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もらい事故で婚約破棄されましたが幸せです
今日もシャルロットのもとには手相を見てもらいに多くの貴族が訪ねてくる。
夜会での婚約破棄後、社交界から冷遇されて村八分にされる予定だったのに、人生とはわからないものである。
「今日は生命線を見ていただきたくて。長生きして孫の顔は見られるかしら?」
「今度、娘の婚約者の手相を見て欲しいのよ。将来性とか」
ひいぃ、そんなのわかるはずないじゃない。
私はプロの占い師じゃないんだから。
しかし、悲しいかな。
前世がしがない平民のシャルロットは、それっぽく「うーん、太くて立派な線が見えますね」などと適当なことを言って、つい喜ばせてしまうのだ。
今日も手のひらの厚さで性格占いをしたことを思い出し、小さくて手のひらの薄い令嬢の手を見ながら「繊細で上品な方なのですね」とか言ってみたところ、満足そうに頬を染めていた。
令嬢なんて大抵は細くて綺麗な薄い手をしている。
『しばらくはこれでいけそうね』などと、令嬢を見送りながら考えていたら。
「やあ、シャルロット。今日も盛況だったようだね」
「バージル様! いらっしゃいませ。エレナ様は今日街へ行くと言って留守にしておりますけれど」
エレナの兄、バージルから声をかけられた。
バージルは宰相の補佐をしている文官だが、このシェアハウスに何度もやってきている為、もはや顔パス状態である。
元々エレナとは仲のいい兄妹だと思っていたが、忙しいはずの彼がこんなに頻繁に様子を見に来るほど妹を溺愛していたとは。
「ああ、知っているさ。僕はシャルロットに会いに来たのだから問題ないよ」
「私に?」
思わずシャルロットは首を傾げてしまったが、すぐに思い至った。
「ああ、バージル様も手相が気になるのですね。今日はもう予定もありませんし、さあ、どうぞこちらへ」
「いや、そうじゃないんだけど……。まあ、それでもいいか」
よくわからない返事をするバージルを、シャルロットは日当たりの良いテラスのソファーへと案内する。
とりあえず彼の手土産のクリームたっぷりのケーキをシャルロットが笑顔で頬張っていると、バージルが嬉しそうに眺めているのに気付いた。
「あ、エレナ様の分はちゃんと残してありますよ? いつも私までご馳走になってしまってすみません」
「僕は君に持ってきているんだよ。エレナはクリームがそれほど得意ではないからね」
「え、そうなのですか? それはお気遣いありがとうございます?」
どうしてバージルが自分にお菓子を持ってくるのかがよくわからず、シャルロットは思わず微妙な返事になってしまう。
バージル様、私が地味にしていた頃から優しい方だったけれど、最近輪をかけて甘いような。
女三人のシェアハウスだから気にかけてくれているのでしょうけれど。
「じゃあ、せっかくだからシャルロットに僕の結婚線とやらを見てもらおうかな」
「え、結婚線!?」
「ん? 何かおかしなことを言ったかな?」
「いえ、てっきり生命線やますかけ線のほうかと……」
正直、バージルに結婚願望があるとは思っていなかった。
彼にはなぜか婚約者もいないし、理由についてエレナに尋ねてみたときも「うーん、お兄様は今は動けないというか、その時を待っているというか……」と、何やら意味不明なことを言っていたからである。
てっきりバージルは今は仕事に打ち込みたいのだろうと納得していた。
バージルに右手を差し出してもらい、シャルロットがその手を取った時だった。
「男にも手相を見て欲しいと頼まれることは?」
バージルが質問を投げかけてきた。
「うーん、言われることはありますけど、私が教えた女性がその男性の手相を見るという感じですね。私は専らこの屋敷にいるので、実際に見たことはないです」
「なるほど、間接的に見るってことか。……良かった」
「良かった? なんでも巷では手相が意中の男性に話しかけたり、触れ合うきっかけになると評判のようですね」
前世でもそうだったが、手相を触れ合う口実に使うというのは異世界でも共通だったようだ。
こちらでは女性からのアプローチの手法として手相が使われ始めているらしい。
って、変なことを言ったせいで、バージル様の手に触れていることが恥ずかしくなってきてしまったじゃないの。
ただ手相を見るだけだというのにおかしいわよね。
でもバージル様の手、大きくて男らしくて、真面目な文官らしくペンだこができているのが好ましいわ。
シャルロットが俯いて一人ドキドキしていると、バージルが面白そうに問いかけてくる。
「それで、僕の結婚線はどうなっているのかな?」
慌ててバージルの右手に目をやると。
感情線と小指の付け根の間の部分に、くっきりとした線が一本あることに気が付いた。
しかも今バージルは二十二歳のはずだが、これは多分二十三、四歳頃の時期を指していると思われる。
「結婚線が見えます。くっきりと。ここ数年の間に大きなチャンスがあるかもしれません」
「本当? それは嬉しいな」
バージルの声が弾んでいる。
シャルロットは自分の胸がチクッと痛んだ気がした。
どうしたのかしら?
