11 / 31
11 商人
しおりを挟む
「レイラ、あれはなに?」
お茶会がお開きになった後も、ルチアーノはモンタールド邸に残っていた。その彼が言う。
「あれって?」
「ハンナのことだよ。なにか意図があるよね?」
サンルームでパピヨンの書類を広げていたレイラは、真面目な顔をしたルチアーノをちらと見やる。
…ああ、この婚約者様は。
「さすがね、ルチアーノ様」
レイラが認めると、ルチアーノは「やっぱり」と呟いた。
「わたくしのガーデンパーティーにハンナを誘おうと思っていることは本当よ。レディの流儀に慣れてもらうためにお茶会に呼ぶこともね」
その辺りはトマにも伝えた通りだ。ハンナの経験値になればいい。
でも、とレイラは頬に手を当てる。
「なんか気になるのよね、ハンナのお母様」
レイラはハンナの母親が理解できなかった。
娘のことでだいぶ胸を痛めていたようなのに、どうしてレディに向けての一歩を否定するような反応をするのか。ハンナも貴族の娘なのに。
それにブノワトのことも。
ブノワトを養女に迎えれば、それですべて済むと思っているのだろうか?
眉を寄せるレイラを見て、ルチアーノも「うーん」と難しい顔をする。
その表情にレイラはなんだか毒気を抜かれてしまった。
「え、なに?なんで笑うの?」
「ふふっ、だって、ルチアーノ様がなんだかかわいくって…」
「かわ……!?」
ルチアーノは心外だとばかりに目を見開く。
レイラはくすくすと笑いながら、でも…と彼を見直していた。
さすがルチアーノは、レイラが別のことを考えていることにすぐに気づいた。けれどハンナは違う。彼女はただ素直に、レイラに誘ってもらったことを純粋に喜んでいた。
貴族は笑顔の裏でまったく違うことを考えていることが侭ある。そしてその多くは善良であることが少ない。残念なことに。
ハンナの母親はそんな笑顔に傷つけられてしまったのだろう。
ハンナは大丈夫かしら…とレイラは胸をざわつかせた。
「それで、今年のパーティーなんだけど」
ルチアーノがもじもじと言った、そのとき。
「お嬢様、失礼致します」
こんこんとノックをして、ロイドと黒い商人が顔を出す。
「あら、来ていたの?」
「誰!?」
男を見て、ルチアーノは飛び上がって驚いた。
「あなたは、たしかお嬢様の婚約者殿」
黒い商人はそんなルチアーノを見てうそりと笑う。
「お初にお目にかかります、サルヴァティーニ公爵令息。私は、」
「レアード卿よ。隣国の商人なの。いまはパピヨンのマネージメントを依頼しているわ」
「マネ……?」
ルチアーノが首を捻っている隙に、レイラは「それで今日はどうしたの」と訊ねる。
「お嬢様に報告があるらしいのよ」
ロイドが言って、商人はいくつかの資料をレイラの目の前に広げる。
ロイドと黒い商人を見比べたルチアーノは「レイラのブランドの協力者…。ロイドさんじゃなくて、まさか!?」とかレイラに失礼な疑惑を向けてくるので、横目で睨んで黙らせておいた。まったく。
「財務状況と仕入履歴を照らし合わせていました。売り上げは上々、右肩上がりです。でもここ」
黒い商人は資料の一点を指差す。
「それからここ、去年の同じ時期の数字です」
そしてもう一枚の資料の一点を指で示す。
「仕入れ金額がほぼほぼ同じです」
「同じ時期ならそんなものじゃないか?」
ルチアーノの言葉に頷く商人。
「きっとお二人もそう思って見過ごしてしまったのでしょう。でも」
商人はもう一枚、もう少し詳細に記した書類を取り出す。
「比較してみたところ、仕入れた量は前年の半分程度でした。」
「…あら本当。たしか、お嬢様が新しい素材を試したり、外のお針子に外注したりした時期、だったかしら?」
「そうね。新しい繊維染めを試してると言って、素材の価格が上がったのよね」
ロイドとレイラは顔をあわせて頷き合う。
「それにしても実質前年の倍ですよ、上がりすぎです。レイラパピヨンには優先的に卸すというのが当初の取り決めではなかったんですか?」
