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第36話 その愛故に…
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「私、大五郎君の事は大好きだけど…それは受け入れられないよ。」
「そうは言ってもなぁ。家ではシメジって昔から決まってるし…。」
「カズノコはね。チョコレートなのに数の子の食感が楽しめる画期的なお菓子なんだよ?」
やれやれ…彼女には困ったものだ。
「チョコレート味の数の子なんて気持ち悪いじゃん。」
「シメジだって……モサモサくっついてるチョコレートなんてキモイじゃん!」
なんだと!
「そもそも俺は数の子が嫌いなんだ!」
「私だって、しめじなんて嫌い!」
どんどん俺達の言い争いはヒートアップしていった。
「数の子ってお魚の卵なんだろ!? 一体何匹の命を犠牲にしてんだよ!」
「しめじだって山にポンポコ生えてるんでしょ?! 絶対動物のオシッコとか付いてるよ!」
人と人との関係にヒビが入るのはほんの一瞬、些細な出来事。
俺は彼女と、久満子ちゃんとなら…ずっと上手くやっていける。そう信じていたのに……。
彼女との運命の再会を果たしたあの瞬間が…楽しかった思い出たちが…胸部の感触が……走馬灯のように俺の脳裏を駆け巡る。
「ショックだよ…。久満子ちゃん。」
「私だって……。」
そう言って彼女は、綺麗な瞳から大粒の涙を流す。
「私達……分かり合えないの…? こんなに、好きなのに……。」
「俺達…一体どこですれ違っちまったんだろうな…。」
互いを理解したいが分かり合えない。
本当に…どうしてこんな事になったんだ……。
「私ね。本当に大五郎君をずっと好きだった。好きだったんだよ…?」
彼女は気丈にも顔上げ、涙を拭って訴えかける。
「あのさ…俺達もう……」
「ダメ!! その先は言わないで…お願い。」
俺だってこんな形で終わらせたくはない! でも……。
「……。」
「お願い…。」
その先は言わせない。言わせてなるものかと彼女は遮る。
「久満子ちゃん…。もし良かったらなんだけど…さ。」
「…うん。」
彼女とこれからも一緒に居たい。俺はある提案を思いついたのだ。
「俺と一緒に…。」
「うん…。」
「シメジを食べない?」
「それは無理。」
え?
「それは無理。」
悲しみの涙を見せていた彼女は、途端に無表情で断りを入れる。
「どう…して……。」
「いっぱいくっついててキモイから無理。」
「何だよ…何だってんだよ!」
「キモイから無理。」
「カズノコだっていっぱいくっついてんだろ?! キメエんだよ!」
「カズノコは例外ですー。カズノコはおいしいですー。」
「卵のくせにコリコリしてんじゃねえよ!」
「何よ?! シメジだってきのこの癖に味噌汁に入るんじゃないわよ!」
俺達の言い争いは再びヒートアップしていった。
人間関係とは難しいもので、どんなにお互いが好き合っていても…ほんの些細なボタンの掛け違いから綻びる事はある。
久満子ちゃん…君となら俺は…何でも出来る。何でも成し遂げてみせる。そう思っていたのに……。
彼女との再会を経て、最近は何をしてもつまらない…そう感じていた俺の世界が色づいた…君との思い出が俺を輝かせた…母性ある胸が俺を魅了した……星が過ぎ行くように彼女と再会してからの出来事が頭の中を通り過ぎて行った。
「ショックだよ…。大五郎君。」
「俺だって……。」
そう言った彼女は、見惚れるような綺麗な泣き顔を見せる。
「俺達……分かり合えないのか…? こんなにも、好きだってのに……。」
「私達…一体どこですれ違っちゃったんだろうね…。」
本当に…何でこんな事になるんだ……。
「私ね。優しい大五郎君が好きだった。シロクマと私どっちが好き?って聞けば、私を選んでくれる大五郎が…好きなんだよ…?」
彼女は涙を溢し、それでも懸命に好きだと訴えかける。
「あのさ…俺達もう……」
「ダメ!! その先は言わないで…お願い。」
俺だってこんな形で終わらせたくはない! でも……。
「……。」
「お願い…。」
先の言葉を続ける事が出来ない。今の彼女を前にして、それでも続けられる奴なんかいやしない。
「大五郎君…。もし良かったらなんだけど…ね。」
「…ああ。」
彼女はきっと何か考えがあるのだろう。掛け違えたボタンを綺麗に戻す何かが…。
「私と一緒に…。」
「ああ…。」
「カズノコ食べよう?」
「無理だから。」
「え?」
「無理だから。」
「なん…で……?」
「卵があんな数くっついててキモイから無理。」
「何で…何でよ!」
「キモイから無理。」
「シメジだっていっぱいくっついてるじゃん?! キモイのよ!」
「シメジは例外ですー。シメジはおいしいんですー。」
「キノコのくせに森から出て来ないでよ!」
「何だよ?! 数の子だって陸に上がって来てんじゃねえよ!」
俺達の言い争いは更にヒートアップしていった。
愛とは永遠なるものではなく…互いに思いやりを忘れてしまえば、いとも簡単に…
「あの!! それ、いつまで続けるんですか?」
俺達は突然の乱入者に驚き、声のした方へ振り向くと…
ダイ、サリリ、ジャンヌ、シロクマ達がいた。
恥ずかしいところ見られちゃったぜ……。
「そうは言ってもなぁ。家ではシメジって昔から決まってるし…。」
「カズノコはね。チョコレートなのに数の子の食感が楽しめる画期的なお菓子なんだよ?」
やれやれ…彼女には困ったものだ。
「チョコレート味の数の子なんて気持ち悪いじゃん。」
「シメジだって……モサモサくっついてるチョコレートなんてキモイじゃん!」
なんだと!