バージル様の結婚は、伯爵家にとってもおめでたいことのはずなのに。
手相も見終わり、シャルロットは握っていたバージルの手を離そうとした。
不思議と手放し難く感じながらも手を緩めると、なぜか逆にバージルに手を握り込まれてしまう。
「シャルロット、僕は君が好きだ」
「……え?」
「君にその気がないのは知っていたし、何よりユリウスという婚約者がいたから今まで踏み込めずにいたけど、ずっと君を想っていたんだ」
「…………えええっ!?」
まさに青天の霹靂だったが、シャルロットは迷惑に思うどころか高揚感に包まれている自分に驚いていた。
嘘、こんなことってある?
だって、私はずっと地味で、芋女って言われていたのよ?
でもこの大きな手に触れられるのが私だけって思うと……なぜか嬉しくて堪らない気持ちになるわ。
「今すぐ結婚して欲しいとは言わない。今のシャルロットはとても楽しそうだしね。それはエレナもなんだけど。でも僕との結婚を前向きに考えてみて欲しいんだ」
「でも……私は社交界が苦手ですし、婚約破棄もされていますよ?」
「気にしないよ。いつから見ていたと思っているの? それに、もうシャルロットなりの社交を成功させているじゃないか」
バージルはシャルロットの葛藤をずっと見守っていてくれたのだろう。
賢く、広い心で包んでくれるバージルとなら、結婚も悪くないかもしれないとシャルロットは思い始めていた。
「じゃあ、とりあえずお友達から……」
『今更、お友達からって!』とセルフ突っ込みをするシャルロットに、バージルが笑いながら頷いていた。
◆◆◆
それから一月後。
「お兄様ってばまたいらしたの? 宰相補佐ってよほどお暇なのねぇ~」とエレナが揶揄うくらいに、バージルはしょっちゅうシャルロットに会いに来ては、「そろそろお友達は卒業かな?」と尋ねてくる。
つい照れくさくなって「まだです!」などと返事をするシャルロットだったが、最近変化があった。
「え、結婚線ができてる!?」
何もなかったはずのシャルロットの手のひらに、新たな結婚線が増えていたのだ。
え、これって二十歳くらいかしら?
……って、もうすぐじゃないの!
