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悪役令嬢は悪徳商人を捕まえる
8
「え、独立……?」
不安そうにするメイヴィスに向けて、明るいグリーンの瞳が柔らかく微笑みかける。
「オレが王子に噛みついてやろうと思ったら、ロンとファルまで勇み立ってな」
それからジャレットを見て。
「ジャレット、お前、オレが送った手紙をあいつらにも見せただろう」
「あの二人はずっとヴィンセントが戻ってくるのを待っていたんですよ」
ジャレットは肩を竦めた。「だろうな」とラニーも同意する。
「なぜ…レアードはそれでいいの?」
「いいも何も、これが父と兄たちの総意だ」
メイヴィスは忙しなく瞬きを繰り返し、視線をあちこちに巡らせた。
「あなたは…?ヴィンスはこれだけ商会を大きくしたのに、すべてふいにするの?」
「目的は達成したから、もういいんだ」
―――目的。
王都を出るときもヴィンセントは同じようなことを言った。メイヴィスは訝しげに見上げる。
「もう手に入らないと思っていたものを手に入れることができたから」
ヴィンセントはメイヴィスの手を取り、真っ直ぐ見つめたまま細い指の先に口づけた。
「オレのほしいものは昔からずっと変わらない。メル、あなただけだ」
強い視線にくらりと目眩がする。
「あなたを手に入れられなくても、あなたの欲しいものを満たせるようにと商人になったし、王都にも進出した。けれどどんな僥倖か、オレは諦めていたはずのあなたを手に入れる機会に恵まれた。それで今度こそ、絶対に逃がさないよう閉じ込めてしまおうと思った――の、だが」
そこでヴィンセントはくしゃりと眉を寄せて、困ったように笑った。
「メルはいつでもオレの腕の中でいい子にしていてくれるから」
あからさまに声が甘くて、メイヴィスは少したじろぐ。小さな声で言い返した。
「…当たり前よ。だって夫婦なんだもの…」
「そうだな、メルははじめから夫婦の形を認めてくれた。なのにオレは、それをきちんと理解していなかった。メルがオレのために美しい髪を切ってやっとわかったんだ。…すまない」
掴まれていた手を引かれて、ヴィンセントの胸に引き寄せられる。
「メイヴィスとして共にいることを決意してくれて、ありがとう」
「ヴィ、ヴィンスがわかってくれていれば、それでいいのよ…!」
メイヴィスは逃げるように男の肩に顔を伏せた。堪らない。顔から火が出そうだ。
「あー!熱烈だな」
「言葉が滑らかすぎて、悪徳商人の舌先三寸に聞こえないこともないですけどね」
「やめてやれよ、ジャレット。それはヴィンセントがかわいそうだ」
「わかってますよ。あの男がどれだけ姫様に執着してきたか、近くで見てきましたものね」
ラニーとジャレットの会話が飛び込んできて、メイヴィスは今度こそ、かああっと顔を熱くさせた。
***
夕食をラニーたちと本店の近くのレストランで済ませて、領主の館に戻ってきたメイヴィスは入れ違いで湯を浴びた。
いまはヴィンセントが戻ってくるのを果実水片手に待っている。
「…………」
厚いカーテンの向こうで窓がかたかたと音を立てていた。レアード領は海に面しているため風が強い。
扉が開く音がして、メイヴィスははっと顔を上げる。紺のローブを羽織ったヴィンセントが入ってくる。
「立ったままでどうした?」
メイヴィスの側に立ち、テーブルの上の水差しに手を伸ばす。高い体温に誘われるように逞しい腕に触れた。
「ねえ、やっぱり考え直さない……?」
王家に立ち向かうと力強く告げた声が甦る。
同時に、メイヴィスの脳裏には街の人々やレストランの店主の笑顔が過る。
「レアードは十分栄えているじゃない。わたくしもあなたのそばにいるわ。わざわざ危ない橋を渡らなくたって…」
きっかけは間違いなくメイヴェルだろう。
でも、メイヴェルはもうメイヴィスだ。過ぎたことを無理に蒸し返す必要はないはずなのに。
ヴィンセントの腕が開いて、細い身体を抱き込まれる。顔を寄せて小さな口づけを繰り返された。大型獣が懐くような仕草だった。
「メルは先の内乱を知っているか?」
「王妃教育で、習ったわ…」
「あのときレアードは称号を手放した。そのときからすでに道は決まっていたんだろう」
広い背中に腕を回してぎゅっと抱きつく。
大きな身体だ。華奢なメイヴィスはいつもすっぽりと覆われてしまう。
「……だって、怖い」
「震えている。温めてあげようか」
ぴったりとくっついて離れないこの距離が好きだ。メイヴィスはヴィンセントの頬に指を伸ばして、自らかぷりと食らいついた。
