運命

I have no name

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見えたのは

登校

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 学校までの足取りは重かった。
 自分が死ぬ夢を見て、スキップして学校に行ける人は、たぶん能天気な人ぐらいだろう。そして、自分はその分類の人間ではない。

 学校では、人と関わることを避け、クラスの隅でいつも窓からの景色を眺めている。クラスの中心の人気者は、法螺話を周りに聞かせ、近くにいる小心者をからかっている。そして、近くにいる虎の威を借る狐達。
 そして、俺は人気者や狐は嫌いだ。


 すると、突然

「おはようーーー!」
と言いながら、後ろから近づいてくる人物に
「おう」
と返した。

 その人物は、俺の数少ない嫌いではない人物で、幼馴染の三関弥生みせきやよいだった。

「寿命縮めるつもりか!」
「いや、歩くのがいつもより遅かったから。」
いつもより歩くのが遅かったらしい。そして弥生は続ける。
「で、どうした?何か悪いものでも食べたのか?」
「な、何でもない。」
「そういう時に限って何かあるんだよねー。」
図星だ。
「まあ、言いたくないことは誰にだってあるよ。私もね。でも、何かあったときは何でも相談に乗るぞ。」
「じゃあ、昨日の英語の...」
「勉強以外で!」
バッサリ断られた。

 弥生は、勉強が大の苦手で、留年か?と、うわさされている。ただ、人との関係は良く、なぜかクラスの委員長をしている。

 通学路には多くの同じ高校の生徒が歩いていた。その中には、人気者や狐も少しいた。そいつらに、見つからないように歩を進めていく出雲であった。
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