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〜"デス"ゲーム、開幕〜
10話 主を倒しただけでは終わらない。
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「ああー、疲れた。ったく、なんでゲームの世界なのに疲れを感じるんだよ……」
ベッドにダイブすると、俺の体が包み込まれていくように布団に沈んでいく。ああ、この感覚、やっぱり至極。
この世界、どうやら感覚までも現実世界と同じようだ。今まで見てきた木々や魔物、そしてNPCから伝わる『生命の鼓動』。ゲーム内にも関わらず、人間の仕組みを理解したように刎ねられたプレイヤーの首。ここまでリアルに仕上げられると、『ゲームの世界に閉じ込められた』より『ゲームの世界に転生した』といっても過言ではない。
ゲームではない、正真正銘異世界に転生したのでは?と考えるも『死んだ生物は光となって雲散する』という現象がゲームの世界であることを示し、現実に引き戻す。
「そうだ、そういえばスキルポイント溜まったんだったけか」
今日だけで俺はLv8になった。レベルが上がるごとにスキルポイントを2獲得していたのをふと思い出す。
「オープン」
ステータスを表示すると、スキルポイントの欄の数字が14になっている。
「さてさて、何を習得しますかねー」
取り敢えず、近距離系スキルと遠距離系スキルを一つずつ取っておきたい。初級ならば5Ptで取得できたはずだ。
「うーーん……。お?」
スキル一覧をスクロールしていると、取得に20Pt必要のあるスキルが目に付く。
「あー、いや、これは別に後でいいかな。先にこっち」
結局、当初予定していたスキルを獲得したが、近いうちにあのスキルも手に入れるつもりだ。
^
「皆、この先がボスエリアだ。気を引き締めていくぞ!」
「「「おおー!」」」
男が仲間を精神的にも、そして能力的にも鼓舞する。
「よし、行くぞ!」
エリアホライズンに重なるように配置された大扉を開く。中に踏み入れば、純白の柱が幾本も等間隔に連なっている、神殿を彷彿させる平坦な通路が俺達を迎えた。
「……進むぞ。急に魔物が出てくるかもしれない。武器は常に携帯しておけ」
「ああ、そうだな」
――バンッ
「っ!?」
「ひっ」
1メートルほど歩を進めた瞬間、大扉が勢いよく、盛大な音を静寂な室内に響かせながら閉じる。確認のために扉に触れ押してみるも、開く感触は一切ない。
「逃がしはしない、ってことか。ならばボスを倒して道を切り開くだけだ。気にせず行くぞ!」
「「「おお!」」」
『BFO』で初めてのボス戦。険しい戦いになるとは思うが、この5人ならきっと勝てるはずだ。編成は『見習い剣士Lv10』『見習い魔導士Lv10』『見習い僧侶Lv10』『見習い重量兵Lv10』『見習い弓兵Lv10』とバランスの良い編成だ。適正レベルにも到達している。
「……開けるぞ」
先程の大扉より重量感のありそうな扉に手を当て仲間の顔を窺う。うん、熱意が籠もった真剣な顔だ。
――キイイイィ
『私の領域に踏み入った不届き者はお前たちだな?』
扉を開けると、全長5メートルはある巨大な黒熊、『ジャイアントベア Lv10』が直立した状態でどっしりと待ち構えていた。
「し、喋った!?」
見習い僧侶、アルパカさんがジャイアントベアを見上げながら、魔物が喋るという光景に驚愕する。
「この世界はゲームだ。人間以外が喋ってもなんら不思議じゃない」
見習い重量兵、アップルさんが皆の盾となるように前へ出ながら、アルパカさんに受け答えるように言う。
「相手は俺らと同じLv10だ。力を合わせればきっと勝てる。いくぞ!」
「「「おお!」」」
『グオォォォォ!』
ジャイアントベアが本来の熊の在り方である4足歩行に切り替え突進する。
巨体が迫ってくる様は、トラックがアクセル全開で向かってきているのを連想させる。
「俺が食い止める!」
アップルさんが大盾を地面に打ち付け防御の構えをとる。
――ゴーーーン!
