七夕のシンデレラ〜もう一度あなたに会いたくて〜

えりっぱ★

文字の大きさ
1 / 1

七夕のシンデレラ〜もう一度あなたに会いたくて〜

しおりを挟む

それは暑い夏の日だった。
イトコの家に泊まりにいこうとしたとき、自転車に乗ろうとしていたら、足元で、蜘蛛の巣があることをみつけた。
そしたら、小さな黒いギザギザした黒い虫が引っ掛かっていた。
そのとき、
「助けて」
と、言われた気がした。
…なんか、罰が悪い気がして、そのギザギザ虫を、蜘蛛の巣から取ってやった。
すると、なんか、
「ありがとう」
と言われた気がした。
俺は、
「お前、命は大事にしろよ!」
な~んて、言って、カッコつけた自分が、恥ずかしくなったが、
「いけね!
約束の時間に遅れる!」
と、思って、、自転車を漕いで、走りだした。


…その時、俺は気がつかなかた。
俺の名前が書いてあるキーホルダーを、その場に落としていたこと。


そして、その虫が本当に
「ありがとう」
と言っていたなんて…



そして、1年がすぎて…



あ~あっつい!
短冊作り面倒くさい!
夏の七夕の日、俺の高校では、
「七夕祭り」
という、行事がある。
今から準備をして、1週間後。
まず短冊を作り、葉っぱに似ている紙にお願い事を書き、学校のすぐ近くの川に、その紙を流すのだ。
そうすると、願いごとが叶うらしい。
不思議な紙だよな。
水に溶けるようにできているらしい。
まあそれは置いといて、
祭りと言っても、たった1日。
でも、今年はすごい!
なんと、出店がでる!
なんか、縁日みたくなるらしい。
しかも、零時には花火が上がるんだって!
スゴイよな~!
しかし。
俺、こと本田真司は彼女が居ない。
いいなぁ…
出店、せっかく出るんだから、可愛い彼女といろんな出店、見たいな~。
と、思いながら、短冊を作っていたときだった。

ん?

短冊のはっぱに、

『本田真司さまに、もう一度、会いたいです。 源氏蛍』

えぇ!

誰!
これ!

なんか、ちょっと汚い字。 

でもでも、源氏蛍って…

なんか、嬉しいやらワケ分からないやら…

源氏蛍?

本名なの?
誰だろう…
同級生に、こんな名前の子、居ないよ?

馬鹿にされてるのかな?

と、思っていたときだった。

ガラガラ!

と、教室のドアが開いた。

そしたら、凄く可愛い金髪の女の子が入ってきて、こう云った。

『本田真司さま、いらっしゃいますか?』

「えぇ~!」

教室中大絶叫!

「真司!
この可愛い子、誰!」

「めっちゃタイプだわ」

「真司、ズルいよ!
お前は裏切らないと思っていたのに!」

あぁ~!
みんなうるさすぎ!

俺は、まず、深呼吸した。
そして、この子に向かいあった。

「本田真司は俺だけど…」

と、訳が分からず、話しかけると

『あぁ!
本田真司さま!
あなたにお会いしたかったのです!
あのときは、助けてくださって、ありがとうごさいました!』

うぅ…
イキヨイガスゴスギル…

あ!
もしかして!

「君が、源氏蛍さん?」

『そうです!源氏蛍です!』

んん?
このコが源氏蛍さんなの?
助けたってどうゆうこと?

『あなたに助けていただいたときから、もう一度会いたい、あって、一言、お礼の言葉を伝えたいと、1年間そればかりを考えて生きてきました。
本当にありがとうごさいました』

