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第1話
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目を覚ますとそこは森だった。
何を言ってるかわからないかもしれないが、森だった。
気持ちのいい風が吹き抜け、青々とした木々の香りが漂ってくる。
「なんだよこれ、夢でも見てるのか?」
今の自分の置かれた状況が理解できず混乱していると、遠くからなにやら騒がしい音が聞こえる。
金属のぶつかり合う音や話し合う声が聞こえる。
「何だ?人か?おーい!おーい!」
音のする方へ叫ぶ。すると、気がついたのか騒がしかった音がより騒がしくなった。
なにやら複数人の集団らしい。
「良かった、人だ。よくわからないがこれで助かったな。」
混乱し不安だったが、人を目視できたことによりそれもだいぶ落ち着いてきた。
しかし、近づいてくるほどまた不安が募ってくる。
その人の集団だと思っていたのは、人型をした何かだった。
このような言い方をすると異形の何かかと思うかも知れないがそういうわけではない。
ただ角の生えた肌が漆黒の男や、耳の長い絶世の美女だったり、3メートルはあるであろう一つ目の男など明らかに人間ではないのだ。
だが、俺はこのもの達の種族名を知っている。
「悪魔にエルフ、おまけにサイクロプスか。後ろにいるのはドワーフに獣人かよ。なんだよこれ異世界にでも来たってのかよ」
そう思ったとき、その集団から驚きの声が上がり、集団の全員からゴミでも見るかのような目で見られた。
「召喚魔法の魔力の痕跡をたどってきてみれば人間だと?おい、貴様!何故このような場所にいるのだ!早く答えろ!」
集団の一番前にいたリーダーなのであろう悪魔の見た目の男からそう言われた。
「し、知らない!気がついたらここに居たんだ!」
「気がついたらここにいただと?ま、まさか勇者様が人間だというのか!?」
男がそう言うと集団にいた獣人の男から声が上がる、
「おい、ヴァイス!そんなことがあり得るのか!?」
「わからない。だが、勇者様をお呼びするための召喚魔法はその時代に必要とされる、この世界をお助けくださる方が召喚される。『人間が呼び出されない』などというわけではないのだ」
「ヴァイスの言う通りよ。ジェドいったん落ち着きなさい。」
「ニーナ!落ち着けと言われたってこれは無理だぜ!人間達と戦うために呼んだ勇者が人間なんだぞ?逆にどうしてお前達は冷静でいられるんだ!!」
「ジェド、お前の言うこともわかるが冷静さを失いすぎじゃぞ。とりあえずその男から話をもっと聞くべきじゃろう」
「ジン爺まで、くそっ!わかった。確かにそうだな、悪かったヴァイス、続けてくれ。」
彼らの会話からわかったことは、悪魔の男の名前がヴァイス、獣人はジェド、エルフはニーナ、ドワーフはジン?ということだ。
ていうか、さっきの会話に聞いちゃいけないことが何個かあった気がするけど気にしないでおこう。
「貴様、名前は何というのだ」
「さ、佐田龍輝です」
「サダリューキか。単刀直入に聞こう貴様はこの世界の人間か?」
「いいえ、俺は日本と言うところから来ました。おそらくですがこことは違う世界だと思います。私の世界には人間しかいなかったので」
「なるほどな、嘘はついていないか、、」
ん?何で嘘ついてないってわかるんだ?いや、嘘ついてないけどさ。
「不思議そうな顔しているな。何故嘘じゃないってわかるのか?って所か。私には真偽の目というスキルがあるのだ。元々は物品にしか効果はなかったのだがな私は特殊なんだ。まあそういうことで君が嘘をついていないことがわかったのだ。」
なるほど、スキルか。もしかしてと思ったがここは俗に言う剣と魔法の世界って奴ですか。
あれ?そういえば俺の呼び方が君になってる。嘘じゃないってわかったからか。
「そうなんですか、じゃあ、俺はどうしたらいいんですかね?」
「大丈夫だ君が嘘をついていないとわかった以上勇者様である可能性が高い。一緒に王都まで来て貰うことになる。大丈夫か?」
「はい、大丈夫です。ここに置いて行かれても困ってしまうところでした。宜しくお願いします。」
