワーを済まし、体を拭いている時に、ふと気付いた。
いつもセックスの後に感じる気怠さが無い。
前に遥果を怒らせて(心配を掛けたとも言う)記念すべき初ドライオーガズムを経験した時はとてもじゃ無いけど立てる状態じゃ無かった。

「俺が……疲れてるからって……事?」

飛び上がる程悶えてしまった激しいセックスだったけど短かかったと言えばそうだ。
そして、疲れているのも確かだ。
あり得ない暴利を貪る霊感商法に加担して、冷や汗をかきながらの昼寝と話題の無い接待。
その辺りでもうクタクタだったのにまひろさんからのあり得ないアプローチに慌てた後、肝の凍るあり得ないバトルに挟まれた。

いつもそうだと言えばそうなのだが、遥果は人の事をよく見ている。
必要以上に優しくしてくれる理由は本当に恋人として想ってくれているのか、それとも楽しいおもちゃを大切にしているだけなのか真偽の審議は継続してる。
本日2回目の丁寧なドライヤー。
しかもメロン付き。
そこは気持ちいいから好きだし、大切にされていると思う。

「達也は可愛いね」
それはどうもと、褒めてくれたお礼はするけど、出来れば「可愛い」なんて女子相手に言って欲しい。そして、変な所に気を使うぐらいなら何もしないで寝かせてくれた方が助かると思う。
まあ……そこは遥果だからいい。
そして機嫌が治ったのなら尚いい。

「達也のイキ顔だけで1人エッチが出来るよ」
そこはただの変態。

「今度は達也の1人エッチを見せてもらおうかな」
無理です。

「ところでさ、あの医者に何を言われた?」

………やはり到達点はそこ。
審議は中断だ。

「俺はパーソナル障害なんだって、大人になりたく無い病気にかかっている……って言われた」
「それは足を折った時に運び込まれた病院が勧めた心療内科が言ってた事だろ、あいつが達也に纏わり付く理由じゃ無い」

「何かされたか?」と最後に付け加えた耳元への囁きに、ギクッと体が揺れた。
体が痒いふりで身動ぎして誤魔化したけど、何と言っても遥果の太腿に挟まれているから悟られたと思う。
ソファに座る遥果をそろそろと見上げると、じっとりと湿った視線が襲って来た。

「何をされた?」

「ん?」と念押しして、メロンを刺していたフォークを取り上げられる。
口に持ってきてくれたはいいけど、食べようと思ったらスイッと避けられた。

「何もされてないよ……本当に何も、メロンをくれよ」
「ちゃんと話せばあげるよ」
「ちゃんと話したよ、メロンももういい」
「……今嘘を付いた?」
「嘘じゃ無い、口の周りが痒いからメロンはもういい」
「メロンの話じゃ無いし、それに口が痒くなるならもうメロンは食べちゃ駄目」
「え?駄目って…何で?」

何だかんだでくれると思ってたから、拗ねたフリしていらないと言ってみただけだ。
メロンは好きだった。
瓜科なのだと実感する硬いメロンしか食べた事なかったけど遥果の実家が支給してくれるメロンは格別に美味しいから最近嵌まっている。
「美味しい」を連発したら最近はいつも冷蔵庫に入っているのだ。

「意地悪…するんだ」
「違うよ、痒いって事はかぶれてるか下手したらアレルギーだろ、だからもう食べちゃ駄目、村井にももうメロンは持って来るなって言っとく」

「そんな…オーバーな」

村井さんとは……遥果のご実家で働く事務員さんの名前だけど、呼び捨てにする辺りやはり執事さんと言いたい。しかし雇っているのは遥果じゃ無いのだ。

「持って来るなとか持って来いとか偉そうに遥果が命令するなんてそこからおかしいよ」
「いいんだよ、村井は俺の爺ちゃんと同じなの、達也ん家だって爺さん婆さんに何かおねだりすると喜ぶだろ?それと同じ、誤魔化してないであの医者に何を言われたかを言えよ」
「しつこいな、本当に…何も無い、俺が主治医の説明に納得して無いからって…パーソナル障害の話を詳しくしてくれただけ」

嘘は言ってない。
「俺にしとけよ」って言い寄られたのは置いといて、黄泉への道を見たって事、もう死んでいると思い込んでいるって事は、医者の目から見た場合はやはりパーソナル障害なのだと丁寧に説明してくれた。

ファンタジーまがいの「夢見」に話が逸れたのはその後だ。
パーソナル障害にさえ懐疑的なのに「夢見」がどうとか説明されたらもっと信じられなくなる。
遥果が入院していた病院は特急電車で1時間、更にバスに乗る遠方だったのだから、「遥果の夢の中に入っていった」というまひろ説にはかなりの無理があると思う。