うぅ…やっぱり思い出せない…
こんなに可愛いこ助けた?
ら、絶対、覚えているはずなのに…。

でも、可愛い子だなぁ。
俺、今まで彼女とかいたとき無いんだ。
今年の七夕祭りはすごく楽しそうなんだよなぁ。
…ちょっと聞いてみようかな…

「あ、あのさ」

『はい、なんでしょうか?』

「もし良かったら、七夕祭り、一緒に過ごせないかな?」

『え!
私でいいのですか?』

「あぁ…もし良かったら…だけど。」

『それはすごく嬉しいです!
でも、
いつなのでしょうか?』

「今日から1週間後の、七夕の日なんだけど…」

『1週間後!
えぇと…ぎりぎり生きてますけど…』

「え?」

『あ!
なんでもないです!
本田真司さまと1日過ごせるなんて、本当に嬉しいです。』

「本当に!
じゃあ、1週間後の夕方の6時に教室でまっていてくれるかなあ?」

『はい!
楽しみにしていますね。』

「俺も!」

『…本田真司さま…』

「なに?」

『私にとってその日は、特別で最後の日になります。』

「えっ?」

『…いえ、なんでもないです!
会いに来ます。
あなたが私を助けてくださったから、いまの私がいるのですから…』

そう言って彼女は去っていった。


…しっかし、可愛い子だったなぁ
俺、あの子に会ったことある?
全然、覚えて無いんだよあ…。
しかも、なんか、助けた?
どゆこと?
俺、女の子って、あんまり、関わらない方なんだよな。
…興味がないわけじゃないだけど、なに話していいか、分かんないんだよね。
でも、さっきの子は、すっごく可愛いかったらか、ちょっと勇気だしちゃた☆

…て、そんな話しをしたいんじゃなくて!

源氏蛍さん…

この学校に、あんな子いっけ?

痩せてて、髪の毛は、光るぐらいに輝く金いろ。

本名なのかな?
蛍さん…
ほたるさん…
ホタルさん…

うぅ…
全然、記憶にない…

1年前…の、夏…

確か、自転車に乗って、ちょっと遠くのイトコの家に、泊まり行ったぐらいしか、覚えてないなぁ。

それから…

ええっと、

助けたって言ったら、

蜘蛛の巣についてた、ギザギザな虫を、取ってやったくらいしか…

ん?

まさか、あのギザギザ虫、蛍だったの!

いやいや、オチツケ、俺。

もしあのギザギザな虫が蛍だったとしても、
あの子とは、いっくらなんでも、関係ないよな?
よくよく考えてみたら、彼女は人であることに間違えない。

…でも、なんか引っかかる。
1年前?
助けた?
もう一度会いたかった?

そんなの…
あの虫…蛍ぐらいしか思い浮かばない…

ま…まさかな。
そんなわけないよ。

蛍が人間になって、俺に会いに来るなんて…

「しーんじ!」

ぐご!

「さっきから、何ない頭フル回転しんのさっ!」

「だからっていきなり、グーで殴ってくるなよ!」

こいつは、佐藤かすみっていう、俺の数少ない女友達。

…俺は、かすみに、今のもやもやを、相談することにした。

「蛍ねぇ…」

「かすみは、どう思う?
やっぱり俺の思い間違いかな?」

「真司の話し、嘘だとは思わないわけじゃないけど…」

「けど?」

「確か蛍って、1週間しか生きられないのよ?」

「…え?」

「…なーんてね!
アンタは七夕祭りを、ラブラブ祭りってことにして、楽しみにしてたら?」

「そ…そうだよな…蛍さん可愛いいし…」

「あー!
もう勝手にしなさいっ!」

「なんで、お前が怒るんだよ!」

プリプリしながら何処かえ去って行ったかすみ。

そうだよな!
蛍さん、ちょー可愛いし!
気楽に行こう!
きらくに! 

でも、かすみのさっきの一言が、頭をよぎった。

〈確か蛍って、1週間しか生きられないのよ〉

1週間しか生きられない?
…いやいや…
蛍さんだって、虫の方の蛍だと思われたって、迷惑だよな!
…そうだよな
…そうだよ。
 
俺は、馬鹿だった。
かすみのあの一言のことを、もっと深く考えるべきだった。
まさか彼女が、
命がけで
俺なんかに
会いに来るなんて…。

…俺なんかのために…


そして、1週間後の、七夕祭りの日。


俺は、緊張していた。

学校のなかは、もう七夕祭りまでいっぱい。
彼カノでラブラブデートしているカップルとか、友達同士で楽しんでいるコ達とか。
今年の七夕祭りスゴスギ!
射的とかたこ焼きとか
本当に縁日みたい!
まさか、こんな本格的になるなんて…
驚きだ。

って、
びっくりばっくりしているわけにいかない!
もうすぐ6時だ!
今から家に戻って、スーツとか着た方がいいかな?

って、俺の馬鹿バカ!

学校の行事なんだから、制服に決まってるだろ!

さっきからなにがらにも無く緊張しまくってるんだ!

蛍さんに会うの、ちょっと久々かも。
そろそろ教室にいかねば!

ガラガラガラ。

『あ!
本田真司さま!』

「ホ…蛍さん…」

蛍さんは、浴衣を着ていた。

『ど、どうですか?
やっぱり似合いませんでしょうか…』

「いや、可愛いいです!
めっちゃ似合ってます!」

『そ、そうですか?
着て良かったです!』

うわー!
恥ずかしいよ!
口から火がでそう!

