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第三章 政争の導火線、監獄の鼓動
CHAPTER52『黎明よりも深く』
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アビスロック第二階層――市場横の広場
セドロスによる軍略説明は続いていたが、その一方で、各隊の戦略の再確認が静かに進められていた。
とくに周囲の視線を集めていたのは、やはり“沈黙の牙隊”。
その一角で、二人の男が向かい合っていた。
「……ユーロン殿よ、頼むぜぇ?」
ドゥームが皮肉混じりに笑いながら、軽く肩をすくめてみせる。
ユーロンは、その態度にも動じず、冷えた声を返した。
「……私の個人的な意見ではあるがな、この“シャドウレギオン壊滅作戦”が成功するか否か――それは、ドゥーム…おまえの出方次第で変わると考えている」
ドゥームは唇を吊り上げて愉快そうに応じた。
「ほう……それほど俺は高く評価されてんのか? それとも――裏切るとでも?」
ユーロンは鼻で小さく笑う。
「フン。貴様なら“呪石の首飾り”など、どうとでもできるであろう」
「……さあな」
ドゥームは両手をゆっくりと広げ、手のひらを見せるような仕草を見せた。
「まだ装着してねぇからなあ」
「……おまえの動きは、私と部下が逐一監視する。妙な真似はするな」
ユーロンの声に一切の揺らぎはなかった。
「フハハハ……」
喉の奥から笑いを漏らし、ドゥームは肩をすくめた。
「わかってるさ。俺たちは“あんたの部下”として、しっかり働かせてもらうつもりだよ」
その笑みが何を意味するのか――誰にもわからなかった。
だが一つ確かなのは、ドゥームという男は、常に“予想の外”にいるということだった。
一方、広場に貼り出された地図の前で、セドロスが戦略の要点を語る中――霧の幻影隊の一角では、影虎とシェイドが肩を並べ、互いの任務を確認し合っていた。
「……影虎。我々の任務は重大だ」
シェイドが真っ直ぐ前を見据えたまま言う。
隣に立つ影虎は、わずかに顎を引きながら応じた。
「……フン。説明してもらおうか」
「まずは――看守隊、沈黙の牙隊、狂気の解放軍、三隊が陽動となり、それぞれが同時に敵拠点を叩き、混乱を生む。その隙を突いて、我々霧の幻影隊が“本丸”へ潜入する」
シェイドの語り口は淡々としていたが、その眼差しには緊張の光が宿っていた。
影虎は短く頷き、言葉を挟む。
「……なるほどな」
「そして、その拠点を統括しているであろう――シャドウレギオン幹部、蟲の王ゼルバ・フォーンを討つ」
シェイドの声音が少しだけ硬くなる。
「何だと…!」
影虎の眉がわずかに動いた。
「……ゼルバ・フォーン、あの男、まだ生きていたか」
影虎がゆっくりと口を開いた。組んでいた腕をほどき、視線を地図から遠くへと向ける。
「最近は名前を聞かんと思っていたが……シャドウレギオンに潜っていたとはな。とても人の下につくような奴とは思えんが……」
その声は低く抑えられていたが、そこに込められた重さは明らかだった。
かつて裏社会で“蟲の王”と恐れられた男――ゼルバ・フォーン。影虎ほどの実力者でさえ、その名には静かな緊張を滲ませていた。
「……あの男を討つのは、骨が折れるぞ」
その言葉に、隣のシェイドがわずかに頷く。
「……ああ。奇襲して、一撃で屠らねばならんな」
言葉にしてしまえば単純だが、そこに込められた意味は重い。
それほどまでに、“蟲の王”は脅威だった。
「――以上が、シャドウレギオン南部拠点壊滅作戦の軍略じゃ。何か質問はあるか?」
セドロスが一歩前に出て、広場を見渡しながら言った。その声には老将らしい落ち着きと、全体を束ねる覚悟がにじんでいた。
軽く笑みを浮かべながら、ドゥームが問いを投げた。
「セドロス殿よ。あんたは看守隊と同行するのか?」
その問いに、セドロスは微かに首を横に振る。
「…いや、わしは同行せん。このアビスロックに残り、遠隔で各隊に指示を出すつもりじゃ」
「……?!」
ドゥームの片眉が跳ね上がる。いつもの飄々とした顔つきが、わずかに驚きに染まった。
「そんなことが出来るのか?」
