79 / 126
79話 ゴダード王国
しおりを挟む
翌日、アークライト王国に向けて帰路の旅路に向かう。シズ達の馬車が増えて合計5台の馬車になった。かなりの大所帯である。これだけの大所帯になると盗賊にも気をつけないといけないだろう。シズは私達の馬車に乗る。
そして私達はアークライト王国に向けて出発することになった。まずは隣国のゴダード王国に向かう。
ゴダード王国に着くと何故か衛兵に取り囲まれた。
馬に乗った女騎士がこちらに向かって来た。兜から猫耳が、鎧からは尻尾が出ていた。手には槍を持っている。
「我こそはゴダード王国筆頭騎士のルティアである。その馬車に剣聖が乗っていることはわかっている。降りて来い」
私は馬車を降りた。
「俺が剣聖のレオン・エルドバーンだ。何か用か?」
「おお、お前が剣聖か。なるほど……雰囲気があるな。私と勝負しろ」
「何を言っているんだ。勝負するわけがないだろう」
「ならばここは通さん。どうだ勝負するか?」
衛兵が私達の馬車を取り囲んだまま動かない。どうやら勝負しないとここを通してはもらえないらしい。
「わかった、勝負しよう。勝ったらここを通してもらえるんだな」
「負けても通してやるよ。ふふふ」
そして私達は兵達に囲まれて闘技場に連れていかれた。
「ここは王国でも最大の闘技場だ。観客もすぐに用意する。もちろん王もご覧になられる」
そう言いながらもルティアの尻尾は揺れていた。きっと嬉しいのだろう。
そして私は闘技場控室に、他の者は観客席に連れていかれた。
「ここで呼ばれるまで待っていろ」
私は控室で待つことにする。2時間ぐらい経っただろうか、私が退屈になって来た頃兵士がやって来た。
「時間だ。出ろ」
まるで罪人の扱いである。
私は兵に連れられて闘技場に向かった。闘技場は広大で、観客席は観客で埋め尽くされていた。観客席の一部に紅い敷物が敷いてあり、高価な椅子が置かれていた。きっと王が座るのだろう。
「王の来場!」
大きな声がすると観客は一斉に跪いた。私も兵に促されて跪く。
すると王が入って来た。どうやら王はライオンの獣人のようだ。巨体で威圧感がある。
「戦士の入場!」
私は兵に連れられて闘技場の中央に進んだ。向こう側からはルティアが兵と共にこちらにやって来た。
私とルティアは向かい合う形になった。
「それではこれより剣聖レオン・エルドバーンとゴダード王国筆頭騎士ルティア・シェルマンとの決闘を行う。両者準備をして」
どうやらここでも真剣で戦うようだ。私はオリハルコンソードを抜いた。ルティアは槍を持っている。
「ほう、妙な剣を持っているな。だが私の槍術には関係のない事」
ルティアがそう言った。尻尾はピンと立って膨らんでいた。
「それでは始め!」
開始早々ルティアは頭上で槍を振り回した。槍の間合いに入ることは容易ではない。ヴィンセントならば上手く対応できるのだろうが。
そしてルティアは槍の間合いに入ると槍を突いてきた。私はそれをバックステップで躱す。
また、槍の間合いに入るとやはり槍を突いて来た。私はまた躱す。
何度かそれを繰り返した。
「どうした、下がってばかりでは私には勝てんぞ」
意を決し神速の突きを出す。しかし槍の間合いには届かない。ルティアの槍に簡単に防がれる。
しかし、私はそのまま強引に懐に入った。そのまま剣を振るう。
だが、ルティアに上手く槍で受けられる。ルティアは接近戦にも慣れている。
私はそのまま神速を超える神速で剣を振る。ルティアの反応が遅れた。
そのまま何度か剣を振るうとルティアの槍が弾かれて観客席の近くまで飛んで行った。
ルティアは唖然としてその場しばらく固まった。
しかし、
「なんのこれしき」
そう言うとルティアは素手で私に向かって来た。握り締めた拳で私を狙う。
私は剣を捨ててその拳を受けようとした。
「見苦しい!ルティア止めるのだ。お前の負けだ」
声の主は王であった。王は座っていた椅子から立ち上がりそう叫んだ。
するとルティアは立ち止まり、その場で跪いた。
「お見苦しいところをお見せして申し訳ありません。王よ」
「全く見苦しい。今よりお前のゴダード王国筆頭騎士の地位を剥奪する。お前はこれからその剣聖に師事し心身ともに成長するまでこのゴダード王国に入ることは許さん」
「成長するとはどのようになれば良いのでしょうか?」
「それはお前自身が決めること。ただし、戻って来たときに儂が成長したと認められなければ、その首叩き切ってくれる」
ルティアは跪いたまま深く頭を下げた。王は闘技場を去っていった。
王がいなくなるとルティアは頭を上げた。私を見つめ頬を赤く染めた。
「剣聖、これからよろしく頼むぞ。地の果てまでも付いていくからな」
そう言うと私に抱きついて来た。尻尾はやはり揺れていた。
「なんでこうなるのよ!」
観客席からマリアンナとエマの声が聞こえて来た。
ルティアはやはり付いて来るようなので一緒に行くことになった。
「待ってくださいルティア様護衛として私も付いて行きます」
「イレーネ」
イレーネと呼ばれた女騎士もルティアと同じように兜から猫耳が、鎧からは尻尾が出ていた。
「剣聖、イレーネも連れて行ってもらえないだろうか?」
「もう好きにしろ。あと俺のことはレオンと呼ぶように」
「ありがとう。レオン」
こうして大所帯になった私達はゴダード王国を出てアークライト王国を目指すのだった。
そして私達はアークライト王国に向けて出発することになった。まずは隣国のゴダード王国に向かう。
ゴダード王国に着くと何故か衛兵に取り囲まれた。
馬に乗った女騎士がこちらに向かって来た。兜から猫耳が、鎧からは尻尾が出ていた。手には槍を持っている。
「我こそはゴダード王国筆頭騎士のルティアである。その馬車に剣聖が乗っていることはわかっている。降りて来い」
私は馬車を降りた。
「俺が剣聖のレオン・エルドバーンだ。何か用か?」
