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シーズン8 【試練の塔編】
ep.139 エレメンタル・サンクタムへようこそ!
ついに、白亜の塔の頂上、第100階「エレメンタル・サンクタム」。
レオンが辿り着いたその場所には、すでに各エリアを勝ち抜いた四人の「怪物」たちが集っていた。
遅れて現れたハーベルと、再会を祝う拳の音。
しかし、天使長アウリエルが告げたのは、残酷なトーナメント形式の最終試験。
精霊王の座を賭けた、三つ巴の死闘が幕を開けます。
「……やっと着いたな」
レオンが白亜の門を潜り、100階へと足を踏み入れた。
そこは、天空に浮かぶ真っ白な庭園。
雲海を見下ろす絶景の中、中央の噴水を囲むように六つの椅子が置かれていた。
「今まで誰も到達してないなんて嘘みたいだわ。ねえ、レオン?」
霊獣ミーシアが感嘆の声を上げる。
だが、その言葉を遮るように、不遜な笑い声が響いた。
「おいおい、鳥の嬢ちゃん。『誰もいない』なんてのは心外だな」
噴水の影から現れたのは、燃えるような赤い髪の男。
傍らには、真紅の翼を持つ霊獣ドラゴン『イグナス』が控えている。
「俺はカリード。お前で五人目だ、新顔。……いや、もう一人、お前の連れが向こうで待ってるぜ?」
カリードが指差した先――宮殿の入り口に、見慣れた背中があった。
「……遅かったな、ハーベル」
「ごめん、レオン。ちょっとクローヴィスさんと話し込んじゃってさ」
ハーベルが振り向き、不敵に笑う。
二人は歩み寄り、当然のように拳を突き出した。
ガツン!
硬い音が響き、これまでの死線を潜り抜けた信頼が空気となって伝わる。
「……あいつらがレオンとハーベルか」
「……俺たちの敵じゃなさそうだな」
椅子に座っていた他の三人が立ち上がる。
* 風を纏うジャガーを連れた、不敵な笑みの青年・ゲイル。
* 氷のペンギンと共に優雅に佇む、蒼髪の貴婦人・マリネール。
* 巨大な熊の膝で欠伸をする、幼い少女・テラシス。
各属性を極めた強者たちのプレッシャーが肌を刺す。
そこへ、空からパタパタと小羽を羽ばたかせた天使カプリエルが降りてきた。
「やあやあ、六人揃ったね! 壮観だなぁ! じゃあ、天使長アウリエル様がお待ちだ。死なないうちに挨拶に行こうか!」
宮殿の奥…。
両脇に並ぶ天使たちの視線を浴びながら進むと、最奥の玉座に、一際巨大で神々しい翼を持つ天使が腰掛けていた。
副天使長シリエルが進み出て、一同を見下ろす。
「よくぞ参った、人間ども。かつてないことに、今回は六人もの候補者が現れた。本来、王は一人が継げば事足りるもの……」
シリエルが言葉を切ると、玉座のアウリエルが冷徹な瞳で立ち上がった。
「……無駄な選定は不要。今までここに来た連中も、最後には私の眼鏡に適わぬ腑抜けばかりだった。よって、今回も決闘で『器』を測る」
「決闘!? 結局、殺し合いをさせるのか?」
レオンが鋭い視線で問い詰める。
アウリエルはそれを鼻で笑った。
「勝った者が王になるのではない。勝った者の中から、私が『王の器』を選ぶのだ。不満があるなら今すぐ去れ」
「……やってやろうじゃん。俺たちが最強だってことを証明すればいいんだろ?」
ハーベルが《エーテリアル・エンバー》のグリップを握り直した。
「ホイッ!」
シリエルが差し出した壺から、六人がそれぞれ珠を引き、対戦カードが決まる。
「第一試合は【水・土・闇】の属性持ちによる三つ巴戦。……マリネール、テラシス、そしてレオン!」
「あら……わたくしを舐めないで頂きたいわ。お顔のいい少年を凍らせるのは気が引けますけれど」
マリネールが氷の扇を広げる。
「ボクだって、負けないよ」
テラシスが熊の背から降り、魔力を練り上げる。
「レオン、手加減するなよ。……俺は、お前と最後に戦いたいんだ」
「……ああ、分かってる。先に行って待ってるぜ、ハーベル!」
シリエルが腕を振り下ろす。
「――始め!」
轟音と共に、100階の静寂が、神をも恐れぬ戦火へと塗り替えられた。
後書き
ついに六人の挑戦者が揃い、精霊王決定戦の幕が開きました!
レオンの対戦相手は、気品溢れる氷使いマリネールと、底の見えない少女テラシス。
「水・土・闇」という重厚な属性がぶつかり合う中、レオンは進化した影の力を見せつけられるのか?
一方、ハーベルが待機する第ニ試合「火・風・光」も波乱の予感です。
頂上の決戦、瞬き厳禁です!
続きが気になった方は、ぜひブックマークをお願いいたします!