「じゃ、じゃあ行っか!」

『は、はい!
本田真司さま!』

そういえば…

「あのさ、俺のこと、真司って呼んでくれない?」

『え!
どうしてですか!』

「俺も、蛍さんってよびたいし。」

『はっ、はい。
し、真司さま…』

さまは付くのね…

ま、いっか!

「蛍さん、どこか巡りたい店とかある?」

『えぇ~と、どこも楽しそうですが…真司さまにお任せします。』

「じゃあ、最初にたこ焼きたべない?」

『たこ焼き?
タコさんを焼いた食べ物ですか?』

「そうそう!
もしかして、食べたこと無い?」

『は、はい!
是非いただきたいです』


「行こ!」

『はい!』

たこ焼きを食べるにしても、すごい行列だ。
う~ん、良いにおい!
まさに、縁日だなぁ~七夕祭りなのに!
あ!

「ねぇねぇ蛍さん!
あっちにカキ氷屋さんあるよ!
あと、焼きそばに、りんご飴も!
それから…」

『真司さま…クスっ!
あははは!』

ほ…蛍さんに…笑われてしまった…

「ごめん…馬鹿騒ぎして…」

『いえ、私も、笑ってしまって、ごめんなさい!
でも、真司さま、楽しそうで、良かったです。』

「蛍さんにも、笑われたけど、楽しそうで、良かったよ。」

『私、今、すこく楽しいです!』

「俺も!
あ、蛍さんって、今日、何時まで居られる?」

『え?』

「実はさ、もう少しで、七夕の葉っぱに願いごとかいて、川に流すんだよ。
そんで、零時から花火があがるんだ。」

『零時からですか…』

「あ!
もしかして、都合悪いかな?」

『…いいえ。
大丈夫です。
大丈夫ですけど…』

「ど、どうしたの?」

『な…なんでもないです!
短冊流すんですよね!
行きましょう!』

「?
う、うん!」

…その時、俺は、気付けなかった。
蛍さんが、すごく不安そうだった理由。
儚い切なげな、その横顔に。


そして、学校の後ろにある川岸へ向かった俺と蛍さん。

「あれ?」

『誰もいませんね。』

「みんな、出店周りに夢中みたいだな」

『短冊、流しましょう。』

「う、うん。」

『…でも、私の願い事、もう叶っちゃいました。』

「叶った?」

『はい。
1週間前に。』

「それって、教室にきたとき?」

『そうです。
…改めて、真司さま』

ほ、蛍さんがの体が!
光り輝いている!

『今から1年前、蜘蛛に食べられそうになった私を、助けてくださって、ありがとうごさいました。』

「え!
やっぱりあの虫、蛍だったの!」

『そうです。
その時、私はまだ幼虫でした。
蛍に見えなくても、おかしくないです。』

「そうなんだ…」

『私達、蛍は、大人になるまでに、およそ1年かかります。
その間、真司さまに会いたい、会って、お礼が言いたいと、ずっとそればかり思っていました。
でも…』

「でも?」

『まさか一緒にお祭りを見て、あんなふうに真司さまと笑ったりできるなんて、想像もしていませんでした。
…たとえ、最後になっても…』

「さ、最後ってどうゆう事!
はっ!」

〈蛍って、1週間しか、生きられない〉

俺の頭に、かすみのことばがよぎった。

『蛍は、1週間しか、生きられません。』

「そ、そんな!
だって、今、蛍さんは、確かにここに居るよ!
生きられないなんて、嘘だよ!
…うそだって、言ってくれよ…」

『私だって、そう想いたいです!
でも…でも、ダメなんです。』

「そんな、
…俺は…
俺は蛍さんのこと…」

その時だった。
俺のくちびるに、蛍さんが、優しくキスをした。

『もし…もしも、ひとつだけお願いが叶うなら…今度生まれ変われたら…』

「な、なに?」

『私を、真司さまのお嫁さんに…して下さい…』

「もちろんだよ…蛍さん…」

その直後、大きな花火が上がった。
そして、蛍さんが、眩い光とともに…

「俺の願いも、君と同じだよ。
蛍さんの…」

夜空はまだ輝いていた。
まるで、蛍みたいだった。



そして、あれから1週間がたった。
君の命の、眩い1週間が。
俺は、忘れないよ。
なぜなら、俺の願いは、君と同じだから。






























































































 







