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25話 帰らずの迷宮
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それからは学校生活を送る傍、冒険者生活を送ることとなった。週末は冒険者ギルドに集まり冒険者活動を行う。主に受ける依頼はゴブリン、コボルト、オークなどの討伐である。
また、これも経験と言うこともあり、薬草採取の依頼も受けた。薬草採取の報酬はかなり相場が安く、近場の薬草採取だと銀貨数枚にしかならない。これだと宿屋の支払いを済ませるとほとんど残らない。もっとも危険な場所にあったり、希少な薬草の採取になると報酬は跳ね上がるようだ。
冒険者活動においてエマには考えがあるようだ。
「このパーティーの実力もわかってきたわ。『帰らずの迷宮』に挑戦してみようと思うの」
「それって王都の北にある山岳地帯を超えた先にある迷宮だろ」
「そうよ」
「名前からして危なそうだけど大丈夫か?」
「『帰らずの迷宮』なんて名前はついているけど多くの冒険者はちゃんと帰ってくるわ。ただ、最深部を目指したパーティーは誰も戻ってこないようね」
「危なくなればさっさと戻ってくれば大丈夫か」
「でも迷宮も深くなってくれば今までにない危険な魔物も出てくるわ。でも、この辺りにいるのはゴブリンとかばっかりで退屈でしょう」
「いいぜ。賛成だ。他の皆は?」
「賛成だ」
「このパーティーなら大丈夫です。賛成です」
こうして迷宮に挑戦することに決まった。
「騎士学校はもうすぐ夏休みでしょ。迷宮挑戦は時間がかかるから、夏休みに入ってからね」
そうか、兄さんたちが長期休暇に領地に戻ってこなかったのはそういう理由だったんだな。
夏休みが近いということは学期末試験があるということである。私は特に焦ることはなかったが、ジンあたりは色々と騒がしくなるだろう。
学期末試験よりも気になったのは夏休み開けからしばらくすると騎士学校選抜大会が開かれることである。この大会は毎年開催される。各学年より4人が選抜されてトーナメント形式で優勝を争う。トーナメントでは3年生は第一試合はシードで第二試合からとなる。
どうやらレッド兄さんは3年生時、ヨハン兄さんは2、3年生時にそれぞれ優勝しているようだ。ヴィンセントがいるため優勝は容易ではない。また、2年生、3年生に強豪がいるのかもしれない。そう考えると腕が鳴る。
「ヴィンセント、選抜大会があるようだな」
「ああ、君に勝って優勝するよ」
「そうはいかないさ」
「3年生には『炎帝』、2年生には『氷帝』と呼ばれる生徒がいるらしい。いずれも学年最強と呼ばれる強豪だ」
「それは楽しみだな」
「他にも強い奴はたくさん出てくる」
「ヴィンセントとは決勝で戦いたいものだ」
そして学期末試験を問題なく終えて夏休みになった。
夏休みに入った翌日ヴィンセントと冒険者ギルドに向かった。
「ついに来たわねこの日が。待ちに待ってたのよ」
「随分楽しみにしてたんだな」
「そりゃそうよ!冒険者になってからずっと憧れてたんだから」
「私も憧れてました」
「そして前人未到と最奥部へといって伝説になるのは無理としても、ある程度は進みたいわね」
「準備はいつも通りでいいのか?」
「まず買い物していくわよ。あと、今回から荷物運びを雇うことにしたわ。いいでしょ?」
「いいけど、かなり本格的になるんだな」
「当然よ。今回は荷物持ちが必要よ」
そして道具店へと向かった。
「まずは迷宮の地図ね。高いけどこれがないと無駄な時間がかかるわ」
そういうとエマは『帰らずの迷宮ガイド第1巻 』を手にとった。
「1巻は迷宮の3階部分まで、2巻以降は1巻につき1階部分が記されているわ。薄い本だけどこれで1冊金貨1枚もするのよ」
「全部買うのか?」
「もちろん。パーティーで1組み買うだけだから各自が買う必要はないわ」
全部で金貨8枚か、高いものだ。
「保存食はできるだけ多く買っておくこと。長期戦になるわよ。ランタンの油も多めに必要ね。それに寝袋も必要よ」
エマに言われた通りに買っていく。バックパックが相当重くなった。
「あと、高いけどエーテルも買っておいてね」
エーテルは飲むと魔力を回復する液体である。1瓶銀貨1枚と効果であるが10本程買っておく。
「準備はこれで大丈夫よ。いったん冒険者ギルドに戻るわよ」
冒険者ギルドに戻るとエマはある男に向かって手を振った。
「お久しぶり、トマス。今回はよろしくね」
「久しぶり、エマ。声をかけてくれてありがとう」
「こちらは今回同行してもらうことになる、荷物運びをしてもらうトマスよ」
「俺はトマスだ。今回はよろしく」
ずんぐりとした大男で力は強そうだ。私達も挨拶をする。
「トマスはこう見えても荷物運びだけじゃなくて罠の解除もできるの。戦闘の時でも自分の身ぐらいは守れるわ」
