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第2章 海辺へ
寂しくなければ
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水族館の中は薄暗くて風の通らない人工的な洞窟のような空間で、所々に大きな窓ガラスのようなものがはめ込まれていて、そこに人が集まって窓の向こうを楽しそうに覗いている。
2人の少女は手をつなぎ、みづきが先導して人の群れの中に潜り込もうとして、いるのだが――
「う。ぅ。みえ、ない、よ」
絞り出した声は誰にも届かない。
人混みに身を寄せることもできず、遠巻きにしていても人が切れることはなく、2人で身を寄せ合うだけ。
なにもできず立ち尽くしていた。
「り、りんか、さん。あの、なにか見えますか」
「大きなお魚さんが見えるような見えないような感じです。この人達の前に出られればいいのですが」
「私、人混みはダメで。埋もれちゃうんです。背、足りないから」
「私は外に出るのも人が一杯なのも初めてで、ちょっとどうしたらいいのか……みづきさん、どうしましょう」
「ごめんなさい。凜霞さんを案内するって、決めたのに。みづき、全然子供で」
「あ、そう意味では……ちょっと誤解させてしまったかもしれないですね」
みづきがうつむいて、涙ぐんだ声を上げる。
すると凜霞は正面から向き合い、少し姿勢を下げて、目線の高さをみづきと合わせた。
正面から軽く抱きしめて、額が合わさりそうなくらい間近に顔を寄せると、みづきが少し驚いた表情になる。
それを間近で見つめながら穏やかにささやいた。
「大丈夫ですよ。私は寂しくなければ、それでいいんです。本当にそれだけなので、みづきさんが居てくれれば、私は楽しいです。そうだ、もっと奥の方に行ってみませんか? あっちの方はもっと空いているように見えます」
「凜霞、さん。あ、あの……ありがと」
凜霞は抱擁を解いて背筋を伸ばした。恥ずかしそうに見上げているみづきに向けて穏やかな笑顔で手を差し出して、優しい声で囁く。
「私を連れて行ってくださいね」
「……はい!」
2人の少女は手をつなぎ、みづきが先導して人の群れの中に潜り込もうとして、いるのだが――
「う。ぅ。みえ、ない、よ」
絞り出した声は誰にも届かない。
人混みに身を寄せることもできず、遠巻きにしていても人が切れることはなく、2人で身を寄せ合うだけ。
なにもできず立ち尽くしていた。
「り、りんか、さん。あの、なにか見えますか」
「大きなお魚さんが見えるような見えないような感じです。この人達の前に出られればいいのですが」
「私、人混みはダメで。埋もれちゃうんです。背、足りないから」
「私は外に出るのも人が一杯なのも初めてで、ちょっとどうしたらいいのか……みづきさん、どうしましょう」
「ごめんなさい。凜霞さんを案内するって、決めたのに。みづき、全然子供で」
「あ、そう意味では……ちょっと誤解させてしまったかもしれないですね」
みづきがうつむいて、涙ぐんだ声を上げる。
すると凜霞は正面から向き合い、少し姿勢を下げて、目線の高さをみづきと合わせた。
正面から軽く抱きしめて、額が合わさりそうなくらい間近に顔を寄せると、みづきが少し驚いた表情になる。
それを間近で見つめながら穏やかにささやいた。
「大丈夫ですよ。私は寂しくなければ、それでいいんです。本当にそれだけなので、みづきさんが居てくれれば、私は楽しいです。そうだ、もっと奥の方に行ってみませんか? あっちの方はもっと空いているように見えます」
「凜霞、さん。あ、あの……ありがと」
凜霞は抱擁を解いて背筋を伸ばした。恥ずかしそうに見上げているみづきに向けて穏やかな笑顔で手を差し出して、優しい声で囁く。
「私を連れて行ってくださいね」
「……はい!」
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