セドロスは頷き、腰のポーチから銀色に鈍く光る指輪を取り出した。
「ああ、研究区画C-3で開発された、指輪型共鳴石――“レゾナイトリング”を使う。わしが持つ“親石”と、各隊隊長に渡す“子石”が共鳴し、思念波による指令を送る仕組みじゃ」
彼はその指輪を掲げながら続ける。
「ただし、これは試作品で実戦投入は今回が初めてじゃ。不具合が起きる可能性もあるのが懸念点じゃ」
「……ほう」
ドゥームがにやりと唇を吊り上げる。
「そんなものが、できたんだな!」
ジルが驚きに目を見開き、隣のバレルと顔を見合わせる。
「フン。ジジイが前線に出てきたところで、どうせ邪魔になるだけだ」
バシリスクが腕を組みながら鼻を鳴らす。
アビスロック兵団の遠征を目前に控え――第一階層では、ひとつの“試み”が静かに導入されていた。
「指輪型共鳴石 レゾナイト・リング」
C-3研究区画で開発された、思念通信に特化した新型装置である。
それは、セドロスが所持する“親石”と、各隊隊長に配られた“子石”が鉱石の共鳴反応によって繋がり合う仕組みを持つ。
使用者が意識を向けるだけで、意志はそのまま相手に伝わる。
思念は受信者の脳に直接響き、言葉ではないが、明確な“意志”として理解される。
それは、まるで心の奥に語りかけられるかのような感覚だ。
この指輪を通じて、遠く離れた各戦場に“戦術の目”を注ぎ、指揮を下し続ける。
老いた戦術家が座したまま戦うための、たった一つの武器となる――
「…他に質問は?」
セドロスが静かに問いかける。
「さっき、ユーロン殿に聞いたんだがな――南部拠点のボスは“蟲の王”ゼルバ・フォーンだってなぁ?」
ニヤついた口元で、ドゥームが問いを投げる。その声音はまるで楽しみにしているかのようだった。
「……そうじゃ」
セドロスがゆっくりと頷く。
「あの男は極めて危険な存在じゃ。各隊連携し、必ず討ってくれ」
「まさか、奴がランスロットの下に付くとはなぁ」
ドゥームは肩をすくめ、喉の奥で笑った。
「フハハハ……あいつが誰かの命令を聞くとは思えねぇがな」
「…誰だ?知ってるか?」
ジルが小声でつぶやき、周囲を見渡す。
「……ゼルバ・フォーン、か」
バラストがわずかに眉をひそめながら言った。
「その名前は一時期よく見たんで覚えてるよ。かつてアクア・ドミナ南部で、たしか《ハイブコア》って過激派組織を率いて、軍施設や近辺の集落、物資輸送を次々と襲撃していた。
最終的にはアクア・ドミナ陸軍に包囲され、組織ごと壊滅した――はずだったんだが……」
バラストは少し間を置き、低く続けた。
「ゼルバ・フォーンの遺体は見つかっていない…シャドウレギオンに拾われていたとすれば、全て辻褄が合うってわけだ」
その声には、確かな実感と、背筋を撫でるような薄気味悪さが滲んでいた。
「……決行は明後日じゃ」
セドロスが全体に向き直り、もう一度声を張った。
「それまでは各隊、それぞれ作戦を叩き込み、連携確認を怠らぬように」
わずかに溜めてから、鋭く言い放つ。
「――では、解散じゃ」
その瞬間、広場にいた者たちが一斉に動き出した。次なる戦いに備えるべく、それぞれの隊が重々しい足取りで散ってゆく――
怒りを、不安を、そして未来を、それぞれの背中に乗せながら。
第二階層・蒼海の解放軍アジト
「敵は手強そうだぜ~? 少しでも鍛えとかねえとな」
レクスがひょいと床に手をつき、腕立て伏せを始める。回数を数えるでもなく、軽い調子で身体を上下させる姿は、意外と真剣だ。
「……そうだな。俺も強烈な技を出せるようにならないとな」
ヴォルグはナイフを手に取り、静かに構える。重心を低くして、一連の殺陣のような動きをゆっくりと繰り返していく。
「明日はクロムやバシリスクたちと、作戦と連携の最終確認だ」
ベンチに腰かけたバレルが腕を回しながら言った。
「その時に格闘術なんかも教えてもらおうぜ」
「あいつの電撃は脅威だぜ」
アルデンが頷きながらつぶやく。まだ少し痛みが残るのか、脇腹をさすった。
「全くだ」
ヴォルグが小さく笑い、動きを止めずに応じた。
ジルは粗末なベッドに仰向けに寝そべり、天井を見つめていた。
(……よし。この兵団で戦果をあげるぞ。そして釈放されて、親父が囚われている――ヴァルデス海峡共和国へ行く!)
