全年齢な短編集

フェア

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ショタコンおじさんが少年達と冒険します

2025年梅雨 フランツ、レイ、リカード、ダイ、ヒナタ

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 あやかしの国にある旅館は、長旅の末に私たちがたどり着いた、日本の中世を思わせる立派な建物だった。私たちは、あいにくの雨で散策を取りやめ、広々とした畳敷きの大部屋で過ごすことになった。

 窓の外はしとしとと雨が降り続いている。その静かな雨音が、和室の落ち着いた雰囲気を一層引き立てていた。

「うーん、外に出られないのは残念だよ~。でも、にーちゃんと一緒ならいっか!」

 甚平姿のリカードが、縁側に座って背伸びをした。狼族の彼は、精神年齢が一番幼いようで、甘えん坊のワンコキャラだ。

「相変わらず落ち着きがないね。雨の日はゆっくり休めばいいだろ」

 レイは部屋の隅で本を読んでいたが、リカードの言葉に顔を上げ、いつものクールな調子で応じた。エルフの彼は、見た目の美しさに反して一番年下だが、背が高いこともあって大人びて見える。

 私は布団の上に横になったまま、二人のやり取りを微笑ましく見守る。この子たちは皆、身体の成長は止まってしまったままだが、心は確実に成長し、私への信頼を深めてくれている。

「タカヒロさん、お茶をどうぞ」

 フランツが湯気の立つお茶を私の枕元に持ってきた。騎士の家柄の出である彼は、常に真面目で気が利く。金髪碧眼の美少年であるフランツは、見た目に反してこの世界では成人しているらしいが、私から見れば立派なショタだ。

「ありがとう、フランツ。気が利くね」

 私がそう言って頭を撫でると、彼は薄く顔を赤らめた。以前はもっと大人びた態度を取っていた彼が、今では他の少年たちに負けじと甘えの感情を見せてくれることが、私には嬉しかった。



 その時、襖が静かに開き、ダイとヒナタが入ってきた。

「おい、朝からずっとゴロゴロしてんのかよ」

 ダイはぶっきらぼうな口調で私に話しかけた。

「静かにしろ。ダイ、皆に挨拶するでござるよ」

 赤い髪の鬼人族であるヒナタが、優しくダイを諫める。ダイはヒナタに対し、ぶっきらぼうな態度を取りつつも、どこか照れているように見える。二人の間には、私と少年たちの『保護者とこども』の関係とは異なる、特別な親密さが流れているのは、最近の会話からも明らかだった。

「ヒナタ~、何か面白いものはない~?」

 リカードが飛び起きてヒナタに詰め寄る。

「面白いもの、でござるか。雨の日には、皆で菓子でも食べるのが良いでござるよ。拙者が作った和菓子があるでござる」

 ヒナタは手作りの和菓子を取り出した。

「お前が作ったものなんか食えるかよ」

 ダイはそう返すものの、その声には拒絶の色はなく、結局ヒナタから差し出された菓子を受け取っていた。

 レイはそんな二人の様子を一瞥すると、私の隣にそっと身を寄せた。

「ヒナタとダイは朝からラブラブだね」

「相変わらず、お子様だな」

 リカードの茶化しに、レイは冷たく返す。しかし、彼の視線がヒナタとダイを追っていることも、私は気づいていた。

「にーちゃん、おいらもそのお菓子食べたい!」

 リカードが私に抱きつきながらおねだりする。リカードのストレートな愛情表現は、私のショタコンとしての欲求を強く刺激する。

「ずるいぞ、リカード。タカヒロさんは僕の隣で休んでいるんだ」

フランツが、他の少年たちへの遠慮がありながらも、私への独占欲を覗かせる。

「タカヒロはみんなのものだ。独り占めしようとするな」

 レイもリカードを押しのけるように滑り込み、私の腕に触れる。

 少年たちが私を奪い合うような状況に、私は喜びと同時に、彼らの純粋な気持ちを裏切ってはいけないという倫理観との葛藤を感じる。

「皆、雨音を聞きながら、少し体を休めようか。長旅で足が疲れているだろうから、マッサージをしてあげよう」

 私は場を和ませるために、いつもの提案をした。足裏マッサージは、彼らが私に心を許してくれている証であり、私自身も少年たちの足裏を堪能できるご褒美だ。

「わーい! にーちゃん、いっぱいしてね~!」

 リカードは満面の笑みを浮かべ、両足を私の胸元に投げ出した。彼の日焼けした健康的な足裏は、小ぶりながらシーフとして鍛えられた感触があり、揉みがいがある。

「う~ん、きもちい~! にーちゃん、最高だよ~」

 リカードは幸せそうな顔をしながら、甘えるような声を出す。

 次にレイの番だ。エルフのレイの足裏は細く、白い肌はきめ細やかで柔らかい。

「……気持ちいいよ、タカヒロ。雨の日の静かな中でマッサージされるのは、特に悪くないね」

 珍しく素直に感想を伝えてくれるレイに、私は顔を綻ばせる。

 続いてフランツ。ウォーリアとしてがっしりとしているものの、大人に比べればまだ小ぶりな足裏だ。

「んっ……すごく気持ちいいです。疲れが抜けていくようです」

 フランツは顔を上気させながら、正直な感想を漏らした。彼の真面目さが、マッサージでほぐれていく様子を見るのは、私の密かな喜びだ。

「おれも、頼むぜ」

 ダイは少し迷った後、ぶっきらぼうにそう言ってヒナタの横から私のほうへ足を投げ出した。ダイの足裏はモンクであるため少し硬くなりがちだが、それでも少年らしさを残している。オイルを塗って柔らかく揉みほぐすと、ダイは気持ち良さそうに目を細める。

「うわ……気持ちいい。マジでヤバイな、これ」

 彼は熱くなってきたのか、上着をはだけさせた。彼が私に抱く感情は『ちっちゃいガキが親に感じる感覚』に近いと以前に言っていたが、こうして素直に甘える姿は愛らしい。

 ヒナタは、ダイの様子を微笑ましそうに眺めていた。

「ヒナタも良かったら、マッサージさせてくれない?」

 私が声をかけると、ヒナタは驚きつつも恐る恐る足を差し出してきた。彼もダイと同じようにたくましいながらも少年らしさを兼ね備えた足裏で、揉みほぐしがいがあった。

「さて、みんなの疲れも取れたかな」

 私がそう言うと、リカードが再び私に抱きついてきた。

「にーちゃん、今度は耳も触って~」

「だめだよ、リカード。気持ちよくなりすぎちゃうんでしょ?」

 私はそう言って笑いながら、リカードの髪を優しく撫でる。彼の耳は敏感なので、触りすぎるのは危険だ。

 雨音は絶え間なく続いていたが、部屋の中は少年たちの温もりと、私への愛情で満ちていた。

「あの……今日は僕と一緒に寝てくれませんか?」

「オレも隣が良い」

 フランツは控えめに私に近づく。

 レイもリカードを押しのけるように滑り込んできた。彼の行動には、私への深い信頼と独占欲が感じられる。

 ダイもヒナタに誘われつつも、私を横目で見ながら布団に入る。

 私は彼らの純粋な愛情に包まれながら、目を閉じた。彼らは私の大切な『こども達』であり、同時にショタコンの私が守り、愛でるべき存在だ。

(私も、みんなを大切にする。これからもずっと一緒にいようね)

 心の中でそう誓い、私は眠りに落ちていった。雨音だけが、静かに彼らの親密な時間を祝福しているようだった。
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