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第2章 幼年期
第14話 チートスキル封印術
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俺は右手を突き出したまま頭をフル回転させる。
封印術、、、たしかに封印出来ればかなりのチートスキルだ。でもどうやって右手で触れる?俺のファイヤーボールを余裕で避ける相手だぞ?つっこむ?ダメだダメだ。俺が使えるもうひとつの光魔法、複数の光の針を飛ばすライトニードルがあるけどファイヤーボールとの差が感じられない、避けられて終わりだ。生活魔法のライトで牽制?したところでどうだ、意味があるとは思えない。
ヤバい、何も思い付かない。何が無敵だ?スキルの多さがなんだ?俺とホーンラビットでは基礎になる身体能力が違う。子供のレベル1と大人のレベル1では大きな差がある、ましてや魔物のレベル1だと更に差は大きい。その差を埋めるにはどうすればいいか?知恵しかないんだろうが、その知恵が浮かばない。
俺の様子を見ていたホーンラビットと目が合う、冷や汗がでる。多分目が泳いでたんだろう、それを見てホーンラビットはまた甲高い咆哮をあげ、武技の準備に入り一本角を俺の中心に向ける。一瞬時が止まったかのように緊張が走るが一気に俺に迫り動き出す。
「うおおぉぉ!ファイヤーボール!」
ヤケ糞だ、一直線に飛んできたホーンラビットに対し魔法を放つ。炎玉がホーンラビットの左目辺りに直撃するが軌道がずれただけで勢いは変わらない。
「ウガァッ!」
左脇腹に角が突き刺さり貫通する。殺られ役みたいな声をあげてしまう、激痛が一気に脳に走り気絶しそうになる。
普段楽観的な俺も流石に死を考えてしまう。武技の衝撃で尻もちをついている俺の脇腹では角が深く刺さりすぎたのかホーンラビットがバタバタしている。
ホーンラビットが動くたび激痛が走るので刺さった角を抜くためホーンラビットの体を持つ。
素早かったコイツを今俺は持っている、そう触れている。ちゃんと考えての行動ではない、今、右手で触れているという事実だけで封印術を意識し力を振り絞り叫ぶ。
「ふぁがぁわらぅ!」
痛みで言葉になっていないけど右手に熱が宿りスキルの発現を感じる。そのまま気合いで角を引っこ抜き力の限り頬り投げる。
転がるホーンラビット、その隙に俺は生まれたての子鹿の様に立ち上り魔法を唱えようとするが角を抜いた痛みで言葉がでない、イメージも固まらない。
起き出したホーンラビットの左目は焼けただれている、残った右目で俺に怒りを向ける。しかしノソノソするだけで何も起こらない。武技が発動しないのか?
ホーンラビット ♂
スキル 【スキル封印中 残9分35秒】
ユニークスキル
加護称号
俺は鑑定結果に安心するがまだ何も解決はしていない。魔法が放てないので攻撃手段がない、俺は倒すことを諦め逃げを選択する。
歩くたびに痛みで顔が歪む。でもここで逃げ切れないと封印が解除されたら確実に殺される。激痛に耐え、来た道を小走りで逃げる。俺はMだ、村まで我慢出来る子だ。
出血と痛みで意識は朦朧としているけど、村への帰り道は合っている。その証拠に来しなに見たスライムがいる、この先真っ直ぐにいけば森を抜けるはずだ。
来しな同様スライムをスルーし先へ急ごうと走ってると、先程とは違いスライムが此方に向かってくる。移動方向がたまたま俺の方だったって訳ではなさそう、明らかに向かってきている。俺の血の臭いが原因か。こんな所で時間を掛けていられない、一本角で刺された直後は放てなかった魔法も今一発程度なら撃てそうな気がする。
「ファイヤーボール。」
右手を前に出し、弱々しながらもハッキリと声をだす。
しかし何も起こらない、なぜだ?ホーンラビットの武技に魔法封じの効果でもあったか、いや神眼で見たときはそんなものなかったはずだ。でも何かの状態異常か?俺は自分のステータスを確認してみる。
イズミ=コートウェル ♂ 人族 六歳 出血中
スキル 【スキル封印中 残6分27秒】【魔力操作Ⅰ】【魔眼Ⅸ(秘匿)】
ユニークスキル 【封印術Ⅰ(秘匿)】
加護称号 白き女神の加護(秘匿)
「はぁ?」
なんだこれ?俺のスキルが一部封印されている。レベル2だった魔力操作がレベル1になっているし、神眼が魔眼になっている。
もしかしてアレか、右手で触れたもの全てって俺自身も含まれるのか。
「阿呆か!何の罠だよ!なにがチートスキルだ!ふざけるな!」
傷口が開くのもお構いなしに叫んでしまう。いま血が減っているのに頭に血が上ってしまいフラッとする。文句は助かってから言おう、スライムを何とかしないと。
スライム
スキル
ユニークスキル
加護称号
スキルなしかよ!こんな雑魚に殺られてたまるか。
いまスキルは封印されているけど鑑定は出来た、ということは封印されていないスキルは有効なはずだ。使えるスキルは魔力操作と封印術か。
スキルなしのスライムに封印術は意味がないし、魔法操作しようにも魔術が封印されている。八方塞がりか。
いや、魔力操作があるので生活魔法は使えるはず。
火の生活魔法『ファイヤー』を指先から発現させありったけの魔力を注ぐ。
火が30センチくらいになりスライムの体を焦がし、生臭い臭いがあたりに立ち込める。
