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第8章 僕は隣国王子に恋をする
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ルークからのプロポーズを受けて約1年が経った。
今日は待ちに待った結婚式。
オリヴァー夫妻を説得し、ようやくこの日を迎えることができた。
盛大な式には各国から来賓が集まっており、会場には雪、ノア、テディ、レオナルドの姿もあった。
その一方、結月は控室で準備に取り掛かっていた。
頭にはレース状のベールを被り、フリルのたくさん入ったウエディングドレスを身に纏っていた。
マーメイド型の白いドレスは、女性的で華奢な結月の体にとてもよく似合っており、薄い化粧を施した顔も結月の美しさに磨きをかけていた。
結月が椅子に座っていると、扉を2回叩く音がした。
突然の来訪者に、使用人が慌ててドアを開けに行く。
「……ルーク? 」
準備が整った結月のもとに訪ねてきたのはルークであった。
彼は白が基調の軍服に黒い革のロングブーツを着用していた。
所々に散りばめられた青のワンポイントは、ルークの端正な顔を更に際立たせた。
見慣れないお互いの姿に結月とルークは硬直し、暫し見つめ合った。
先に口を開いたのはルークだった。
「……かわいい、」
ルークは口元を抑えながら感嘆の声を上げた。
ベール越しに見える赤い顔に、ルークの胸が高鳴る。
結月はというと、タキシード姿のルークを直視できず、頬を抑えていた。
「そろそろお時間です」と使用人が呼ぶ。
ルークは照れたように笑うと、結月の前に背を向けて立ち、肘を曲げた。
「花嫁さん、手を」
軽く振り返って戯けたようにエスコートするルーク。
その腕に結月は手を伸ばした。
ふたりはにっこりと笑い合ってチャペルの入り口をくぐっていった。
今日は待ちに待った結婚式。
オリヴァー夫妻を説得し、ようやくこの日を迎えることができた。
盛大な式には各国から来賓が集まっており、会場には雪、ノア、テディ、レオナルドの姿もあった。
その一方、結月は控室で準備に取り掛かっていた。
頭にはレース状のベールを被り、フリルのたくさん入ったウエディングドレスを身に纏っていた。
マーメイド型の白いドレスは、女性的で華奢な結月の体にとてもよく似合っており、薄い化粧を施した顔も結月の美しさに磨きをかけていた。
結月が椅子に座っていると、扉を2回叩く音がした。
突然の来訪者に、使用人が慌ててドアを開けに行く。
「……ルーク? 」
準備が整った結月のもとに訪ねてきたのはルークであった。
彼は白が基調の軍服に黒い革のロングブーツを着用していた。
所々に散りばめられた青のワンポイントは、ルークの端正な顔を更に際立たせた。
見慣れないお互いの姿に結月とルークは硬直し、暫し見つめ合った。
先に口を開いたのはルークだった。
「……かわいい、」
ルークは口元を抑えながら感嘆の声を上げた。
ベール越しに見える赤い顔に、ルークの胸が高鳴る。
結月はというと、タキシード姿のルークを直視できず、頬を抑えていた。
「そろそろお時間です」と使用人が呼ぶ。
ルークは照れたように笑うと、結月の前に背を向けて立ち、肘を曲げた。
「花嫁さん、手を」
軽く振り返って戯けたようにエスコートするルーク。
その腕に結月は手を伸ばした。
ふたりはにっこりと笑い合ってチャペルの入り口をくぐっていった。
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