「ぐぅぅ……!」
熊の頭蓋と大盾が衝突し、鈍いながらも場に響く衝突音が鳴る。ジャイアントベアはその衝撃でふらついているようだ。
「今だ!畳みかけろ!」
俺の指示で一斉に己の得物をジャイアントベアへと向ける。
「はああ!」
「グレラ!」
「ふっ!」
『グンンンン!』
首の付け根に剣撃が入り、火の球が背中を焼き、耳元に弓矢が刺さる。
ジャイアントベアが体を激しく揺らし痛みを露わにする。しっかりと攻撃は通っているようだ。
「ああもう!そんなにふらついてたら狙いが定まらないじゃない!」
見習い弓兵、サキさんが地団太を踏みながら文句を垂れる。
「でも、しっかりと当たっていますよ!ナイスです!」
「そ、そうね」
それに対しアルパカさんがアップルさんの下へ歩み寄りながら励ましの言葉をかける。いいチームワークだ。
「HPを回復します!小回復!」
「済まない、助かる」
アルパカさんがスキルを発動すると、4分の3まで減っていたアップルさんの体力が見る見るうちに全回復する。
「よし、このまま行くぞ!」
「「「おお!」」」
^
「はああ!」
『グオオオオォォォォォ……』
横腹に剣撃を加える。するとジャイアントベアは勢いよく立ち上がり、すぐさま力なく地面に倒れる。倒れた場所からは大量の白い粉煙が舞い上がり、ジャイアントベアの体が青い光となって雲散していった。
<ジャイアントベアLv10を撃破しました。始まりの草原の主を撃破しました。レアアイテムがドロップしました。『ジャイアントベアの毛皮×1』を獲得しました。Lvが11にアップしました。スキルポイントを1獲得しました>
「……い、い、いよっしゃーー!」
「やったな」
「ああ」
「やったのね」
「やりましたね!」
初めてのボス討伐。それは見事勝利に終わった。ゲームで心の底から喜びを感じるなど何年ぶりだろうか。
――パチ、パチ、パチ、パチ
5人で輪になり喜びを分かち合う。すると、それに水を差すように柱の影から拍手が鳴り響く。
「始まりの草原の主撃破、おめでとう」
姿を現したのは、フードで目元を隠した、金の刺繍が入った黒のローブを着用している男だった。
「誰だ、お前」
見習い魔導士、ヨースケさんが杖を構えながら問う。
「それを言う必要はない。さあ、セカンドバトルだ」
「なっ……‼まだ終わってはいなかっただと!?だがさっきのアナウンスで主を倒したと言っていたが!」
「……」
男は俺の問いに答えず迫りくる。
「っく、答えないということはこれもストーリーの一部なのか!まずい、ポーションは既に切れている!」
「私もMPがありません!」
そうだ。主を倒したら終わりなんてルール、どこにもない!乱入イベントはRPGの常識だろ!くそ!何故見落としていた!
「ガルマ」
……‼速い、速すぎる!こいつ、ジャイアントベアの比じゃない!
<パーティーメンバー、アルパカ、アップル、サキ、ヨースケのHPが0になりました。パーティーを解散します>
……は?
急遽流れたアナウンスに頭が真っ白になった後、俺の視点がぐらついた。
<魔王に撃破されました。リポップ不可能です。このデータは使用不可になりました>
――ジジジ、ジジジジジジ
――ブツンッ
ベッドにダイブすると、俺の体が包み込まれていくように布団に沈んでいく。ああ、この感覚、やっぱり至極。
この世界、どうやら感覚までも現実世界と同じようだ。今まで見てきた木々や魔物、そしてNPCから伝わる『生命の鼓動』。ゲーム内にも関わらず、人間の仕組みを理解したように刎ねられたプレイヤーの首。ここまでリアルに仕上げられると、『ゲームの世界に閉じ込められた』より『ゲームの世界に転生した』といっても過言ではない。
ゲームではない、正真正銘異世界に転生したのでは?と考えるも『死んだ生物は光となって雲散する』という現象がゲームの世界であることを示し、現実に引き戻す。
「そうだ、そういえばスキルポイント溜まったんだったけか」
今日だけで俺はLv8になった。レベルが上がるごとにスキルポイントを2獲得していたのをふと思い出す。
「オープン」
ステータスを表示すると、スキルポイントの欄の数字が14になっている。
「さてさて、何を習得しますかねー」
取り敢えず、近距離系スキルと遠距離系スキルを一つずつ取っておきたい。初級ならば5Ptで取得できたはずだ。
「うーーん……。お?」
スキル一覧をスクロールしていると、取得に20Pt必要のあるスキルが目に付く。
「あー、いや、これは別に後でいいかな。先にこっち」
結局、当初予定していたスキルを獲得したが、近いうちにあのスキルも手に入れるつもりだ。
^
「皆、この先がボスエリアだ。気を引き締めていくぞ!」
「「「おおー!」」」
男が仲間を精神的にも、そして能力的にも鼓舞する。
「よし、行くぞ!」
エリアホライズンに重なるように配置された大扉を開く。中に踏み入れば、純白の柱が幾本も等間隔に連なっている、神殿を彷彿させる平坦な通路が俺達を迎えた。
「……進むぞ。急に魔物が出てくるかもしれない。武器は常に携帯しておけ」
「ああ、そうだな」
