ゲームの世界に閉じ込められて魔王になりました。99万9999人のプレイヤーを倒すまで現実世界に帰れません。

でるたー

文字の大きさ
42 / 68
〜戦力強化編〜

41話 目からビーーーム‼

しおりを挟む
「グオ!?グン、グ、グオ!?」

 いや、あちこち見てないで俺を見ろよ!召喚主お前の真後ろ!

「ネロ、乗るぞ!」

「カ、カイザ様!?は、はい!畏まりました!」

 挙動不審になっているネロに声を掛け背中に跨る。こいつ、どうやら俺が召喚術で呼び出したことに気付いていなかったようだ。もしや、こいつもポンコツか?

「ネロ、あのゴーレムは見かけによらずAGIが高い。充分注意して動いてくれ!」

「はい!」

『ドライガ』

「ガルマダ」

 ゴーレムが放つ岩弾を漆黒の球で迎え撃つ。

「よし、INTは俺の方が上だ」

「流石です!」

 衝突した2つの球体の勝負は、こちらが勝利した。というのも、俺のガルマダがゴーレムの放ったドライガを呑み込み、限りなく衰弱しながらもゴーレムの下へ飛んで行ったのだ。
 ガルマダとドライガはお互い属性は違えど中級魔術。お互いに弱点属性ではないのに加え威力は同等。そのため、単純に術者のINT勝負になる。

「さて、こいつの出番だ……って、すげー!なんだこれ!」

 闇魔剣ティオルを鞘から抜くと、剣身が漆黒のオーラを纏っていた。
 溢れ出る中二病感、堪んねえぜ!

「ネロ、行くぞ!」

 勿論、二刀流などという馬鹿なことはしない。今の俺にそんなことを成す技量は無いのだ。わっはっは。

「グㇽァァアアア‼」

 ネロがその堂々たる風格にあう咆哮をあげ駆ける。いつの間にかゴーレムの目下まで迫るその速さは、『AGI700越え』は伊達ではないことを示している。

「ふっ」

 ゴーレムの巨腕を一閃。切断は出来なかったものの、数センチの切込みを入れることが出来た。

「ゴーレムの周りを駆け回れ!」

「了解!」

 俺の指示に従い、ネロがゴーレムを取り囲むように駆け回る。

「うお、めちゃくちゃだなあ……一旦退くぞ!」

「了解!」

 ゴーレムは暫く俺らを目で追い腕を振り下ろしていたが、それが当たらないと悟ると一心不乱に腕を振り下ろし始めた。

『ドライア』

「跳べ!」

 ゴーレムが魔術を発動した瞬間、ネロに跳躍を指示する。中級土魔術ドライア。レイがヴラド相手に使用した、地面を勢いよく盛り上げる魔術だ。
 ネロが跳躍したと同時に、足場手前の地面が盛り上がり、真下に勢いよく突き出る。レイが使っているのを見ていなかったら危ない所だった。

「ガルマダ」

 こちらも遠距離で何もしないわけにはいかない。現在行使可能な闇魔術の内唯一、攻撃魔術であるガルマダを打ち込む。

『ドライア』

 勿論ゴーレムもそれに対抗し魔術を放つ。

「今だネロ、行くぞ!」

「了解!」

 先程の魔術の衝突でこちらに分があることは分かった。ならば、相手がこちらの魔術に手間取っている間に間を詰めればいい。

「ふっ」

 先程つけた切込みを狙い再びティオルで一閃。今回も切断は叶わなかったものの、腕の中央付近まで切込みを深めることが出来た。

「退くぞ!」

「了解!」

 油断することなくヒットアンドアウェイ。ゴーレムの一撃がどれ程のものかは未だ未知数なものの、ネロがくらってしっまうと一撃で瀕死、最悪死亡もあり得る。

『レーザーアイ』

 距離をとった俺達に向かい、赤い瞳からブラッドレイに似た光線を放つ。どうやら同じ中級魔術での勝ち目がないことを悟り、線状の魔術を選択したようだ。
 避けてみれば、壁にはブラッドレイと同様、くっきりと焦げ跡が残っている。そして2本のみの光線だからだろうか、速さと威力が段違いだ。
 ブラッドレイは本当にただの光線だが、レーザーアイは着弾地点で爆発する。これは前回のように甘んじて受けるという選択肢はもらえないようだ。

 だが、当たらなければ逆に好都合だ。

「ネロ、行け!」

「了解!」

 ネロが軽やかに疾走する。ゴーレムのレーザーアイ。厄介なものではあるが、視点で射線を見切ることが出来る。ブラッドレイに比べ、躱すのは容易だろう。そして躱すことが可能ならば、こちらが優位に立つ。

「ふっ」

 三度、巨腕の同じ箇所を一閃。恐らく次で切断できるだろう。

 ゴーレムは未だにレーザーアイを発動し俺達を目で追っている。どうやらレーザーアイは自由に発動を中止することは出来ないようだ。そしてゴーレムは己の巨腕に被弾せぬよう、こちらに巨腕を振るってはこない。絶好のチャンスだ。

「ふっ」

 巨腕の同じ箇所を一閃すること4回、ようやく片腕の切断に成功する。無傷で相手の片腕を取れたのは大きい。

「よし、一旦退くぞ!」

 ゴーレムがようやくレーザーアイの発動をやめ、片腕しかない巨腕を一心不乱に振り回し始めたため退避する。

『5分が経過しました。暴走状態デストロイモードへと移行します』

 無機質な女性の声がそう告げた後、ゴーレムの全身が朱色へと変化し、

「いや、おいおい、嘘だろ?」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした

たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。 死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】

きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
【毎週火木土更新】 自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。 その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ! 約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。 ――― 当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。 なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。

処理中です...