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第20章 最終章~幸せの始まり編~
③こんな風に
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もうすぐセスの2人目の子が産まれる。
1年ぶりに再会したセスは俺の知るセスのままだったし、出産間近ともあって当然女性の姿をしていた。着ている衣装はほのかに桃色のようにも見える白のゆったりとしたドレスで、大きなお腹を抱えていてとても大変そうに見える。
シオンはカイルよりも半年ばかり遅く産まれたが、その頃に比べると随分とふっくらしているように見える・・あと半月もすれば子は産まれてくるだろうか。
俺たちが最後に会ったのはミシェルが産まれた時にリティニア王国で再会して以来だったし、その時は男性の姿だったから女性の姿を見るのは3年ぶりのことだった。セスは相変わらず可愛らしくて、本当に魅力的だ。妊婦という存在は、どこか色気があると言うかなんというか・・
「おいおい何だよ、ヒューベルト。セスに見惚れちゃってさ、レオナルド殿下がいたらドヤされるぞ?」
「そんなんじゃない、シュウは余計なことを言い過ぎだ。セス、元気でいたか?レオナルドはお前を困らせていないか?」
シュウに図星を刺されて気まずいが、俺にとってセスが大切な存在であることは変わりなくセスに初めて子が産まれた時はとても感慨深くて、そして感動した事を覚えている。
俺たちの友好関係は国を超えて今でも続いているし、セスの出産が終わってもしばらくはアンティジェリア王国に滞在するつもりだ。
「ふふっ、大丈夫だよ。レオは相変わらず執着するし、息子のシオンにまで嫉妬するんだけどね。カイルは本当にひゅうにそっくりだね。カイルの瞳を初めて見た時、ひゅうだけの色だったのにちゃんと引き継がれたんだなと思って不思議だった。イヴに感謝だね、あんなにも愛おしい子供たちを2人も産んでくれたんだから」
「ああ、そうだな。セスだってそうだ、レオナルドはお前という最愛と子を得る事が出来たんだから」
本当に・・だってセスは本来、男性なんだから。そんなセスが子を成すなんて神の御業とはとんでもない事なんだ。
かつての俺はセスに自分の子を産んで欲しくて本気で求婚した事があった。今となってはイヴを愛し、唯一無二の存在になったのだけれど。あの頃は本当に俺はセスを愛していたんだ。
「えへへ・・それはそうとシュウ、ナディアの出産だって近いでしょ?いいの?こんなところで油を売っていて」
「まあな、来週には産まれると思うんだ。緊張するよ、初めての子だし、男の俺が何をしてあげたらいいか分からないし」
「側にいてやれ、それが1番だ。産まれたら顔を見に行くよ」
「ああ、待ってる。セスは無理するなよ?ナディアとお前、どっちが先か分からないくらい予定日が近いんだから」
シュウとナディアの初めての子も、もうすぐ産まれる。セスとナディアは出産時期が近いし、きっとこれから子供たちは交流をもって互いに成長して育っていくのだろう・・少しばかり羨ましくもあるな。俺たちは住まいが離れてしまった分会う機会も減って、今では俺の生活の中にはセスはいないんだから。
「そうだね、分かった。シュウもいよいよ父親になるのか・・こうしてみんなそれぞれに家族ができて幸せになって、出会った頃にはこんな未来が来るなんてまるで想像出来なかった事だよね」
「本当だな、エルフィードもキース兄上とうまくいっているようだし、子供たちもすっかり懐いていて2人はいい叔父をしているよ」
「エルが叔父さんだなんてね、ふふっ!」
「本当だよな!エルフィードの奴、無駄に美人だからすぐに誰にでも絡まれてさ、本当に世話のかかる奴だったな。今じゃキース殿下に愛されて、幸せそうじゃないか」
