異世界デバッグ物語 ~新たな世界はバグまみれ~

イノベル

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7話 2日目 紐づくバグ

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「準備出来たのじゃ!実行前にまず俊に連絡じゃ!」

UIを開き俊へ連絡を取るクロクはバグが一つ減らせる事に安堵した。

「はい、なんでしょう?クロクさん。」

「俊よ!ツジ村のバグを直す準備が出来たのじゃ!準備の為にまず俊に避難してほしいのじゃが?」

避難と言われバグの修正に関係を見いだせずに悩んだ俊は本を閉じ、クロクを止めた。

「まず、避難しないと行けないバグの解決ってなんです?ゲームじゃないんですからメンテナンスとかないですよね?」

「うむ!説明するとな?あのツジ村のバグは調べた結果、500年ほど前から発生していたバグなのじゃよ。今復旧をすると判定が消えていた500年分の時があそこで急激に進む事になるのじゃ。」

急激に進むと言われても木が生えるや小さな変化しか想像していない俊は聞いてみる。

「そこまで大きな変化が起きるとは思えませんが?ちなみにどうなるので?」

「そうじゃな。判定がないのは地下も全てになるのはわかるじゃろ?急にそんな所に500年分の時間を与えると地盤変化が起きて大地震が起きる訳じゃよ。」

「しかし、修正は出来る訳ですよね?避難の理由がわからないのですが?」

「現状での修正は非常に大変な作業が伴う事になるんじゃ!じゃからわし、500年分巻き戻して無かった物を有った事にして500年進めれば安全じゃと気づいたのじゃよ! 良い案だと思わんか?のう?のう?」

時を進めるのは見ていたので逆もしかりだとは思う俊だが影響が出そうな事に気づき確認をした。

「それはあの地面のバグが無かった事になるまでは良いのですが、今の状況も無かった事になるのでは?」

「そうなるかの?大きな問題にはならぬと思うのじゃ!」

魔族領に来た事が無かった事になるのは勿体なく感じる俊は面倒な復旧方法もあると聞いた為、選択を変えた。

「すいませんが、僕は人との付き合いは大事にしたいので、面倒だとは思いますが、復旧できる方をやってもらっても?」

「のじゃ!? かなり時間かかるから避けたいのじゃが・・・」

「クロクさん、貴女神様なんですから楽をしてどうするんです?新米の間だからこそ苦労は大事なんじゃないんですかね?」

「わ、わかったのじゃよ・・・準備できてたのに・・・グスン」

時を戻す修正方法を禁止されこれから取り掛かるであろう面倒な作業を想像し涙を流すクロクだった。

「のじゃあぁぁぁぁぁ!仕方ないのじゃ、頑張るのじゃぁぁぁあ!」

「では僕はまだバグ探しの作業がありますのでこれで」

通話が切られ再度、本へと目を移す俊は建物の現象について探す。

「あの建物の強度は倍以上になってると思われますし一つや二つの集合バグではなさそうですね。ゲームだと強度という概念がない為、扉を切り取り再度扉を設置して中の空間へとつなげるといった解決策ができそうですがそうも行きませんか・・・。」

扉からノック音が聞え振り向く俊の元へ扉を開けてノベールが入ってきた。

「トオル様?今、お時間よろしくて?」

「あぁ、はい。大丈夫ですが、どうしました?」

「魔族領内で新たに2か所ほど強度に異常を起こしている場所がありましたの。」

教えられた場所は国立図書館の書庫の壁、鍛冶屋の倉庫内の全てと聞くもまだ三階建の建物の強度は説明が付かなかった。

「その二か所も修正は必須そうですが、まだあの強度の説明が付きませんね。・・・加算にだけ目を向けてましたが蓄積された物が一気に出来る事もあるかもですね・・・。すいませんノベールさん、2日より以前も遡り伺いたいのですが宜しいですか?」

「申し訳ないのですが、加算も蓄積も結果としては同じではなくて?」

「結果はそうかもしれませんが過去に蓄積して溜まった物があの建物に纏まって加算されればありえなくもないと思ったんです。」

ノベールは理由を聞き一つの可能性を浮かべた。

「確証はないのですけれど・・・11年前の出来事なのですけれど、とある場所に溶けない氷が誕生しましたの」

「溶けない氷とは?」

「ある一人の人物が凍結魔法を受けたのですがその凍結魔法が今尚溶けずに現存してますの不思議な氷なのですけれど、そういった魔法だと思っておりましたの」

「その魔法がそもそもバグっていればありえなくもないですね。そしてそれが2日程前のあの建物に加算さされば、バグにバグを足すような物ですからあり得るかもしれません。その場所を調べたいのですが良いですか?」

悩むノベールは中の人物が助かるかもしれないと思い案内する事にした。

書斎を出て氷の元へ向かう俊とノベールは人物について説明をしていた。

「その、今向かっている場所にいらっしゃる氷の中の方なのですけれど、助ける事が出来ると嬉しいのですけれど・・・」

「それはバグであれば・・・とだけ、バグでないのであれば僕としては手伝えますが、神様にお願いする事は出来ないと思います。」

お願い出来ない事に疑問を感じたノベール。

「その、どうして神様にお願いできませんの?」

「僕はお手伝いのようなものなので協力は良いのですが、今まで助けられた事はないと思いますけど人、一人一人を助けていると時間がどれだけ有っても足りないと思いますし、世界規模で見ると一人助けると際限なく求めるのでは?」

世界全土を言われるとさすがに無理かと諦めざる得ないとノベールは思ったが、バグであれば助かる可能性がある事に希望が持てた。

「不謹慎かもしれんけれど・・・バグで在ってほしいところですわね。」

「どういった関係の人なんですか?その氷の中の方とは」

関係と問われると直に言うべきか悩むノベールは今後の付き合いも想定し、伝える事とした。

わたくしのお爺様でしてよ。先々代の王様でもありますの。本当ならまだお爺様が王様をしていたはずですの」

「なるほど、ご家族の方でしたか。バグで在れば助かると思いますが、バグとは違うとしても行為を行えたのであれば逆もしかりですよ?」

「そう・・・ですわね」

大きな扉の前でノベールは止まり、扉をあけて誘導する。

「こちらになりますの。」

そこには10メートル程の大きな氷の塊があり、氷の奥には微かに人のような影が見える。

「大きいですね。ちなみにこの凍結魔法というのはどういった物なんですか?」

ノベールは昔見た報告書の内容を思い出し、俊へ内容を伝える。

「元の魔法と致しましては、人程の氷を生成する魔法ですの。このサイズを生成するほどの力はないはずなのですけれど・・・」

「魔力値によって範囲が拡大すればおかしくは思えませんが・・・魔法を放った方は今何処に?」

「放った方はその・・・わたくしのお父様になりますの・・・今もあの時魔法を打たなければと慈善活動を続けておりますの」

まさかの身内同士の問題の結果だと聞き驚愕した俊はどう声を掛ければ良いか悩む事となった。
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