こうして俺は王都に行くことになったのだった。
何を言ってるかわからないかもしれないが、森だった。
気持ちのいい風が吹き抜け、青々とした木々の香りが漂ってくる。
「なんだよこれ、夢でも見てるのか?」
今の自分の置かれた状況が理解できず混乱していると、遠くからなにやら騒がしい音が聞こえる。
金属のぶつかり合う音や話し合う声が聞こえる。
「何だ?人か?おーい!おーい!」
音のする方へ叫ぶ。すると、気がついたのか騒がしかった音がより騒がしくなった。
なにやら複数人の集団らしい。
「良かった、人だ。よくわからないがこれで助かったな。」
混乱し不安だったが、人を目視できたことによりそれもだいぶ落ち着いてきた。
しかし、近づいてくるほどまた不安が募ってくる。
その人の集団だと思っていたのは、人型をした何かだった。
このような言い方をすると異形の何かかと思うかも知れないがそういうわけではない。
ただ角の生えた肌が漆黒の男や、耳の長い絶世の美女だったり、3メートルはあるであろう一つ目の男など明らかに人間ではないのだ。
だが、俺はこのもの達の種族名を知っている。
「悪魔にエルフ、おまけにサイクロプスか。後ろにいるのはドワーフに獣人かよ。なんだよこれ異世界にでも来たってのかよ」
そう思ったとき、その集団から驚きの声が上がり、集団の全員からゴミでも見るかのような目で見られた。
「召喚魔法の魔力の痕跡をたどってきてみれば人間だと?おい、貴様!何故このような場所にいるのだ!早く答えろ!」
集団の一番前にいたリーダーなのであろう悪魔の見た目の男からそう言われた。
「し、知らない!気がついたらここに居たんだ!」
「気がついたらここにいただと?ま、まさか勇者様が人間だというのか!?」
男がそう言うと集団にいた獣人の男から声が上がる、
「おい、ヴァイス!そんなことがあり得るのか!?」
「わからない。だが、勇者様をお呼びするための召喚魔法はその時代に必要とされる、この世界をお助けくださる方が召喚される。『人間が呼び出されない』などというわけではないのだ」
「ヴァイスの言う通りよ。ジェドいったん落ち着きなさい。」
「ニーナ!落ち着けと言われたってこれは無理だぜ!人間達と戦うために呼んだ勇者が人間なんだぞ?逆にどうしてお前達は冷静でいられるんだ!!」
「ジェド、お前の言うこともわかるが冷静さを失いすぎじゃぞ。とりあえずその男から話をもっと聞くべきじゃろう」
「ジン爺まで、くそっ!わかった。確かにそうだな、悪かったヴァイス、続けてくれ。」
彼らの会話からわかったことは、悪魔の男の名前がヴァイス、獣人はジェド、エルフはニーナ、ドワーフはジン?ということだ。
ていうか、さっきの会話に聞いちゃいけないことが何個かあった気がするけど気にしないでおこう。
「貴様、名前は何というのだ」
「さ、佐田龍輝です」
「サダリューキか。単刀直入に聞こう貴様はこの世界の人間か?」
「いいえ、俺は日本と言うところから来ました。おそらくですがこことは違う世界だと思います。私の世界には人間しかいなかったので」
「なるほどな、嘘はついていないか、、」
ん?何で嘘ついてないってわかるんだ?いや、嘘ついてないけどさ。
「不思議そうな顔しているな。何故嘘じゃないってわかるのか?って所か。私には真偽の目というスキルがあるのだ。元々は物品にしか効果はなかったのだがな私は特殊なんだ。まあそういうことで君が嘘をついていないことがわかったのだ。」
なるほど、スキルか。もしかしてと思ったがここは俗に言う剣と魔法の世界って奴ですか。
あれ?そういえば俺の呼び方が君になってる。嘘じゃないってわかったからか。
「そうなんですか、じゃあ、俺はどうしたらいいんですかね?」
「大丈夫だ君が嘘をついていないとわかった以上勇者様である可能性が高い。一緒に王都まで来て貰うことになる。大丈夫か?」
「はい、大丈夫です。ここに置いて行かれても困ってしまうところでした。宜しくお願いします。」
こうして俺は王都に行くことになったのだった。
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