格闘ゲーマーの異世界転生 チートスキルの封印術~あれ?思ってたのとなんか違う~

tatamiya

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第2章 幼年期

第10話 朝の訓練

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 朝ごはんを食べた俺は父さんと家畜の世話を終わらせ、剣の稽古を始める。

 まずは準備運動からはじまり、子供用の木剣をもって走り込み、そして素振り。子供相手のお遊戯でなく新兵への特訓みたいだ。父さんは子供相手でも手を抜かない。少し休憩したあとは父さんとの模擬戦だ。

「さあ、どこからでも打ち込んでこい。」

 父さんは片手に木剣を持ち半身に構える。それに対し俺は木剣を両手で持ち正眼の構え。高校での剣道を思い出す。

「いくよ!」

 かけ声とともに上段に剣を上げ、父さんの右腕を狙い一気に振り下ろす。
 振り下ろした剣を前進移動だけで弾く。俺は当たるとは思ってなかったのでそのまま父さんの背後側へ動き横凪ぎの一閃を放つ。それに対し軽く振り下ろした剣で俺の一撃を防ぐ。俺は休まず三手、四手と剣を振るうが全て防がれる。

「そろそろこちらからも打ってでるぞ。」

父さんは軽く振り下ろしてるだけなのだが一撃一撃に鋭さが見える。右上、左上からの剣戟を全て剣の腹で受けてはいるがいっぱいいっぱいだ。

「よし、いくぞ、ソードスラッシュだ。」

「わわわ、武技はちょっと待ってよ。」

 俺は慌てて身体の右側へ剣を立て防御体制に入る。
 父さんの木剣が少し光を帯び右側から鋭い横凪ぎの一閃がくる。剣で防いだものの勢いは殺しきれずゴロゴロ吹っ飛ばされる。

 ソードスラッシュ。【剣術Ⅰ】で覚える武技だ。横凪ぎの鋭い一閃で威力に補正が入る。

「ケホッ、ケホッ。父さんひどいよぉ。」
 俺は咳き込みながら父さんに非難を向ける。

「ははは、悪い悪い。イズミの剣筋が日に日に鋭くなっていくのでついつい力が入ってしまった。」

 父さんは笑いながら謝ってくるが全然反省してないな。父さんは優しいのだけれど、いろいろ大雑把だ。元冒険者っぽいとはいえそれを相手する身にもなってほしい。

 こんな結構厳しめな訓練のお陰か、俺にもいろいろスキルが備わってきた。鑑定でいまあるスキルを確認する。

 イズミ=コートウェル  ♂  人族  六歳
 スキル  【剣術Ⅰ】【身体向上Ⅰ】【敏捷Ⅰ】【走力Ⅰ】【魔力操作Ⅱ】【魔力循環Ⅰ】【火魔術Ⅰ】【光魔術Ⅰ】【神眼Ⅹ(秘匿)】
 ユニークスキル  【封印術Ⅰ(秘匿)】
 加護称号  白き女神の加護(秘匿)

 魔術関係のスキルがあるのは、三歳の俺が一人で出来て両親にバレない訓練をしてたお陰だ。どうも俺には火と光に適正があったみたい。まだ本格的に訓練してないので三年やったわりにレベルが低い。封印術に関してはまだ使ったことがない。父さんや母さんに使う訳にもいかずレベル1のままだ。

「今日はここまでにしようか。父さんも仕事に行ってくる。」

 ゴロゴロ転がったせいで俺についた土や草を払いながら訓練の終わりを告げる。父さんは村長なので色々忙しいみたい。今日は行ってないが二、三日に一度は狩りにも出かける。狩りに出掛けた日は訓練も休みだ。
 父さんが仕事に行く前に改めて父さんのスキルを覗いてみる。

 アレックス=コートウェル  ♂  人族  三十三歳
 スキル  【剣術Ⅶ】【大剣術Ⅵ】【軽盾術Ⅴ】【身体向上Ⅴ】【腕力向上Ⅳ】【走力Ⅳ】【索敵Ⅳ】【精神力Ⅳ】【生命力Ⅲ】【敏捷Ⅲ】【耐久力Ⅲ】【魔法剣Ⅱ】【回避Ⅱ】【魔力操作Ⅱ】【光魔術Ⅱ】【魔力消費Ⅰ】
 加護称号  ドラゴンキラー 

 うーむ、いつ見ても凄すぎ。剣術なんてレベル7、剣聖クラスがレベル8ってコトだから世界でもかなり上位になるんじゃないか?他の村人のスキルを覗いた感じ、普通はレベル3、ちょっと強そうな人でレベル5あればいいほうだったしなぁ。
 ま、父さんを目標にして訓練に励みますか。
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