俺、市大会で優勝したらあの子に告白する。

kondeneinensizaihou

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第二話

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「いや~。ドキドキすんなぁ」

俺は今、思い人である彼女を呼び出して校舎裏で待っているところだ。

なんとか市で優勝をもぎ取った俺はチームメンバーにこれでもかと言うほどに賞賛《しょうさん》され、お祝いということで焼肉を食べに行った。

あの時の焼肉は、試合で勝利した高揚感も相まって美味しかったなぁ。

焼肉を腹一杯に食べ終わったあと、俺は家へと帰りそのままベッドへダイブした。

本当は風呂やら着替えやらしなければいけないのだが、この時ばかりは母親は黙ってくれていた。

そして、気づいたらGood morning.朝の7時だったというわけである。

昨日眠りについたのが確か四時頃。俺は、まさかの15時間ほど寝てしまったわけだ。

慌てて飛び起き、風呂に入って、ご飯を食べて、宿題をやって、歯磨き、着替え…。

そして最後に親に頼み込んで車で学校まで送ってもらえた。

自転車では30分かかってしまうからである。

そんなこんなでギリギリ遅刻を免れた朝であったが、今はもう放課後。

ージャリジャリジャリジャリー

砂利を踏んでこちらに向かってくる足音が聞こえてきた。

もうそろそろ、覚悟を決めないといけない。

「どうしたの?大地くん。こんなところに呼び出して」

まさか告白?と茶化す彼女の顔を見て俺はしっかりと告げた。

「俺と付き合ってください!!」

と、大声で。

「え?それはどういう?」

「俺の彼女になってください」

「え?本当に?」

「はい」

「突き合うとか憑きあうじゃなく?」

「はい」

「買い物に付き合うとかでもなく?」

「はい」

「ほんとに恋愛的な意味で?」

「はい」

俺は、全ての質問に答える。すると、彼女はやや頬を赤らめながらこう返答してくれた。

「喜んで!」と。

僕はその時こう思った。いや~、笠藪の人にも勝てたし、彼女もできたし万々歳だ~、と。







「俺の彼女になってください」

「え?本当に?」

私でいいの?

「突き合うとか憑きあうじゃなく?」

私の独りよがりじゃないよね?

「買い物に付き合うとかでもなく?」

期待しちゃっていいんだよね。

「ほんとに恋愛的な意味で?」

ほんとにほんとだよね?


かくして私、黒澤《くろさわ》すみれと彼、柏瀬大地くんは晴れて恋人になりました。


……………………………………………………

「やったぁぁぁぁぁあああ!!!」

私は、家に帰ると同時に枕で口元を押さえ、喜びを露《あら》わにした。

柏瀬大地、彼は私の初恋の人である。彼は、みんなのために率先して自分から動いたり、困っていることがあったらさりげなく力を貸してくれたりする。

私は、そんな彼をいつの間にか好きになっていた。

だけど、彼は学校の人気者。運動もできて勉強もできる。そのうえ、性格だけでなく顔もカッコいいし、高身長。剣道部の部長を務めながら、生徒会長にも任命されている。

学校の生徒からは全員に親しまれていて、先生も信頼を置いているらしい。

噂によると一週間に一回は告白されているらしい。ちなみに私は、校舎裏で彼が男の子に告白されたところを見たことがある。

つまり、彼は女子生徒だけでなく男子生徒にも告白されているのだ。

しかし、彼は毎回その告白を『俺、好きな人いるから』と言って断っているらしい。振られた人からの体験談だ。

「も、もしかしてその『好きな人』が私だったってこと?」

私は、1人悶絶しながらベッドの上をゴロゴロと転がっていたが、ふと、連絡先をお互いに交換したことを思い出した。

「れ、連絡、してみようかな」

彼とはついさっき話したばかり。でも、彼女ならこの連絡ぐらい問題ないんじゃ…。

いやでも、もし重いしつこい女だって思われたらどうしよう…。

私は、そんなことを考えながら通話ボタンを押すか押さないか迷っているといつの間にか寝てしまっていた。

……………………………………………………

2話目行きました!頑張った。頑張ったよ。合計字数的には3600文字程度。次の話もしっかり書きます。

by kondeneinensizaihou
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