「そもそも俺は数の子が嫌いなんだ!」
「私だって、しめじなんて嫌い!」
どんどん俺達の言い争いはヒートアップしていった。
「数の子ってお魚の卵なんだろ!? 一体何匹の命を犠牲にしてんだよ!」
「しめじだって山にポンポコ生えてるんでしょ?! 絶対動物のオシッコとか付いてるよ!」
人と人との関係にヒビが入るのはほんの一瞬、些細な出来事。
俺は彼女と、久満子ちゃんとなら…ずっと上手くやっていける。そう信じていたのに……。
彼女との運命の再会を果たしたあの瞬間が…楽しかった思い出たちが…胸部の感触が……走馬灯のように俺の脳裏を駆け巡る。
「ショックだよ…。久満子ちゃん。」
「私だって……。」
そう言って彼女は、綺麗な瞳から大粒の涙を流す。
「私達……分かり合えないの…? こんなに、好きなのに……。」
「俺達…一体どこですれ違っちまったんだろうな…。」
互いを理解したいが分かり合えない。
本当に…どうしてこんな事になったんだ……。
「私ね。本当に大五郎君をずっと好きだった。好きだったんだよ…?」
彼女は気丈にも顔上げ、涙を拭って訴えかける。
「あのさ…俺達もう……」
「ダメ!! その先は言わないで…お願い。」
俺だってこんな形で終わらせたくはない! でも……。
「……。」
「お願い…。」
その先は言わせない。言わせてなるものかと彼女は遮る。
「久満子ちゃん…。もし良かったらなんだけど…さ。」
「…うん。」
彼女とこれからも一緒に居たい。俺はある提案を思いついたのだ。
「俺と一緒に…。」
「うん…。」
「シメジを食べない?」
「それは無理。」
え?
「それは無理。」
悲しみの涙を見せていた彼女は、途端に無表情で断りを入れる。
「どう…して……。」
「いっぱいくっついててキモイから無理。」
「何だよ…何だってんだよ!」
「キモイから無理。」
「カズノコだっていっぱいくっついてんだろ?! キメエんだよ!」
「カズノコは例外ですー。カズノコはおいしいですー。」
「卵のくせにコリコリしてんじゃねえよ!」
「何よ?! シメジだってきのこの癖に味噌汁に入るんじゃないわよ!」
俺達の言い争いは再びヒートアップしていった。
人間関係とは難しいもので、どんなにお互いが好き合っていても…ほんの些細なボタンの掛け違いから綻びる事はある。
久満子ちゃん…君となら俺は…何でも出来る。何でも成し遂げてみせる。そう思っていたのに……。
彼女との再会を経て、最近は何をしてもつまらない…そう感じていた俺の世界が色づいた…君との思い出が俺を輝かせた…母性ある胸が俺を魅了した……星が過ぎ行くように彼女と再会してからの出来事が頭の中を通り過ぎて行った。
「ショックだよ…。大五郎君。」
「俺だって……。」
そう言った彼女は、見惚れるような綺麗な泣き顔を見せる。
「俺達……分かり合えないのか…? こんなにも、好きだってのに……。」
「私達…一体どこですれ違っちゃったんだろうね…。」
本当に…何でこんな事になるんだ……。
「私ね。優しい大五郎君が好きだった。シロクマと私どっちが好き?って聞けば、私を選んでくれる大五郎が…好きなんだよ…?」
彼女は涙を溢し、それでも懸命に好きだと訴えかける。
「あのさ…俺達もう……」
「ダメ!! その先は言わないで…お願い。」
俺だってこんな形で終わらせたくはない! でも……。
「……。」
「お願い…。」
先の言葉を続ける事が出来ない。今の彼女を前にして、それでも続けられる奴なんかいやしない。
「大五郎君…。もし良かったらなんだけど…ね。」
「…ああ。」
彼女はきっと何か考えがあるのだろう。掛け違えたボタンを綺麗に戻す何かが…。
「私と一緒に…。」
「ああ…。」
「カズノコ食べよう?」
「無理だから。」
「え?」
「無理だから。」
「なん…で……?」
「卵があんな数くっついててキモイから無理。」
「何で…何でよ!」
「キモイから無理。」
「シメジだっていっぱいくっついてるじゃん?! キモイのよ!」
「シメジは例外ですー。シメジはおいしいんですー。」
「キノコのくせに森から出て来ないでよ!」
「何だよ?! 数の子だって陸に上がって来てんじゃねえよ!」
俺達の言い争いは更にヒートアップしていった。
愛とは永遠なるものではなく…互いに思いやりを忘れてしまえば、いとも簡単に…
「あの!! それ、いつまで続けるんですか?」
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