格闘ゲーマーの異世界転生 チートスキルの封印術~あれ?思ってたのとなんか違う~

tatamiya

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第2章 幼年期

第17話 閑話 炎の巨人②

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「うぅん?お腹の子供ぉ?」
 シスター妊娠してるのぉ? 
 
俺はシスターと父さんを交互に見てしまう。父さんはポリポリ頬を掻いている。

 泣いて謝っているシスター、それを見た母さんが腕を静かに降ろす。

「エステル、村を出ていく必要はないわ。もちろん赤ちゃんもしっかり産んでもらいます。イズミとお腹の子供に兄弟が出来るのは本当に喜ばしいと思っています。皆でしっかり子供を育てていきましょう。」

「ケイト!じゃあ、ゆるして、、、」
「あなたは黙ってなさい!」

 父さんに一条の光が差したと思ったらすぐにモゲた。

「エステルはいい子ですし、家族が増えるのは良いことです、あなたは小さいながらも一領主なので側室を持つのも当たり前だと思います。」

 この世界だと領主は側室オッケーなんだ。

「え?いいの?だったら、、うわっ!ちっちっちっ。」
 父さんがなにか言い終わる前に炎の矢がまた足元に。

 あ、ダメだって父さん、いま口挟んじゃ。

「なぜ黙ってたのです!バレなければいいのですか?なぜちゃんとエステルの想いに報いてあげないのです?」

 母さんの言葉にシスターが驚いている。

「もし黙ったまま赤ちゃんが産まれていたら、ちゃんと祝福されない子供になっていたかもしれない。エステルだってこの村から出て幸せになれなかったかもしれない。あなたは男としてどう責任を取るの?村を捨ててエステルを取るの?それともエステルを捨てるの?エステルは遊びなのです?」

 父さんはなにも言えず俯いている。

「今回のあなたは、私達もエステルも両方不幸にしたかもしれない。ちゃんと順序を得て、誠意を持って対応していたらこんなに怒ってはいません。イフリートではなくサラマンダー辺りで許しています。」

 あ、お灸は絶対に据えるのね。

「すまん、ケイト、それにエステル。俺は二人とも愛している。俺が間違っていた。」

 父さんが心から謝罪している。

「わかればいいのです。でも、お仕置きは必要です。」

「え?」

 母さん以外、三人の声がハモる。炎の矢が一斉に父さんへと降り注ぐ。

「えぇぇぇぇ!ちょっとお母さん!ダメだってお父さん死んじゃうってー!」

 燃え盛る炎のなか、父さんが精一杯、ありったけの魔力で障壁を張るのが見えた。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 大火傷を負った父さんはシスターに治療してもらい一命をとりとめた。母さんはちゃんと加減をしてたみたい。いや、俺からみたら全然アウトだけど。

 母さんが出してたイフリートなんだけど、生活魔法の応用なんだって。イフリートを召喚したわけではなく魔力でイフリートを型どった、いわば操り人形みたいな物らしい。村の元冒険者に聞いたら、こんなことができるのは炎精霊の加護を受けた『煉獄の魔女ケイト』だけだって。なんだよその二つ名、怖いよ。

 母さんの許しを得た父さんとシスターはちゃんと村人に説明し、結婚を祝福された。

 一年後、金色の髪をした女の子と、薄い紫髪をした男の子が家族になった。
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