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第5章 ギルド
第30話 宿屋
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スリを捕まえ、俺は少し、セキアは結構なお仕置きをして衛兵に突き出し、お金も戻ってきた。
時刻は夕方、もうギルドへ行くのは明日でいいか。
「セキアも田舎からこの街に来たばかりなんだよね?」
「そやで」
「ギルド登録まだだよね?ギルドは明日にして今日は宿屋を探そうか」
「そやな、もう遅いし、お腹も空いたしそうしよか」
俺達は宿屋を探すために西部ギルド街へ向かう。奴隷商館からすぐ道路向こうの色街に凄く後ろ髪引かれたけど、そんな素振りは一切見せず通りすぎる。
宿屋が何軒か並ぶ一角に来た。一階が酒場兼食堂になっている所を選ぶ。
宿屋アパ、外見も綺麗で中を除くと酒場も賑わいをみせておりいい感じだ。受付に行くと凄く大きな帽子を被ったオバサンがいた。
「なんだいあんた達、泊まり客かい?」
「あ、はい、そうです。二人なのですが部屋空いてますか?あと、雰囲気のいい酒場ですが何時までやってます?」
「お、にいさんはなかなか見る目がありそうだね。酒場は深夜2時くらいまでやってるよ。部屋は空いてるけど、どうするんだい?」
「ん?部屋はどうする、ですか?」
「そうだよ、シングル二つにするか、ダブルにするか、ツインにするか。隣のお嬢ちゃんは、、奴隷かい。じゃ、ダブルでいいかい?」
あわわ、そうか。今日からセキアと二人で生活するのか。男女だとそんな所も気にしないと駄目だな。
隣にいるセキアを見ると頬を赤らめて俯いてなにか呟いている。「うち覚悟できてる、、女は度胸や、、、天井のシミ数えてる間に終わる、、」
いやいや、俺なんもしないからね、セキアに変なことさせないために身請けしたからね。
「すみません、女将さん!シングル二つで!」
「そうかい、毎度。これが301号と302号の部屋の鍵。あとウチの宿は大浴場が名物だから、部屋に荷物を置いたら入ったらいいよ!」
「わかりました、そうします。行こうかセキア」
「あ、、う、うん」
三階に上がり部屋の前につく。301号は角部屋なのでそちらをセキアに譲る。
「じゃ、部屋に荷物置いて、お風呂行こうか。で、お風呂上がったら酒場に集合な」
「了解やで、久々のお風呂やからちょっと長いかもやけど、待っててや」
「ほい、飲み物だけ頼んで待ってるよ」
俺とセキアは各々部屋に入り、別々に大浴場へ向かった。
大浴場は女将さんが名物と言うだけあって結構広く、壁には何故か富士山っぽい絵が書かれていた。まるで日本の銭湯だな、異世界でもこういう感性は同じなのかな。
隣の女湯からは「はぁ、生き返るぅ~」「極楽極楽、、、」とセキアのオッサンくさい声が聞こえる。あの子声がデカイので丸聞こえだわ。
声が聞こえるのでなるべく出るタイミングを併せようとしたけど、セキアはまだまだ入ってるみたい。俺は少し逆上せたので先に出ることにする。
「セキアー、俺先に出てるねー」
「うち、もうちょい入ってるからお酒でも飲んで待っててやー」
この宿屋の更に良い所は、部屋着用に浴衣が置いてあり、今まで着ていた服も夜中の間に洗濯をしてくれるサービスをしている。受付で宿泊の値段を聞いたときはちょっと高いな、と思ったけど、これはこれで納得の値段だった。
酒場に着き、端っこの二人席が空いていたので座るとウェイトレスさんが注文を聞きに来てくれる。
流石都会の酒場、色々な種類のお酒がある。エールや鬼殺しって名前のよくわからないキツそうなお酒等々、俺みたいな若者でも飲める果実酒まで。