エルにとっても難儀な恋をして、長いことセスに恋煩いをしていた。キース兄上とエルは結ばれるまでにはすれ違いも誤解もあって、俺は本当にどれだけ心配してきたか分からないくらいなんだ。
それでもリティニア王国にエルがいることが、俺の寂しさを打ち消してくれている存在であることには変わりはない。
「なになに?何の話をしてるの?ふふっ、セスは相変わらず可愛いね!ねぇ、ヒュー?私の懐中時計知らない?」
突然話に入ってきたエルフィードは、座っている俺の後ろから抱き着いてきて俺の肩に顎を乗せてくる。相変わらずなのはエルの方であって、そんなエルを見てセスとシュウは微笑ましそうに笑った。
「俺が持ってるよ。先週、お前が俺の執務室に忘れていったんだろ?良さげだったから俺が使ってた」
「なぁんだ、ならいいんだ、使ってていいよ?」
「使いやすいな、俺にこれをくれたら、エルに新しい時計を買ってやるよ」
「えー・・?義弟に買ってもらうのもなぁ・・それにお前が選ぶと見境なしに高価な物を選ぶだろ?」
「ふふっ!ひゅうとエルってば、すっかり兄弟だね、なんだか羨ましいよ」
俺はセスにそう言われて何とも言えない気分になる。確かに義兄弟には変わらないが、改めて言われると腑に落ちないものだ。
現に今も昔もとにかく世話の妬ける友人だし、兄と言われても俺の兄上たちには程遠い。なにせいつでも俺の執務室に飛び込んで来て、泣きついて来るんだから。
「昔から全く変わらない、世話が焼ける。お前が兄だと言われると否定したくなるぞ・・エル、それで?何か用だったか?」
「何だよ・・本当に可愛くない義弟だな!シュウ、私と久しぶりにカードゲームをしないか?ヒューとやってもつまらないんだ」
「それはお前が俺に勝てないからだろ?」
「うるさいな、もう!シュウ、やろうよ?」
「いいね!あっちのテーブルでやろうぜ?」
そう言って、2人は俺とセスから離れて行った。それからすぐに楽しげにゲームを始める声が聞こえ始める。
久しぶりのセス、何を話せばいいんだろう・・思わず見入ってしまう・・
セスはちゃんとレオナルドに大切にしてもらっているんだろうか・・酷いことはされていないだろうか・・ちゃんとレオナルドと幸せでいるんだろうか・・やはり考える事は、セスの幸せだ。
「ひゅう?ふふっ・・俺ね?幸せだよ?レオはやっぱりヤキモチ妬きだし強引なのは変わらないけど、酷いことなんてしない。大切にしてくれる、俺は幸せだよ」
「はは・・何だよ・・思考を読まれたな。安心したよ。俺はお前が幸せでいてくれないと心配でいられないんだ」
見つめる、見つめられる・・
頼むから、ずって幸せでいて欲しい。こんな風に思う俺の思いだって、セスには伝わっているだろう?セスは俺を見つめて優しい笑みをこぼす。
「おい!ヒューベルト!!私のセスを見るな!セス・・ヒューベルトを見つめないで、私だけを見て!?」
「レオ・・本当にもう・・」
「むしろ清々しいぞ・・お前の嫉妬は。久しぶりに会ったんだ、顔くらい見たっていいだろ?」
「お前は駄目だ!セス、愛してるよ!ヒューベルトには気をつけてね!?」
「はぁ・・!ひゅう、明日レオが公務でいないから、シュウの屋敷に行かない?ナディアにも会いたいし」
「それはいいな、そうしよう。レオナルド、お前は安心してどこにでも行って来い」
「セス!?私にはシュウの屋敷に誘ってくれないのに!?公務は止める!明日、私も一緒に行く!」
「馬鹿言うんじゃないぞ・・お前・・ちゃんと責任を果たせ」
本当に呆れた男だ。シオンが産まれて少しは落ち着いたかと思えば、相変わらずの嫉妬と執着ぶりだ。
「レオ、ちゃんとお仕事してね?国の為ですよ?責任も果たさないで、オットーさんや騎士の皆さんにも迷惑をかける事なんてしないよね?」
「セス・・」
「分かったの?」
「分かった・・ご褒美は!?ご褒美くれないと頑張れない!」
「考えておきます!」