「大丈夫、レアードは強靭だ。失うものは何もない。新しい道を進むだけだ」
抱き上げられ、ベッドに腰を下ろしたヴィンセントの膝の上に乗せられる。
首筋に舌を這わせて、不埒な手がメイヴィスの身体を早急に開いた。とろけた秘所を下から剛直で貫かれる。
「あああっ」
がっしりした肩を両手で掴んで逃げを打つ。
圧倒的なものに満たされて、全身がびりびりする。
「んん……っ」
ゆるく揺すられ、折り曲げるように開いた膝頭が震える。
「メル」
雄茎を飲み込んだ密壺がくちゅと音を立てる。辛いところまで入らないよう、不安定な姿勢でどうにか耐えた。前開きの夜着の間からぷるんと慎ましやかな胸がたゆむ。
「落ちるぞ。もっと近くまでおいで」
「だめっ、だめ、ああっ!」
腰を抱かれて、ぬくと内部を擦り上げられるともうだめだった。ぶるぶると震えて、仰け反った上体が後ろに倒れる。背に回った腕に支えられ、寝具にぽすんと転がされる。
「あ……っ」
あとはなすがまま。
「あぁ、あ、ああ、あ……っ!」
膝裏に手を入れられ、高い位置からにゅくにゅくと出し入れをされる。メイヴィスの潤んだ視界からは自分を征服する男の姿がよく見えた。
熱を孕んだ緑の瞳が妖しく細められる。
「メル」
「ああっ、ああ……!」
なめらかな、けれど、相手の呼吸を意識した手加減された動き。下腹の奥がきゅうと強く収縮して、ヴィンセントの肘の辺りをぎゅっと掴んだ。
「ヴィンス…っ、あ、とけちゃ…っ、も、とけちゃう……!」
「ん、いっぱいとけていいよ」
ヴィンセントの息も弾んでいる。それに気付いてメイヴィスはくらくらした。溺れてしまいそうだ。
「んん、ん、ん―――!!」
びくびくと身を震わせるメイヴィスに続いて、腹の中でヴィンセントの精が弾ける。
「はっ、気持ちいいな……?」
ヴィンセントの肌が熱く汗ばんでいる。
冷たそうに見える男はメイヴィスよりずっと体温が高い。触れた肌からじわりと熱が伝わって、また小さく喘いだ。
ぐったりと目を閉じると、ずるりと雄が抜け出ていくのがわかった。
―――まって、いかないで。
「ヴィンス……」
追いかけようとした指先はぴくりと震えるだけ。身体が重くて、ぼんやりと意識が薄れていく。まだくっついていたい、いっしょにいたいのに。
「…メル、好きだ」
閉じた視界の向こうからとろりと深く甘い声が届いて、メイヴィスはうっとりと口角を上げた。
不安そうにするメイヴィスに向けて、明るいグリーンの瞳が柔らかく微笑みかける。
「オレが王子に噛みついてやろうと思ったら、ロンとファルまで勇み立ってな」
それからジャレットを見て。
「ジャレット、お前、オレが送った手紙をあいつらにも見せただろう」
「あの二人はずっとヴィンセントが戻ってくるのを待っていたんですよ」
ジャレットは肩を竦めた。「だろうな」とラニーも同意する。
「なぜ…レアードはそれでいいの?」
「いいも何も、これが父と兄たちの総意だ」
メイヴィスは忙しなく瞬きを繰り返し、視線をあちこちに巡らせた。
「あなたは…?ヴィンスはこれだけ商会を大きくしたのに、すべてふいにするの?」
「目的は達成したから、もういいんだ」
―――目的。
王都を出るときもヴィンセントは同じようなことを言った。メイヴィスは訝しげに見上げる。
「もう手に入らないと思っていたものを手に入れることができたから」
ヴィンセントはメイヴィスの手を取り、真っ直ぐ見つめたまま細い指の先に口づけた。
「オレのほしいものは昔からずっと変わらない。メル、あなただけだ」
強い視線にくらりと目眩がする。
「あなたを手に入れられなくても、あなたの欲しいものを満たせるようにと商人になったし、王都にも進出した。けれどどんな僥倖か、オレは諦めていたはずのあなたを手に入れる機会に恵まれた。それで今度こそ、絶対に逃がさないよう閉じ込めてしまおうと思った――の、だが」
そこでヴィンセントはくしゃりと眉を寄せて、困ったように笑った。
「メルはいつでもオレの腕の中でいい子にしていてくれるから」
あからさまに声が甘くて、メイヴィスは少したじろぐ。小さな声で言い返した。
「…当たり前よ。だって夫婦なんだもの…」
「そうだな、メルははじめから夫婦の形を認めてくれた。なのにオレは、それをきちんと理解していなかった。メルがオレのために美しい髪を切ってやっとわかったんだ。…すまない」
掴まれていた手を引かれて、ヴィンセントの胸に引き寄せられる。
「メイヴィスとして共にいることを決意してくれて、ありがとう」
「ヴィ、ヴィンスがわかってくれていれば、それでいいのよ…!」