注文した果実酒が大ジョッキでくると、俺はお風呂で汗として出た水分を補充するかの如く、一気に飲み干す。
「くはぁ、マズイ!もう一杯!」
いや、全然不味くないよ、すんごく美味しい。
俺はすぐさま二杯目を注文。果実酒がくる間暇なので周りを見渡してみる。
酒場にはカウンターが5席、四人がけのテーブルが4つ、二人がけのテーブルが3つあり、その内、俺とセキア含めて20席ほど埋っている。これは結構な繁盛具合ではないかな。悪役商会みたいな人から若いカップルまで皆が他の席を気にせずワイワイ楽しんでいる。
二杯目の果実酒が届いてすぐセキアが大浴場から出てきた。
大浴場から出てきたセキアも浴衣を着ているのだけれど、健康的だった昼間とは違いなんだかしっとりとして凄く色っぽい。浴衣の前あわせは首下で閉じられてるけれど、大きな胸が前へ上へと生地を押し上げているせいで、普通膝まである裾から少し太ももが見え隠れして、少しドキッとしてしまう。
「セキア!こっちこっち!」
「イズミ、お待たせ。それ何飲んでるん?」
「果実酒だよ、キンキンに冷えて美味しいよ」
「じゃ、うちもそれにしよっ。おねーさーん、これと同じやつもう一杯!」
セキアがテーブルに着くとすぐ果実酒が来た。
「では、今日は色々あったけど、とりあえず乾杯しようか」
「そやね、色々あったけど、、、乾杯!」
「乾杯!」
俺とセキアは二人ともグビグビッと一気に果実酒を飲み干す。
「かぁ~お風呂上がりに効くなぁ、おねーさん、同じやつ二つ!」
「一気に飲んでるけど、セキアはお酒強いの?」
「いや、そこまで強くはないで。こっからはチビチビ飲むで」
ウェイトレスさんが直ぐに新しい果実酒を持って来てくれる。お酒に合いそうな料理をいくつか注文する。
「セキア、これから改めて宜しく」
「こちらこそよろしくやで、イズミ」
二人はジョッキを鳴らし改めて乾杯する。
時刻は夕方、もうギルドへ行くのは明日でいいか。
「セキアも田舎からこの街に来たばかりなんだよね?」
「そやで」
「ギルド登録まだだよね?ギルドは明日にして今日は宿屋を探そうか」
「そやな、もう遅いし、お腹も空いたしそうしよか」
俺達は宿屋を探すために西部ギルド街へ向かう。奴隷商館からすぐ道路向こうの色街に凄く後ろ髪引かれたけど、そんな素振りは一切見せず通りすぎる。
宿屋が何軒か並ぶ一角に来た。一階が酒場兼食堂になっている所を選ぶ。
宿屋アパ、外見も綺麗で中を除くと酒場も賑わいをみせておりいい感じだ。受付に行くと凄く大きな帽子を被ったオバサンがいた。
「なんだいあんた達、泊まり客かい?」
「あ、はい、そうです。二人なのですが部屋空いてますか?あと、雰囲気のいい酒場ですが何時までやってます?」
「お、にいさんはなかなか見る目がありそうだね。酒場は深夜2時くらいまでやってるよ。部屋は空いてるけど、どうするんだい?」
「ん?部屋はどうする、ですか?」
「そうだよ、シングル二つにするか、ダブルにするか、ツインにするか。隣のお嬢ちゃんは、、奴隷かい。じゃ、ダブルでいいかい?」
あわわ、そうか。今日からセキアと二人で生活するのか。男女だとそんな所も気にしないと駄目だな。
隣にいるセキアを見ると頬を赤らめて俯いてなにか呟いている。「うち覚悟できてる、、女は度胸や、、、天井のシミ数えてる間に終わる、、」
いやいや、俺なんもしないからね、セキアに変なことさせないために身請けしたからね。
「すみません、女将さん!シングル二つで!」
「そうかい、毎度。これが301号と302号の部屋の鍵。あとウチの宿は大浴場が名物だから、部屋に荷物を置いたら入ったらいいよ!」
