法律では裁けない問題を解決します──vol.1 神様と目が合いません

ろくろくろく

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仕事をしよう

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椎名という男。

乗っている車から彷彿するイメージと闇金の元締っぽい発言からヤクザと定義しているが、本当は何者なのかはわからない。

心の中で微笑みのヤクザって副題をつけた。

一体何がしたいのか、その日も夕食に連れ出されて町の中華食堂で腹がパンパンになるまで食わされた。

肝臓が美味しいガチョウみたいに、食べさせて太らせて腎臓を増やそうとしているのかなって疑ってしまう。

ゲップを繰り出す俺を見て満足したのか、椎名は中華屋を出ると事務所には寄らずに「今日は」仲良くするんだよと言い残して帰ってしまった。

食べるって幸せだから裏があってもいいけどね。


残った健二と二人で事務所に帰り、赤城さんから依頼された件について作戦を練ることにした。

健二と言えば……
とんでもなく晴れ渡った脳味噌を持っているらしい。着替えのスエットを出した時、さすがに変な顔をした赤城さんには気付いたようだが、その他の奇行は成功したと思っている。

幸せな人だ。

赤城さんの話を書き取ったノートを見ても困ったり悩んでいる様子もない。
「大体は電話で聞いた通りだな」と言ってノートを置いた。


焦点は2回目の引っ越しだ。
いつ、どこの不動産屋で新たな物件を探したかは赤城さんから聞いている。

そこで「良くやった」とスプーンに乗ったタピオカを差し出してくるのはやめてくれ。1回目は不意打ちだったから口を開けてしまったけど、2回目はもう決して口を開けない。

そしたら自分で食ってるよ。

もちゅもちゅ言いながら健二は続けた。

「ストーカーの弁護士が住んでいる部屋まで行けばどこの不動産屋が管理しているかはすぐわかるよな、まだ1ヶ月も経ってないからこいつがどう言って部屋を借りたかは担当者が覚えていると思う、しかし問題は個人情報を教えてくれるか……だよな」

「そこは不動産屋のパソコンに侵入して情報を盗むとか?」

「凄えな葵……お前出来るのか?」

………違うんですね。

そうだと思ってました。

あくまで肉弾戦で貫く……そういう事らしいが、既にもう詰み掛かっている。

これ以上は机上で話し合っても仕方がないので、取り敢えずは明日になったらストーカーの身辺調査をする事に決め、順番にシャワーを浴びた。

眠る場所は毎日ジャンケンで決めろと椎名が提案した。ソファか床でいいと言いたかったが、もうこの話題には触れて欲しく無い。
素直にジャンケンを飲むと……

こんな時に限って勝ってしまう。
気まずい事この上ない。
神様は俺が嫌いなんじゃ無いかなって時々思うよ。





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