【完結】罪と、罰と、二度目の恋と

雨樋雫

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第一章

不可解な行動

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 その後も間宮はちょうどいいオモチャを見つけた子どものように何度も三澄を呼びつけては抱いた。いや、抱いたと言う表現は適切ではない。

 愛撫など一切しないし、もちろんキスなんてもってのほか。まるで人形を使ったオナニーだ。
 無理矢理三澄の喉奥にペニスを突っ込んだり、コンドームもつけず無断で中に出したりした。
 自分をいじめていた相手を穢す行為に一種のカタルシスを感じていたのかも知れない。
 ただただ欲望を吐き出すだけの対象として三澄をとことん利用し、蹂躙した。

 それでも三澄は黙って体を差し出し続けた。

 行為中の写真や動画は一切撮っていないから、リベンジポルノの心配をする必要もない。間宮から要請があっても無視すれば良いだけだ。
 にも関わらず、いつも三澄は何も言わずにただ従う。

 行為中は興奮していて完全に忘れているが、事が終わって冷静に考えてみると、三澄の行動はあまりにも不可解すぎた。

「実はドMだったとか…?」

 そう呟いて、違うな、と1秒後にはその予想を取り消した。

 生理的な快感は感じているようだったが、間宮との行為を楽しんでいるようには全く見えなかった。
 本当に罪滅ぼしをする覚悟なのだろうか。なんのために?
 こんなことをしても、三澄にメリットなんてない。

「マジでワケわかんねぇ…」
 三澄の真意が読み取れなかったが、間宮はそのことには気付かないフリをした。
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