11 / 63
普通でトクベツな日
しおりを挟む
大学へ行った翌日は朝から大忙しだった。
急な二人暮らしとなると何かと足りないものが多い。朝食を終えた後に、これから買うべき物をスマホのメモにリストアップしていった。まず陽太が持ってきた姉のお古の洋服を仕舞う収納がない。布団だってひとつしかないせいで昨日まで俺は畳にバスタオルを敷いて寝ていた。それからトイレットペーパーや洗剤なんかの消耗品も倍の速度で減ることを考えるとすぐに切れてしまいそうだ。
ステラは宇宙人といえど女の子だから、シャンプーは高いものを選ぶべきか、俺は使う習慣がないトリートメントなんかも買った方がいいのか――といった具合に考えている内に、ふと気がついた。正直なところあまり直接訊きたくはないことだったが、女性と共同で暮らす上では重要な問題であるし、もしかすると宇宙人なのだから事情が違うかもしれないと、意を決してステラに尋ねた。
「ステラ、なんていうか、その……生理ってあるのか?」
「お片付けがどうかしたのか?」
「そっちの整理じゃなくて……あの、月に1回くらいの頻度で具合が悪くなったり、股から血が垂れたりすることってあるか?」
まるで変質者のようなことを言っている自分がひどく気持ち悪く感じた。
「そんなことはないぞ。風邪を引いたりすることもないし、血が出るような怪我もワタシならすぐ治る」
「そうか、ならいいんだ」
まだ生理が来ていないという可能性もあるが、きっと体の造りが違うのだろう。体を他の生物に変えたり傷を瞬時に治せるだけの能力があるのだから、人体が抱えるあらゆる問題と無縁だとしてもおかしくない。
仕方がないことだが、最初からそうとわかっていれば、変なことを尋ねることもなかったのに。
「どうしたんだ顔が赤いぞ。レンこそ具合悪いんじゃないか?」
「いや、違うんだ。さっきの質問はもう忘れてくれ」
ステラが何も知らなかったおかげで助かったような、むしろ余計に恥ずかしさが増したような複雑な気分になった。そもそも、何も恥ずかしがることではないのだと言い聞かせてみたが、それでも恥ずかしいものは恥ずかしかった。
「もしワタシのせいでレンを困らせたなら、ごめんなさいだ。ワタシにとってのフツーが、普通のヒトとどう違うのかが、まだわからないんだ」
「長い間捕まってたんだ。ステラは悪くないよ」
「それでも、ワタシは知りたい。ニンゲンの普通を。だから、レンが教えてくれ」
ステラの真剣なまなざしが真っ直ぐに俺を見つめた。
「わかった。でも、生理のことはまだステラには少し早い。先に覚えるべきことはいっぱいあるから、今は我慢してくれるか?」
「なんだかわからないが、でも、わかった」
「ありがとう。その代わりに今日は一緒に買い物に行こう。そこで色々と教えるよ」
「買い物! 知ってるぞ、お金を使うんだろ? リンゴが80円、ミカンが30円とかのやつだ!」
リンゴにミカン。きっと算数の問題でも解かされたのだろう。
「そう、その買い物だ。だけど果物だけじゃない。昨日、帽子を買ったろ? あれも買い物だ」
「そうなのか! 食べ物だけじゃないんだな!」
「スーパーやホームセンターにはたくさんの物が売ってるんだ。きっと驚くぞ」
そうして、俺はステラを連れて買い物へ出かけた。向かったのは学生定期の圏内の駅近くのホームセンター。そこは食品スーパーが直結した複合型の店舗で、まずはそちらで食料品を買って回ることにした。
スーパーの入り口でショッピングカートを手にすると、早速ステラが新鮮な反応を見せた。
「なんだこれ!? かっこいいな!」
「かっこいいか……?」
「ワタシが運転してもいいか?」
「運転というか、ただ押すだけだぞ……別にいいけど絶対に走るなよ。危ないから」
ステラは喜々としてカートの取っ手を掴むと、その場で肘を曲げて伸ばして、カートの押し引きの感触を嚙みしめてにんまりと笑った。そして、自動ドアをくぐると、また驚きの声を上げた。
「すごい! すごいぞ! ナンだかわからないが、とにかくいっぱいだ!」
近くで野菜を手にしていた主婦が顔を背けてくすくすと肩を揺らした。
「こら、騒ぐな」
まるでステラの保護者になった気分だ。いや、実際に匿って保護しているのだから、保護者で合っているのかもしれない。
「これ、スイカだな! 本物を初めて見たぞ」
「悪いが、そんな贅沢品を買う余裕はない」
ステラが指さした3980円の大玉スイカを無視して、1パックにぎっちり詰まって300円のじゃが芋をかごに入れた。その近くにあった玉ねぎとニンジンを見て、昨日の焼きそばで使い切ったことを思い出し、それらもかごに入れた。家の近くで買うよりもこのスーパーで買った方が安いから、使い勝手が良く保存の利く野菜はここでまとめて買うようにしているのだ。
「野菜ってこんなにあるんだな、知らなかった」
「天王寺のとこじゃ食べさせられなかったのか?」
「向こうでの食事はペーストばかりだった。実験で食べるものはカタチの残っているものが多かったが、ワタシは野菜にはなれないみたいだから、カタチを覚えさせる必要がなかったんだろう」
「形を覚える?」
「例えば、あっちのカニだ」
ステラはカートを押して鮮魚コーナーへ向かった。
「カニやタコやカイになら、ワタシはなれる。野菜と違ってコッチは動いているからワタシに近いからな。だけどカニのカタチを知らなければ、カニの身を食べても変身できない。食べることとカタチを覚えること両方が必要なんだ」
「つまり変身できる動物については教えられたけど、植物には変身できないから野菜はあまり知らないってことか」
「そうだ。ムシなんかもいっぱい食べたぞ。ここにムシはないのか?」
「普通の人は虫なんて食べないんだ」
「え? でもバッタ美味しいぞ?」
口をあんぐりと開けて驚愕を露わにするステラだったが、驚きたいのはこちらだ。だが、これだけ食に関する常識に乏しいのであれば、ゴミをあさっていたのも納得できるというものだ。
まともな調理を食べた経験が少ないなんて可哀そうに。この哀れな宇宙人には、俺が美味しいものをたくさん食べさせてやろう。
「さっきのスイカ買ってやってもいいぞ」
「駄目じゃなかったのか?」
「今日は特別だ」
ステラは目を輝かせて野菜コーナーへ戻っていった。
さて、スーパーではその後レトルト品などを買い、ホームセンターの方で衣類用の収納箱や高いシャンプー、諸々の消耗品を買い揃えた。その過程でステラからの質問攻めにあったのは言うまでもない。
会計を終えて買い物袋を持つと、ステラがその片方にさっと手を伸ばした。
「いいよ、これくらい平気さ」
「ワタシにもなにかさせてくれ」
「なら、こっちの軽い方の袋を任せる」
「嫌だ、そっちがいい」
「さすがに、女子に重い方を任せるのは気が引ける」
「でも、スイカ……」
思わず、吹き出した。
「どんだけスイカ好きなんだよ」
ステラに収納箱を持たせて、そこにスイカを入れた。残りの荷物はさっきと比べたら随分と軽くなって、俺の負担は減ったし、ステラも嬉しそうだった。
炎天下を重い荷物を抱えて歩いたから、電車の冷房に感謝した。幸い席も空いていた。スマホを見ると、陽太からメッセージが届いていた。どうやらアパートの前に着いているらしい。午後の2時から俺はバイトが入っており、留守中のステラの面倒を頼んでおいたのだ。
電車を降りると小走りした。買い物が想定より長引いたせいで、陽太を待たせているのもあるし、バイトまで時間の余裕がない。元から多くもない体力が削られていった。
アパートに着くと、陽太が日陰でスパーツドリンクを飲んでいた。喉が渇いているせいで、やけに美味そうに見えた。
「干からびるとこだったぜ」
陽太がアスファルトの上に置いていた紙袋を持ち上げた。
「それは?」
「本。絵本や図鑑に漫画とか。ステラちゃんに読ませようと思って家から持ってきた。お前の部屋こういうのなんもねえじゃん」
「つまらない部屋で悪かったな」
「自覚あったのか」
「お前と違って娯楽に使う金の余裕がないんだよ。まあ、だからこそ、こういうのは助かる」
「礼なんていいから早く部屋上げてくれ」
部屋に帰り荷物を降ろすと、汗が滴る顔を洗い、水道水をコップに注いで2、3杯飲むと、バイトの制服の入ったカバンを手にした。
「昼メシ食ったのか?」
「そんな時間ない。ステラには適当に食べさせといてくれ。カップ麺とかあるから。あと、食材を冷蔵庫に入れといて」
玄関で靴を履きながら、陽太に雑に頼んだ。
「レン!」
ステラの声に振り返る。
「いってらっしゃい、だ」
「ああ、いってきます」
玄関扉が閉まりステラの姿が隠れると、妙に胸がざわついた。ステラを拾って以来、彼女から離れるのはこれが初めてだ。
急な二人暮らしとなると何かと足りないものが多い。朝食を終えた後に、これから買うべき物をスマホのメモにリストアップしていった。まず陽太が持ってきた姉のお古の洋服を仕舞う収納がない。布団だってひとつしかないせいで昨日まで俺は畳にバスタオルを敷いて寝ていた。それからトイレットペーパーや洗剤なんかの消耗品も倍の速度で減ることを考えるとすぐに切れてしまいそうだ。
ステラは宇宙人といえど女の子だから、シャンプーは高いものを選ぶべきか、俺は使う習慣がないトリートメントなんかも買った方がいいのか――といった具合に考えている内に、ふと気がついた。正直なところあまり直接訊きたくはないことだったが、女性と共同で暮らす上では重要な問題であるし、もしかすると宇宙人なのだから事情が違うかもしれないと、意を決してステラに尋ねた。
「ステラ、なんていうか、その……生理ってあるのか?」
「お片付けがどうかしたのか?」
「そっちの整理じゃなくて……あの、月に1回くらいの頻度で具合が悪くなったり、股から血が垂れたりすることってあるか?」
まるで変質者のようなことを言っている自分がひどく気持ち悪く感じた。
「そんなことはないぞ。風邪を引いたりすることもないし、血が出るような怪我もワタシならすぐ治る」
「そうか、ならいいんだ」
まだ生理が来ていないという可能性もあるが、きっと体の造りが違うのだろう。体を他の生物に変えたり傷を瞬時に治せるだけの能力があるのだから、人体が抱えるあらゆる問題と無縁だとしてもおかしくない。
仕方がないことだが、最初からそうとわかっていれば、変なことを尋ねることもなかったのに。
「どうしたんだ顔が赤いぞ。レンこそ具合悪いんじゃないか?」
「いや、違うんだ。さっきの質問はもう忘れてくれ」
ステラが何も知らなかったおかげで助かったような、むしろ余計に恥ずかしさが増したような複雑な気分になった。そもそも、何も恥ずかしがることではないのだと言い聞かせてみたが、それでも恥ずかしいものは恥ずかしかった。
「もしワタシのせいでレンを困らせたなら、ごめんなさいだ。ワタシにとってのフツーが、普通のヒトとどう違うのかが、まだわからないんだ」
「長い間捕まってたんだ。ステラは悪くないよ」
「それでも、ワタシは知りたい。ニンゲンの普通を。だから、レンが教えてくれ」
ステラの真剣なまなざしが真っ直ぐに俺を見つめた。
「わかった。でも、生理のことはまだステラには少し早い。先に覚えるべきことはいっぱいあるから、今は我慢してくれるか?」
「なんだかわからないが、でも、わかった」
「ありがとう。その代わりに今日は一緒に買い物に行こう。そこで色々と教えるよ」
「買い物! 知ってるぞ、お金を使うんだろ? リンゴが80円、ミカンが30円とかのやつだ!」
リンゴにミカン。きっと算数の問題でも解かされたのだろう。
「そう、その買い物だ。だけど果物だけじゃない。昨日、帽子を買ったろ? あれも買い物だ」
「そうなのか! 食べ物だけじゃないんだな!」
「スーパーやホームセンターにはたくさんの物が売ってるんだ。きっと驚くぞ」
そうして、俺はステラを連れて買い物へ出かけた。向かったのは学生定期の圏内の駅近くのホームセンター。そこは食品スーパーが直結した複合型の店舗で、まずはそちらで食料品を買って回ることにした。
スーパーの入り口でショッピングカートを手にすると、早速ステラが新鮮な反応を見せた。
「なんだこれ!? かっこいいな!」
「かっこいいか……?」
「ワタシが運転してもいいか?」
「運転というか、ただ押すだけだぞ……別にいいけど絶対に走るなよ。危ないから」
ステラは喜々としてカートの取っ手を掴むと、その場で肘を曲げて伸ばして、カートの押し引きの感触を嚙みしめてにんまりと笑った。そして、自動ドアをくぐると、また驚きの声を上げた。
「すごい! すごいぞ! ナンだかわからないが、とにかくいっぱいだ!」
近くで野菜を手にしていた主婦が顔を背けてくすくすと肩を揺らした。
「こら、騒ぐな」
まるでステラの保護者になった気分だ。いや、実際に匿って保護しているのだから、保護者で合っているのかもしれない。
「これ、スイカだな! 本物を初めて見たぞ」
「悪いが、そんな贅沢品を買う余裕はない」
ステラが指さした3980円の大玉スイカを無視して、1パックにぎっちり詰まって300円のじゃが芋をかごに入れた。その近くにあった玉ねぎとニンジンを見て、昨日の焼きそばで使い切ったことを思い出し、それらもかごに入れた。家の近くで買うよりもこのスーパーで買った方が安いから、使い勝手が良く保存の利く野菜はここでまとめて買うようにしているのだ。
「野菜ってこんなにあるんだな、知らなかった」
「天王寺のとこじゃ食べさせられなかったのか?」
「向こうでの食事はペーストばかりだった。実験で食べるものはカタチの残っているものが多かったが、ワタシは野菜にはなれないみたいだから、カタチを覚えさせる必要がなかったんだろう」
「形を覚える?」
「例えば、あっちのカニだ」
ステラはカートを押して鮮魚コーナーへ向かった。
「カニやタコやカイになら、ワタシはなれる。野菜と違ってコッチは動いているからワタシに近いからな。だけどカニのカタチを知らなければ、カニの身を食べても変身できない。食べることとカタチを覚えること両方が必要なんだ」
「つまり変身できる動物については教えられたけど、植物には変身できないから野菜はあまり知らないってことか」
「そうだ。ムシなんかもいっぱい食べたぞ。ここにムシはないのか?」
「普通の人は虫なんて食べないんだ」
「え? でもバッタ美味しいぞ?」
口をあんぐりと開けて驚愕を露わにするステラだったが、驚きたいのはこちらだ。だが、これだけ食に関する常識に乏しいのであれば、ゴミをあさっていたのも納得できるというものだ。
まともな調理を食べた経験が少ないなんて可哀そうに。この哀れな宇宙人には、俺が美味しいものをたくさん食べさせてやろう。
「さっきのスイカ買ってやってもいいぞ」
「駄目じゃなかったのか?」
「今日は特別だ」
ステラは目を輝かせて野菜コーナーへ戻っていった。
さて、スーパーではその後レトルト品などを買い、ホームセンターの方で衣類用の収納箱や高いシャンプー、諸々の消耗品を買い揃えた。その過程でステラからの質問攻めにあったのは言うまでもない。
会計を終えて買い物袋を持つと、ステラがその片方にさっと手を伸ばした。
「いいよ、これくらい平気さ」
「ワタシにもなにかさせてくれ」
「なら、こっちの軽い方の袋を任せる」
「嫌だ、そっちがいい」
「さすがに、女子に重い方を任せるのは気が引ける」
「でも、スイカ……」
思わず、吹き出した。
「どんだけスイカ好きなんだよ」
ステラに収納箱を持たせて、そこにスイカを入れた。残りの荷物はさっきと比べたら随分と軽くなって、俺の負担は減ったし、ステラも嬉しそうだった。
炎天下を重い荷物を抱えて歩いたから、電車の冷房に感謝した。幸い席も空いていた。スマホを見ると、陽太からメッセージが届いていた。どうやらアパートの前に着いているらしい。午後の2時から俺はバイトが入っており、留守中のステラの面倒を頼んでおいたのだ。
電車を降りると小走りした。買い物が想定より長引いたせいで、陽太を待たせているのもあるし、バイトまで時間の余裕がない。元から多くもない体力が削られていった。
アパートに着くと、陽太が日陰でスパーツドリンクを飲んでいた。喉が渇いているせいで、やけに美味そうに見えた。
「干からびるとこだったぜ」
陽太がアスファルトの上に置いていた紙袋を持ち上げた。
「それは?」
「本。絵本や図鑑に漫画とか。ステラちゃんに読ませようと思って家から持ってきた。お前の部屋こういうのなんもねえじゃん」
「つまらない部屋で悪かったな」
「自覚あったのか」
「お前と違って娯楽に使う金の余裕がないんだよ。まあ、だからこそ、こういうのは助かる」
「礼なんていいから早く部屋上げてくれ」
部屋に帰り荷物を降ろすと、汗が滴る顔を洗い、水道水をコップに注いで2、3杯飲むと、バイトの制服の入ったカバンを手にした。
「昼メシ食ったのか?」
「そんな時間ない。ステラには適当に食べさせといてくれ。カップ麺とかあるから。あと、食材を冷蔵庫に入れといて」
玄関で靴を履きながら、陽太に雑に頼んだ。
「レン!」
ステラの声に振り返る。
「いってらっしゃい、だ」
「ああ、いってきます」
玄関扉が閉まりステラの姿が隠れると、妙に胸がざわついた。ステラを拾って以来、彼女から離れるのはこれが初めてだ。
1
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜
美鈴
ファンタジー
ホットランキング上位ありがとうございます😊
ストーカーの被害に遭うアイドル歌羽根天音。彼女は警察に真っ先に相談する事にしたのだが…結果を言えば解決には至っていない。途方にくれる天音。久しぶりに会った親友の美樹子に「──なんかあった?」と、聞かれてその件を伝える事に…。すると彼女から「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」と、そんな言葉とともに彼女は誰かに電話を掛け始め…
※カクヨム様にも投稿しています
※イラストはAIイラストを使用しています
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる