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第23話、富者と貧者と自由と正義とダンジョンマスターと世界
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ユウジの考えは僕には難しいものだった。
「俺はこの世界に来るまで、力があれば殆どのことが出来ると思っていた。正しいことをするには力が必要だって……」
そうユウジは語り出した。
「でも正しいことをするのに必要なのは力じゃなかった。信念だったんだよ。力が無くても正しいと信じる事が、行動を生むんだって事だって、世界の数は沢山あって、正義も沢山あるんだ。力が無くたって誰もが正しいと信じてる事をしようとしてるって事をわかったんだ。だから俺は会議では何も言えなかった。生徒会の連中は力はそこまであるわけじゃないが自分達が正しいと信じている。俺の国民達だって、あのアバタルだってそうだ。そこまで自分が正しいって思える事の根拠が、誰かを否定できるって事の根拠が俺にはわからなくなってきた。イクオが生徒会の奴らにおかしいと言ってくれれば良かったな」
「ユウジ……」
僕は思わず声が出てしまった。
ムーンにいる僕にはわからないけれどアースにいて、戦争をしているユウジには何かがわかったのかもしれない。
アースの世界と僕は一纏めにしていたけれど確かにアースにも、ハイエルフ、アバタル、ノブナガ、エリアス、人の数あるいは派閥の数だけ世界があるんだよね。
「それってつまりトロッコ問題的な奴かよ……」
イクオがそんな事を言った。
なんでここでトロッコ問題なのさ。
「なんだそれは」
ユウジはトロッコ問題を知らないらしい。
僕も海外のコメディドラマでしか知らないけどね。
「え、ユウジ知らないの。一時期ネットで話題になってたじゃん」
話題になってたらしい。
イクオの話題になってた、は当てにならない。
地下アイドルぐらいの人気である。
「ネットは知らないけど僕は海外のコメディドラマで聞いた事があるね」
確か悪人に近いウェーイ系の女性が死後の世界で善人が集まる場所に来てしまい、自分も善人になる為に奮闘する話で、その女性に同情した哲学者に指導を受けて、それを曲解してドタバタが起きるんだけど……あれは面白かったなぁ。
「マジレスにネタは勘弁……ネットでもネタにされてて正直イライラしたぜ、あれは」
そうなんだ……。
「いやいや、僕の見た話だと積極的加害性と消極的な加害性の話で結構真面目に話してて覚えてるんだけど」
「ネタにマジレスしたコメディドラマじゃねぇか。ムーン、俺より知ってるかもしれん。俺は話題だったから調べて把握した程度なんだが……」
「ちょっと待ってくれ、俺は一切知らないからな。本当に俺の話が当てはまるのか、それ」
うーん、確かに考えればユウジの言っていた事はトロッコ問題的なのかも。
「ユウジには説明するぜ。簡単に言えば暴走トロッコがあって線路の分岐先には五人の人間と一人の人間がいてどちらを救うかって問題さ。そのままだと五人が死な場合とか、太った男一人を線路に突き飛ばして五人を救う場合とかがあるが、結局片方は救えて、もう片方はトロッコにひかれて死んじまうって問題なのさ」
「それは一人を犠牲にして五人を救うのが当たり前じゃないか。何が問題なんだ」
ユウジは話を聞いて自然に言った。
さりげないサイコパス感……ユウジはそう言うところあるよね。
功利主義ってやつだっけ、それとも現実主義ってやつかな。
でもこの問題を知る前は僕もそう思ってた気がする。
「チッチッチッ、それがこの問題の味噌ってやつよ。もちろんそれも正しいと言えるけどよ。関わった時点でお前が殺す事になるんだぜ。一人の人間をな。何もしなければ暴走トロッコが殺したものをお前が一人殺した事になるんだぜ。それをコラテラルダメージと言えるのか」
関わり選択する、暴走トロッコによる殺人に加担したと言えるかもしれないという事だね。