「わかりました、そうします。行こうかセキア」
「あ、、う、うん」
三階に上がり部屋の前につく。301号は角部屋なのでそちらをセキアに譲る。
「じゃ、部屋に荷物置いて、お風呂行こうか。で、お風呂上がったら酒場に集合な」
「了解やで、久々のお風呂やからちょっと長いかもやけど、待っててや」
「ほい、飲み物だけ頼んで待ってるよ」
俺とセキアは各々部屋に入り、別々に大浴場へ向かった。
大浴場は女将さんが名物と言うだけあって結構広く、壁には何故か富士山っぽい絵が書かれていた。まるで日本の銭湯だな、異世界でもこういう感性は同じなのかな。
隣の女湯からは「はぁ、生き返るぅ~」「極楽極楽、、、」とセキアのオッサンくさい声が聞こえる。あの子声がデカイので丸聞こえだわ。
声が聞こえるのでなるべく出るタイミングを併せようとしたけど、セキアはまだまだ入ってるみたい。俺は少し逆上せたので先に出ることにする。
「セキアー、俺先に出てるねー」
「うち、もうちょい入ってるからお酒でも飲んで待っててやー」
この宿屋の更に良い所は、部屋着用に浴衣が置いてあり、今まで着ていた服も夜中の間に洗濯をしてくれるサービスをしている。受付で宿泊の値段を聞いたときはちょっと高いな、と思ったけど、これはこれで納得の値段だった。
酒場に着き、端っこの二人席が空いていたので座るとウェイトレスさんが注文を聞きに来てくれる。
流石都会の酒場、色々な種類のお酒がある。エールや鬼殺しって名前のよくわからないキツそうなお酒等々、俺みたいな若者でも飲める果実酒まで。
注文した果実酒が大ジョッキでくると、俺はお風呂で汗として出た水分を補充するかの如く、一気に飲み干す。
「くはぁ、マズイ!もう一杯!」
いや、全然不味くないよ、すんごく美味しい。
俺はすぐさま二杯目を注文。果実酒がくる間暇なので周りを見渡してみる。
酒場にはカウンターが5席、四人がけのテーブルが4つ、二人がけのテーブルが3つあり、その内、俺とセキア含めて20席ほど埋っている。これは結構な繁盛具合ではないかな。悪役商会みたいな人から若いカップルまで皆が他の席を気にせずワイワイ楽しんでいる。
二杯目の果実酒が届いてすぐセキアが大浴場から出てきた。
大浴場から出てきたセキアも浴衣を着ているのだけれど、健康的だった昼間とは違いなんだかしっとりとして凄く色っぽい。浴衣の前あわせは首下で閉じられてるけれど、大きな胸が前へ上へと生地を押し上げているせいで、普通膝まである裾から少し太ももが見え隠れして、少しドキッとしてしまう。
「セキア!こっちこっち!」
「イズミ、お待たせ。それ何飲んでるん?」
「果実酒だよ、キンキンに冷えて美味しいよ」
「じゃ、うちもそれにしよっ。おねーさーん、これと同じやつもう一杯!」
セキアがテーブルに着くとすぐ果実酒が来た。
「では、今日は色々あったけど、とりあえず乾杯しようか」
「そやね、色々あったけど、、、乾杯!」
「乾杯!」
俺とセキアは二人ともグビグビッと一気に果実酒を飲み干す。
「かぁ~お風呂上がりに効くなぁ、おねーさん、同じやつ二つ!」
「一気に飲んでるけど、セキアはお酒強いの?」
「いや、そこまで強くはないで。こっからはチビチビ飲むで」
ウェイトレスさんが直ぐに新しい果実酒を持って来てくれる。お酒に合いそうな料理をいくつか注文する。
「セキア、これから改めて宜しく」
「こちらこそよろしくやで、イズミ」
二人はジョッキを鳴らし改めて乾杯する。
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