最下部の♥️10で評価もいただけると、レオンの影魔法の威力がさらに上がります!
次回、第140話「三つ巴の世界へようこそ!」
レオンが辿り着いたその場所には、すでに各エリアを勝ち抜いた四人の「怪物」たちが集っていた。
遅れて現れたハーベルと、再会を祝う拳の音。
しかし、天使長アウリエルが告げたのは、残酷なトーナメント形式の最終試験。
精霊王の座を賭けた、三つ巴の死闘が幕を開けます。
「……やっと着いたな」
レオンが白亜の門を潜り、100階へと足を踏み入れた。
そこは、天空に浮かぶ真っ白な庭園。
雲海を見下ろす絶景の中、中央の噴水を囲むように六つの椅子が置かれていた。
「今まで誰も到達してないなんて嘘みたいだわ。ねえ、レオン?」
霊獣ミーシアが感嘆の声を上げる。
だが、その言葉を遮るように、不遜な笑い声が響いた。
「おいおい、鳥の嬢ちゃん。『誰もいない』なんてのは心外だな」
噴水の影から現れたのは、燃えるような赤い髪の男。
傍らには、真紅の翼を持つ霊獣ドラゴン『イグナス』が控えている。
「俺はカリード。お前で五人目だ、新顔。……いや、もう一人、お前の連れが向こうで待ってるぜ?」
カリードが指差した先――宮殿の入り口に、見慣れた背中があった。
「……遅かったな、ハーベル」
「ごめん、レオン。ちょっとクローヴィスさんと話し込んじゃってさ」
ハーベルが振り向き、不敵に笑う。
二人は歩み寄り、当然のように拳を突き出した。
ガツン!
硬い音が響き、これまでの死線を潜り抜けた信頼が空気となって伝わる。
「……あいつらがレオンとハーベルか」
「……俺たちの敵じゃなさそうだな」
椅子に座っていた他の三人が立ち上がる。
* 風を纏うジャガーを連れた、不敵な笑みの青年・ゲイル。
* 氷のペンギンと共に優雅に佇む、蒼髪の貴婦人・マリネール。
* 巨大な熊の膝で欠伸をする、幼い少女・テラシス。
各属性を極めた強者たちのプレッシャーが肌を刺す。
そこへ、空からパタパタと小羽を羽ばたかせた天使カプリエルが降りてきた。
「やあやあ、六人揃ったね! 壮観だなぁ! じゃあ、天使長アウリエル様がお待ちだ。死なないうちに挨拶に行こうか!」
宮殿の奥…。
両脇に並ぶ天使たちの視線を浴びながら進むと、最奥の玉座に、一際巨大で神々しい翼を持つ天使が腰掛けていた。
副天使長シリエルが進み出て、一同を見下ろす。
「よくぞ参った、人間ども。かつてないことに、今回は六人もの候補者が現れた。本来、王は一人が継げば事足りるもの……」
シリエルが言葉を切ると、玉座のアウリエルが冷徹な瞳で立ち上がった。
「……無駄な選定は不要。今までここに来た連中も、最後には私の眼鏡に適わぬ腑抜けばかりだった。よって、今回も決闘で『器』を測る」
「決闘!? 結局、殺し合いをさせるのか?」
レオンが鋭い視線で問い詰める。
アウリエルはそれを鼻で笑った。
「勝った者が王になるのではない。勝った者の中から、私が『王の器』を選ぶのだ。不満があるなら今すぐ去れ」
「……やってやろうじゃん。俺たちが最強だってことを証明すればいいんだろ?」
ハーベルが《エーテリアル・エンバー》のグリップを握り直した。
「ホイッ!」
シリエルが差し出した壺から、六人がそれぞれ珠を引き、対戦カードが決まる。
「第一試合は【水・土・闇】の属性持ちによる三つ巴戦。……マリネール、テラシス、そしてレオン!」
「あら……わたくしを舐めないで頂きたいわ。お顔のいい少年を凍らせるのは気が引けますけれど」
マリネールが氷の扇を広げる。
「ボクだって、負けないよ」
テラシスが熊の背から降り、魔力を練り上げる。
「レオン、手加減するなよ。……俺は、お前と最後に戦いたいんだ」
「……ああ、分かってる。先に行って待ってるぜ、ハーベル!」
シリエルが腕を振り下ろす。
「――始め!」
轟音と共に、100階の静寂が、神をも恐れぬ戦火へと塗り替えられた。
後書き
ついに六人の挑戦者が揃い、精霊王決定戦の幕が開きました!
レオンの対戦相手は、気品溢れる氷使いマリネールと、底の見えない少女テラシス。
「水・土・闇」という重厚な属性がぶつかり合う中、レオンは進化した影の力を見せつけられるのか?
一方、ハーベルが待機する第ニ試合「火・風・光」も波乱の予感です。
頂上の決戦、瞬き厳禁です!
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最下部の♥️10で評価もいただけると、レオンの影魔法の威力がさらに上がります!
次回、第140話「三つ巴の世界へようこそ!」
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