「おお、お前が剣聖か。なるほど……雰囲気があるな。私と勝負しろ」
「何を言っているんだ。勝負するわけがないだろう」
「ならばここは通さん。どうだ勝負するか?」
衛兵が私達の馬車を取り囲んだまま動かない。どうやら勝負しないとここを通してはもらえないらしい。
「わかった、勝負しよう。勝ったらここを通してもらえるんだな」
「負けても通してやるよ。ふふふ」
そして私達は兵達に囲まれて闘技場に連れていかれた。
「ここは王国でも最大の闘技場だ。観客もすぐに用意する。もちろん王もご覧になられる」
そう言いながらもルティアの尻尾は揺れていた。きっと嬉しいのだろう。
そして私は闘技場控室に、他の者は観客席に連れていかれた。
「ここで呼ばれるまで待っていろ」
私は控室で待つことにする。2時間ぐらい経っただろうか、私が退屈になって来た頃兵士がやって来た。
「時間だ。出ろ」
まるで罪人の扱いである。
私は兵に連れられて闘技場に向かった。闘技場は広大で、観客席は観客で埋め尽くされていた。観客席の一部に紅い敷物が敷いてあり、高価な椅子が置かれていた。きっと王が座るのだろう。
「王の来場!」
大きな声がすると観客は一斉に跪いた。私も兵に促されて跪く。
すると王が入って来た。どうやら王はライオンの獣人のようだ。巨体で威圧感がある。
「戦士の入場!」
私は兵に連れられて闘技場の中央に進んだ。向こう側からはルティアが兵と共にこちらにやって来た。
私とルティアは向かい合う形になった。
「それではこれより剣聖レオン・エルドバーンとゴダード王国筆頭騎士ルティア・シェルマンとの決闘を行う。両者準備をして」
どうやらここでも真剣で戦うようだ。私はオリハルコンソードを抜いた。ルティアは槍を持っている。
「ほう、妙な剣を持っているな。だが私の槍術には関係のない事」
ルティアがそう言った。尻尾はピンと立って膨らんでいた。
「それでは始め!」
開始早々ルティアは頭上で槍を振り回した。槍の間合いに入ることは容易ではない。ヴィンセントならば上手く対応できるのだろうが。
そしてルティアは槍の間合いに入ると槍を突いてきた。私はそれをバックステップで躱す。
また、槍の間合いに入るとやはり槍を突いて来た。私はまた躱す。
何度かそれを繰り返した。
「どうした、下がってばかりでは私には勝てんぞ」
意を決し神速の突きを出す。しかし槍の間合いには届かない。ルティアの槍に簡単に防がれる。
しかし、私はそのまま強引に懐に入った。そのまま剣を振るう。
だが、ルティアに上手く槍で受けられる。ルティアは接近戦にも慣れている。
私はそのまま神速を超える神速で剣を振る。ルティアの反応が遅れた。
そのまま何度か剣を振るうとルティアの槍が弾かれて観客席の近くまで飛んで行った。
ルティアは唖然としてその場しばらく固まった。
しかし、
「なんのこれしき」
そう言うとルティアは素手で私に向かって来た。握り締めた拳で私を狙う。
私は剣を捨ててその拳を受けようとした。
「見苦しい!ルティア止めるのだ。お前の負けだ」
声の主は王であった。王は座っていた椅子から立ち上がりそう叫んだ。
するとルティアは立ち止まり、その場で跪いた。
「お見苦しいところをお見せして申し訳ありません。王よ」
「全く見苦しい。今よりお前のゴダード王国筆頭騎士の地位を剥奪する。お前はこれからその剣聖に師事し心身ともに成長するまでこのゴダード王国に入ることは許さん」
「成長するとはどのようになれば良いのでしょうか?」
「それはお前自身が決めること。ただし、戻って来たときに儂が成長したと認められなければ、その首叩き切ってくれる」
ルティアは跪いたまま深く頭を下げた。王は闘技場を去っていった。
王がいなくなるとルティアは頭を上げた。私を見つめ頬を赤く染めた。
「剣聖、これからよろしく頼むぞ。地の果てまでも付いていくからな」
そう言うと私に抱きついて来た。尻尾はやはり揺れていた。
「なんでこうなるのよ!」
観客席からマリアンナとエマの声が聞こえて来た。
ルティアはやはり付いて来るようなので一緒に行くことになった。
「待ってくださいルティア様護衛として私も付いて行きます」
「イレーネ」
イレーネと呼ばれた女騎士もルティアと同じように兜から猫耳が、鎧からは尻尾が出ていた。
「剣聖、イレーネも連れて行ってもらえないだろうか?」
「もう好きにしろ。あと俺のことはレオンと呼ぶように」
「ありがとう。レオン」
こうして大所帯になった私達はゴダード王国を出てアークライト王国を目指すのだった。
0
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。
櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。
夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。
ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。
あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ?
子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。
「わたくしが代表して修道院へ参ります!」
野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。
この娘、誰!?
王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。
主人公は猫を被っているだけでお転婆です。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる