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第6章 ゴブリン討伐
第45話 帰還
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「封印術!」
俺の右手が光ると、セキアの身体から赤いオーラが消え姿が元に戻っていく。
「があぁぁ、、あぁ、、、ウチは、、、」
「セキア、元に戻った?俺がわかる?」
「イズミ、、うちは暴走しとったんか、、そや!あのおっきいゴブリンは?」
「あぁ、あれはセキアが倒したよ」
「よかったぁ」
はぁ、と、セキアはため息をつき安心した表情をみせる。
「暴走止めてくれてありがとうな、、、でもイズミ、、」
先程とは変わって険しい目で俺を睨む。
「自分だけ残ってうちを逃がそうとしたけど、うちがそんなん喜ばへんのわかるやろ!」
声を荒げて怒り、そして俺へとビンタをしようとすると、首輪の強制力によって痛みと共に手を止められてしまう。
「イタッ!」
「あ、ちょっと待って」
俺はセキアの首輪へと右手を当て、封印術を発動させた。
「これで大丈夫、ゴメンね、セキア。セキアが絶対に一人で逃げるのを嫌がるのはわかってたけど、セキアには死んで欲しくはなかった、でも、首輪の力を使ったのは俺が悪かったと思う、気のすむまで叩いていいよ」
「ええ度胸や」
セキアは右手を大きくあげ、俺の頬をキツくパチンとはたいた。でも、スキルが封印されているので弱々しくそこまで痛くはなかった。でも、頬は痛くはないが心には響いた。俺が逆の立場でも一人で逃げるのなんて絶対に嫌だったと思う。ホント、俺のエゴだったな。
「、、ッン!!」
ビンタに放心している俺の両頬に手を当てるセキア、そのまま顔を近付け口を重ねてくる、口唇を舌でこじ開け俺の舌を絡めとる。俺は驚きで目を見開き唖然としていたけど、すぐセキアへと答えるべく、目を瞑り俺からも舌を絡める。
ピチャピチャッと唾液が交わる音が耳に響く、俺は右腕をセキアの背中へとまわし、より深くより密にとセキアの口内を貪る。
どのくらいそうしていたのだろうか。至福な時間もセキアが離れることによって終わりを告げる。俺は余韻を残した口唇を少し開けたままセキアを見る。
「イズミ、、生きてて良かった。男の意地とか色々あるやろうけど、二度とせんといてな。でも、気持ちは嬉しいよ、ありがとうな」
「いや、結局はセキアの力でゴブリンジェネラルを倒したし、セキアのお陰で死なずにすんだよ、こちらこそありがとう。そして二度と首輪の力を使わない。でも、もし二人とも死にそうな事があったらセキアには逃げて欲しいかなぁ」
「意地っ張りやな、イズミは。でもうちも意地っ張りやで」
そう言うとニカッと笑うセキア。絶対にセキアは逃げないだろうなぁ、もう二度と死にそうにならない様にしないとなぁ。
「さ、セキア、流石に村に戻ろうか」
「そやね、メッチャ疲れたしなぁ、でも、コレどうする?」
コレと指さしたのはおびただしい量のゴブリンの死骸だ。
「あー、、とりあえずゴブリンは魔石を抜いて、ブラッドベアーは血抜きをして持って帰ろうか。俺はゴブリンやるからセキアはブラッドベアーを処理してもらえるかな」
「了解や、イズミは左手動けへんみたいやけど大丈夫?」
「魔石抜くくらいなら出来るよ、あと少しで封印解けるから、それから始めようか」
俺は普通のゴブリン48体の小石程の魔石とゴブ将軍の拳大の黒く濁った魔石を抜き出す。
血熊の処理が終わったセキアにそのまま血熊を運んでもらい、俺達はオークス村への帰路へとついた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
オークス村の入り口へと近づくと、オークス村の村長さんがわざわざ出迎えてくれた。昨日までは出迎えなんてなかったのに何の心変わりだろうか?