    
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

侯爵様の懺悔

宇野 肇
恋愛
 女好きの侯爵様は一年ごとにうら若き貴族の女性を妻に迎えている。  そのどれもが困窮した家へ援助する条件で迫るという手法で、実際に縁づいてから領地経営も上手く回っていくため誰も苦言を呈せない。  侯爵様は一年ごとにとっかえひっかえするだけで、侯爵様は決して貴族法に違反する行為はしていないからだ。  その上、離縁をする際にも夫人となった女性の希望を可能な限り聞いたうえで、新たな縁を取り持ったり、寄付金とともに修道院へ出家させたりするそうなのだ。  おかげで不気味がっているのは娘を差し出さねばならない困窮した貴族の家々ばかりで、平民たちは呑気にも次に来る奥さんは何を希望して次の場所へ行くのか賭けるほどだった。  ――では、侯爵様の次の奥様は一体誰になるのだろうか。

2回目の逃亡

158
恋愛
エラは王子の婚約者になりたくなくて1度目の人生で思い切りよく逃亡し、その後幸福な生活を送った。だが目覚めるとまた同じ人生が始まっていて・・・

わんこ系婚約者の大誤算

甘寧
恋愛
女にだらしないワンコ系婚約者と、そんな婚約者を傍で優しく見守る主人公のディアナ。 そんなある日… 「婚約破棄して他の男と婚約!?」 そんな噂が飛び交い、優男の婚約者が豹変。冷たい眼差しで愛する人を見つめ、嫉妬し執着する。 その姿にディアナはゾクゾクしながら頬を染める。 小型犬から猛犬へ矯正完了!?

私の夫は妹の元婚約者

彼方
恋愛
私の夫ミラーは、かつて妹マリッサの婚約者だった。 そんなミラーとの日々は穏やかで、幸せなもののはずだった。 けれどマリッサは、どこか意味ありげな態度で私に言葉を投げかけてくる。 「ミラーさんには、もっと活発な女性の方が合うんじゃない?」 挑発ともとれるその言動に、心がざわつく。けれど私も負けていられない。 最近、彼女が婚約者以外の男性と一緒にいたことをそっと伝えると、マリッサは少しだけ表情を揺らした。 それでもお互い、最後には笑顔を見せ合った。 まるで何もなかったかのように。

愛されない女

詩織
恋愛
私から付き合ってと言って付き合いはじめた2人。それをいいことに彼は好き放題。やっぱり愛されてないんだなと…

【完結】前世の恋人達〜貴方は私を選ばない〜

恋愛
前世の記憶を持つマリア 愛し合い生涯を共にしたロバート 生まれ変わってもお互いを愛すと誓った二人 それなのに貴方が選んだのは彼女だった... ▶︎2話完結◀︎

【書籍化】番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました

降魔 鬼灯
恋愛
 コミカライズ化決定しました。 ユリアンナは王太子ルードヴィッヒの婚約者。  幼い頃は仲良しの2人だったのに、最近では全く会話がない。  月一度の砂時計で時間を計られた義務の様なお茶会もルードヴィッヒはこちらを睨みつけるだけで、なんの会話もない。    お茶会が終わったあとに義務的に届く手紙や花束。義務的に届くドレスやアクセサリー。    しまいには「ずっと番と一緒にいたい」なんて言葉も聞いてしまって。 よし分かった、もう無理、婚約破棄しよう! 誤解から婚約破棄を申し出て自制していた番を怒らせ、執着溺愛のブーメランを食らうユリアンナの運命は? 全十話。一日2回更新 完結済  コミカライズ化に伴いタイトルを『憂鬱なお茶会〜殿下、お茶会を止めて番探しをされては?え?義務?彼女は自分が殿下の番であることを知らない。溺愛まであと半年〜』から『番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました』に変更しています。

大事な婚約者が傷付けられたので全力で報復する事にした。

オーガスト
恋愛
 イーデルハイト王国王太子・ルカリオは王家の唯一の王位継承者。1,000年の歴史を誇る大陸最古の王家の存亡は彼とその婚約者の肩に掛かっている。そんなルカリオの婚約者の名はルーシェ。王国3大貴族に名を連ねる侯爵家の長女であり、才色兼備で知られていた。  ルカリオはそんな彼女と共に王家の未来を明るい物とするべく奮闘していたのだがある日ルーシェは婚約の解消を願い出て辺境の別荘に引きこもってしまう。  突然の申し出に困惑する彼だが侯爵から原因となった雑誌を見せられ激怒  全力で報復する事にした。  ノーリアリティ&ノークオリティご注意

処理中です...