異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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7章 更なる強さを求めて

177 入社説明会?③ 質疑応答

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「参加したい!」

「お、俺も!」

「僕も!」


 今のところ、比較的に年少組には好意的に捉えられているようだ。しかし、恐らくもう救貧院を出たであろう年長組と、現状も苦労し続けているらしい大人組の反応は懐疑的に見える。


「それだけ稼げるなら、あえて俺たちに声をかけたのはなんでなんだ?あんたら身なりもいいし、俺たちの世話を焼かなくても自分たちで稼げてるんだろ?」

「俺も始めはお金に苦労したんでね。お金はいくらあっても良いんだよ。金貨が稼げる階層まで行けば、銀板1枚ないんて大した額じゃないだろ?お前らにもとっても大した負担にならずに気軽に払える金額になってるはずだ。
 将来的な話になるけど、1人につき1日銀板1枚が毎日入ってくるんだぜ?今ここに何人集まってる?想像してみろよ。何もせずに毎日金貨が何枚も稼げる生活ってもんをよ。
 ま、現実的に考えれば、途中でカンパニーを脱退して独立していく奴も少なくないと思ってるけどな」


 栄光の運び手を含めなくても、今この場には50人を越える人数が集まっている。うん、クレーレさん集めすぎです。
 質問してきた少年は、会場を見渡したあとにゴクリと唾を飲み込んだ。


「お前が聞いてきたとおり、俺にもちゃんと利益があるから提案してるんだよ。
 お前らはまだ若いからな。本格的に戦えるようになるには多少時間が必要かもしれない。けど最終的な金額を想像した今なら、俺がこの話を持ってきた理由も分かるってもんだろ?
 お前達にも負担をかけず、俺も最終的にはなにもしなくてもお金が入ってくるようになるわけだ。そのための投資、下準備みたいなもんだな」


 日本にいたころから憧れていた不労所得。50人が8階層を通過すれば、3日でリヴァーブ王国の年収が、寝てても稼げてしまう。これって夢のシステムだと思うんですよね!


「ただの親切じゃないなら、信用してもいいんじゃないか?」

「俺たちがそこまで稼げるようになるのかは分からないけど、嘘や誤魔化してるようには聞こえないよな」

「銅板1枚で2食付きの宿なら、今泊まってるとこより安くなるしな、受けてもいいんじゃないか?」


 救貧院を追い出されたうちの、比較的若い層は乗り気になってくれたようだな。
 この説明会は次回から他のパーティに任せたいと思うし、大変なのは初回だけだと思うんだよね。こんな人数が一度に参加するのだって今回限りだろうし。


「質問してもいいか?」


 お、大人組のうちの1人の男が反応したぞ!


「モチロン。俺に答えられることなら何でも聞いてくれ」

「俺は少し、人と過ごすのが苦手でな……。ありがたい話だとは思うのだが、他の人間と共同生活というのは、正直難しいと思う。
 カンパニーへの参加は、カンパニーが用意した宿に入らなければいけないだろうか?」


 ああ、クレーレさんがちらっと言ってた、1人で苦労してるって奴なのかな?


「いや、無理に共同生活を押し付けるつもりは無いよ。パーティだって強制する気はないしな。
 たださっきも言ったけど、こちらが用意した宿を使わなくても、カンパニー参加費用は払ってもらうぞ?宿と食事代が浮かないなら、お前の方にこそ参加する意味がないんじゃないのか?」

「いや、俺の泊まっている宿では食事が出ないからな。2食を貰えるだけでもかなり助かるんだ。
 それにさっきアンタはソロのまま10階層まで潜ったと言っていた。1人でも迷宮で戦える術を教えて欲しいんだ。
 俺はもう長らく3階層を回っているが、いまだに余裕がないんだ。戦い方を教えて欲しい」


 そういえば俺も、厳密には3階層チャレンジのときはソロじゃなかったからな。ソロで3階層にチャレンジして安定させるのは難しいのかもしれない。オーサンの指導も受けてないんだろうしな。


「ふむ。こっちとしては問題ないよ。戦い方を教えるときは他の参加者と一緒に受けてもらうことにはなると思うけど、それが平気であればこっちとしては拒否する理由もないよ」

「も、勿論だ!ありがたい!ぜひ参加させてもらいたい!」


 よし。大人組からも参加希望者ゲッツ!いい流れになってきたな。


「お、俺もいいか!」

「どうぞどうぞー」

「俺は才能が無くて、祝福の儀を受けたけどスキルが獲得できなかったんだ……。だから当時組んでいた仲間に追い出されて、1人になってしまって。それからは迷宮に潜れていないんだ……。
 スキルが覚えられなかった俺でも、参加させてもらえるんだろうか!?お金に余裕がなくて、もう辛いんだよ!参加させてくれ!俺を追放したあいつらを、見返してやりたいんだ!!!」


 おおう、ある意味流行のパーティ追放の被害者さんですか。ならば主人公として覚醒する可能性もあるのかな、なんつって。
 恐らくスキルが取得できなかったのは、暗視の条件を満たしていなかったことと、15SPに達していなかったことが原因なんだろうな。ネズミなんかいくら倒してもSPの獲得は難しいし。
 他のメンバーがスキルを獲得できたと考えると、恐らく15SPの一歩手前って所だったんだろうな。そう考えると育成が楽な気がする。


「参加は構わないよ。長いこと迷宮に入ってなかったのなら、始めは訓練から始めてもらう事になるかもだけど」

「勿論訓練からで構わない!いや、むしろ訓練をつけてもらいたいんだ!戦えるようになりたい!」

「お、俺も参加させてくれ!俺もどんくさいからって、仲間に追い出されたんだ!
 確かに俺はみんなみたいに上手く動けなかったけど、俺だって戦えるようにしてくれ!俺だって戦いたいんだ!」


 運動神経があまり良くない人なのかな?でも戦う方法はいくらでもあるからな。動きが重いなら盾役って選択肢もあるし。
 むしろ今後を見据えるなら、色んなパターンを試して、色んな選択肢を提示できるようになりたいところだ。まぁ実際の訓練はオーサンに丸投げするけどな、ぐへへ。


「私も、私も質問させてください……」


 音魔法が無ければ拾えないようなか細い声で、大人組唯一の女性が俺に聞いてきた。


「私は……、迷宮に、入れません……。そんな私でも、参加する資格は、あるんですか……?」


 ……来たか。魔物と戦えない人間。

 まぁリンカーズでは戦えない人間が価値を見出されないのは仕方ないのかもしれないけど。
 こちとら先天スキルすら無くても5階層まで生き延びてみせたんだからな。

 たとえ戦えなくても、スキルを得ることが出来なくても、出来る事はあるはずだ。
 というか、見つけてみせる。
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