メイヴィスは逃げるように男の肩に顔を伏せた。堪らない。顔から火が出そうだ。
「あー!熱烈だな」
「言葉が滑らかすぎて、悪徳商人の舌先三寸に聞こえないこともないですけどね」
「やめてやれよ、ジャレット。それはヴィンセントがかわいそうだ」
「わかってますよ。あの男がどれだけ姫様に執着してきたか、近くで見てきましたものね」
ラニーとジャレットの会話が飛び込んできて、メイヴィスは今度こそ、かああっと顔を熱くさせた。
***
夕食をラニーたちと本店の近くのレストランで済ませて、領主の館に戻ってきたメイヴィスは入れ違いで湯を浴びた。
いまはヴィンセントが戻ってくるのを果実水片手に待っている。
「…………」
厚いカーテンの向こうで窓がかたかたと音を立てていた。レアード領は海に面しているため風が強い。
扉が開く音がして、メイヴィスははっと顔を上げる。紺のローブを羽織ったヴィンセントが入ってくる。
「立ったままでどうした?」
メイヴィスの側に立ち、テーブルの上の水差しに手を伸ばす。高い体温に誘われるように逞しい腕に触れた。
「ねえ、やっぱり考え直さない……?」
王家に立ち向かうと力強く告げた声が甦る。
同時に、メイヴィスの脳裏には街の人々やレストランの店主の笑顔が過る。
「レアードは十分栄えているじゃない。わたくしもあなたのそばにいるわ。わざわざ危ない橋を渡らなくたって…」
きっかけは間違いなくメイヴェルだろう。
でも、メイヴェルはもうメイヴィスだ。過ぎたことを無理に蒸し返す必要はないはずなのに。
ヴィンセントの腕が開いて、細い身体を抱き込まれる。顔を寄せて小さな口づけを繰り返された。大型獣が懐くような仕草だった。
「メルは先の内乱を知っているか?」
「王妃教育で、習ったわ…」
「あのときレアードは称号を手放した。そのときからすでに道は決まっていたんだろう」
広い背中に腕を回してぎゅっと抱きつく。
大きな身体だ。華奢なメイヴィスはいつもすっぽりと覆われてしまう。
「……だって、怖い」
「震えている。温めてあげようか」
ぴったりとくっついて離れないこの距離が好きだ。メイヴィスはヴィンセントの頬に指を伸ばして、自らかぷりと食らいついた。
「大丈夫、レアードは強靭だ。失うものは何もない。新しい道を進むだけだ」
抱き上げられ、ベッドに腰を下ろしたヴィンセントの膝の上に乗せられる。
首筋に舌を這わせて、不埒な手がメイヴィスの身体を早急に開いた。とろけた秘所を下から剛直で貫かれる。
「あああっ」
がっしりした肩を両手で掴んで逃げを打つ。
圧倒的なものに満たされて、全身がびりびりする。
「んん……っ」
ゆるく揺すられ、折り曲げるように開いた膝頭が震える。
「メル」
雄茎を飲み込んだ密壺がくちゅと音を立てる。辛いところまで入らないよう、不安定な姿勢でどうにか耐えた。前開きの夜着の間からぷるんと慎ましやかな胸がたゆむ。
「落ちるぞ。もっと近くまでおいで」
「だめっ、だめ、ああっ!」
腰を抱かれて、ぬくと内部を擦り上げられるともうだめだった。ぶるぶると震えて、仰け反った上体が後ろに倒れる。背に回った腕に支えられ、寝具にぽすんと転がされる。
「あ……っ」
あとはなすがまま。
「あぁ、あ、ああ、あ……っ!」
膝裏に手を入れられ、高い位置からにゅくにゅくと出し入れをされる。メイヴィスの潤んだ視界からは自分を征服する男の姿がよく見えた。
熱を孕んだ緑の瞳が妖しく細められる。
「メル」
「ああっ、ああ……!」
なめらかな、けれど、相手の呼吸を意識した手加減された動き。下腹の奥がきゅうと強く収縮して、ヴィンセントの肘の辺りをぎゅっと掴んだ。
「ヴィンス…っ、あ、とけちゃ…っ、も、とけちゃう……!」
「ん、いっぱいとけていいよ」
ヴィンセントの息も弾んでいる。それに気付いてメイヴィスはくらくらした。溺れてしまいそうだ。
「んん、ん、ん―――!!」
びくびくと身を震わせるメイヴィスに続いて、腹の中でヴィンセントの精が弾ける。
「はっ、気持ちいいな……?」
ヴィンセントの肌が熱く汗ばんでいる。
冷たそうに見える男はメイヴィスよりずっと体温が高い。触れた肌からじわりと熱が伝わって、また小さく喘いだ。
ぐったりと目を閉じると、ずるりと雄が抜け出ていくのがわかった。
―――まって、いかないで。
「ヴィンス……」
追いかけようとした指先はぴくりと震えるだけ。身体が重くて、ぼんやりと意識が薄れていく。まだくっついていたい、いっしょにいたいのに。
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