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狐少女の恋
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獣耳に、ふさふさのしっぽ。
まさに、人間ではないことは一目瞭然だった。
「ふえ、人間の方が居たんですか」
女性は目をぱちくりさせて私の方を見た。
それにしても、零れ落ちそうなほどの綺麗な大きい瞳だなー。アイドルみたい。
私は思わず、そんなことを思っていた。
「お嬢さん、こちらは狐のアンリさんですよ。狐界のアイドルグループKTN55のリーダーです」
マスターが女性を示して説明する。
人間でも、そんなアイドルグループ居ませんでしたっけ……?
まさに狐に包まれたような顔をしていたのだろう。
アンリさんは涙を拭くと、ニッコリと笑って私に微笑みかけた。
おお―、まさにアイドルスマイル!
ずきゅーん、とハートを射抜かれるくらいの衝撃が走り咄嗟に私は握手を求めていた。
「芸能人(?)に会うの初めてです、私!」
アンリさんと握手をしている間に、マスターは素早くお茶の準備をしていた。
いかん、いかん。私はここでアルバイトをするんだった。
自分の存在意義を思い出してるうちに、マスターがもう紅茶を出していた。
「どうしよう、私……ぐすぐす」
湯気を立てる紅茶を前にして、アンリさんはまた泣き出してしまった。
「いいんですよ。泣いても。人前では泣けませんもんね」
「マスター」
アンリさんは本格的に顔を覆って泣き出した。
再びおろおろする私に、静かなマスター。
私は意を決してアンリさんの隣に座ると、マスターを真似て静かに見守ることにした。
「……ああ、泣いたなー」
ひとしきり泣いて、顔を上げてすっきりした顔でアンリさんは呟く。
「アンリさんは我慢し過ぎなんですよ」
冷めてしまった紅茶をさり気なく替えながらマスターが言う。
「……大丈夫ですか?」
そう聞く私に、アンリさんは赤くした目を見張った。
「心配してくれるんですか? 人間の方に心配してもらえるのは、あの人だけかと思ったのに」
「あの人?」
頷くアンリさん。
「あの、良かったら聞いてください。マスターも」
「ええ、いいですよ」
私も言う。
「私で良かったら!」
アンリさんはぽつぽつ話し始めた。
アンリさんはさっきマスターが説明したとおり、狐のアイドルグループ・KTN55グループのリーダーだった。
妖怪界・獣界では絶大な人気を誇るアイドルグループだそうだ。
ただ、グループだけあって、人数が多い為グループをまとめるのは大変だったみたいだ。
来る日来る日厳しいもレッスンに出て歌番組に出演するアンリさん達。
ある日、グループの一人が卒業することになった。
アンリさんは最年長。
当然、卒業はアンリさんからだと思われていた。
メンバーの卒業理由は、『恋をしたから』という理由。
アイドルに恋はご法度だった。(それは人間と一緒みたい)
アンリさんは愕然とした。
怒ってそのメンバーを詰ってしまった。
「恋と私たちを天秤にかけたの⁉」
怒るアンリさんにそのメンバーは静かに笑ったそうだ。
「いいのこれで」
と。
ふと、アンリさんは分からなくなってしまったそうだ。
互いに夢を追いかけようと誓ったメンバーが恋を理由に卒業。
恋とは、そんなに大事な物なのか。
アンリさんは、ふらふらと人間界のとある場所にやって来て、その時に怪我をしてしまったらしい。
「その怪我をして困った時に、人間の男性に助けてもらったの」
そして、
「一目惚れをしました」
顔を赤くして、アンリさんはまた語った。
その男性は、狐の姿のアンリさんを手当てすると、山の麓まで車の乗せて自然界に送り届けてくれたそうだ。
アンリさんはそれからその男性のことが忘れられなかった。
たまたま、人間界の雑誌を見たときに、なんとその男性が載ってるではないか!
