転生した剣聖は最初から最強のようです

白檀

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79話 ゴダード王国

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 翌日、アークライト王国に向けて帰路の旅路に向かう。シズ達の馬車が増えて合計5台の馬車になった。かなりの大所帯である。これだけの大所帯になると盗賊にも気をつけないといけないだろう。シズは私達の馬車に乗る。

 そして私達はアークライト王国に向けて出発することになった。まずは隣国のゴダード王国に向かう。

 ゴダード王国に着くと何故か衛兵に取り囲まれた。

 馬に乗った女騎士がこちらに向かって来た。兜から猫耳が、鎧からは尻尾が出ていた。手には槍を持っている。

「我こそはゴダード王国筆頭騎士のルティアである。その馬車に剣聖が乗っていることはわかっている。降りて来い」

 私は馬車を降りた。

「俺が剣聖のレオン・エルドバーンだ。何か用か?」

「おお、お前が剣聖か。なるほど……雰囲気があるな。私と勝負しろ」

「何を言っているんだ。勝負するわけがないだろう」

「ならばここは通さん。どうだ勝負するか?」

 衛兵が私達の馬車を取り囲んだまま動かない。どうやら勝負しないとここを通してはもらえないらしい。

「わかった、勝負しよう。勝ったらここを通してもらえるんだな」

「負けても通してやるよ。ふふふ」

 そして私達は兵達に囲まれて闘技場に連れていかれた。

「ここは王国でも最大の闘技場だ。観客もすぐに用意する。もちろん王もご覧になられる」

 そう言いながらもルティアの尻尾は揺れていた。きっと嬉しいのだろう。

 そして私は闘技場控室に、他の者は観客席に連れていかれた。

「ここで呼ばれるまで待っていろ」

 私は控室で待つことにする。2時間ぐらい経っただろうか、私が退屈になって来た頃兵士がやって来た。

「時間だ。出ろ」

 まるで罪人の扱いである。

 私は兵に連れられて闘技場に向かった。闘技場は広大で、観客席は観客で埋め尽くされていた。観客席の一部に紅い敷物が敷いてあり、高価な椅子が置かれていた。きっと王が座るのだろう。

「王の来場!」

 大きな声がすると観客は一斉に跪いた。私も兵に促されて跪く。

 すると王が入って来た。どうやら王はライオンの獣人のようだ。巨体で威圧感がある。

「戦士の入場!」

 私は兵に連れられて闘技場の中央に進んだ。向こう側からはルティアが兵と共にこちらにやって来た。

 私とルティアは向かい合う形になった。

「それではこれより剣聖レオン・エルドバーンとゴダード王国筆頭騎士ルティア・シェルマンとの決闘を行う。両者準備をして」

 どうやらここでも真剣で戦うようだ。私はオリハルコンソードを抜いた。ルティアは槍を持っている。

「ほう、妙な剣を持っているな。だが私の槍術には関係のない事」

 ルティアがそう言った。尻尾はピンと立って膨らんでいた。

「それでは始め!」

 開始早々ルティアは頭上で槍を振り回した。槍の間合いに入ることは容易ではない。ヴィンセントならば上手く対応できるのだろうが。

 そしてルティアは槍の間合いに入ると槍を突いてきた。私はそれをバックステップで躱す。

 また、槍の間合いに入るとやはり槍を突いて来た。私はまた躱す。

 何度かそれを繰り返した。

「どうした、下がってばかりでは私には勝てんぞ」

 意を決し神速の突きを出す。しかし槍の間合いには届かない。ルティアの槍に簡単に防がれる。

 しかし、私はそのまま強引に懐に入った。そのまま剣を振るう。

 だが、ルティアに上手く槍で受けられる。ルティアは接近戦にも慣れている。

 私はそのまま神速を超える神速で剣を振る。ルティアの反応が遅れた。

 そのまま何度か剣を振るうとルティアの槍が弾かれて観客席の近くまで飛んで行った。

 ルティアは唖然としてその場しばらく固まった。

 しかし、

「なんのこれしき」

 そう言うとルティアは素手で私に向かって来た。握り締めた拳で私を狙う。

 私は剣を捨ててその拳を受けようとした。

「見苦しい!ルティア止めるのだ。お前の負けだ」

 声の主は王であった。王は座っていた椅子から立ち上がりそう叫んだ。

 するとルティアは立ち止まり、その場で跪いた。

「お見苦しいところをお見せして申し訳ありません。王よ」

「全く見苦しい。今よりお前のゴダード王国筆頭騎士の地位を剥奪する。お前はこれからその剣聖に師事し心身ともに成長するまでこのゴダード王国に入ることは許さん」

「成長するとはどのようになれば良いのでしょうか?」

「それはお前自身が決めること。ただし、戻って来たときに儂が成長したと認められなければ、その首叩き切ってくれる」

 ルティアは跪いたまま深く頭を下げた。王は闘技場を去っていった。

 王がいなくなるとルティアは頭を上げた。私を見つめ頬を赤く染めた。

「剣聖、これからよろしく頼むぞ。地の果てまでも付いていくからな」

 そう言うと私に抱きついて来た。尻尾はやはり揺れていた。

「なんでこうなるのよ!」

 観客席からマリアンナとエマの声が聞こえて来た。

 ルティアはやはり付いて来るようなので一緒に行くことになった。

「待ってくださいルティア様護衛として私も付いて行きます」

「イレーネ」

 イレーネと呼ばれた女騎士もルティアと同じように兜から猫耳が、鎧からは尻尾が出ていた。

「剣聖、イレーネも連れて行ってもらえないだろうか?」

「もう好きにしろ。あと俺のことはレオンと呼ぶように」

「ありがとう。レオン」

 こうして大所帯になった私達はゴダード王国を出てアークライト王国を目指すのだった。
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