――バンッ
「っ!?」
「ひっ」
1メートルほど歩を進めた瞬間、大扉が勢いよく、盛大な音を静寂な室内に響かせながら閉じる。確認のために扉に触れ押してみるも、開く感触は一切ない。
「逃がしはしない、ってことか。ならばボスを倒して道を切り開くだけだ。気にせず行くぞ!」
「「「おお!」」」
『BFO』で初めてのボス戦。険しい戦いになるとは思うが、この5人ならきっと勝てるはずだ。編成は『見習い剣士Lv10』『見習い魔導士Lv10』『見習い僧侶Lv10』『見習い重量兵Lv10』『見習い弓兵Lv10』とバランスの良い編成だ。適正レベルにも到達している。
「……開けるぞ」
先程の大扉より重量感のありそうな扉に手を当て仲間の顔を窺う。うん、熱意が籠もった真剣な顔だ。
――キイイイィ
『私の領域に踏み入った不届き者はお前たちだな?』
扉を開けると、全長5メートルはある巨大な黒熊、『ジャイアントベア Lv10』が直立した状態でどっしりと待ち構えていた。
「し、喋った!?」
見習い僧侶、アルパカさんがジャイアントベアを見上げながら、魔物が喋るという光景に驚愕する。
「この世界はゲームだ。人間以外が喋ってもなんら不思議じゃない」
見習い重量兵、アップルさんが皆の盾となるように前へ出ながら、アルパカさんに受け答えるように言う。
「相手は俺らと同じLv10だ。力を合わせればきっと勝てる。いくぞ!」
「「「おお!」」」
『グオォォォォ!』
ジャイアントベアが本来の熊の在り方である4足歩行に切り替え突進する。
巨体が迫ってくる様は、トラックがアクセル全開で向かってきているのを連想させる。
「俺が食い止める!」
アップルさんが大盾を地面に打ち付け防御の構えをとる。
――ゴーーーン!
「ぐぅぅ……!」
熊の頭蓋と大盾が衝突し、鈍いながらも場に響く衝突音が鳴る。ジャイアントベアはその衝撃でふらついているようだ。
「今だ!畳みかけろ!」
俺の指示で一斉に己の得物をジャイアントベアへと向ける。
「はああ!」
「グレラ!」
「ふっ!」
『グンンンン!』
首の付け根に剣撃が入り、火の球が背中を焼き、耳元に弓矢が刺さる。
ジャイアントベアが体を激しく揺らし痛みを露わにする。しっかりと攻撃は通っているようだ。
「ああもう!そんなにふらついてたら狙いが定まらないじゃない!」
見習い弓兵、サキさんが地団太を踏みながら文句を垂れる。
「でも、しっかりと当たっていますよ!ナイスです!」
「そ、そうね」
それに対しアルパカさんがアップルさんの下へ歩み寄りながら励ましの言葉をかける。いいチームワークだ。
「HPを回復します!小回復!」
「済まない、助かる」
アルパカさんがスキルを発動すると、4分の3まで減っていたアップルさんの体力が見る見るうちに全回復する。
「よし、このまま行くぞ!」
「「「おお!」」」
^
「はああ!」
『グオオオオォォォォォ……』
横腹に剣撃を加える。するとジャイアントベアは勢いよく立ち上がり、すぐさま力なく地面に倒れる。倒れた場所からは大量の白い粉煙が舞い上がり、ジャイアントベアの体が青い光となって雲散していった。
<ジャイアントベアLv10を撃破しました。始まりの草原の主を撃破しました。レアアイテムがドロップしました。『ジャイアントベアの毛皮×1』を獲得しました。Lvが11にアップしました。スキルポイントを1獲得しました>
「……い、い、いよっしゃーー!」
「やったな」
「ああ」
「やったのね」
「やりましたね!」
初めてのボス討伐。それは見事勝利に終わった。ゲームで心の底から喜びを感じるなど何年ぶりだろうか。
――パチ、パチ、パチ、パチ
5人で輪になり喜びを分かち合う。すると、それに水を差すように柱の影から拍手が鳴り響く。
「始まりの草原の主撃破、おめでとう」
姿を現したのは、フードで目元を隠した、金の刺繍が入った黒のローブを着用している男だった。
「誰だ、お前」
見習い魔導士、ヨースケさんが杖を構えながら問う。
「それを言う必要はない。さあ、セカンドバトルだ」
「なっ……‼まだ終わってはいなかっただと!?だがさっきのアナウンスで主を倒したと言っていたが!」
「……」
男は俺の問いに答えず迫りくる。
「っく、答えないということはこれもストーリーの一部なのか!まずい、ポーションは既に切れている!」
「私もMPがありません!」
そうだ。主を倒したら終わりなんてルール、どこにもない!乱入イベントはRPGの常識だろ!くそ!何故見落としていた!
「ガルマ」
……‼速い、速すぎる!こいつ、ジャイアントベアの比じゃない!
<パーティーメンバー、アルパカ、アップル、サキ、ヨースケのHPが0になりました。パーティーを解散します>
……は?
急遽流れたアナウンスに頭が真っ白になった後、俺の視点がぐらついた。
<魔王に撃破されました。リポップ不可能です。このデータは使用不可になりました>
――ジジジ、ジジジジジジ
――ブツンッ
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