その男性とは、人間界の男性アイドルグループ【echoharmonyBoy`s7】。
略して【エハモ7】のヤシンだった。
まさに、人間ではないことは一目瞭然だった。
「ふえ、人間の方が居たんですか」
女性は目をぱちくりさせて私の方を見た。
それにしても、零れ落ちそうなほどの綺麗な大きい瞳だなー。アイドルみたい。
私は思わず、そんなことを思っていた。
「お嬢さん、こちらは狐のアンリさんですよ。狐界のアイドルグループKTN55のリーダーです」
マスターが女性を示して説明する。
人間でも、そんなアイドルグループ居ませんでしたっけ……?
まさに狐に包まれたような顔をしていたのだろう。
アンリさんは涙を拭くと、ニッコリと笑って私に微笑みかけた。
おお―、まさにアイドルスマイル!
ずきゅーん、とハートを射抜かれるくらいの衝撃が走り咄嗟に私は握手を求めていた。
「芸能人(?)に会うの初めてです、私!」
アンリさんと握手をしている間に、マスターは素早くお茶の準備をしていた。
いかん、いかん。私はここでアルバイトをするんだった。
自分の存在意義を思い出してるうちに、マスターがもう紅茶を出していた。
「どうしよう、私……ぐすぐす」
湯気を立てる紅茶を前にして、アンリさんはまた泣き出してしまった。
「いいんですよ。泣いても。人前では泣けませんもんね」
「マスター」
アンリさんは本格的に顔を覆って泣き出した。
再びおろおろする私に、静かなマスター。
私は意を決してアンリさんの隣に座ると、マスターを真似て静かに見守ることにした。
「……ああ、泣いたなー」
ひとしきり泣いて、顔を上げてすっきりした顔でアンリさんは呟く。
「アンリさんは我慢し過ぎなんですよ」
冷めてしまった紅茶をさり気なく替えながらマスターが言う。
「……大丈夫ですか?」
そう聞く私に、アンリさんは赤くした目を見張った。
「心配してくれるんですか? 人間の方に心配してもらえるのは、あの人だけかと思ったのに」
「あの人?」
頷くアンリさん。
「あの、良かったら聞いてください。マスターも」
「ええ、いいですよ」
私も言う。
「私で良かったら!」
アンリさんはぽつぽつ話し始めた。
アンリさんはさっきマスターが説明したとおり、狐のアイドルグループ・KTN55グループのリーダーだった。
妖怪界・獣界では絶大な人気を誇るアイドルグループだそうだ。
ただ、グループだけあって、人数が多い為グループをまとめるのは大変だったみたいだ。
来る日来る日厳しいもレッスンに出て歌番組に出演するアンリさん達。
ある日、グループの一人が卒業することになった。
アンリさんは最年長。
当然、卒業はアンリさんからだと思われていた。
メンバーの卒業理由は、『恋をしたから』という理由。
アイドルに恋はご法度だった。(それは人間と一緒みたい)
アンリさんは愕然とした。
怒ってそのメンバーを詰ってしまった。
「恋と私たちを天秤にかけたの⁉」
怒るアンリさんにそのメンバーは静かに笑ったそうだ。
「いいのこれで」
と。
ふと、アンリさんは分からなくなってしまったそうだ。
互いに夢を追いかけようと誓ったメンバーが恋を理由に卒業。
恋とは、そんなに大事な物なのか。
アンリさんは、ふらふらと人間界のとある場所にやって来て、その時に怪我をしてしまったらしい。
「その怪我をして困った時に、人間の男性に助けてもらったの」
そして、
「一目惚れをしました」
顔を赤くして、アンリさんはまた語った。
その男性は、狐の姿のアンリさんを手当てすると、山の麓まで車の乗せて自然界に送り届けてくれたそうだ。
アンリさんはそれからその男性のことが忘れられなかった。
たまたま、人間界の雑誌を見たときに、なんとその男性が載ってるではないか!
その男性とは、人間界の男性アイドルグループ【echoharmonyBoy`s7】。
略して【エハモ7】のヤシンだった。
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