「おぉ、冒険者さん方!御無事でしたか!」
「ん?只今戻りましたが、、何かあったのですか?」
「いえ、村では何もないのですが、森の方で大きな地鳴りがあったのでお二人は大丈夫かと心配していました」
あぁ、鬼神セキアの必殺技の衝撃かな、森割れてたもんなぁ。
「あー、、、すみません、あれ俺達です、ゴブリンの上位種と戦闘になり、倒すのにちょっと大技を出しちゃいました」
「ゴブリンの上位種ですか、、、それより、そちらに運んでるのはブラッドベアですか!流石ギルド期待のお二人ですね!」
うぅん?ゴブリンの上位種の話しは軽く流すのね?
「いえいえ、ギルド期待とかないですよ、、こちらの血熊は夕食にでも使ってください。あと、村にハイヒール使える方はいませんか?左腕の骨が折れてまして」
「お二人でも血熊相手では無傷と言うわけにはいきませんでしたか、、すみません、生憎村にはハイヒールを使える者がおりません。ヒールと薬草、添え木で応急手当をいたしましょう」
「あ、お手数ですがよろしくお願いします。それより、ゴブリンの上位種が出たのですが気にはならないのです?」
俺はあえてもう一度ゴブ将軍の話を振ってみた。
「ゴブリンの上位種ですか?もう討伐されたのですよね?ゴブリンの上位種、、ホブゴブリンかゴブリンキングですよね?何年か周期で発生しますが村の者数名で問題なく討伐していますよ」
ホブゴブリン?ゴブリンキング?いやいや、ゴブリンジェネラルなんだけど?ゴブリンジェネラルと言いたいけど俺が鑑定持ちだとギルドに漏れるかもだなぁ。
「ちなみゴブリンキングとかって人の言葉を喋ったりします?」
「ゴブリンが、ですか?ははは、まさか」
村長さんに一笑されてしまった。やっぱりゴブリンが喋るのはおかしいよな、俺とセキアはお互いの顔を見合わせる。
じゃああのゴブ将軍はなんなのだろうか。これ以上村長さんに事情も話せないし、俺達は宿へと戻った。
俺の右手が光ると、セキアの身体から赤いオーラが消え姿が元に戻っていく。
「があぁぁ、、あぁ、、、ウチは、、、」
「セキア、元に戻った?俺がわかる?」
「イズミ、、うちは暴走しとったんか、、そや!あのおっきいゴブリンは?」
「あぁ、あれはセキアが倒したよ」
「よかったぁ」
はぁ、と、セキアはため息をつき安心した表情をみせる。
「暴走止めてくれてありがとうな、、、でもイズミ、、」
先程とは変わって険しい目で俺を睨む。
「自分だけ残ってうちを逃がそうとしたけど、うちがそんなん喜ばへんのわかるやろ!」
声を荒げて怒り、そして俺へとビンタをしようとすると、首輪の強制力によって痛みと共に手を止められてしまう。
「イタッ!」
「あ、ちょっと待って」
俺はセキアの首輪へと右手を当て、封印術を発動させた。
「これで大丈夫、ゴメンね、セキア。セキアが絶対に一人で逃げるのを嫌がるのはわかってたけど、セキアには死んで欲しくはなかった、でも、首輪の力を使ったのは俺が悪かったと思う、気のすむまで叩いていいよ」
「ええ度胸や」
セキアは右手を大きくあげ、俺の頬をキツくパチンとはたいた。でも、スキルが封印されているので弱々しくそこまで痛くはなかった。でも、頬は痛くはないが心には響いた。俺が逆の立場でも一人で逃げるのなんて絶対に嫌だったと思う。ホント、俺のエゴだったな。
「、、ッン!!」
ビンタに放心している俺の両頬に手を当てるセキア、そのまま顔を近付け口を重ねてくる、口唇を舌でこじ開け俺の舌を絡めとる。俺は驚きで目を見開き唖然としていたけど、すぐセキアへと答えるべく、目を瞑り俺からも舌を絡める。
ピチャピチャッと唾液が交わる音が耳に響く、俺は右腕をセキアの背中へとまわし、より深くより密にとセキアの口内を貪る。
どのくらいそうしていたのだろうか。至福な時間もセキアが離れることによって終わりを告げる。俺は余韻を残した口唇を少し開けたままセキアを見る。
「イズミ、、生きてて良かった。男の意地とか色々あるやろうけど、二度とせんといてな。でも、気持ちは嬉しいよ、ありがとうな」
「いや、結局はセキアの力でゴブリンジェネラルを倒したし、セキアのお陰で死なずにすんだよ、こちらこそありがとう。そして二度と首輪の力を使わない。でも、もし二人とも死にそうな事があったらセキアには逃げて欲しいかなぁ」
「意地っ張りやな、イズミは。でもうちも意地っ張りやで」
そう言うとニカッと笑うセキア。絶対にセキアは逃げないだろうなぁ、もう二度と死にそうにならない様にしないとなぁ。
「さ、セキア、流石に村に戻ろうか」
「そやね、メッチャ疲れたしなぁ、でも、コレどうする?」
コレと指さしたのはおびただしい量のゴブリンの死骸だ。
「あー、、とりあえずゴブリンは魔石を抜いて、ブラッドベアーは血抜きをして持って帰ろうか。俺はゴブリンやるからセキアはブラッドベアーを処理してもらえるかな」
「了解や、イズミは左手動けへんみたいやけど大丈夫?」
「魔石抜くくらいなら出来るよ、あと少しで封印解けるから、それから始めようか」
俺は普通のゴブリン48体の小石程の魔石とゴブ将軍の拳大の黒く濁った魔石を抜き出す。
血熊の処理が終わったセキアにそのまま血熊を運んでもらい、俺達はオークス村への帰路へとついた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
オークス村の入り口へと近づくと、オークス村の村長さんがわざわざ出迎えてくれた。昨日までは出迎えなんてなかったのに何の心変わりだろうか?
「おぉ、冒険者さん方!御無事でしたか!」
「ん?只今戻りましたが、、何かあったのですか?」
「いえ、村では何もないのですが、森の方で大きな地鳴りがあったのでお二人は大丈夫かと心配していました」
あぁ、鬼神セキアの必殺技の衝撃かな、森割れてたもんなぁ。
「あー、、、すみません、あれ俺達です、ゴブリンの上位種と戦闘になり、倒すのにちょっと大技を出しちゃいました」
「ゴブリンの上位種ですか、、、それより、そちらに運んでるのはブラッドベアですか!流石ギルド期待のお二人ですね!」
うぅん?ゴブリンの上位種の話しは軽く流すのね?
「いえいえ、ギルド期待とかないですよ、、こちらの血熊は夕食にでも使ってください。あと、村にハイヒール使える方はいませんか?左腕の骨が折れてまして」
「お二人でも血熊相手では無傷と言うわけにはいきませんでしたか、、すみません、生憎村にはハイヒールを使える者がおりません。ヒールと薬草、添え木で応急手当をいたしましょう」
「あ、お手数ですがよろしくお願いします。それより、ゴブリンの上位種が出たのですが気にはならないのです?」
俺はあえてもう一度ゴブ将軍の話を振ってみた。
「ゴブリンの上位種ですか?もう討伐されたのですよね?ゴブリンの上位種、、ホブゴブリンかゴブリンキングですよね?何年か周期で発生しますが村の者数名で問題なく討伐していますよ」
ホブゴブリン?ゴブリンキング?いやいや、ゴブリンジェネラルなんだけど?ゴブリンジェネラルと言いたいけど俺が鑑定持ちだとギルドに漏れるかもだなぁ。
「ちなみゴブリンキングとかって人の言葉を喋ったりします?」
「ゴブリンが、ですか?ははは、まさか」
村長さんに一笑されてしまった。やっぱりゴブリンが喋るのはおかしいよな、俺とセキアはお互いの顔を見合わせる。
じゃああのゴブ将軍はなんなのだろうか。これ以上村長さんに事情も話せないし、俺達は宿へと戻った。
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