「そうよ」
レイラが苦い顔で頷いたのを見て、ルチアーノは問いかける。
「その仕入れ先って…?」
「うちの地方領にある紡績工場よ。…ブノワトの地元の、ね」
***
レアード商会とは先日直接契約を結んだ折に、職人の斡旋や素材の仕入れ以外にも、ブランドのライセンス契約を結んだ。
この世界では商標権なんて認知されていないが、レイラパピヨンの正規品取扱店という証明はかなり貴重だと商人は力強く言った。
そのため店舗以外での販路開拓や隣国への輸出は、彼に任せている。
地方領にある紡績工場の不穏な報告をした後で、商人はぬいぐるみや雑貨類をいまの店舗以外でも販売するのはどうかと提案してきた。
「ドレスは本店のみの扱いとして、他の商品はもっと展開できると思うんです」
「ああ、ライセンスあるものね。じゃあワゴン販売とかどう?テーマパークとかでよくあるじゃない。かわいいわよね。移動できるし、きっと便利よ」
「テーマパーク…?」
「なんでしょうか、それ」
「ワゴン販売!名案です!」
ぼんやりとしたレイラの言葉に首を捻るルチアーノとロイド、前のめりで食らいつく商人の男。
「光り物があるともっとかわいいんだけど…」
「宝石ってこと?レイラ」
「ちがうわよ」
「ありますよ、光り物」
商人の言葉にレイラはぱちくりと目を瞬かせた。
「あ、お嬢様戻ってきたわ」
ロイドの言葉はスルーする。
商人は「ちょうどいまありますよ」と親指の先くらいの白い石を取り出した。
ミルキーな色合いの水晶のような石だった。
「綺光石といって、蓄光性のある石なんです。明るいところで保管しておくと、暗くなったときにじわじわ光り出します」
「なにそれかわいい!」
ワゴンのアクセントにしてもいいわね、光るアクセサリーに加工してもおもしろいかも!
レイラの目がくわっと開く。
「大きければ大きいほど明るく光ります。」
レイラの脳裏に『私』の部屋にあった岩塩ランプが過る。
「庭に並べたらキャンドルパーティーできちゃう…?やだ素敵!」
「もちろん大きくなるにつれて価格は跳ね上がりますが……」
もったいぶる商人に「買った!!」と手を挙げたのはルチアーノだった。
「ええ!?なに言ってるんですか!」
レイラだって侯爵令嬢だし、いくら値が張るといえど買えないことはない。
パピヨンのために買うのならそれは経費だ。
「ルチアーノ様!!」
「ちがうんだ、レイラ。聞いて。今年はぼくもなにか手伝いたいと思っていて、レイラがやりたいことの力になれるなら本望なんだよ」
「ルチアーノ様……!」
レイラはルチアーノの言葉に胸を打たれる。
「お買い求めありがとうございます」
―――では、請求額はまた後日。
無粋な商人の言葉にレイラはきっ!と顔を上げた。
それ、いま言うことじゃないわよね!?
お茶会がお開きになった後も、ルチアーノはモンタールド邸に残っていた。その彼が言う。
「あれって?」
「ハンナのことだよ。なにか意図があるよね?」
サンルームでパピヨンの書類を広げていたレイラは、真面目な顔をしたルチアーノをちらと見やる。
…ああ、この婚約者様は。
「さすがね、ルチアーノ様」
レイラが認めると、ルチアーノは「やっぱり」と呟いた。
「わたくしのガーデンパーティーにハンナを誘おうと思っていることは本当よ。レディの流儀に慣れてもらうためにお茶会に呼ぶこともね」
その辺りはトマにも伝えた通りだ。ハンナの経験値になればいい。
でも、とレイラは頬に手を当てる。
「なんか気になるのよね、ハンナのお母様」
レイラはハンナの母親が理解できなかった。
娘のことでだいぶ胸を痛めていたようなのに、どうしてレディに向けての一歩を否定するような反応をするのか。ハンナも貴族の娘なのに。
それにブノワトのことも。
ブノワトを養女に迎えれば、それですべて済むと思っているのだろうか?