それに殺人という悪事によって人を救う事を正しいと言えるのだろうかって事だね。
あとコラテラルダメージってやむを得ない犠牲の事だっけ。
「うぅ……だが一人の命より五人の命の方が」
「じゃあその五人が例えば極悪人の犯罪者で一人が善人だったらどうだ。悩むだろう」
「善人を救いたい。犯罪者は救わず、善人を救う事でその善人がより多くの命を救う事になる。犯罪者は他の命を奪うだろうからな」
「まだやってない事を理由に命を選ぶのか、それがお前が人を殺すことの理由になるのか。そもそも見た目では人の中身を判断する事はできないだろう、五人の命を救うと言ったがもう意見を変えたな。そもそも人の命を何かに利用するな」
「うぅ……だが見逃したらそのまま死ぬんだぞ。より良くしたい」
「まぁな。俺もそうだ。良いことをしたいさ。だけど良い事ってなんだ」
「それは……わからない。今の俺には」
「ふぅ、とまぁそんな感じで正しいのか、その根拠について考えさせて、俺達凡人には何が正しいかがわからなくなっちまう。正しさはそれぞれある。でもどれも反論があるよなって、わかりやすく言うとそんな問題なわけだ。」
「まさにいう通りだな。今の俺の状態じゃないか。だが俺で遊ぶな、お前がマジレスにネタとやらをしてるんじゃないのか」
「誰かに無駄に蓄えた知識でマウントとって解説するのは楽しいぜ。異世界転生したって気持ちになるよな。しかもマウント取る相手が異世界ハーレム野郎だとな! 前世の偉大なる賢者達よ。この知識をありがとう!」
「まったく……」
僕は笑った。
イクオもユウジもだ。
「ムーンまで……で、それを知ってるんだったら悩んだろう。誰かの正しさを否定できる根拠は、正しさの根拠はなんだって言うんだ。俺にはわからないがマウント取れるぐらい知識のあるイクオにはそれがわかるんだろう」
「すまん、悪かったよ。そうだな。俺が思ったのは直感に従えって事だな。アホだと思った奴とおかしいと思った奴にはそうだと言うか、ちゃんとそう思え、反論は聞いてやっても良いってそんな態度を取る事にしたぜ。トロッコ問題がリアルになったときには全員を救えるかもしれんし、救えないかもしれない。そんな事はそうそう起きるわけないけど、考えてる暇ないだろうしな。ちなみに線路の分岐させるあの棒をどちらかに傾けずに途中にしておくと脱線させられるんだぜ」
イクオ、まだ知識マウントするんだね……。
「なんだそれ」
「つまり自分の信念に従うって事さ。変な理由考えて自分を偽ったり犠牲を出したりするより良いと思ってるんだぜ。自分の事を善人とか悪人とか思う必要はないって事だ! 信念によって正しい行動が行われるんだってユウジも言っただろ、信念が間違ってるかどうかなんて後からしかわからねぇって事だ!」
「そうか。俺にはその信念がまだわかりそうにはないんだな」
「そう難しく考えずにフィーリングでさ、間違っても良いじゃん、そうやって俺達学んでいくんだぜ」
「ムーンはどうなんだ」
イクオの言葉に静かに首を振ってユウジは僕に尋ねてきた。
「僕か……僕は信念や正しさにそこまで固執する事はないかなって思うんだ。ユウジは信念がわからないんだよね」
「ああ、そうだ」
なんて言えば良いのかな。
「正義は怒りを生むし、怒りは憎しみを、争いを生む」
「正義は悪だって事か」
「正義も悪もそこまで変わらないんじゃねーか」
イクオとユウジが僕の拙い言葉にそう言ってくれる。
「ちょっと違う」
なかなかうまく言えない。
僕の口が勝手に動き出す。
「金持ちが貧乏人を馬鹿にしたり貧乏人が金持ちを憎んだりかな……そう、モテない男がモテる男を羨んだり……」
「何故俺を見る」
イクオがそう言った。
「あとテストで点数が高かった者が点数が低い者を蔑んだりとか……権力を憎んだり、権力に溺れたり、蔑まれ貶められた側もその絶対的な答えに縛られて自虐的になると思うんだ。例えばキサラギさんやケンジみたいに」
「ほほう」
イクオが呟いた。
「正義とか信念とか正しさとかはさ、そんな絶対的な答えから外れた者を、嫌うって言って良いのかな、貶めたり低い者みたいにしたり、そんな風にしてしまうから。僕は絶対的な答えが嫌いなんだと思う。これもまた絶対的な答えではあるんだけどさ。だから信念とか正しさで自分を縛る事はないんじゃないかなって、何かを良くするために何かをしたくなるし、従う事が良いことだって思うけど、自分で決めるっていう自由も大事だって……もちろん悪い事には悪いって言わなきゃ行けないと思うけどさ」
何とか僕は考えを口にする事が出来た。
「悪事も善事も程々にって感じで、中庸だっけ」
僕自身は中庸からはかけ離れてる気がする。
中庸だったらムーンになんて来ないでしょ……まぁそういう事じゃないんだけどまだ僕は僕の事がわからない。
「そうか、そういう考えもあるよな。二人ともありがとう。とても参考になった」
「それは良かったぜ。とりあえずはさ、そうだな。ユウジとムーン俺達3人は力による支配には賛成できないって事で、次の生徒会会議では別の方法を提案してみようぜ。他の奴らにも一応声をかけてみるが、無理だよな~~~~」
「そうだね、今から話し合うとして、この話し合いが終わったら僕はお客様からもさりげなく何か案を聞いてみるよ。盗み聞きもしてるし」
「俺は戦争の戦術やアースの人の考えとかから何か良い案が浮かぶかもしれない。眷属も頭が良いし、難民を経験した国民からも話を聞けるからな。彼らとも考える」
「この3人の中でムーンが一番情報は持ってるよな……経験はユウジか、そして俺は……技術だよな! 俺は使えそうな前世の物品モドキを作っていくぜ。現代兵器もな。あの現地人のペンギン達とかじゃ他の種族の参考にはならなそうだし、俺の眷族達も特殊な蜘蛛で参考にはならんし、まぁユウジみたいに一応聞いてはみるけどよ」
僕達3人の話し合いは長く続いた。
僕たちは武力、つまり戦争以外の方法での支配を考える。
話し合いが終わったあと、一緒にムーンダンジョンで上映してる魔法を使った劇を観たりその感想を言いながら味付きスライムを食べたりマスターバトルをしたり目一杯遊んで解散となった。
そして僕のダンジョンに疲れ切ったノブナガ御一行が訪れた。
「俺はこの世界に来るまで、力があれば殆どのことが出来ると思っていた。正しいことをするには力が必要だって……」
そうユウジは語り出した。
「でも正しいことをするのに必要なのは力じゃなかった。信念だったんだよ。力が無くても正しいと信じる事が、行動を生むんだって事だって、世界の数は沢山あって、正義も沢山あるんだ。力が無くたって誰もが正しいと信じてる事をしようとしてるって事をわかったんだ。だから俺は会議では何も言えなかった。生徒会の連中は力はそこまであるわけじゃないが自分達が正しいと信じている。俺の国民達だって、あのアバタルだってそうだ。そこまで自分が正しいって思える事の根拠が、誰かを否定できるって事の根拠が俺にはわからなくなってきた。イクオが生徒会の奴らにおかしいと言ってくれれば良かったな」
「ユウジ……」
僕は思わず声が出てしまった。
ムーンにいる僕にはわからないけれどアースにいて、戦争をしているユウジには何かがわかったのかもしれない。
アースの世界と僕は一纏めにしていたけれど確かにアースにも、ハイエルフ、アバタル、ノブナガ、エリアス、人の数あるいは派閥の数だけ世界があるんだよね。
「それってつまりトロッコ問題的な奴かよ……」
イクオがそんな事を言った。
なんでここでトロッコ問題なのさ。
「なんだそれは」
ユウジはトロッコ問題を知らないらしい。
僕も海外のコメディドラマでしか知らないけどね。
「え、ユウジ知らないの。一時期ネットで話題になってたじゃん」
話題になってたらしい。
イクオの話題になってた、は当てにならない。
地下アイドルぐらいの人気である。
「ネットは知らないけど僕は海外のコメディドラマで聞いた事があるね」
確か悪人に近いウェーイ系の女性が死後の世界で善人が集まる場所に来てしまい、自分も善人になる為に奮闘する話で、その女性に同情した哲学者に指導を受けて、それを曲解してドタバタが起きるんだけど……あれは面白かったなぁ。
