38 / 59
◇◇◇
38
しおりを挟む
ロイドに連れられて向かったのは、モンタールド邸の敷地内にある迎賓館だった。
学園のホールほどではないが、ここにも素晴らしいダンスホールがある。侯爵邸で開かれる晩餐会はいつも盛大なものだ。
「ロイド、どうしてここに…?」
「踊るのよ」
ロイドはレイラの腰に長い腕を回すと、身を翻してステップを踏む。
宮廷画家を父に持つロイドは、デザイナーとしてもクリエイターとしても素晴らしいが、宮廷音楽家を祖父に持つだけあってリズム感も抜群だ。
興に乗って奏でだした鼻歌まで美声でちょっと笑ってしまった。
「さすがねロイド」
「お嬢様も素晴らしいわ」
くるくるとホール中を縦横無尽に動き回る。
ロイドと踊るのは気安い。時々アドリブで拍を変えられて、文句をいいながらも笑ってしまう。
長身のロイドと華やかなレイラは眩しいくらいお似合いだった。ステンドグラスを通して差し込む陽光がきらきらと二人を照らす。
楽しそうなレイラを穏やかに見守っていたマリーだが、だんだんその笑みに切ないものが混ざりはじめる。そこへ――。
「なにしてるんだ?」
ホールの扉ががちゃりと開いて、トマが顔を出した。
「あらトマ」
「トマ様、いいところに!さあこっちに来て」
ちょうどターンを決めたところで、レイラは背を反らして上向いたままトマに笑みを向ける。
「ちょうどもう一人いたらなって思ってたのよ。マリーも踊ろう?」
やって来たトマにレイラを預けて、ロイドはマリーに右手を差し出した。
マリーが小さな手できゅっとその手を握ると、満面の笑みで抱き締める。
「まあ!らぶらぶね」
いちゃいちゃする恋人たちを横目に、トマの肩に手を乗せ、姿勢を整えるレイラ。ふと弟の仏頂面が目に入った。
「なあにトマ」
「その…当たってるんだけど」
「あ」
レイラは自身と弟の間に視線を落とす。
白くやわらかい膨らみがむにゅっと形を変えている。
「気にしないで。踊るにはちょっと邪魔よね」
「いや、そういうことじゃないんだけど…」
レイラも手の平に感じる肩や腕の筋肉に弟の成長を見てとり、にこりと笑う。
トマはしばらく渋い顔をしていたが、すぐに気にしなくなった。ロイドに挑発されて負けず嫌いの虫が顔を出したからだ。
でたらめなリズムで、きゃあきゃあ騒ぎながら踊るのはひどく楽しかった。
レイラとマリーが体力の限界を迎えて離脱すれば、ロイドはトマを女性側として踊り出し、ますます笑い、もちろんトマはとても怒った。
「笑いすぎてお腹が痛いわ!明日は筋肉痛ね」
「私もです、お嬢様」
腹がよじれるほど笑い転げれば、思い悩んでいたこともどうでもいいと思えてくるから不思議だ。
「ロイド」
優先順位を変えるくらいなら問題ないだろう。
レイラはそう考えて、ロイドにあの決定を告げる。
「わたくしたちのお茶会の装いなんだけど、お針子を雇おうかと思っているの」
彼は不思議そうに首を傾けた。さらりと藤色の髪が流れる。
「お針子?べつに私はいままで通りでも大丈夫だけど…」
「いいえ、ロイドにはパピヨンのドレスに専念してもらいたいのよ」
以前から考えていたことだけれど、レイラはお茶会用のコスプレなど、個人的な製作は外部に回すことに決めた。
令嬢たちの言葉にうんざりしたところも大きい。ブランドのものは今まで通りロイドに任せるのだから、父の言葉にも反していないはず。
「お嬢様がそう決めたなら異存ないけれど、そう。わかったわ」
ロイドは了承した。…トマの手を握ったまま。
「ありがとう」
レイラはその後すぐに街の職人を何人か個人的に雇い入れた。どれも腕の良い者ばかり。
これがまた新たな火種のきっかけになるとは、思いもよらず。
***
―――ルチアーノに避けられている。
それも意図的に。
レイラがその事実に気づいたのは、ある困難に直面したときだった。
「いつもすみません、殿下…」
「いいよ、役得だし」
「???」
学園で一番憂鬱なのはダンスの授業だった。
ダンス自体は好きだ。昔からトマやロイドを相手にレッスンをしていたし、なにより練習でも華やかなドレスを着れるのがいい。
けれどダンスだから、もちろん男女ペアで組む。
なのにレイラには決まった相手がいない。