相変わらずだ・・本当に。俺は思わず笑ってしまう。可笑しいやら、羨ましいやら。これだけ伴侶に甘えられるなんて、贅沢の極みじゃないか。
「何だよ!!笑いやがって!」
「否定なんかしないよ、良いじゃないか。あまりにもお前がお前のままだから、安心したよ。セスを大切に思っている証拠だ」
「明日!セスと話すな!見るな!近づくなよ!」
「無理だろ・・セスが悲しむ」
「お前!!」
本当に、いつも通りこんな風なんだから。
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「おいおい何だよ、ヒューベルト。セスに見惚れちゃってさ、レオナルド殿下がいたらドヤされるぞ?」
「そんなんじゃない、シュウは余計なことを言い過ぎだ。セス、元気でいたか?レオナルドはお前を困らせていないか?」
シュウに図星を刺されて気まずいが、俺にとってセスが大切な存在であることは変わりなくセスに初めて子が産まれた時はとても感慨深くて、そして感動した事を覚えている。
俺たちの友好関係は国を超えて今でも続いているし、セスの出産が終わってもしばらくはアンティジェリア王国に滞在するつもりだ。
「ふふっ、大丈夫だよ。レオは相変わらず執着するし、息子のシオンにまで嫉妬するんだけどね。カイルは本当にひゅうにそっくりだね。カイルの瞳を初めて見た時、ひゅうだけの色だったのにちゃんと引き継がれたんだなと思って不思議だった。イヴに感謝だね、あんなにも愛おしい子供たちを2人も産んでくれたんだから」
「ああ、そうだな。セスだってそうだ、レオナルドはお前という最愛と子を得る事が出来たんだから」
本当に・・だってセスは本来、男性なんだから。そんなセスが子を成すなんて神の御業とはとんでもない事なんだ。
かつての俺はセスに自分の子を産んで欲しくて本気で求婚した事があった。今となってはイヴを愛し、唯一無二の存在になったのだけれど。あの頃は本当に俺はセスを愛していたんだ。
「えへへ・・それはそうとシュウ、ナディアの出産だって近いでしょ?いいの?こんなところで油を売っていて」
「まあな、来週には産まれると思うんだ。緊張するよ、初めての子だし、男の俺が何をしてあげたらいいか分からないし」
「側にいてやれ、それが1番だ。産まれたら顔を見に行くよ」
「ああ、待ってる。セスは無理するなよ?ナディアとお前、どっちが先か分からないくらい予定日が近いんだから」
シュウとナディアの初めての子も、もうすぐ産まれる。セスとナディアは出産時期が近いし、きっとこれから子供たちは交流をもって互いに成長して育っていくのだろう・・少しばかり羨ましくもあるな。俺たちは住まいが離れてしまった分会う機会も減って、今では俺の生活の中にはセスはいないんだから。
「そうだね、分かった。シュウもいよいよ父親になるのか・・こうしてみんなそれぞれに家族ができて幸せになって、出会った頃にはこんな未来が来るなんてまるで想像出来なかった事だよね」
「本当だな、エルフィードもキース兄上とうまくいっているようだし、子供たちもすっかり懐いていて2人はいい叔父をしているよ」
「エルが叔父さんだなんてね、ふふっ!」
「本当だよな!エルフィードの奴、無駄に美人だからすぐに誰にでも絡まれてさ、本当に世話のかかる奴だったな。今じゃキース殿下に愛されて、幸せそうじゃないか」
エルにとっても難儀な恋をして、長いことセスに恋煩いをしていた。キース兄上とエルは結ばれるまでにはすれ違いも誤解もあって、俺は本当にどれだけ心配してきたか分からないくらいなんだ。
それでもリティニア王国にエルがいることが、俺の寂しさを打ち消してくれている存在であることには変わりはない。
「なになに?何の話をしてるの?ふふっ、セスは相変わらず可愛いね!ねぇ、ヒュー?私の懐中時計知らない?」
突然話に入ってきたエルフィードは、座っている俺の後ろから抱き着いてきて俺の肩に顎を乗せてくる。相変わらずなのはエルの方であって、そんなエルを見てセスとシュウは微笑ましそうに笑った。