今日も共用のリビングで右手をガン見するシャルロットに、エレナとアニエスが笑う。
「意地を張らずにお兄様と結婚しちゃえばいいのに。なかなかの優良物件だと思うわよ?」
「そうよ、ユリウス様たちも新しい人生を歩んでいるみたいだし。シャルロット様だってバージル様が好きなのでしょう?」
ユリウス、フィリップ、ヘンリーの三人は、なんとシャルロットの父の元で働いているらしい。
それぞれの父親に叱責された彼らは、精神の鍛え直しの為に父の商会に放り込まれたのだった。
「そうね、好きなのだと思うわ」
「それは本当かい!? 僕も愛してるよ、シャルロット!!」
振り向けばなぜかそこにはバージルがいて、ガバッと抱きしめられてしまった。
どうやらエレナたちに嵌められたらしい。
「ちょっ! え、二人の前で何を、待って!」
真っ赤になって慌てるシャルロットと、よほど嬉しかったのか、少しも抱きしめる腕を緩めないバージル。
エレナとアニエスが楽しそうに笑う声がシェアハウスにこだましていた。
もらい事故で婚約破棄されたシャルロットは、今確かに幸せを感じているのだった。
夜会での婚約破棄後、社交界から冷遇されて村八分にされる予定だったのに、人生とはわからないものである。
「今日は生命線を見ていただきたくて。長生きして孫の顔は見られるかしら?」
「今度、娘の婚約者の手相を見て欲しいのよ。将来性とか」
ひいぃ、そんなのわかるはずないじゃない。
私はプロの占い師じゃないんだから。
しかし、悲しいかな。
前世がしがない平民のシャルロットは、それっぽく「うーん、太くて立派な線が見えますね」などと適当なことを言って、つい喜ばせてしまうのだ。
今日も手のひらの厚さで性格占いをしたことを思い出し、小さくて手のひらの薄い令嬢の手を見ながら「繊細で上品な方なのですね」とか言ってみたところ、満足そうに頬を染めていた。
令嬢なんて大抵は細くて綺麗な薄い手をしている。
『しばらくはこれでいけそうね』などと、令嬢を見送りながら考えていたら。
「やあ、シャルロット。今日も盛況だったようだね」
「バージル様! いらっしゃいませ。エレナ様は今日街へ行くと言って留守にしておりますけれど」
エレナの兄、バージルから声をかけられた。
バージルは宰相の補佐をしている文官だが、このシェアハウスに何度もやってきている為、もはや顔パス状態である。
元々エレナとは仲のいい兄妹だと思っていたが、忙しいはずの彼がこんなに頻繁に様子を見に来るほど妹を溺愛していたとは。
「ああ、知っているさ。僕はシャルロットに会いに来たのだから問題ないよ」
「私に?」
思わずシャルロットは首を傾げてしまったが、すぐに思い至った。
「ああ、バージル様も手相が気になるのですね。今日はもう予定もありませんし、さあ、どうぞこちらへ」
「いや、そうじゃないんだけど……。まあ、それでもいいか」
よくわからない返事をするバージルを、シャルロットは日当たりの良いテラスのソファーへと案内する。
とりあえず彼の手土産のクリームたっぷりのケーキをシャルロットが笑顔で頬張っていると、バージルが嬉しそうに眺めているのに気付いた。
「あ、エレナ様の分はちゃんと残してありますよ? いつも私までご馳走になってしまってすみません」
「僕は君に持ってきているんだよ。エレナはクリームがそれほど得意ではないからね」
「え、そうなのですか? それはお気遣いありがとうございます?」
どうしてバージルが自分にお菓子を持ってくるのかがよくわからず、シャルロットは思わず微妙な返事になってしまう。
バージル様、私が地味にしていた頃から優しい方だったけれど、最近輪をかけて甘いような。
女三人のシェアハウスだから気にかけてくれているのでしょうけれど。
「じゃあ、せっかくだからシャルロットに僕の結婚線とやらを見てもらおうかな」
「え、結婚線!?」
「ん? 何かおかしなことを言ったかな?」
「いえ、てっきり生命線やますかけ線のほうかと……」
正直、バージルに結婚願望があるとは思っていなかった。
彼にはなぜか婚約者もいないし、理由についてエレナに尋ねてみたときも「うーん、お兄様は今は動けないというか、その時を待っているというか……」と、何やら意味不明なことを言っていたからである。
てっきりバージルは今は仕事に打ち込みたいのだろうと納得していた。
バージルに右手を差し出してもらい、シャルロットがその手を取った時だった。
「男にも手相を見て欲しいと頼まれることは?」
バージルが質問を投げかけてきた。
「うーん、言われることはありますけど、私が教えた女性がその男性の手相を見るという感じですね。私は専らこの屋敷にいるので、実際に見たことはないです」
「なるほど、間接的に見るってことか。……良かった」
「良かった? なんでも巷では手相が意中の男性に話しかけたり、触れ合うきっかけになると評判のようですね」
前世でもそうだったが、手相を触れ合う口実に使うというのは異世界でも共通だったようだ。
こちらでは女性からのアプローチの手法として手相が使われ始めているらしい。
って、変なことを言ったせいで、バージル様の手に触れていることが恥ずかしくなってきてしまったじゃないの。
ただ手相を見るだけだというのにおかしいわよね。
でもバージル様の手、大きくて男らしくて、真面目な文官らしくペンだこができているのが好ましいわ。
シャルロットが俯いて一人ドキドキしていると、バージルが面白そうに問いかけてくる。
「それで、僕の結婚線はどうなっているのかな?」
慌ててバージルの右手に目をやると。
感情線と小指の付け根の間の部分に、くっきりとした線が一本あることに気が付いた。
しかも今バージルは二十二歳のはずだが、これは多分二十三、四歳頃の時期を指していると思われる。
「結婚線が見えます。くっきりと。ここ数年の間に大きなチャンスがあるかもしれません」
「本当? それは嬉しいな」
バージルの声が弾んでいる。
シャルロットは自分の胸がチクッと痛んだ気がした。
どうしたのかしら?
