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十一話
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お母様、私は、もう限界のようでございます。
この両の手は、余りにも血に濡れ過ぎました。
この手は、もう何にも触れることは許されません。
男を殺し、女を殺し、大人を殺し、まだ小さな子供まで、この手に掛けました。
彼らの断末魔が、今も耳に残っております。
彼らの肉が破ける感触が、この手に残っております。
彼らの返り血の生温さが、体を包んでおります。
未だ正気を保てられているのが、信じられません。
大本営は、彼らを鬼畜と呼びますが、私と同じ人間です。
私に彼らを手に掛ける権利など、有る筈もございません。
もう、この手が何人の血で濡れたのかさえ、覚えておりません。
箸を握ることすら、許されない。
彼らはもう食事を摂ることさえ、出来ないのですから。
私に何か物を食べる権利など、有る筈はございません。
お母様、申し訳ございません。
このまま餓死を待つことなく、この命を絶たせて頂きます。
国に戻り、お母様のお顔をもう一度見ること。
そればかりが、私の願いでした。
叶うことは、無いようです。
只一つだけ、私の願いを聞いて頂けるなら、申し上げたい。
来世でも、お母様の子供で在りたい。
この両の手は、余りにも血に濡れ過ぎました。
この手は、もう何にも触れることは許されません。
男を殺し、女を殺し、大人を殺し、まだ小さな子供まで、この手に掛けました。
彼らの断末魔が、今も耳に残っております。
彼らの肉が破ける感触が、この手に残っております。
彼らの返り血の生温さが、体を包んでおります。
未だ正気を保てられているのが、信じられません。
大本営は、彼らを鬼畜と呼びますが、私と同じ人間です。
私に彼らを手に掛ける権利など、有る筈もございません。
もう、この手が何人の血で濡れたのかさえ、覚えておりません。
箸を握ることすら、許されない。
彼らはもう食事を摂ることさえ、出来ないのですから。
私に何か物を食べる権利など、有る筈はございません。
お母様、申し訳ございません。
このまま餓死を待つことなく、この命を絶たせて頂きます。
国に戻り、お母様のお顔をもう一度見ること。
そればかりが、私の願いでした。
叶うことは、無いようです。
只一つだけ、私の願いを聞いて頂けるなら、申し上げたい。
来世でも、お母様の子供で在りたい。
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