トマスは腰に剣を差していた。
帰らずの迷宮へは北の山岳地帯までは馬車で行く。それから山岳地帯を歩いて越え、さらに北に進む。途中、何度かゴブリンの襲撃があったが簡単に撃退することができた。
また、これも経験と言うこともあり、薬草採取の依頼も受けた。薬草採取の報酬はかなり相場が安く、近場の薬草採取だと銀貨数枚にしかならない。これだと宿屋の支払いを済ませるとほとんど残らない。もっとも危険な場所にあったり、希少な薬草の採取になると報酬は跳ね上がるようだ。
冒険者活動においてエマには考えがあるようだ。
「このパーティーの実力もわかってきたわ。『帰らずの迷宮』に挑戦してみようと思うの」
「それって王都の北にある山岳地帯を超えた先にある迷宮だろ」
「そうよ」
「名前からして危なそうだけど大丈夫か?」
「『帰らずの迷宮』なんて名前はついているけど多くの冒険者はちゃんと帰ってくるわ。ただ、最深部を目指したパーティーは誰も戻ってこないようね」
「危なくなればさっさと戻ってくれば大丈夫か」
「でも迷宮も深くなってくれば今までにない危険な魔物も出てくるわ。でも、この辺りにいるのはゴブリンとかばっかりで退屈でしょう」
「いいぜ。賛成だ。他の皆は?」
「賛成だ」
「このパーティーなら大丈夫です。賛成です」
こうして迷宮に挑戦することに決まった。
「騎士学校はもうすぐ夏休みでしょ。迷宮挑戦は時間がかかるから、夏休みに入ってからね」
そうか、兄さんたちが長期休暇に領地に戻ってこなかったのはそういう理由だったんだな。
夏休みが近いということは学期末試験があるということである。私は特に焦ることはなかったが、ジンあたりは色々と騒がしくなるだろう。
学期末試験よりも気になったのは夏休み開けからしばらくすると騎士学校選抜大会が開かれることである。この大会は毎年開催される。各学年より4人が選抜されてトーナメント形式で優勝を争う。トーナメントでは3年生は第一試合はシードで第二試合からとなる。
どうやらレッド兄さんは3年生時、ヨハン兄さんは2、3年生時にそれぞれ優勝しているようだ。ヴィンセントがいるため優勝は容易ではない。また、2年生、3年生に強豪がいるのかもしれない。そう考えると腕が鳴る。
「ヴィンセント、選抜大会があるようだな」
「ああ、君に勝って優勝するよ」
「そうはいかないさ」
「3年生には『炎帝』、2年生には『氷帝』と呼ばれる生徒がいるらしい。いずれも学年最強と呼ばれる強豪だ」
「それは楽しみだな」
「他にも強い奴はたくさん出てくる」
「ヴィンセントとは決勝で戦いたいものだ」
そして学期末試験を問題なく終えて夏休みになった。
夏休みに入った翌日ヴィンセントと冒険者ギルドに向かった。
「ついに来たわねこの日が。待ちに待ってたのよ」
「随分楽しみにしてたんだな」
「そりゃそうよ!冒険者になってからずっと憧れてたんだから」
「私も憧れてました」
「そして前人未到と最奥部へといって伝説になるのは無理としても、ある程度は進みたいわね」
「準備はいつも通りでいいのか?」
「まず買い物していくわよ。あと、今回から荷物運びを雇うことにしたわ。いいでしょ?」
「いいけど、かなり本格的になるんだな」
「当然よ。今回は荷物持ちが必要よ」
そして道具店へと向かった。
「まずは迷宮の地図ね。高いけどこれがないと無駄な時間がかかるわ」
そういうとエマは『帰らずの迷宮ガイド第1巻 』を手にとった。
「1巻は迷宮の3階部分まで、2巻以降は1巻につき1階部分が記されているわ。薄い本だけどこれで1冊金貨1枚もするのよ」
「全部買うのか?」
「もちろん。パーティーで1組み買うだけだから各自が買う必要はないわ」
全部で金貨8枚か、高いものだ。
「保存食はできるだけ多く買っておくこと。長期戦になるわよ。ランタンの油も多めに必要ね。それに寝袋も必要よ」
エマに言われた通りに買っていく。バックパックが相当重くなった。
「あと、高いけどエーテルも買っておいてね」
エーテルは飲むと魔力を回復する液体である。1瓶銀貨1枚と効果であるが10本程買っておく。
「準備はこれで大丈夫よ。いったん冒険者ギルドに戻るわよ」
冒険者ギルドに戻るとエマはある男に向かって手を振った。
「お久しぶり、トマス。今回はよろしくね」
「久しぶり、エマ。声をかけてくれてありがとう」
「こちらは今回同行してもらうことになる、荷物運びをしてもらうトマスよ」
「俺はトマスだ。今回はよろしく」
ずんぐりとした大男で力は強そうだ。私達も挨拶をする。
「トマスはこう見えても荷物運びだけじゃなくて罠の解除もできるの。戦闘の時でも自分の身ぐらいは守れるわ」
トマスは腰に剣を差していた。
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