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ライル様がおかしくなりました 10話目

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ーーセルライラ視点ーー


はじめて誘われて乗った馬車で、ライル様とたくさんお話できました。



でもどこかおかしいです。




昔のライル様は私になんて興味がないことなんてすぐわかる態度でした。



今は、何故かハートが飛んでいるかのような、甘々で、まるで……



私のことを好きみたい……



なんて思う事が何度もあるのです。




というか、ライル様そういうキャラでしたっけ?という事が何度もおきます。




私の知ってるライル様とは違うような、言葉には表せない違和感を感じます。





それも、反省したからなのでしょうか。




でも、反省したといっても、ライル様に特段何かが起きたようにも思えません。






それでも、私の密かな夢だった、愛称で呼びあう、ということが今日達成されたのです。




しかも、ライル様から……




いや、リジーから……




かなり恥ずかしいです……//




でも、これから学園でリジーと呼べば、反応してくれるみたいです。もう、無視はしない。そう誓ってくれた時は本当に泣きそうになりました。





でも、必死にこらえて、笑顔でお礼をいいました。




それが、私のできる最大のアピールです。





私は可愛げがないから、リジー様は多分もっと可愛ければいいのにって思ってるかもしれません。




私の心の声が彼に聞こえればいいのにな……




でも、全部聞こえたら、リジー様が笑顔で笑ってくれた時に、真顔を貫いている私が、カッコいいぃぃっっ!と叫んでいることもばれてしまうから聞こえたら困るな。と思うのでした。


★☆★☆


よし!これからは、学園でも頑張って話しかけて見よう。私のことをリジー様は受け入れてくれているのだし、挨拶くらいなら……きっとこないだのお茶会や、馬車の中での会話と同じように返してくれるだろう。


ーーそう言い聞かせても……



もう、無視はされない。それは最近の態度でわかるのに……結局、まだ信じきれていない自分がいるのです。



一時の気まぐれなのか、私を騙して笑うつもりなのか、、



自分からしゃべりかけるのには時間がかかりそうだと私自身で感じるのであった。
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