死神少女と社畜女

キノハタ

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Happy ever after --- till the end. いつか命が終わるまで

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 さらに一年後、とある休日の大通りにて。

 「でね!! お母さんったらひどいんだよ!! 私が『とりあえず手っ取り早くお金を稼ぎたいから、高校出たら働く』って言ったら、『もっと自分の幸せ考えなさい、それがわからないなら進学しなさい』って!! 金、金ってなってたのは昔の自分もじゃん!! なんで私にはやらせないんじゃーっ!!」

 「ま、まあ。お母さんの気持ちもわからなくもないけど……、ゆなはなんでそんなに働きたいの?」

 「え? さっさとお姉さんを養いたいから」

 「……なにゆえ」

 「…………ほら、いちゃいちゃ出来る時間が増えるじゃん? あとお姉さん、社会で生きていけなさそうだし……」

 「……ちゃんと進学しなさい」

 「なぜじゃー!! 味方がいなーい!!」

 「私もまだもうちょっと、社会で頑張りたいからね……」

 「うーむ……だって、お姉さん。出会った時の社畜イメージが私の中で抜けてないんだもん? 大丈夫? あの写真館のおじいさんにこき使われたりしてない? セクハラされてない?」

 「だいじょーぶ、まあ、私はよくやらかすけど。これでも最近はミスも減ってきたからね」

 「お、すごーい。どうしたの? 私との幸せ効果?」

 「え、うーん……えーと、それもあるけど、もうこれ以上太りたくないから……かな。……館長、私がミスるたびにおまんじゅう出してくるから」

 「そっか……」

 「……うん」

 「今度、ちょっとベッドでチェックするね」

 「……うん?」

 「そんなことより、今日の目的覚えてる?」

 「ゆなのバイク……でしょ。しかし半年で二輪免許なんてよくとったねえ」

 「そりゃあ、お姉さんと二人で出かけたかったもん。もう普通に警察から見えちゃうから、原付で二人乗りはできないしね。そして、へへ、今度は立場が逆転だあ」

 「そーだね、ところで、ゆな?」

 「ん、何?」

 「

 「…………」

 「なーんで?」

 「えと……」

 「うん」

 「あー……気分です、ほら、気分」

 「…………教えてくれないと、私、ゆあと旅行行っちゃうよ?」

 「え?! それはダメ! あの子、最近、あきらかに目覚めかけてるから! お姉さんに抱き着きながら、私に対してあからさまに勝ち誇った目で見てくる時あるから!!」

 「……だって、まゆ。教えてくれないし」

 「………………………………いし」

 「んー?」

 「……だって、恥ずかしいし。死神の時は……人には聞かれなかったから、……気にせず言えたけど。人前で年上のお姉さんを呼び捨てにするのは、……さすがにちょっと……恥ずかしい」

 「……ふーん?」

 「な、別にいーでしょ……」

 「うん、いーよ」

 「……あれ、意外とあっさり。……いいの?」

 「うん、二人きりの時は呼んでくれるってことでしょ? だけど、ふーん、そういうことだったのか。確かに、二人で部屋でいちゃいちゃしてる時は、呼んでくれるもんね?」

 「……うん」

 「じゃ、いいや。ほら、はやくいこー、ゆな」

 「はーい、あれ、お姉さん缶コーヒー持ってたっけ?」

 「あるある、そこのお地蔵さんでお供えしてこ?」

 「うん、今日も頑張ってる元上司にお供えだー」

 「たまにブログのコメントにやってくるよ? 大体、深夜だけどね」

 「相変わらず、寝てなさそう。たーいへんだねー」




 少女と女は道端の地蔵に足を止めると、二人して缶コーヒーをそっと供えた。



 

 そうして、五秒ほど祈ってから、二人でそっと歩き出す。



 「ねえ、ゆな。今、誰もいないよ?」


 「……なーに、

 

 二人はそっと眼を合わせると、秘密の話をするみたいに、こっそりと笑い合って歩き出した。






 ※






 生きる意味って何でしょう。


 お金を稼ぐことですか?


 幸せになることですか?


 誰かの役に立つことですか?


 きっと、どれもが正しくて。


 きっと、どれも間違えてなどいないのでしょう。


 生きる意味に、そもそも、きっと間違いなどないのだから。


 だから私は、望むままに生きようと想います。


 道がわからなくなることは、あるけれど。


 自信がなくなることも、あるけれど。


 どうせこの命は死ぬはずだった、めっけもの。


 いつか潰えて捨てるはずだったそれを、あなたにたまたま拾ってもらった。たったそれだけの、おまけもの。


 元々、なかったものなのだから、きっと好きなように生きていいのです。


 だから好きなように、目一杯、今日を生きましょう。


 いつ終わりが来てもいいように。


 だって命がいつか終わるかなんて、誰にも。神様にも、死神にもわからないから。


 一年後、あなたが死んでしまうなら、あなたは一体、何をしますか?


 一週間後、私が死んでしまうなら、今度はどこに旅に出るかな?



 もし。



 もし一日後、あなたが死んでしまうなら。



 愛してるって一杯、言おう。



 もし一日後、あなたが死んでしまっても、後悔などしないように。



 今、愛してるって一杯、言うね。



 そんな今日を、何日も、何日も、積み重ねるから。



 この命が終わるまで。



 何日も、何日も、何時までだって。



 そんな今日を過ごしていくから。



 「ねーえ、ゆな」


 「なーに、まゆ」


 「愛してるよ」


 「…………うん、私も」



 そう、いつかこの命が終わるまで。



 ずっと、ずっと。






 ずっと、ずっと、いつまでも。
















 おわり
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