胸の奥に小さく火が灯るような決意を抱き、ジルは瞼を閉じた。
テーブルの端では、タイタンが黙々と肉を頬張り続けていた。
その横で、モーリスとバラストがぶどう酒の瓶をゆっくりと傾けながら、赤紫の液を静かに楽しんでいる。
それぞれの夜――それぞれの覚悟が、音もなく深まっていく。
セドロスによる軍略説明は続いていたが、その一方で、各隊の戦略の再確認が静かに進められていた。
とくに周囲の視線を集めていたのは、やはり“沈黙の牙隊”。
その一角で、二人の男が向かい合っていた。
「……ユーロン殿よ、頼むぜぇ?」
ドゥームが皮肉混じりに笑いながら、軽く肩をすくめてみせる。
ユーロンは、その態度にも動じず、冷えた声を返した。
「……私の個人的な意見ではあるがな、この“シャドウレギオン壊滅作戦”が成功するか否か――それは、ドゥーム…おまえの出方次第で変わると考えている」
ドゥームは唇を吊り上げて愉快そうに応じた。
「ほう……それほど俺は高く評価されてんのか? それとも――裏切るとでも?」
ユーロンは鼻で小さく笑う。
「フン。貴様なら“呪石の首飾り”など、どうとでもできるであろう」
「……さあな」
ドゥームは両手をゆっくりと広げ、手のひらを見せるような仕草を見せた。
「まだ装着してねぇからなあ」
「……おまえの動きは、私と部下が逐一監視する。妙な真似はするな」
ユーロンの声に一切の揺らぎはなかった。
「フハハハ……」
喉の奥から笑いを漏らし、ドゥームは肩をすくめた。
「わかってるさ。俺たちは“あんたの部下”として、しっかり働かせてもらうつもりだよ」
その笑みが何を意味するのか――誰にもわからなかった。
だが一つ確かなのは、ドゥームという男は、常に“予想の外”にいるということだった。
一方、広場に貼り出された地図の前で、セドロスが戦略の要点を語る中――霧の幻影隊の一角では、影虎とシェイドが肩を並べ、互いの任務を確認し合っていた。
「……影虎。我々の任務は重大だ」
シェイドが真っ直ぐ前を見据えたまま言う。
隣に立つ影虎は、わずかに顎を引きながら応じた。
「……フン。説明してもらおうか」
「まずは――看守隊、沈黙の牙隊、狂気の解放軍、三隊が陽動となり、それぞれが同時に敵拠点を叩き、混乱を生む。その隙を突いて、我々霧の幻影隊が“本丸”へ潜入する」
シェイドの語り口は淡々としていたが、その眼差しには緊張の光が宿っていた。
影虎は短く頷き、言葉を挟む。
「……なるほどな」
「そして、その拠点を統括しているであろう――シャドウレギオン幹部、蟲の王ゼルバ・フォーンを討つ」
シェイドの声音が少しだけ硬くなる。
「何だと…!」
影虎の眉がわずかに動いた。
「……ゼルバ・フォーン、あの男、まだ生きていたか」
影虎がゆっくりと口を開いた。組んでいた腕をほどき、視線を地図から遠くへと向ける。
「最近は名前を聞かんと思っていたが……シャドウレギオンに潜っていたとはな。とても人の下につくような奴とは思えんが……」
その声は低く抑えられていたが、そこに込められた重さは明らかだった。
かつて裏社会で“蟲の王”と恐れられた男――ゼルバ・フォーン。影虎ほどの実力者でさえ、その名には静かな緊張を滲ませていた。
「……あの男を討つのは、骨が折れるぞ」
その言葉に、隣のシェイドがわずかに頷く。
「……ああ。奇襲して、一撃で屠らねばならんな」
言葉にしてしまえば単純だが、そこに込められた意味は重い。
それほどまでに、“蟲の王”は脅威だった。
「――以上が、シャドウレギオン南部拠点壊滅作戦の軍略じゃ。何か質問はあるか?」
セドロスが一歩前に出て、広場を見渡しながら言った。その声には老将らしい落ち着きと、全体を束ねる覚悟がにじんでいた。
軽く笑みを浮かべながら、ドゥームが問いを投げた。
「セドロス殿よ。あんたは看守隊と同行するのか?」
その問いに、セドロスは微かに首を横に振る。
「…いや、わしは同行せん。このアビスロックに残り、遠隔で各隊に指示を出すつもりじゃ」
「……?!」
ドゥームの片眉が跳ね上がる。いつもの飄々とした顔つきが、わずかに驚きに染まった。
「そんなことが出来るのか?」
セドロスは頷き、腰のポーチから銀色に鈍く光る指輪を取り出した。
「ああ、研究区画C-3で開発された、指輪型共鳴石――“レゾナイトリング”を使う。わしが持つ“親石”と、各隊隊長に渡す“子石”が共鳴し、思念波による指令を送る仕組みじゃ」
