天邪鬼と真正直

邪悪

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9話・記憶

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~翌日の夜、海人の部屋~

LINE~~
海人『明日、祭り一緒に行けるか?』

空『あ、うん、いいけど。どしたの?頭ぶった?』

海人『ぶってねぇよ...明日、9時でいいか?』

空『おーけー楽しみにしてるよぉはーと』

~~~
はーとってやつが腹立つ
馬鹿にしてるのか




はぁ...

誘ったのはいいが...

緊張する...いや、ここで怖気付いたら負けだ...いつもの感じで行くぞ!


と考えるけどきついな
女の子と2人きりで祭りとはいつぶりだろうか
小学生の時に何回か...誰かと...

誰だっけ...

まぁ、そんな話は置いておき寝るか...
明日の集合時間は9時か。目覚ましは一応六時にセットして...っと


てか今何時だよ...

『午前・2時半』

...寝よう...


海人は眠りについた。









そして6時半
外では鳥が囀り、日差しが部屋に入ってくる

ピピピッ ピピピッ

海人「うるさい...ん...あ、そうだった...」
と気だるそうに言う

なんと今日デートする、と聞くと凄くワクワクする。
今日こそは謝らないといけない
そして気持ちを伝えるんだ

しっかり支度をして、飯を食う。
飯食わねぇで倒れたら迷惑だしな。










『待ち合わせの公園』
祭りは夕方からなのに人がわんさかいる
辺りを見るとカップルがたくさんいるのが分かる。
俺もあんなふうに見られてるのかなと思うと何だか嬉しいような気分になる。


空「ごめん、少し遅れた...。お詫びになんか奢るよ。」
そして後ろから聞き慣れた声がする。

海人「ったく...おせーよ...」
遅いと言っても五分程度
こういう発言はもうしないって決めたはずなんだがな...

空「...しっかり待っててくれたんだね、帰ったかもって思ってた...。」
申し訳なさそうに言う空
あまりそういう元気の無い顔は見たくないなぁ

海人「...当たり前だろ...楽しみにしてくれてんのに
...」
と我ながら素直に言えたと思った。

空は笑いながら
空「ありがとう、今日は随分と素直ですなぁ」ニコ
前言撤回だ。今バカにされたぞ俺。

とまぁ、集合時間が早い理由は空が買いたいものがあるらしい。
買うってなったが、『長くなるから別々で行動』と言われた。
それは...何故か理由は俺に教えてくれない。
まさか、好きな奴にあげるやつかもな。
そりゃ長くなるし見せたくはないわな...。




そしてそれぞれ離れることになった。
俺は歩いているとネックレスの専門店を見かけた。
なぜだかそこに足を運んでいた。

いらっしゃいませ
と疲れた声が聞こえる
お疲れ様です、と声をかけるところだった。危ない危ない

というかなんでこんな所にいるんだ?
と疑問に思うがすぐに店員の声ですぐにかき消される。
店員「彼女さんにプレゼントですか?」
聞かれるととっさに
海人「...まぁ、そうです」


何言ってんだろな...
付き合ってもいねぇのに...

すると店員さん
店員「彼女さんは何色がお好きなんですか?」
と聞いてきた。
もちろん青...!というより好きかは分からないが一番似合う色は青だと思う。
名前だからじゃねぇよ?

海人「...青ですかね」
と海人は自信なさげに言った。

店員「青ならこれがオススメですよ!」
と目を輝かせて言ってくる。

それなりに値段はするが綺麗な色をしている。
これをあいつに渡したらなんて言うだろうか。

ありがとうございました!
と気が付いたら言われていた。
くっそぉ、買っちまった...
まぁ、喜んでくれればいいんだ...。


なんとあっという間に昼になった。
昼になったら元いた公園に集合とのこと。

~12時半~


空「よし!昼飯だァ!」ワクワク
随分と機嫌がいいなぁこいつ
さっきより元気になって良かった

海人「そんなにはしゃぐことか?」
と聞く

空「楽しいじゃん!祭り!」
と空が答えた

そう、これから祭りを見に行く。
あまり祭りが好きじゃない俺でも、こいつとなら何故か楽しく感じてしまう。
これが『好き』ってやつなんだろうか。

海人「...ったく祭りなら来年もあるし、そんなにかよ...」
と笑いを含みながら海人は言った。

空「...来年...ね...行けたらね!」

少し寂しそうな表情が見えた気がした。
だが、また元に戻る。
いつもだが、たまになる寂しそうな表情は何なんだろうか。
諦めきったような、悲しい表情。
それを見るたび辛くなる

空「あ、出店出てるよ!?行こ!」
とはしゃぐ空
 
いつまでたっても子供だな…。
本当...昔から...


え...?


いつまでたっても?
なんで昔の記憶があるんだ?


もしかしたら...高校で会うまでに知り合ってたのか?俺ら

そんなことは無い絶対に。こんな人にあったことなんて...なんて...







思い出せない





    
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