はじめは他の男の子たちからも誘いがあったのに、二回目を誘われることがなかった。
普通ならこんなとき婚約者がパートナーになるんじゃないかしら。だって同級生ですぐ側にいるんだし。
しかしルチアーノの隣ではいつもピンクの髪が揺れていた。彼は毎回ハンナを誘う。
頻度が上がれば、自然と特定のペアが出来上がるのもわかるけど…。
入学パーティーというデビュタントをこなしたばかりのレイラはまだ夜会の経験がない。自身の婚約者と踊ったことは一度もなかった。
困ったレイラが頼るのはもうアドリアンしかいない。
最近ではレイラが声をかけなくても、王子の方から誘ってくれる。それがまたルチアーノに相手にされていないことを示しているようで、余計に気が滅入った。
「レイラはダンスが上手だね、授業なんて必要ないくらいだ」
「単位がとれないと落第ですもの。家で必死に練習しているんですよ」
「なるほど。そのお相手は背が高いのかな」
「え?」
レイラはきょとんとアドリアンを見上げる。
「いつも肩に置く手が無意識に浮くでしょう。見上げる視線も少し高い」
「あ…!」
王子の指摘に驚く。ロイドが相手のときは確かにそうだ。
「あと、他の御令嬢よりすこし近いから、普段気安い相手と踊り慣れてるのかなと」
ああ、それはトマと踊るときの癖だ。だって弟だし。
「役得なんだけどね、すこし問題かな」
アドリアンはレイラの髪に頬を寄せて、耳に吹き込むように囁いた。
「…そんなの、男はみんな嫉妬するよ?」
アドリアンの低い声に、レイラはかっと頬を染める。
ばっ!と反射的に王子から顔を背けたレイラは真っ赤になったまま、目をぐるぐると回した。
―――な、な、なにいまの!?声が…っ、イケボが…!てちがう!はしたないって注意されたのよね!?王子殿下から直々に…!あああ恥ずかしい!もうやだ、帰りたい!…ああそれに。
ちらりと見上げたアドリアンはどこか遠くを見ていた。
―――そんな遠くから睨まれてもねぇ?
彼女に近づく男を牽制する暇があったら、一緒にいてあげればいいのに。
肩を竦めたアドリアンがちらりとレイラを見下ろすと、彼女はしょんぼり気を落としていた。
―――他の男の子たちもそう思ってたから、二度は誘わなかったのね。もう最悪…。
―――えー、なんで落ち込んでるの。かわいすぎじゃない?
男と女ではいつも考えることが違う。
学園のホールほどではないが、ここにも素晴らしいダンスホールがある。侯爵邸で開かれる晩餐会はいつも盛大なものだ。
「ロイド、どうしてここに…?」
「踊るのよ」
ロイドはレイラの腰に長い腕を回すと、身を翻してステップを踏む。
宮廷画家を父に持つロイドは、デザイナーとしてもクリエイターとしても素晴らしいが、宮廷音楽家を祖父に持つだけあってリズム感も抜群だ。
興に乗って奏でだした鼻歌まで美声でちょっと笑ってしまった。
「さすがねロイド」
「お嬢様も素晴らしいわ」
くるくるとホール中を縦横無尽に動き回る。
ロイドと踊るのは気安い。時々アドリブで拍を変えられて、文句をいいながらも笑ってしまう。
長身のロイドと華やかなレイラは眩しいくらいお似合いだった。ステンドグラスを通して差し込む陽光がきらきらと二人を照らす。
楽しそうなレイラを穏やかに見守っていたマリーだが、だんだんその笑みに切ないものが混ざりはじめる。そこへ――。
「なにしてるんだ?」
ホールの扉ががちゃりと開いて、トマが顔を出した。
「あらトマ」
「トマ様、いいところに!さあこっちに来て」
ちょうどターンを決めたところで、レイラは背を反らして上向いたままトマに笑みを向ける。
「ちょうどもう一人いたらなって思ってたのよ。マリーも踊ろう?」
やって来たトマにレイラを預けて、ロイドはマリーに右手を差し出した。
マリーが小さな手できゅっとその手を握ると、満面の笑みで抱き締める。
「まあ!らぶらぶね」
いちゃいちゃする恋人たちを横目に、トマの肩に手を乗せ、姿勢を整えるレイラ。ふと弟の仏頂面が目に入った。
「なあにトマ」
「その…当たってるんだけど」
「あ」
レイラは自身と弟の間に視線を落とす。
白くやわらかい膨らみがむにゅっと形を変えている。
「気にしないで。踊るにはちょっと邪魔よね」