眉を寄せるレイラを見て、ルチアーノも「うーん」と難しい顔をする。
その表情にレイラはなんだか毒気を抜かれてしまった。
「え、なに?なんで笑うの?」
「ふふっ、だって、ルチアーノ様がなんだかかわいくって…」
「かわ……!?」
ルチアーノは心外だとばかりに目を見開く。
レイラはくすくすと笑いながら、でも…と彼を見直していた。
さすがルチアーノは、レイラが別のことを考えていることにすぐに気づいた。けれどハンナは違う。彼女はただ素直に、レイラに誘ってもらったことを純粋に喜んでいた。
貴族は笑顔の裏でまったく違うことを考えていることが侭ある。そしてその多くは善良であることが少ない。残念なことに。
ハンナの母親はそんな笑顔に傷つけられてしまったのだろう。
ハンナは大丈夫かしら…とレイラは胸をざわつかせた。
「それで、今年のパーティーなんだけど」
ルチアーノがもじもじと言った、そのとき。
「お嬢様、失礼致します」
こんこんとノックをして、ロイドと黒い商人が顔を出す。
「あら、来ていたの?」
「誰!?」
男を見て、ルチアーノは飛び上がって驚いた。
「あなたは、たしかお嬢様の婚約者殿」
黒い商人はそんなルチアーノを見てうそりと笑う。
「お初にお目にかかります、サルヴァティーニ公爵令息。私は、」
「レアード卿よ。隣国の商人なの。いまはパピヨンのマネージメントを依頼しているわ」
「マネ……?」
ルチアーノが首を捻っている隙に、レイラは「それで今日はどうしたの」と訊ねる。
「お嬢様に報告があるらしいのよ」
ロイドが言って、商人はいくつかの資料をレイラの目の前に広げる。
ロイドと黒い商人を見比べたルチアーノは「レイラのブランドの協力者…。ロイドさんじゃなくて、まさか!?」とかレイラに失礼な疑惑を向けてくるので、横目で睨んで黙らせておいた。まったく。
「財務状況と仕入履歴を照らし合わせていました。売り上げは上々、右肩上がりです。でもここ」
黒い商人は資料の一点を指差す。
「それからここ、去年の同じ時期の数字です」
そしてもう一枚の資料の一点を指で示す。
「仕入れ金額がほぼほぼ同じです」
「同じ時期ならそんなものじゃないか?」
ルチアーノの言葉に頷く商人。
「きっとお二人もそう思って見過ごしてしまったのでしょう。でも」
商人はもう一枚、もう少し詳細に記した書類を取り出す。
「比較してみたところ、仕入れた量は前年の半分程度でした。」
「…あら本当。たしか、お嬢様が新しい素材を試したり、外のお針子に外注したりした時期、だったかしら?」
「そうね。新しい繊維染めを試してると言って、素材の価格が上がったのよね」
ロイドとレイラは顔をあわせて頷き合う。
「それにしても実質前年の倍ですよ、上がりすぎです。レイラパピヨンには優先的に卸すというのが当初の取り決めではなかったんですか?」
「そうよ」
レイラが苦い顔で頷いたのを見て、ルチアーノは問いかける。
「その仕入れ先って…?」
「うちの地方領にある紡績工場よ。…ブノワトの地元の、ね」
***
レアード商会とは先日直接契約を結んだ折に、職人の斡旋や素材の仕入れ以外にも、ブランドのライセンス契約を結んだ。
この世界では商標権なんて認知されていないが、レイラパピヨンの正規品取扱店という証明はかなり貴重だと商人は力強く言った。
そのため店舗以外での販路開拓や隣国への輸出は、彼に任せている。
地方領にある紡績工場の不穏な報告をした後で、商人はぬいぐるみや雑貨類をいまの店舗以外でも販売するのはどうかと提案してきた。
「ドレスは本店のみの扱いとして、他の商品はもっと展開できると思うんです」
「ああ、ライセンスあるものね。じゃあワゴン販売とかどう?テーマパークとかでよくあるじゃない。かわいいわよね。移動できるし、きっと便利よ」
「テーマパーク…?」
「なんでしょうか、それ」
「ワゴン販売!名案です!」
ぼんやりとしたレイラの言葉に首を捻るルチアーノとロイド、前のめりで食らいつく商人の男。
「光り物があるともっとかわいいんだけど…」
「宝石ってこと?レイラ」
「ちがうわよ」
「ありますよ、光り物」
商人の言葉にレイラはぱちくりと目を瞬かせた。
「あ、お嬢様戻ってきたわ」
ロイドの言葉はスルーする。
商人は「ちょうどいまありますよ」と親指の先くらいの白い石を取り出した。
ミルキーな色合いの水晶のような石だった。
「綺光石といって、蓄光性のある石なんです。明るいところで保管しておくと、暗くなったときにじわじわ光り出します」
「なにそれかわいい!」
ワゴンのアクセントにしてもいいわね、光るアクセサリーに加工してもおもしろいかも!