「俺が持ってるよ。先週、お前が俺の執務室に忘れていったんだろ?良さげだったから俺が使ってた」
「なぁんだ、ならいいんだ、使ってていいよ?」
「使いやすいな、俺にこれをくれたら、エルに新しい時計を買ってやるよ」
「えー・・?義弟に買ってもらうのもなぁ・・それにお前が選ぶと見境なしに高価な物を選ぶだろ?」
「ふふっ!ひゅうとエルってば、すっかり兄弟だね、なんだか羨ましいよ」
俺はセスにそう言われて何とも言えない気分になる。確かに義兄弟には変わらないが、改めて言われると腑に落ちないものだ。
現に今も昔もとにかく世話の妬ける友人だし、兄と言われても俺の兄上たちには程遠い。なにせいつでも俺の執務室に飛び込んで来て、泣きついて来るんだから。
「昔から全く変わらない、世話が焼ける。お前が兄だと言われると否定したくなるぞ・・エル、それで?何か用だったか?」
「何だよ・・本当に可愛くない義弟だな!シュウ、私と久しぶりにカードゲームをしないか?ヒューとやってもつまらないんだ」
「それはお前が俺に勝てないからだろ?」
「うるさいな、もう!シュウ、やろうよ?」
「いいね!あっちのテーブルでやろうぜ?」
そう言って、2人は俺とセスから離れて行った。それからすぐに楽しげにゲームを始める声が聞こえ始める。
久しぶりのセス、何を話せばいいんだろう・・思わず見入ってしまう・・
セスはちゃんとレオナルドに大切にしてもらっているんだろうか・・酷いことはされていないだろうか・・ちゃんとレオナルドと幸せでいるんだろうか・・やはり考える事は、セスの幸せだ。
「ひゅう?ふふっ・・俺ね?幸せだよ?レオはやっぱりヤキモチ妬きだし強引なのは変わらないけど、酷いことなんてしない。大切にしてくれる、俺は幸せだよ」
「はは・・何だよ・・思考を読まれたな。安心したよ。俺はお前が幸せでいてくれないと心配でいられないんだ」
見つめる、見つめられる・・
頼むから、ずって幸せでいて欲しい。こんな風に思う俺の思いだって、セスには伝わっているだろう?セスは俺を見つめて優しい笑みをこぼす。
「おい!ヒューベルト!!私のセスを見るな!セス・・ヒューベルトを見つめないで、私だけを見て!?」
「レオ・・本当にもう・・」
「むしろ清々しいぞ・・お前の嫉妬は。久しぶりに会ったんだ、顔くらい見たっていいだろ?」
「お前は駄目だ!セス、愛してるよ!ヒューベルトには気をつけてね!?」
「はぁ・・!ひゅう、明日レオが公務でいないから、シュウの屋敷に行かない?ナディアにも会いたいし」
「それはいいな、そうしよう。レオナルド、お前は安心してどこにでも行って来い」
「セス!?私にはシュウの屋敷に誘ってくれないのに!?公務は止める!明日、私も一緒に行く!」
「馬鹿言うんじゃないぞ・・お前・・ちゃんと責任を果たせ」
本当に呆れた男だ。シオンが産まれて少しは落ち着いたかと思えば、相変わらずの嫉妬と執着ぶりだ。
「レオ、ちゃんとお仕事してね?国の為ですよ?責任も果たさないで、オットーさんや騎士の皆さんにも迷惑をかける事なんてしないよね?」
「セス・・」
「分かったの?」
「分かった・・ご褒美は!?ご褒美くれないと頑張れない!」
「考えておきます!」
相変わらずだ・・本当に。俺は思わず笑ってしまう。可笑しいやら、羨ましいやら。これだけ伴侶に甘えられるなんて、贅沢の極みじゃないか。
「何だよ!!笑いやがって!」
「否定なんかしないよ、良いじゃないか。あまりにもお前がお前のままだから、安心したよ。セスを大切に思っている証拠だ」
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本当に、いつも通りこんな風なんだから。
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