魔導人形と侵略者と救世主

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「なぜ悪いの!? 私は間違ってない」

私はまどろみの中にいた。

(これは夢ね。いつの間に寝ていたのかしら)

「いいや、間違えておる。私のいうことが正しいのだ」

そう目の前の老人が言う。

(誰かしらこの老害は、会社のセクハラ上司にそっくりだわ)

「貴方が正しいからって何よ! 私だって正しいわよ!?このままじゃこの国は終わりよ!それが本当に正しいと思っているの?」

(私はどうしてこんなに叫んで怒りを感じているのかしら、目が覚めれば忘れるほんのひと時、夢とはいえ嫌なものね。いえ、セクハラ上司に怒れるならストレス発散にはなるわね)

「この国は亡びん。奴らは倒せるさ」

老人の隣でドヤ顔を決める貴族らしき男の声。

(老人の側近かしら、すごい負けフラグ。うーん、夢にしてはなかなか雰囲気のある夢ね)

場面が変わる。
格納庫と思われる場所、重そうな鎧を着た人型ロボットが立ち並んでいる。

「この作戦に命をかけろ!」

人型ロボットが伸ばした手の上に乗った男がそう叫ぶと下で立ち並ぶ男たちが叫び声をあげる。

「「オオォー!」」

次々に叫んでいた男たちは飛び立ちそれぞれの巨人の胸に乗り込んでいく。

(おぉー!こんな夢を見るなんてロボット物の見過ぎかしら、でもさっきの老害に責められる夢よりはかなりマシね。なかなか熱い雰囲気ね)

また場面が変わる。

狭い棺桶のようなところに私はいた。
なにかの操縦席だ。
二本のレバーに数え切れないスイッチ。

(やだ、操作性悪すぎ……でもカッコいい。こういうの好きだわ)

「お嬢様、どうか、どうか生き残ってくださいませ。お嬢様の才能をこんなところで終わらせないでくださいませ」

コックピットのスピーカーから私に伝えられる悲壮な声。

「いいえ、奴らに一泡吹かせてやるわ……ごめんなさい。クリス・フォロス技術特務試験官、第209実験機出ます!」

どうやら私はとても絶望したらしい。
涙で泣きはらしたひどい顔だ。

(悲しそうな雰囲気だけどこれはいい夢だわ、ロボットを操縦するリアルな夢なんてなかなか見れない。この悲しそうな雰囲気もいいわね)

また景色が切り替わる。

私はスリムな空飛ぶ巨人に乗り戦っていた。
でかいサソリのようなものの尻尾から光線が私に向かって放たれるがそれを避けている。
そのサソリを手にしたアサルトライフルのようなもので倒した。
弾切れに気づき銃を捨てて、大きなゴキブリやカマキリのような奴らを刀で次々に切り刻む。

(かっこいいロボットね。スリムで柔軟性があって機敏に動く、力もありそう。私の心のツボをわかっているわね。私の夢なだけはある。いけぇ! あんな気持ち悪い虫なんてバッサバッサと切り倒せ!)

また切り替わる。

今度は空を飛ぶ平べったい戦艦? が地面に群がる巨大なアリやクモやゴキブリやらに向かって攻撃を加えている。

(おおー、凄いわね。私の想像力も捨てたもんじゃないかもしれない。夢って素晴らしいわ!)

戦艦はサソリに光線を撃たれているがビクともしてない。
戦艦を覆う球状のバリアがあるかのように光線は戦艦の手前で拡散している。

戦艦は突き進む。

巨大なタワーのような巣? に向かい、体当たりをして爆発した。


場面が切り替わる。

白い世界でそれは美しく綺麗な女性が現れる。
よく見ると女性はボロボロの服をきた女の子を抱きかかえ、その女の子の頭を撫でていた。
どうにもやつれた顔をしている女の子の頭を撫でながら女性はこちらを見た。

「どうか、私たちの世界を救ってください」
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