レイラの目がくわっと開く。
「大きければ大きいほど明るく光ります。」
レイラの脳裏に『私』の部屋にあった岩塩ランプが過る。
「庭に並べたらキャンドルパーティーできちゃう…?やだ素敵!」
「もちろん大きくなるにつれて価格は跳ね上がりますが……」
もったいぶる商人に「買った!!」と手を挙げたのはルチアーノだった。
「ええ!?なに言ってるんですか!」
レイラだって侯爵令嬢だし、いくら値が張るといえど買えないことはない。
パピヨンのために買うのならそれは経費だ。
「ルチアーノ様!!」
「ちがうんだ、レイラ。聞いて。今年はぼくもなにか手伝いたいと思っていて、レイラがやりたいことの力になれるなら本望なんだよ」
「ルチアーノ様……!」
レイラはルチアーノの言葉に胸を打たれる。
「お買い求めありがとうございます」
―――では、請求額はまた後日。
無粋な商人の言葉にレイラはきっ!と顔を上げた。
それ、いま言うことじゃないわよね!?
0
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームのヒロインに転生したのに、ストーリーが始まる前になぜかウチの従者が全部終わらせてたんですが
侑子
恋愛
十歳の時、自分が乙女ゲームのヒロインに転生していたと気づいたアリス。幼なじみで従者のジェイドと準備をしながら、ハッピーエンドを目指してゲームスタートの魔法学園入学までの日々を過ごす。
しかし、いざ入学してみれば、攻略対象たちはなぜか皆他の令嬢たちとラブラブで、アリスの入る隙間はこれっぽっちもない。
「どうして!? 一体どうしてなの~!?」
いつの間にか従者に外堀を埋められ、乙女ゲームが始まらないようにされていたヒロインのお話。
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
目覚めたら魔法の国で、令嬢の中の人でした
エス
恋愛
転生JK×イケメン公爵様の異世界スローラブ
女子高生・高野みつきは、ある日突然、異世界のお嬢様シャルロットになっていた。
過保護すぎる伯爵パパに泣かれ、無愛想なイケメン公爵レオンといきなりお見合いさせられ……あれよあれよとレオンの婚約者に。
公爵家のクセ強ファミリーに囲まれて、能天気王太子リオに振り回されながらも、みつきは少しずつ異世界での居場所を見つけていく。
けれど心の奥では、「本当にシャルロットとして生きていいのか」と悩む日々。そんな彼女の夢に現れた“本物のシャルロット”が、みつきに大切なメッセージを託す──。
これは、異世界でシャルロットとして生きることを託された1人の少女の、葛藤と成長の物語。
イケメン公爵様とのラブも……気づけばちゃんと育ってます(たぶん)
※他サイトに投稿していたものを、改稿しています。
※他サイトにも投稿しています。
転生した子供部屋悪役令嬢は、悠々快適溺愛ライフを満喫したい!
木風
恋愛
婚約者に裏切られ、成金伯爵令嬢の仕掛けに嵌められた私は、あっけなく「悪役令嬢」として婚約を破棄された。
胸に広がるのは、悔しさと戸惑いと、まるで物語の中に迷い込んだような不思議な感覚。
けれど、この身に宿るのは、かつて過労に倒れた29歳の女医の記憶。
勉強も社交も面倒で、ただ静かに部屋に籠もっていたかったのに……
『神に愛された強運チート』という名の不思議な加護が、私を思いもよらぬ未来へと連れ出していく。
子供部屋の安らぎを夢見たはずが、待っていたのは次期国王……王太子殿下のまなざし。
逃れられない運命と、抗いようのない溺愛に、私の物語は静かに色を変えていく。
時に笑い、時に泣き、時に振り回されながらも、私は今日を生きている。
これは、婚約破棄から始まる、転生令嬢のちぐはぐで胸の騒がしい物語。
※本作は「小説家になろう」「アルファポリス」にて同時掲載しております。
表紙イラストは、Wednesday (Xアカウント:@wednesday1029)さんに描いていただきました。
※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。
©︎子供部屋悪役令嬢 / 木風 Wednesday
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
【完結】転生白豚令嬢☆前世を思い出したので、ブラコンではいられません!
白雨 音
恋愛
エリザ=デュランド伯爵令嬢は、学院入学時に転倒し、頭を打った事で前世を思い出し、
《ここ》が嘗て好きだった小説の世界と似ている事に気付いた。
しかも自分は、義兄への恋を拗らせ、ヒロインを貶める為に悪役令嬢に加担した挙句、
義兄と無理心中バッドエンドを迎えるモブ令嬢だった!
バッドエンドを回避する為、義兄への恋心は捨て去る事にし、
前世の推しである悪役令嬢の弟エミリアンに狙いを定めるも、義兄は気に入らない様で…??
異世界転生:恋愛 ※魔法無し
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる