今日もどこかで婚約破棄が起きたらしいんだけど、それについての感想。

本野インク

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今日もどこかで婚約破棄が起きたらしいんだけど、それについての感想。

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 「お前とは婚約破棄する。」
 と、近隣国であるエーデル国で舞踏会の最中に婚約破棄する事件が起きたと、報告書を読み進めていると書いてあった。
 この間はそのエーデル国の右隣の国の舞踏会。その前は隣国の舞踏会。そのまた前はもっと北にある国の舞踏会で、「お前とは婚約破棄する」と、馬鹿の一つ覚えの様に宣言する若者が続出。一種の演劇の出し物の一つじゃないかと思うくらいの頻度で公開婚約破棄騒動は起こっている。
 それを言い出すのは、貴族でも公爵とか侯爵の子息だったり王位継承者だったりするし、果てはその国の王太子だったりするのであげればキリが無い。
 そして新しく婚約するとか真実の愛とかで、なぜかその場で紹介する相手は、絵に書いた様にそれはまあ可愛らしいお嬢さんで。

 そう、このお嬢さんってとこがポイント。
 御令嬢ではない。
 お嬢さんである。

 そのお嬢さんが男爵子爵家出身だったらまだマシ、なんだろうか?
 というかまともな下位貴族出身の御令嬢はそんなとこに一緒に立ったりしない。
 平民から実は父親が貴族だったのぉってことで後から養子縁組したりとかだったりした場合のお嬢さんが多い。
 しかも何故か高位貴族の家に養子になってる場合もある。
 そしてこのお嬢さん方は揃いも揃って淑女教育なにそれ美味しいの?を実践するがごとく、自由気ままに淑女教育の反対をひた走り、相手に婚約者がいようが、むしろ婚約者のいる相手を選んでいるかのごとく略奪していく。

 そして「恋愛は自由にするものなんですぅぅぅぅぅぅ」と主張するらしい。

 ついでに異世界だか知らないけど、私たちが住む世界とは違う世界からやってきたと自称する少女を、聖女とか何か神聖なモノとして崇めていたら、いつの間にかその国の王太子と恋愛関係になって婚約破棄騒動起こして国が危ないってことになってしまった国の報告書もあった。というか滅亡したらしい。
 その自称異世界から来た少女兼聖女も恋愛は自由にするものとか言ってたとか言ってないとか。

 婚約者がいようが自由に恋愛することは大事なんだと主張するとか、どれだけ他人の婚約者を略奪してまで恋愛することが生き甲斐なんだろうか。
 正直、理解できない主張である。

 で、平民は略奪し合いながら自由に恋愛してるのか?と疑問に思っていたら、平民でも親が勝手に結婚する相手を見つけてくるし、自由に恋愛って結婚する前なら心の中で勝手に恋したりもするかもしれないですけど、そもそも家族でもない男と二人きりで歩いていたら色々言われて嫁の貰い手無くなるから、そんな自由に恋愛して無いらしい。もちろん略奪してまで恋愛に生きてないらしい。
 つまり、その婚約破棄で登場する絵に描いたような可愛らしいお嬢さんと同じ平民出身の貴族令嬢である男爵令嬢のアリスが言ってたのよ。「あんなのとは一緒にしないで下さい。平民にだって婚約及び結婚には責任が伴うのです。そんな無責任なことは出来ません」と。


 ちなみに、やらかしたのはエーデル国の王太子らしく。
 顔がやたら良かったと言われていた気がするし、それしかなかったとも言われていた気もする。
 とりあえず、やらかした王太子は廃嫡されたらしい。
 その国には第二王子もいたし、なんなら第七王子までいるらしいから、今後継承権争いで忙しくなるだろうな……うわあ……


 ご愁傷様です。


 しかし、いくらなんでも公爵令嬢を婚約破棄して平民出身の淑女教育なんて勉強しません!それより略奪自由恋愛至上主義な男爵令嬢を王妃にはするのは無理でしょう。最低でも伯爵家と養子縁組してから婚約破棄突きつけるとかさ。
箔をつけなきゃ。
 それか生まれを偽装するとか。実は前の前の前の国王の臣籍降下した元王子の隠し子でしたとかさ。まあ、それで上手くいくのか分からないけど。責任も取れないし!

 馬鹿な王太子。
 もっと上手くやれば良いのにね。

 しかし、うまい具合にどこの国でも婚約破棄が起こった後は、婚約破棄された御令嬢には元婚約者よりスペックの高い男の元に嫁ぐし、よくわからないけど他国の王族に嫁いで王太子妃とか王族になってたりするし、婚約破棄した方の男と女は破滅に向かって一直線!良くて王族や貴族から平民へ。最悪死刑。
 うーん……なんで流行ってるんだ?婚約破棄。



 「……メグ……メグ、メーグ!あーもう!マーガレット!」
 「……なに?うるさいわね、エヴァン。静かにできないの?」

 私は声がした方を見ると、うんざりした顔のエヴァンがこちらを見ていた。
 「うるさいじゃないよメグ!せっかく二人きりの時間なのにエーデル国の報告書と睨めっこしたっきり相手にしてくれないくせにさ。」
 「……うん。相手にしたくないから、エヴァン執務に戻っていいわよ。」
 「酷い!それが婚約者に言うセリフ⁉︎」
 「うんうん。そうね、私酷い婚約者だから涙目になろうとエヴァンの相手をしているよりエーデル国の報告書を読みたいの。だからね、エヴァン。こんな婚約者が嫌なら、いつでも婚約破棄して構わないからね。」

 私がそう言ってエーデル国の報告書に目を戻しても、エヴァンはなかなか席を立とうしない。
 それどころか笑い始る始末だ。

 「……本当つれないね……君は。婚約破棄はもちろんしないよ、メグ。……うん、分かった。報告書を読んでいる君を堪能しているから、どっぷり報告書に浸ってくれ。」
 「そう。ありがたくそうするわ。」


 その後、本当にお茶会の時間が終わるまで報告書を読んでいたが、エヴァンときたら本当に飽きもせずに私を見ていたのだった。




 「……エヴァン、貴方も王太子なのだから流行に乗って婚約破棄する気はないの?結果、最悪死刑だけど。」
 「そんな流行なんて乗らないよ。僕はメグを失うくらいなら流行遅れの男で良いよ。というか僕に死んで欲しいの!?」



 
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