全年齢な短編集

フェア

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ショタコンおじさんが少年達と冒険します

2025年こどもの日 フランツ、レイ、リカード、ダイ、ヒナタ

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「今日は私のいた世界の文化の一つ、『こどもの日』を孤児院のこどもたちと一緒にお祝いしたいんだ」

 私の提案に、少年たちは思い思いの反応を示した。

「こどもの日、ですか? タカヒロさんの世界の文化は興味深いです」

 真面目なフランツが目を輝かせる。

「なんでまたそんな面倒なことを」

 レイは相変わらずそっけない。

「こいのぼりって言うんでしょだろ? おいら、前に絵で見たことあるよ!」

 リカードは無邪気に笑う。

「なんでおれたちがまたこどもの相手しなくちゃいけねーんだよ」

 ダイは不満げだ。

「皆の助けが必要なんだ。あやかしの国のこどもたちが喜んでくれるだろう?」

「タカヒロ殿はこども好きでござるな。拙者も手伝うでござるよ」

 赤い髪の鬼人族であるヒナタが笑顔で応じる。旅館の息子である彼は、このあたりの文化に詳しいので心強い。

 イベントの舞台は旅館の広間を借りて行うことになった。ヒナタが地元のこどもたちに声をかけてくれたおかげで、賑やかな『こどもの日』になった。

 フランツとレイは、私の説明を聞きながら、鯉のぼりの飾りつけを手伝ってくれた。普段の鎧姿やローブ姿ではない、甚平姿からのびる彼らの足が魅力的だ。

 特にフランツの脚は、鍛えられつつも少年らしさを残しており、見惚れてしまう。

「タカヒロさん、こいのぼりは『こどもがたくましく育つように』という願いが込められているのですよね」

「そうだよ、フランツ。みんなの成長を願う日なんだ」

 その言葉を聞きながら、彼らの身体の成長が止まってしまっている現状を思い出し、胸が締め付けられる。

「オレはもう十分大人だけどね」

 レイはそう口では言いながらも、真剣な眼差しで飾りつけの位置を調整していた。

 リカードは柏餅配りの担当だった。小さな獣人の彼に群がるこどもたちは、まるでマスコットキャラのようだ。

「お兄ちゃん、もう一個ちょうだーい!」

「んもー、一個だけだよ! おいらも食べたいんだから~」

 リカードはこどもたちに揉みくちゃにされながらも、満面の笑みで応対している。

 ダイは庭でこどもたちの遊び相手になっていた。もともと力自慢の彼は、こどもたちが登ったり抱きついたりするのを最初は嫌がっていたが、やがてされるがままになっていた。

「ダイ、お主は相変わらずこどもに人気でござるな」

 ヒナタがダイの隣で笑いながら、彼の汗を拭いてやる。二人の親密な様子は、まるで幼馴染以上の関係に見える。ダイは顔を赤らめながらも、ヒナタの好意を拒絶しない。



「ふぅ……まじで疲れたぜ」

「こどもたちのエネルギーはすごいです……」

 イベントを終えた少年たちは、私とヒナタのいる大部屋に戻ると、畳の上に横になった。甚平姿の彼らは、上半身を脱いでいるわけではないが、その姿は普段よりもこどもっぽい。

「みんな、お疲れ様。恒例の足裏マッサージといこうか」

「いつもありがとうございます」

 私の言葉に、フランツは素直に足を差し出す。

「気持ちいいです」

 長旅で硬くなりやすい彼の足裏を優しく揉みほぐすと、気持ちよさそうに目を細めた。

「頑張ったんだから当然だよね」

 レイはクールを装う。

「悪くないね」

 だが、私の手つきにと素直な感想を漏らす。彼もまた、私のスキンシップを許容するように変化している。

「にーちゃん、いっぱいしてね~」

 リカードは両足を私の胸元に投げ出し、満面の笑みだ。彼の日焼けした健康的な足裏を揉むのは、私の喜びの一つである。

「おれもやってもらうか……」

 ダイも照れくさそうにしながらも、足を差し出す。彼の少し硬くなった足裏を丁寧にほぐしてやる。

 ヒナタはダイの様子を微笑ましそうに眺めていた。

「ヒナタも良かったら、マッサージさせてくれない?」

「拙者も良いのでござるか?」

 驚きつつも、恐る恐る足を差し出してくるヒナタ。

 彼もダイと同じように、たくましいながらも少年らしさを兼ね備えた足裏で揉みほぐしがいがあった。



 夜になり、大部屋には柔らかな灯りがともる。少年たちは自然と私の周りに布団を敷いた。

「にーちゃん、一緒に寝よ!」

 リカードは一番に私の腕の中に滑り込んできた。彼の無邪気な温もりが伝わってくる。

「抜け駆けなんてさせないよ」

 レイもリカードを押しのけるように、私の隣に静かに寄り添う。クールな彼の行動からは、私への深い信頼と独占欲が感じられる。

 反対側からは、フランツが控えめに近づいてくる。彼は他の少年たちへの遠慮がありながらも、私に甘えたいという強い気持ちが伝わってくる。

「僕も……タカヒロさんの近くで……」

 私は優しく彼を招き入れ、四人全員で固まって寝ることになる。
ダイとヒナタは少し離れた場所で布団を敷いているが、ヒナタがダイに何か話しかけ、ダイが顔を赤らめているのが見える。彼らの間には、私と少年たちの『保護者とこども』の関係とは異なる、特別な親密さが流れている。

 私の腕の中で温かい寝息を立てる少年たちの髪を優しく撫でながら、私は考える。

 こどもの日、それは彼らの健やかな成長を願う日。身体の成長は止まってしまったままだが、彼らの心は確実に成長し、私への感情も『親愛』だけではない『特別な気持ち』へと変化している。

 私は彼らを『守るべきかわいい少年たち』として見ているが、同時にショタコンとしての欲求と大人としての倫理観との間で深く葛藤している。

「私も、みんなを大切にする。これからもずっと一緒にいようね」

 彼らの純粋な愛情に包まれながら、私はこの温かい絆を大切にしていこうと改めて誓うのだった。

 目を閉じると、彼らの存在が織りなす甘美な充足感に満たされるのだった。
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