バージル様の結婚は、伯爵家にとってもおめでたいことのはずなのに。
手相も見終わり、シャルロットは握っていたバージルの手を離そうとした。
不思議と手放し難く感じながらも手を緩めると、なぜか逆にバージルに手を握り込まれてしまう。
「シャルロット、僕は君が好きだ」
「……え?」
「君にその気がないのは知っていたし、何よりユリウスという婚約者がいたから今まで踏み込めずにいたけど、ずっと君を想っていたんだ」
「…………えええっ!?」
まさに青天の霹靂だったが、シャルロットは迷惑に思うどころか高揚感に包まれている自分に驚いていた。
嘘、こんなことってある?
だって、私はずっと地味で、芋女って言われていたのよ?
でもこの大きな手に触れられるのが私だけって思うと……なぜか嬉しくて堪らない気持ちになるわ。
「今すぐ結婚して欲しいとは言わない。今のシャルロットはとても楽しそうだしね。それはエレナもなんだけど。でも僕との結婚を前向きに考えてみて欲しいんだ」
「でも……私は社交界が苦手ですし、婚約破棄もされていますよ?」
「気にしないよ。いつから見ていたと思っているの? それに、もうシャルロットなりの社交を成功させているじゃないか」
バージルはシャルロットの葛藤をずっと見守っていてくれたのだろう。
賢く、広い心で包んでくれるバージルとなら、結婚も悪くないかもしれないとシャルロットは思い始めていた。
「じゃあ、とりあえずお友達から……」
『今更、お友達からって!』とセルフ突っ込みをするシャルロットに、バージルが笑いながら頷いていた。
◆◆◆
それから一月後。
「お兄様ってばまたいらしたの? 宰相補佐ってよほどお暇なのねぇ~」とエレナが揶揄うくらいに、バージルはしょっちゅうシャルロットに会いに来ては、「そろそろお友達は卒業かな?」と尋ねてくる。
つい照れくさくなって「まだです!」などと返事をするシャルロットだったが、最近変化があった。
「え、結婚線ができてる!?」
何もなかったはずのシャルロットの手のひらに、新たな結婚線が増えていたのだ。
え、これって二十歳くらいかしら?
……って、もうすぐじゃないの!
今日も共用のリビングで右手をガン見するシャルロットに、エレナとアニエスが笑う。
「意地を張らずにお兄様と結婚しちゃえばいいのに。なかなかの優良物件だと思うわよ?」
「そうよ、ユリウス様たちも新しい人生を歩んでいるみたいだし。シャルロット様だってバージル様が好きなのでしょう?」
ユリウス、フィリップ、ヘンリーの三人は、なんとシャルロットの父の元で働いているらしい。
それぞれの父親に叱責された彼らは、精神の鍛え直しの為に父の商会に放り込まれたのだった。
「そうね、好きなのだと思うわ」
「それは本当かい!? 僕も愛してるよ、シャルロット!!」
振り向けばなぜかそこにはバージルがいて、ガバッと抱きしめられてしまった。
どうやらエレナたちに嵌められたらしい。
「ちょっ! え、二人の前で何を、待って!」
真っ赤になって慌てるシャルロットと、よほど嬉しかったのか、少しも抱きしめる腕を緩めないバージル。
エレナとアニエスが楽しそうに笑う声がシェアハウスにこだましていた。
もらい事故で婚約破棄されたシャルロットは、今確かに幸せを感じているのだった。
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