【おまけページ更新中】世良くんの刺激的な日々後日談

雨樋雫

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~樹生side~

愛しい人

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 葉山樹生はやまいつきは、隣でスヤスヤ寝ている恋人の頭をそっと優しく撫でた。

 今年二十八歳の誕生日を迎えた樹生は、新宿歌舞伎町に店を構えるホストクラブのオーナーだ。元々は樹生自身もホストをしており、東条響とうじょうひびきの名で長年大手グループのNo.1を張っていた。三年前に惜しまれつつもプレイヤーを卒業し自分の店を持った樹生は、今ややり手経営者として界隈で名を馳せている。

 樹生の横で安心しきった顔で爆睡中の恋人、世良せら仁太郎じんたろうも樹生の店の従業員だ。ホストとしてではなく、内勤として働いている。
 少し吊り上がったまなじりが、こぎつねみたいでなんだか可愛い。

 二人の出会いは半年前。仁太郎が高校三年生の時だった。
 恵まれない家庭環境から荒れに荒れて毎日喧嘩に明け暮れていた仁太郎が、樹生の店の前で揉め事を起こしたことが全ての始まりだった。

 それから色々あり、成り行きで体を重ねることになってしまったのだが…最初は生意気なクソガキ程度に思っていた仁太郎に、樹生はそのまま見事に溺れてしまった。
 気の強いところも、それでいて意外と繊細で傷つきやすいところも、素直じゃないくせに分かりやすいところも、今では仁太郎の全てが愛おしい。

「ん…樹生さんおはよ」

 目が覚めた仁太良が布団の中でモゾモゾしながら体制を変えた。

「おはよ、仁太郎」
「腰…めっちゃダルい…」

 原因はわかっている。樹生がしつこく何度も求めてしまったせいだ。

「昨日無理させすぎちゃったかな」
「わかってんなら少しは手加減してよ」

 仁太郎が眉根を寄せて抗議するも、樹生は悪びれもなくこう言った。

「悪い…お前の可愛い顔見てたら我慢できなかった」
「か…可愛…っ!?」

 可愛いと言われて、仁太郎がカアッと顔を赤くし布団に隠れる。

 計算のない素直な反応が愛おしい。騙し騙されの夜の世界でずっと生きてきた樹生にとって、仁太郎の存在は癒やしそのものだ。

 いや、夜の世界に飛び込む前から、ずっと樹生の周囲は殺伐としていた。
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