実はその話の後、試しに一緒に寝てみようって事になった。
寝るって言っても診療室のリラクゼーションルームにある足台付きの大きなリクライニングチェアと、その横にあった細長い医療用のベッドだった。
無駄だと思いつつも何故断らなかったのかは、妙にお馴染みになっている「まあまあ」と「いいからいいから」に押し切られたからだ。

軽い薬だから大丈夫と言われ、飲んだ睡眠導入剤はすぐに効いて眠り込んだ結果、夢は見た。

見たけど、夢の中のその場所は寝た部屋そのものだった。
そこにいたのはまひろさん、夢の中で「夢って不思議」なのだという学説をふんふんと聞いていた。
それだけだ、それだけなのに同じ夢だったとか何とか騒ぎ立てたまひろさんに「バイトしないか?」と持ちかけられた。

「いつ?」
「え?何が?」
「その話をするうちのどの辺であいつはちょっかいをかけてきた?」
「ちょっかいって言うか……あんまり真面目に取らない方がいいと思うよ、まひろさんは俺がおろおろするのを見て面白がっていただけだと思うけど?」

「いつ?」
「いつって……まあその日だけど」

実はそれも夢の中での出来事だった。
1年前、あの海の側で初めて会った時の遥果とまるで同じ目付き、同じ仕草で足の先から頭の先まで視線を横断させてから「ふ~ん」と唸ったまひろさんが「俺と付き合わない?」と物凄く軽い調子で言った。

その話が決定的だと。
「初めて見た時から気に入っていたから反応を見る為に言ってみただけなのに、夢の中だとは思ってなかったから自分でも驚いた……」と。
夢が同期したとあんまりにも喜ぶものだから、それこそ前に見た事のある光景を再現しただけだと言えなくなったのだ。

「……そんだけ」
「医者のくせに……くだらない手を使うな、そして達也も悪い」
「うん、全部断ってさっさと帰ってくれば良かったんだけど…つい」
「そうじゃなくて、可愛さと妙な色気を振り撒く達也が悪いって事」
「え?そうなの?」
「そんなとこだよ」
ガバッと抱きついて来た遥果にグリグリと頬摺されて「やめろよ」なんて言ったけど、本当の所は途中で終わってホッとした。
ちょっと秘密にしただけで突飛な行動に出る遥果には言えないけど、この話には続きがあるのだ。

診療所で見た夢は「一緒に寝よう」って所から始まり、眠ったのは椅子じゃなくて、本当はリラクゼーションルームには無いベッドで一緒に寝ていた。
そして一緒に眠る相手は遥果しかいないから、いつものように遥果の手を股に挟んで寝たのだ。
チンコを揉み揉みされながら眠るのは最近の癖だ。遥果の癖なのか自分の癖なのかはもうわからないけど、それが日常だった。
それをまひろさんか遥果かわからなくなった相手にやってしまったのだが、勿論本物のまひろさんからはその話が出なかった。つまりよく似た違う夢である事は間違い無い。

まあこんな風に理由を並べたりしなくても、人の夢に入り込むなんて芸当は出来る訳ない。

「達也」
「ん?……うん、何?」
「もうあいつに会いに行っちゃ駄目だよ?」

「……う…うん…」

一応返事はしたけど……実は後2回だけ「夢を見に行く」約束がある。
やめたいのは山々だけど、これは多額のお金も絡むセンシティブな問題もあるから、やっぱりやめますとは簡単には言えない。
そもそも何で遥果の許可を得たりしなきゃならないのかと言う謎は置いといても、一緒に暮らしているのだからわざわざ機嫌を損ねるような真似はしなくてもいい。
嘘を付いても結局はバレるかもしれないけど、ここは黙っておく。

「わかった…もういかない」
「そうしな、じゃあさ、ご飯食べよ?」
「うん、お腹すいた」

バレたらバレた時だ。
遥果は怒ると言っても怒鳴ったりあからさまに不機嫌になったりはしない、ちょっとした意地悪はあるけど、手を縛るとかチンコを縛るだけ(?)で、実質的な被害は立てなくなったりするぐらいだ。
それに、どうせ動けなかったとしても遥果が甲斐甲斐しく面倒をみてくれる。

ほら、今も立ち上がろうとすると手を引いてくれた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

寮生活のイジメ【社会人版】

ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説 【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】 全四話 毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる

水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。 「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」 過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。 ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。 孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。

処理中です...