ゲームの世界に閉じ込められて魔王になりました。99万9999人のプレイヤーを倒すまで現実世界に帰れません。

でるたー

文字の大きさ
29 / 68
〜戦力強化編〜

28話 野生のプレイヤーが現れた!どうする?隠れる!

しおりを挟む
 それで、転移してきたはいいものの、ここどこだ?

 ぱっと見渡した感じは『オアシス』だろうか。ヤシの木が風に吹かれゆらゆらと葉をなびかせ、雲一つない空に浮かぶ眩しい太陽が、透き通った湖を輝かせる。地面は完全に砂のみの『砂漠』ではなく、しっかりとした地盤の上に砂が盛られているような感じだ。
 暑さや寒さを感じないからだろうか。なんだかとても不思議な気分に陥る。夢の中にいるような感覚だろうか。
 まあ、そんなことを一々考える必要はないのだが。

世界地図ワールドマップ

 そう、俺には世界地図ワールドマップがあるのだ。がっはっは。

 この世界地図ワールドマップ、スマートフォン、GPS機能、必要ないんです!凄いでしょお!?
 そんな便利な世界地図ワールドマップ。なんとお値段20Pt!高いでしょお!?

 はい、ということで馬鹿みたいな茶番終わり。本題へ行きましょう。

 世界地図ワールドマップを開くと、広大な空間、恐らくこの世界の縮尺図であろうジオラマが広がる。そしてその中で不自然に点滅する緑色のポイントをタップすると、現在俺達がいるのであろうステージがピックアップされる。

「第4ステージ 快晴の地オルシャス、か」

「そのようでございますね」

 2人でジオラマ内を眺めながら呟く。

『第4ステージ 快晴の地オルシャス』

 それが現在地のステージ名だ。第5ステージ同様、白旗が3本ほど立っている。
 が、そのどれもが折れている。恐らく未踏の地ではないためイベント設置が不可能、という事だろう。そしてそれはつまり

「なあ、ボスはまだなのか~?」

「レイ、茂みに隠れろ!」

 プレイヤーがここまで到達している、ということだ。それにしても、まずいな。ここはオルシャスの中でも奥地。それはつまり、イベントを設置される前に第5ステージに到達される可能性がある。そうなると流石にまずい。

 そして、なんと言っても今この状況が非常にまずい!なんとかすぐ側に体を縮めればぎりぎり2人が入りきるほどの茂みはあったが、恐らくプレイヤーは不自然に揺れたこの茂みに違和感を覚えるだろう。そうなってくると

「ん?今、あの茂み揺れなかったか?」

 こうなるのだ。流石に、この地まで到達しているパーティーを相手だと勝てる自信がない。最低でもLv30、奥地まで到達しているのを踏まえるとLv38はあるだろう。

「いや、風だろ。このゲームそういうところ細かいし」

 最初に聞こえた能天気な声が言う。よく言った!頼む、そのままどこかへ行ってくれ!

「いや、だがしかし……あの揺れは明らかに不自然だった気が……」

 違う!風だ!決して魔王とその幹部が茂みでこそこそしているわけではない!……あ、いかがわしい方ではない!

 なんなんだこの異様な空間は!相手の姿が見えないせいで、余計に心拍数が上がるんだが!

「あ、ねえねえ!向こうにサンドリザードいるよ!」

「お、行こうぜ行こうぜ!ほら、カナタも!」

「いやだが……って、おい!ったく、しょうがねえなあ……」

 必死に息を殺し経過を見守っていると、陽気な女性の声が聞こえてくる。それに能天気男君が賛同し、カナタと呼ばれた不自然気にしすぎ男が呆れた後、遠くへと走っていく足音が耳に届く。


 完全にこの場を離れたと判断し茂みから出ると、案の定無人の景色が広がっており、胸を撫で下ろし安堵する。

「……ふうううーー。危なかった……レイ、大丈夫か?……レイ?」

 いつもなら即座に返事をするはずのレイが、暫く経っても返事をしないのを疑問に思い顔を左下へ向ける。
 するとそこには、顔をこれでもかというほど赤面させ、意識がどこかへ飛んでしまっているレイの姿があった。

「レイ、大丈夫か?おーーい」

「かいざさまが……ちかくに……すぐそこに……ふわあ」

 うん、だめそうだな。……いや、幸せそうな顔してるけど普通に困るんだが!

「てや」

「ふえあ!こ、これはカイザ様、お見苦しい所をお見せしました」

 軽く頭にチョップを入れると、我に返ったようで何度も勢いよく頭を下げてくる。
 まあ、正直こんな美少女に好かれてるのは全く嫌な気しないからいいんだけどね。場所、考えようぜ?と、迷子になった26歳が言ってみますごめんなさい。

「それはもう大丈夫だから、普通にしていいよ。とにかく、もうあのファイアリザードは転移石碑近くにはいない筈だ。戻ろう」

 俺より高レベルのプレイヤーがいるこの場所は非常に危険だ。一刻も早くここを脱出したい。

「畏まりました」

 レイがいつもの、というか俺が想像していた落ち着いたレイに戻り了承の意を唱える。

「よし、行こう」

 さて、転移してからどうするか……。現在時刻は16時ジャスト。この世界で日が完全に落ちるまで残り3時間だ。光源を確保する手段を持ってきていないため、日が落ちるまでには城に帰還したい。しかし、奥地に到達しているプレイヤーを確認した今、一刻も早くLv40に到達しなければいけない。この3時間をどう使うか。

「レイ、スキルの中で光源を確保できるものってあるか?」

 石碑の前でレイに問う。

「光源を確保、ですか?失礼ながらお聞きしたいのですが、魔族である私たちにとって光源は必要ないのでは?」

 ……え?まあ、俺が魔族っていうのは魔王なんだから予想はしていたけど、光源が必要ないって、それはつまり

「もしかして、俺らって光のない夜の森でも普通に見えたりする?」

「はい、勿論です」

 ……あーー、はい。徹夜レベリング決定!
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした

たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。 死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】

きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
【毎週火木土更新】 自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。 その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ! 約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。 ――― 当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。 なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります

はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。 「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」 そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。 これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕! 毎日二話更新できるよう頑張ります!

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

処理中です...