「いや、そういうことじゃないんだけど…」
レイラも手の平に感じる肩や腕の筋肉に弟の成長を見てとり、にこりと笑う。
トマはしばらく渋い顔をしていたが、すぐに気にしなくなった。ロイドに挑発されて負けず嫌いの虫が顔を出したからだ。
でたらめなリズムで、きゃあきゃあ騒ぎながら踊るのはひどく楽しかった。
レイラとマリーが体力の限界を迎えて離脱すれば、ロイドはトマを女性側として踊り出し、ますます笑い、もちろんトマはとても怒った。
「笑いすぎてお腹が痛いわ!明日は筋肉痛ね」
「私もです、お嬢様」
腹がよじれるほど笑い転げれば、思い悩んでいたこともどうでもいいと思えてくるから不思議だ。
「ロイド」
優先順位を変えるくらいなら問題ないだろう。
レイラはそう考えて、ロイドにあの決定を告げる。
「わたくしたちのお茶会の装いなんだけど、お針子を雇おうかと思っているの」
彼は不思議そうに首を傾けた。さらりと藤色の髪が流れる。
「お針子?べつに私はいままで通りでも大丈夫だけど…」
「いいえ、ロイドにはパピヨンのドレスに専念してもらいたいのよ」
以前から考えていたことだけれど、レイラはお茶会用のコスプレなど、個人的な製作は外部に回すことに決めた。
令嬢たちの言葉にうんざりしたところも大きい。ブランドのものは今まで通りロイドに任せるのだから、父の言葉にも反していないはず。
「お嬢様がそう決めたなら異存ないけれど、そう。わかったわ」
ロイドは了承した。…トマの手を握ったまま。
「ありがとう」
レイラはその後すぐに街の職人を何人か個人的に雇い入れた。どれも腕の良い者ばかり。
これがまた新たな火種のきっかけになるとは、思いもよらず。
***
―――ルチアーノに避けられている。
それも意図的に。
レイラがその事実に気づいたのは、ある困難に直面したときだった。
「いつもすみません、殿下…」
「いいよ、役得だし」
「???」
学園で一番憂鬱なのはダンスの授業だった。
ダンス自体は好きだ。昔からトマやロイドを相手にレッスンをしていたし、なにより練習でも華やかなドレスを着れるのがいい。
けれどダンスだから、もちろん男女ペアで組む。
なのにレイラには決まった相手がいない。
はじめは他の男の子たちからも誘いがあったのに、二回目を誘われることがなかった。
普通ならこんなとき婚約者がパートナーになるんじゃないかしら。だって同級生ですぐ側にいるんだし。
しかしルチアーノの隣ではいつもピンクの髪が揺れていた。彼は毎回ハンナを誘う。
頻度が上がれば、自然と特定のペアが出来上がるのもわかるけど…。
入学パーティーというデビュタントをこなしたばかりのレイラはまだ夜会の経験がない。自身の婚約者と踊ったことは一度もなかった。
困ったレイラが頼るのはもうアドリアンしかいない。
最近ではレイラが声をかけなくても、王子の方から誘ってくれる。それがまたルチアーノに相手にされていないことを示しているようで、余計に気が滅入った。
「レイラはダンスが上手だね、授業なんて必要ないくらいだ」
「単位がとれないと落第ですもの。家で必死に練習しているんですよ」
「なるほど。そのお相手は背が高いのかな」
「え?」
レイラはきょとんとアドリアンを見上げる。
「いつも肩に置く手が無意識に浮くでしょう。見上げる視線も少し高い」
「あ…!」
王子の指摘に驚く。ロイドが相手のときは確かにそうだ。
「あと、他の御令嬢よりすこし近いから、普段気安い相手と踊り慣れてるのかなと」
ああ、それはトマと踊るときの癖だ。だって弟だし。
「役得なんだけどね、すこし問題かな」
アドリアンはレイラの髪に頬を寄せて、耳に吹き込むように囁いた。
「…そんなの、男はみんな嫉妬するよ?」
アドリアンの低い声に、レイラはかっと頬を染める。
ばっ!と反射的に王子から顔を背けたレイラは真っ赤になったまま、目をぐるぐると回した。
―――な、な、なにいまの!?声が…っ、イケボが…!てちがう!はしたないって注意されたのよね!?王子殿下から直々に…!あああ恥ずかしい!もうやだ、帰りたい!…ああそれに。
ちらりと見上げたアドリアンはどこか遠くを見ていた。
―――そんな遠くから睨まれてもねぇ?