彼はその指輪を掲げながら続ける。
「ただし、これは試作品で実戦投入は今回が初めてじゃ。不具合が起きる可能性もあるのが懸念点じゃ」
「……ほう」
ドゥームがにやりと唇を吊り上げる。
「そんなものが、できたんだな!」
ジルが驚きに目を見開き、隣のバレルと顔を見合わせる。
「フン。ジジイが前線に出てきたところで、どうせ邪魔になるだけだ」
バシリスクが腕を組みながら鼻を鳴らす。
アビスロック兵団の遠征を目前に控え――第一階層では、ひとつの“試み”が静かに導入されていた。
「指輪型共鳴石 レゾナイト・リング」
C-3研究区画で開発された、思念通信に特化した新型装置である。
それは、セドロスが所持する“親石”と、各隊隊長に配られた“子石”が鉱石の共鳴反応によって繋がり合う仕組みを持つ。
使用者が意識を向けるだけで、意志はそのまま相手に伝わる。
思念は受信者の脳に直接響き、言葉ではないが、明確な“意志”として理解される。
それは、まるで心の奥に語りかけられるかのような感覚だ。
この指輪を通じて、遠く離れた各戦場に“戦術の目”を注ぎ、指揮を下し続ける。
老いた戦術家が座したまま戦うための、たった一つの武器となる――
「…他に質問は?」
セドロスが静かに問いかける。
「さっき、ユーロン殿に聞いたんだがな――南部拠点のボスは“蟲の王”ゼルバ・フォーンだってなぁ?」
ニヤついた口元で、ドゥームが問いを投げる。その声音はまるで楽しみにしているかのようだった。
「……そうじゃ」
セドロスがゆっくりと頷く。
「あの男は極めて危険な存在じゃ。各隊連携し、必ず討ってくれ」
「まさか、奴がランスロットの下に付くとはなぁ」
ドゥームは肩をすくめ、喉の奥で笑った。
「フハハハ……あいつが誰かの命令を聞くとは思えねぇがな」
「…誰だ?知ってるか?」
ジルが小声でつぶやき、周囲を見渡す。
「……ゼルバ・フォーン、か」
バラストがわずかに眉をひそめながら言った。
「その名前は一時期よく見たんで覚えてるよ。かつてアクア・ドミナ南部で、たしか《ハイブコア》って過激派組織を率いて、軍施設や近辺の集落、物資輸送を次々と襲撃していた。
最終的にはアクア・ドミナ陸軍に包囲され、組織ごと壊滅した――はずだったんだが……」
バラストは少し間を置き、低く続けた。
「ゼルバ・フォーンの遺体は見つかっていない…シャドウレギオンに拾われていたとすれば、全て辻褄が合うってわけだ」
その声には、確かな実感と、背筋を撫でるような薄気味悪さが滲んでいた。
「……決行は明後日じゃ」
セドロスが全体に向き直り、もう一度声を張った。
「それまでは各隊、それぞれ作戦を叩き込み、連携確認を怠らぬように」
わずかに溜めてから、鋭く言い放つ。
「――では、解散じゃ」
その瞬間、広場にいた者たちが一斉に動き出した。次なる戦いに備えるべく、それぞれの隊が重々しい足取りで散ってゆく――
怒りを、不安を、そして未来を、それぞれの背中に乗せながら。
第二階層・蒼海の解放軍アジト
「敵は手強そうだぜ~? 少しでも鍛えとかねえとな」
レクスがひょいと床に手をつき、腕立て伏せを始める。回数を数えるでもなく、軽い調子で身体を上下させる姿は、意外と真剣だ。
「……そうだな。俺も強烈な技を出せるようにならないとな」
ヴォルグはナイフを手に取り、静かに構える。重心を低くして、一連の殺陣のような動きをゆっくりと繰り返していく。
「明日はクロムやバシリスクたちと、作戦と連携の最終確認だ」
ベンチに腰かけたバレルが腕を回しながら言った。
「その時に格闘術なんかも教えてもらおうぜ」
「あいつの電撃は脅威だぜ」
アルデンが頷きながらつぶやく。まだ少し痛みが残るのか、脇腹をさすった。
「全くだ」
ヴォルグが小さく笑い、動きを止めずに応じた。
ジルは粗末なベッドに仰向けに寝そべり、天井を見つめていた。
(……よし。この兵団で戦果をあげるぞ。そして釈放されて、親父が囚われている――ヴァルデス海峡共和国へ行く!)
胸の奥に小さく火が灯るような決意を抱き、ジルは瞼を閉じた。
テーブルの端では、タイタンが黙々と肉を頬張り続けていた。
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