「マジレスにネタは勘弁……ネットでもネタにされてて正直イライラしたぜ、あれは」
そうなんだ……。
「いやいや、僕の見た話だと積極的加害性と消極的な加害性の話で結構真面目に話してて覚えてるんだけど」
「ネタにマジレスしたコメディドラマじゃねぇか。ムーン、俺より知ってるかもしれん。俺は話題だったから調べて把握した程度なんだが……」
「ちょっと待ってくれ、俺は一切知らないからな。本当に俺の話が当てはまるのか、それ」
うーん、確かに考えればユウジの言っていた事はトロッコ問題的なのかも。
「ユウジには説明するぜ。簡単に言えば暴走トロッコがあって線路の分岐先には五人の人間と一人の人間がいてどちらを救うかって問題さ。そのままだと五人が死な場合とか、太った男一人を線路に突き飛ばして五人を救う場合とかがあるが、結局片方は救えて、もう片方はトロッコにひかれて死んじまうって問題なのさ」
「それは一人を犠牲にして五人を救うのが当たり前じゃないか。何が問題なんだ」
ユウジは話を聞いて自然に言った。
さりげないサイコパス感……ユウジはそう言うところあるよね。
功利主義ってやつだっけ、それとも現実主義ってやつかな。
でもこの問題を知る前は僕もそう思ってた気がする。
「チッチッチッ、それがこの問題の味噌ってやつよ。もちろんそれも正しいと言えるけどよ。関わった時点でお前が殺す事になるんだぜ。一人の人間をな。何もしなければ暴走トロッコが殺したものをお前が一人殺した事になるんだぜ。それをコラテラルダメージと言えるのか」
関わり選択する、暴走トロッコによる殺人に加担したと言えるかもしれないという事だね。
それに殺人という悪事によって人を救う事を正しいと言えるのだろうかって事だね。
あとコラテラルダメージってやむを得ない犠牲の事だっけ。
「うぅ……だが一人の命より五人の命の方が」
「じゃあその五人が例えば極悪人の犯罪者で一人が善人だったらどうだ。悩むだろう」
「善人を救いたい。犯罪者は救わず、善人を救う事でその善人がより多くの命を救う事になる。犯罪者は他の命を奪うだろうからな」
「まだやってない事を理由に命を選ぶのか、それがお前が人を殺すことの理由になるのか。そもそも見た目では人の中身を判断する事はできないだろう、五人の命を救うと言ったがもう意見を変えたな。そもそも人の命を何かに利用するな」
「うぅ……だが見逃したらそのまま死ぬんだぞ。より良くしたい」
「まぁな。俺もそうだ。良いことをしたいさ。だけど良い事ってなんだ」
「それは……わからない。今の俺には」
「ふぅ、とまぁそんな感じで正しいのか、その根拠について考えさせて、俺達凡人には何が正しいかがわからなくなっちまう。正しさはそれぞれある。でもどれも反論があるよなって、わかりやすく言うとそんな問題なわけだ。」
「まさにいう通りだな。今の俺の状態じゃないか。だが俺で遊ぶな、お前がマジレスにネタとやらをしてるんじゃないのか」
「誰かに無駄に蓄えた知識でマウントとって解説するのは楽しいぜ。異世界転生したって気持ちになるよな。しかもマウント取る相手が異世界ハーレム野郎だとな! 前世の偉大なる賢者達よ。この知識をありがとう!」
「まったく……」
僕は笑った。
イクオもユウジもだ。
「ムーンまで……で、それを知ってるんだったら悩んだろう。誰かの正しさを否定できる根拠は、正しさの根拠はなんだって言うんだ。俺にはわからないがマウント取れるぐらい知識のあるイクオにはそれがわかるんだろう」
「すまん、悪かったよ。そうだな。俺が思ったのは直感に従えって事だな。アホだと思った奴とおかしいと思った奴にはそうだと言うか、ちゃんとそう思え、反論は聞いてやっても良いってそんな態度を取る事にしたぜ。トロッコ問題がリアルになったときには全員を救えるかもしれんし、救えないかもしれない。そんな事はそうそう起きるわけないけど、考えてる暇ないだろうしな。ちなみに線路の分岐させるあの棒をどちらかに傾けずに途中にしておくと脱線させられるんだぜ」
イクオ、まだ知識マウントするんだね……。
「なんだそれ」
「つまり自分の信念に従うって事さ。変な理由考えて自分を偽ったり犠牲を出したりするより良いと思ってるんだぜ。自分の事を善人とか悪人とか思う必要はないって事だ! 信念によって正しい行動が行われるんだってユウジも言っただろ、信念が間違ってるかどうかなんて後からしかわからねぇって事だ!」
「そうか。俺にはその信念がまだわかりそうにはないんだな」
「そう難しく考えずにフィーリングでさ、間違っても良いじゃん、そうやって俺達学んでいくんだぜ」
「ムーンはどうなんだ」
イクオの言葉に静かに首を振ってユウジは僕に尋ねてきた。
「僕か……僕は信念や正しさにそこまで固執する事はないかなって思うんだ。ユウジは信念がわからないんだよね」
「ああ、そうだ」
なんて言えば良いのかな。
「正義は怒りを生むし、怒りは憎しみを、争いを生む」
「正義は悪だって事か」
「正義も悪もそこまで変わらないんじゃねーか」
イクオとユウジが僕の拙い言葉にそう言ってくれる。
「ちょっと違う」
なかなかうまく言えない。
僕の口が勝手に動き出す。
「金持ちが貧乏人を馬鹿にしたり貧乏人が金持ちを憎んだりかな……そう、モテない男がモテる男を羨んだり……」
「何故俺を見る」
イクオがそう言った。
「あとテストで点数が高かった者が点数が低い者を蔑んだりとか……権力を憎んだり、権力に溺れたり、蔑まれ貶められた側もその絶対的な答えに縛られて自虐的になると思うんだ。例えばキサラギさんやケンジみたいに」
「ほほう」
イクオが呟いた。
「正義とか信念とか正しさとかはさ、そんな絶対的な答えから外れた者を、嫌うって言って良いのかな、貶めたり低い者みたいにしたり、そんな風にしてしまうから。僕は絶対的な答えが嫌いなんだと思う。これもまた絶対的な答えではあるんだけどさ。だから信念とか正しさで自分を縛る事はないんじゃないかなって、何かを良くするために何かをしたくなるし、従う事が良いことだって思うけど、自分で決めるっていう自由も大事だって……もちろん悪い事には悪いって言わなきゃ行けないと思うけどさ」
何とか僕は考えを口にする事が出来た。
「悪事も善事も程々にって感じで、中庸だっけ」
僕自身は中庸からはかけ離れてる気がする。
中庸だったらムーンになんて来ないでしょ……まぁそういう事じゃないんだけどまだ僕は僕の事がわからない。
「そうか、そういう考えもあるよな。二人ともありがとう。とても参考になった」
「それは良かったぜ。とりあえずはさ、そうだな。ユウジとムーン俺達3人は力による支配には賛成できないって事で、次の生徒会会議では別の方法を提案してみようぜ。他の奴らにも一応声をかけてみるが、無理だよな~~~~」
「そうだね、今から話し合うとして、この話し合いが終わったら僕はお客様からもさりげなく何か案を聞いてみるよ。盗み聞きもしてるし」
「俺は戦争の戦術やアースの人の考えとかから何か良い案が浮かぶかもしれない。眷属も頭が良いし、難民を経験した国民からも話を聞けるからな。彼らとも考える」
「この3人の中でムーンが一番情報は持ってるよな……経験はユウジか、そして俺は……技術だよな! 俺は使えそうな前世の物品モドキを作っていくぜ。現代兵器もな。あの現地人のペンギン達とかじゃ他の種族の参考にはならなそうだし、俺の眷族達も特殊な蜘蛛で参考にはならんし、まぁユウジみたいに一応聞いてはみるけどよ」
僕達3人の話し合いは長く続いた。
僕たちは武力、つまり戦争以外の方法での支配を考える。
話し合いが終わったあと、一緒にムーンダンジョンで上映してる魔法を使った劇を観たりその感想を言いながら味付きスライムを食べたりマスターバトルをしたり目一杯遊んで解散となった。
そして僕のダンジョンに疲れ切ったノブナガ御一行が訪れた。
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