彼女に近づく男を牽制する暇があったら、一緒にいてあげればいいのに。
肩を竦めたアドリアンがちらりとレイラを見下ろすと、彼女はしょんぼり気を落としていた。
―――他の男の子たちもそう思ってたから、二度は誘わなかったのね。もう最悪…。
―――えー、なんで落ち込んでるの。かわいすぎじゃない?
男と女ではいつも考えることが違う。
2
あなたにおすすめの小説
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
乙女ゲームのヒロインに転生したのに、ストーリーが始まる前になぜかウチの従者が全部終わらせてたんですが
侑子
恋愛
十歳の時、自分が乙女ゲームのヒロインに転生していたと気づいたアリス。幼なじみで従者のジェイドと準備をしながら、ハッピーエンドを目指してゲームスタートの魔法学園入学までの日々を過ごす。
しかし、いざ入学してみれば、攻略対象たちはなぜか皆他の令嬢たちとラブラブで、アリスの入る隙間はこれっぽっちもない。
「どうして!? 一体どうしてなの~!?」
いつの間にか従者に外堀を埋められ、乙女ゲームが始まらないようにされていたヒロインのお話。
異世界召喚されました。親友は第一王子に惚れられて、ぽっちゃりな私は聖女として精霊王とイケメン達に愛される!?〜聖女の座は親友に譲ります〜
あいみ
恋愛
ーーーグランロッド国に召喚されてしまった|心音《ことね》と|友愛《ゆあ》。
イケメン王子カイザーに見初められた友愛は王宮で贅沢三昧。
一方心音は、一人寂しく部屋に閉じ込められる!?
天と地ほどの差の扱い。無下にされ笑われ蔑まれた心音はなんと精霊王シェイドの加護を受けていると判明。
だがしかし。カイザーは美しく可憐な友愛こそが本物の聖女だと言い張る。
心音は聖女の座に興味はなくシェイドの力をフル活用して、異世界で始まるのはぐうたら生活。
ぽっちゃり女子×イケメン多数
悪女×クズ男
物語が今……始まる
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
【完】チェンジリングなヒロインゲーム ~よくある悪役令嬢に転生したお話~
えとう蜜夏
恋愛
私は気がついてしまった……。ここがとある乙女ゲームの世界に似ていて、私がヒロインとライバル的な立場の侯爵令嬢だったことに。その上、ヒロインと取り違えられていたことが判明し、最終的には侯爵家を放逐されて元の家に戻される。但し、ヒロインの家は商業ギルドの元締めで新興であるけど大富豪なので、とりあえず私としては目指せ、放逐エンド! ……貴族より成金うはうはエンドだもんね。
(他サイトにも掲載しております。表示素材は忠藤いずる:三日月アルペジオ様より)
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎
ギルドで働くおっとり回復役リィナは、
自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。
……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!?
「転ばないで」
「可愛いって言うのは僕の役目」
「固定回復役だから。僕の」
優しいのに過保護。
仲間のはずなのに距離が近い。
しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。
鈍感で頑張り屋なリィナと、
策を捨てるほど恋に負けていくカイの、
コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕!
「遅いままでいい――置いていかないから。」
社畜の私は異世界でも社畜精神が残ったままだった
木嶋うめ香
恋愛
貴族学園の小さな部屋で、私は一人書類仕事に追われていた。
今日も寮には帰れそうにない、机の上には大量の未処理の書類。
せめて空腹を紛らわそうと、ビスケットを鞄から取り出し水を汲んでこようとして立ち上がった途端、視界が暗くなり倒れた。
床に倒れた反動で、頭を床にぶつける。
その衝撃で思い出した、私は前世ブラック企業に勤めていた社畜で、二十三連勤サービス残業付きの末、体調を崩し亡くなったアラサー営業職だった。
他サイトでもアップしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる