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気持ち悪い男
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その後も、スワルス様の都合に合わせながら、私達の誤解はゆっくりと解かれてゆきました。
停学中にも関わらず、アレイド様は毎日、我が家に通いつめ、スワルス様が居ない時はなるべく難しい話はせず、勉強のことだったり、今日起こった学園での出来事を二人で話すようにしました。
話しをしていくうちに、私自信も、随分とアレイド様を悪く捉えていたことに気が付きました。なんでも悪い方にばかり物事を捉えてしまい、頑なにアレイド様の話に耳を傾けなかったことを素直に謝りました。しかし、アレイド様がたくさんのご令嬢とイチャイチャしていた理由を聞いた時は、私だけでなく、その場に居たお母様とお姉様も絶句なのでした。
「あれは・・・ユニを守る意味で始めたんだけど、ユニが、もしかしたら嫉妬してくれるんじゃないかって打算も働いてしまって・・・。実際、何度か嫌そうな顔をしていたこともあったし・・・。僕は、それで、意識してもらえる喜びを感じていて・・・その・・・その時だけは、もしかして好かれているのかな、とか嬉しくなったり・・・。それに、ある日突然、自分の気持ちに気付いたユニが・・・告白とかして・・・くるかも・・・とか希望を持ったりもして・・・」
ほんのりと顔を赤らめ、もじもじと恥じらう乙女のようなアレイド様を前に、その場の全員が、 「は!?」 と、口を開けて首を傾げている中、スワルス様が私達の気持ちを代弁してくれるのでした。
「うっ!! キモっ!! だからっ、だから!! そういうところだっ!! お前の、そういう発想が本当に気持ち悪いんだ!」
と、まるで汚い物でも見るように、眉間に皺を寄せて吐き捨てました。
「ア、アレイド、駄目よ・・・。嫉妬は、されては困るものであって、嫉妬してほしいと願うものではないわ。それが原因で大切な人を失うかもしれないのよ?そんなこと、すればするほど相手の気持ちが自分から遠ざかるわ。ねぇ、ユニ?」
「はい。」
お姉様の言葉に私は低い声で答えます。私の表情は既に死んでいました。
「ユニ!? そうなの!? ごめんユニ。ごめん。もうそんなこと絶対考えないから、離れて行かないで!! 他の女性なんてもう絶対近寄らせないから。ね?僕がちゃんとユニを守るようにするから。 ユニ、お願い、僕のこと嫌わないで。」
アレイド様から目を背けて無表情を貫いている私を見て、お母様が苦笑いをしています。
「でもね、ほら、まだ一人の女性と特別親しくしていたわけじゃないんだしね。たくさんの女性相手なら、ね?まだマシと言うか・・・。ね?ユニ。」
お母様の引き攣り笑いに、スワルス様は眉を吊り上げると、露骨に怒った顔をして声を荒げるのでした。
「そうやって甘やかしてはいけません!!そもそも婚約者のユニを差し置いて他の令嬢とイチャイチャしてるんですから、一人だろうが大勢だろうが罪は同じです。・・・しかし、まあ、ユニの性格上、一人を特別視なんてしたものなら、速攻で婚約破棄だったのは間違いないでしょうね。ユニは、言い出したら聞かないんだから。君は、本当に命拾いしたな。」
それを聞いて焦った様子のアレイド様が、急に距離を詰めてきました。
「ユニ!? 何度も言うけど、他の女性と一緒に居たって楽しくもなんともなかったんだよ。いつだって僕の目は君を追っていたし、君に嫉妬してほしいと望んでも、結局は、僕の方が嫉妬していたんだから!!」
「うるさい! この、ストーカー男!!」
スワルス様が、興奮して声の大きくなってきたアレイド様をピシャリと静めました。
「・・・キラキラしたご令嬢に腕を絡められ、ふっくらしたお胸を腕に押し付けられて、鼻の下を伸ばして堪能していたように見えていましたけれど・・・。」
私が横目でジロリとアレイド様を睨むと、それを聞いたお姉様が、目を見開いて両手で口を押えました。
「やだ!アレイド、最低・・・」
「これだから盛りのついたガキは!」
「ユニ!ミズリーまで! 違う! 義兄上、僕はそんなこと考えてないよ! 違う、信じて。」
「ふんっ!私は、ちゃんと見ていましたわ。」
「ユニ!! お願いだよ、信じて・・・。」
そんな調子で二週間はあっという間に過ぎ、アレイド様の停学も明けたので、今日から彼もまた、学園に来ています。
「アレイド! 休憩時間はもう終わりだから、早く自分の教室に戻れ!!」
怒ったライナーが、力任せにアレイド様を私から引き剥がそうとしています。
「うるさい、ライナー!お前が代わりに僕の教室に行けばいい!僕はユニから離れたくない!」
アレイド様は私の腕にしがみ付いて離れないように踏ん張っています。
「いい加減にしろ!ユニの服が破れる!いいから、は・な・れ・ろっ!!」
ライナーがアレイド様の手をバシバシ叩いて、無理やり手を離させました。
「なんでライナーばっかりユニと一緒に!彼女が居るとか言って、本当はユニのこと狙ってるんじゃないのか!?なんでクラスも一緒の上に席も近くて、昼食まで一緒に摂って、なんでお前ばっかりユニと一緒に居るんだよ! この、二股男!!」
「うるさい!全部お前のせいでこうなったんだろう!? 反省しろ、この馬鹿!!」
ライナーに大声で一喝されたアレイド様は、ふて腐れたように口を尖らせて渋々自分の教室に戻って行きました。
疲れ切った私とライナーに、周りからは哀れみの視線が降り注がれていました。
停学中にも関わらず、アレイド様は毎日、我が家に通いつめ、スワルス様が居ない時はなるべく難しい話はせず、勉強のことだったり、今日起こった学園での出来事を二人で話すようにしました。
話しをしていくうちに、私自信も、随分とアレイド様を悪く捉えていたことに気が付きました。なんでも悪い方にばかり物事を捉えてしまい、頑なにアレイド様の話に耳を傾けなかったことを素直に謝りました。しかし、アレイド様がたくさんのご令嬢とイチャイチャしていた理由を聞いた時は、私だけでなく、その場に居たお母様とお姉様も絶句なのでした。
「あれは・・・ユニを守る意味で始めたんだけど、ユニが、もしかしたら嫉妬してくれるんじゃないかって打算も働いてしまって・・・。実際、何度か嫌そうな顔をしていたこともあったし・・・。僕は、それで、意識してもらえる喜びを感じていて・・・その・・・その時だけは、もしかして好かれているのかな、とか嬉しくなったり・・・。それに、ある日突然、自分の気持ちに気付いたユニが・・・告白とかして・・・くるかも・・・とか希望を持ったりもして・・・」
ほんのりと顔を赤らめ、もじもじと恥じらう乙女のようなアレイド様を前に、その場の全員が、 「は!?」 と、口を開けて首を傾げている中、スワルス様が私達の気持ちを代弁してくれるのでした。
「うっ!! キモっ!! だからっ、だから!! そういうところだっ!! お前の、そういう発想が本当に気持ち悪いんだ!」
と、まるで汚い物でも見るように、眉間に皺を寄せて吐き捨てました。
「ア、アレイド、駄目よ・・・。嫉妬は、されては困るものであって、嫉妬してほしいと願うものではないわ。それが原因で大切な人を失うかもしれないのよ?そんなこと、すればするほど相手の気持ちが自分から遠ざかるわ。ねぇ、ユニ?」
「はい。」
お姉様の言葉に私は低い声で答えます。私の表情は既に死んでいました。
「ユニ!? そうなの!? ごめんユニ。ごめん。もうそんなこと絶対考えないから、離れて行かないで!! 他の女性なんてもう絶対近寄らせないから。ね?僕がちゃんとユニを守るようにするから。 ユニ、お願い、僕のこと嫌わないで。」
アレイド様から目を背けて無表情を貫いている私を見て、お母様が苦笑いをしています。
「でもね、ほら、まだ一人の女性と特別親しくしていたわけじゃないんだしね。たくさんの女性相手なら、ね?まだマシと言うか・・・。ね?ユニ。」
お母様の引き攣り笑いに、スワルス様は眉を吊り上げると、露骨に怒った顔をして声を荒げるのでした。
「そうやって甘やかしてはいけません!!そもそも婚約者のユニを差し置いて他の令嬢とイチャイチャしてるんですから、一人だろうが大勢だろうが罪は同じです。・・・しかし、まあ、ユニの性格上、一人を特別視なんてしたものなら、速攻で婚約破棄だったのは間違いないでしょうね。ユニは、言い出したら聞かないんだから。君は、本当に命拾いしたな。」
それを聞いて焦った様子のアレイド様が、急に距離を詰めてきました。
「ユニ!? 何度も言うけど、他の女性と一緒に居たって楽しくもなんともなかったんだよ。いつだって僕の目は君を追っていたし、君に嫉妬してほしいと望んでも、結局は、僕の方が嫉妬していたんだから!!」
「うるさい! この、ストーカー男!!」
スワルス様が、興奮して声の大きくなってきたアレイド様をピシャリと静めました。
「・・・キラキラしたご令嬢に腕を絡められ、ふっくらしたお胸を腕に押し付けられて、鼻の下を伸ばして堪能していたように見えていましたけれど・・・。」
私が横目でジロリとアレイド様を睨むと、それを聞いたお姉様が、目を見開いて両手で口を押えました。
「やだ!アレイド、最低・・・」
「これだから盛りのついたガキは!」
「ユニ!ミズリーまで! 違う! 義兄上、僕はそんなこと考えてないよ! 違う、信じて。」
「ふんっ!私は、ちゃんと見ていましたわ。」
「ユニ!! お願いだよ、信じて・・・。」
そんな調子で二週間はあっという間に過ぎ、アレイド様の停学も明けたので、今日から彼もまた、学園に来ています。
「アレイド! 休憩時間はもう終わりだから、早く自分の教室に戻れ!!」
怒ったライナーが、力任せにアレイド様を私から引き剥がそうとしています。
「うるさい、ライナー!お前が代わりに僕の教室に行けばいい!僕はユニから離れたくない!」
アレイド様は私の腕にしがみ付いて離れないように踏ん張っています。
「いい加減にしろ!ユニの服が破れる!いいから、は・な・れ・ろっ!!」
ライナーがアレイド様の手をバシバシ叩いて、無理やり手を離させました。
「なんでライナーばっかりユニと一緒に!彼女が居るとか言って、本当はユニのこと狙ってるんじゃないのか!?なんでクラスも一緒の上に席も近くて、昼食まで一緒に摂って、なんでお前ばっかりユニと一緒に居るんだよ! この、二股男!!」
「うるさい!全部お前のせいでこうなったんだろう!? 反省しろ、この馬鹿!!」
ライナーに大声で一喝されたアレイド様は、ふて腐れたように口を尖らせて渋々自分の教室に戻って行きました。
疲れ切った私とライナーに、周りからは哀れみの視線が降り注がれていました。
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