スライムは痛みを感じるのか、熱を感じるのか解らないけれどプルプル震えて俺から離れていく。俺はスライムを確認しながら森を抜けた。
封印術、、、たしかに封印出来ればかなりのチートスキルだ。でもどうやって右手で触れる?俺のファイヤーボールを余裕で避ける相手だぞ?つっこむ?ダメだダメだ。俺が使えるもうひとつの光魔法、複数の光の針を飛ばすライトニードルがあるけどファイヤーボールとの差が感じられない、避けられて終わりだ。生活魔法のライトで牽制?したところでどうだ、意味があるとは思えない。
ヤバい、何も思い付かない。何が無敵だ?スキルの多さがなんだ?俺とホーンラビットでは基礎になる身体能力が違う。子供のレベル1と大人のレベル1では大きな差がある、ましてや魔物のレベル1だと更に差は大きい。その差を埋めるにはどうすればいいか?知恵しかないんだろうが、その知恵が浮かばない。
俺の様子を見ていたホーンラビットと目が合う、冷や汗がでる。多分目が泳いでたんだろう、それを見てホーンラビットはまた甲高い咆哮をあげ、武技の準備に入り一本角を俺の中心に向ける。一瞬時が止まったかのように緊張が走るが一気に俺に迫り動き出す。
「うおおぉぉ!ファイヤーボール!」
ヤケ糞だ、一直線に飛んできたホーンラビットに対し魔法を放つ。炎玉がホーンラビットの左目辺りに直撃するが軌道がずれただけで勢いは変わらない。
「ウガァッ!」
左脇腹に角が突き刺さり貫通する。殺られ役みたいな声をあげてしまう、激痛が一気に脳に走り気絶しそうになる。
普段楽観的な俺も流石に死を考えてしまう。武技の衝撃で尻もちをついている俺の脇腹では角が深く刺さりすぎたのかホーンラビットがバタバタしている。
ホーンラビットが動くたび激痛が走るので刺さった角を抜くためホーンラビットの体を持つ。
素早かったコイツを今俺は持っている、そう触れている。ちゃんと考えての行動ではない、今、右手で触れているという事実だけで封印術を意識し力を振り絞り叫ぶ。
「ふぁがぁわらぅ!」
痛みで言葉になっていないけど右手に熱が宿りスキルの発現を感じる。そのまま気合いで角を引っこ抜き力の限り頬り投げる。
転がるホーンラビット、その隙に俺は生まれたての子鹿の様に立ち上り魔法を唱えようとするが角を抜いた痛みで言葉がでない、イメージも固まらない。
起き出したホーンラビットの左目は焼けただれている、残った右目で俺に怒りを向ける。しかしノソノソするだけで何も起こらない。武技が発動しないのか?
ホーンラビット ♂
スキル 【スキル封印中 残9分35秒】
ユニークスキル
加護称号
俺は鑑定結果に安心するがまだ何も解決はしていない。魔法が放てないので攻撃手段がない、俺は倒すことを諦め逃げを選択する。
歩くたびに痛みで顔が歪む。でもここで逃げ切れないと封印が解除されたら確実に殺される。激痛に耐え、来た道を小走りで逃げる。俺はMだ、村まで我慢出来る子だ。
出血と痛みで意識は朦朧としているけど、村への帰り道は合っている。その証拠に来しなに見たスライムがいる、この先真っ直ぐにいけば森を抜けるはずだ。
来しな同様スライムをスルーし先へ急ごうと走ってると、先程とは違いスライムが此方に向かってくる。移動方向がたまたま俺の方だったって訳ではなさそう、明らかに向かってきている。俺の血の臭いが原因か。こんな所で時間を掛けていられない、一本角で刺された直後は放てなかった魔法も今一発程度なら撃てそうな気がする。
「ファイヤーボール。」
右手を前に出し、弱々しながらもハッキリと声をだす。
しかし何も起こらない、なぜだ?ホーンラビットの武技に魔法封じの効果でもあったか、いや神眼で見たときはそんなものなかったはずだ。でも何かの状態異常か?俺は自分のステータスを確認してみる。
イズミ=コートウェル ♂ 人族 六歳 出血中
スキル 【スキル封印中 残6分27秒】【魔力操作Ⅰ】【魔眼Ⅸ(秘匿)】
ユニークスキル 【封印術Ⅰ(秘匿)】
加護称号 白き女神の加護(秘匿)
「はぁ?」
なんだこれ?俺のスキルが一部封印されている。レベル2だった魔力操作がレベル1になっているし、神眼が魔眼になっている。
もしかしてアレか、右手で触れたもの全てって俺自身も含まれるのか。
「阿呆か!何の罠だよ!なにがチートスキルだ!ふざけるな!」
傷口が開くのもお構いなしに叫んでしまう。いま血が減っているのに頭に血が上ってしまいフラッとする。文句は助かってから言おう、スライムを何とかしないと。
スライム
スキル
ユニークスキル
加護称号
スキルなしかよ!こんな雑魚に殺られてたまるか。
いまスキルは封印されているけど鑑定は出来た、ということは封印されていないスキルは有効なはずだ。使えるスキルは魔力操作と封印術か。
スキルなしのスライムに封印術は意味がないし、魔法操作しようにも魔術が封印されている。八方塞がりか。
いや、魔力操作があるので生活魔法は使えるはず。
火の生活魔法『ファイヤー』を指先から発現させありったけの魔力を注ぐ。
火が30センチくらいになりスライムの体を焦がし、生臭い臭いがあたりに立ち込める。
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