転生した剣聖は最初から最強のようです

白檀

文字の大きさ
92 / 126

92話 デート(2)ルティア編

しおりを挟む
 翌朝、起きるとシズはすでに部屋にいなかった。

 服を着替えると食堂へと向かった。今日はルティアの日か。まさかルティアは白装束を着たりはしないだろう。

 食堂で一同が朝食を食べた。

「今日は私の日だね!」

 今日のルティアはテンションが高そうだ。ルティアの猫耳にリボンが飾られている。なかなか似合っていて可愛い。

 朝食を食べ終わると、準備をしてルティアと外に出る。外に出るとルティアは私の腕を掴んで猛ダッシュした。

 そしてしばらく走り続けると立ち止まり。あたりを見渡した。

「どうやらイレーネはついてこないにゃ」

「おいルティア、語尾……」

「あ、これは失礼」

「今までそんな言葉遣いしてなかっただろ」

「これはゴダード王国のダリア族の言葉なのだにゃ。私には誇り高きダリア族の血が流れているにゃ」

「それで今日は一日それでいくのか?」

「今日はうるさいイレーネもいないにゃ。だめかにゃ?」

「別に構わない。これからは普段もそれでずっといくのか?」

「今日のデートだけにゃ。イレーネに聞かれたらうるさいのにゃ。ゴダード王国筆頭騎士の言葉遣いがうんたらかんたらでとにかくうるさいのにゃ」

「わかった。今日はどこにいくんだ?」

「もちろん甘いものを食べに行くにゃ。美味しいところはマリアンナにちゃんと聞いてあるにゃ」

 ルティアの尻尾がピンと立った。

「じゃあ、まずはどこだ?」

「パンケーキ屋にゃ。さっさと行くにゃ」

 それにしても「にゃ」が多いな。

「久しぶりにゃので、いつもよりも多めにゃのにゃ」

 ルティアに連れられてパンケーキ屋に向かった。

 パンケーキ屋は小さな店構えであるがおしゃれな感じの店だ。

 店には行列ができている。しかし予約していたようで、すんなりと席に着けた。

「いらっしゃいませ」

 店員がメニューを持ってきた。ルティアはメニューを開くとさっと指差した。

「これを2つ」

 おい、俺の意見なしかよ。

「かしこまりました。ダブル・トリプルベリーベリーデラックススペシャルパンケーキ2つでございますね」

 何だか恐ろしい名前のパンケーキである。デラックスとスペシャルはどちらかひとつでいいんじゃないかな。

 待っている間、ルティアはイスに座って足をばたつかせていた。

「まだかにゃ~、まだかにゃ~」

 そして問題のパンケーキがやってきた。ダブル・トリプルとはつまりパンケーキが3枚のせが倍で6枚と言う意味であった。それに大量の生クリームと蜂蜜が乗っていて、さらにその上にストロベリーソースがこれでもかとかけられていた。

 パンケーキはは大きな皿からはみ出そうであった。

「やった~、いただきま~す」

 すぐに食べ始めるのかと思いきや。ルティアはパンケーキをさしたフォークを私の前に差し出した。

「はい、あ~ん」

 しょうがない。ここは付き合うとするか。

「あ~ん。美味しい」

 しばらくそれを繰り返した。

「よし、満足にゃ」

 そう言うとルティアは猛然と食べ始めた。

 私も何とか完食しようと努力した。パンケーキの味は確かに絶品である。

 ルティアは豪快に完食。私は顔を青くしながら完食した。

「次は~」

 まだあるのかよ。

「パフェにゃ!」

 パフェ屋に連れて行かれる。パフェ屋でルティアは出されたメニューを指差した。

「これを2つ」

「おい、ルティア、俺はもうこれ以上は……」

「はい、ストロングツインタワーフルーツパフェですね」

 何だよストロングって、何だよツインって。

 出てきたたパフェはそびえ立つ山のようであった。それも2山。

 やはりルティアは猛然と食べる。一体その体のどこに収まっているんだ。

 私はもう限界に近いが何とか食べる。味はここも絶品である。採れたてのフルーツがアイスによく合う。

 ルティアは軽く完食した。私も青い顔を通り越して黒い顔になってきたが何とか完食した。

「次はアイスにゃ!」

 ちょっと待て、勘弁してくれ。私は前世の事ははっきり覚えているが、そんなに悪い事はしていなかったはずだ。

 そして連れて行かれたアイス屋では何と「アイス丼」なる奇怪なメニューが出てきた。

 巨大などんぶりにアイスが入れられた逸品である。ふざけんなよ。

 テーブルにはいろんなトッピングやソースが並べられており、好みに合わせたアイスクリームを作る事ができる。確かにアイスは上品な味付けでとても美味しいし、トッピングでいろんな味が楽しめる。

 そしてルティアはまたもや豪快に完食。私は何かが生まれそうになるのを感じながらも完食した。

 店を出るとルティアは大きく伸びをした。

「あ~美味しかったにゃ。それにレオンと一緒でとっても楽しかったにゃ。レオンも楽しかったにゃ?」

「ああ、もちろんさ」

 青い顔をしながら私は嘘をついた。でもルティアが楽しければそれでいい。

 そしてルティアと一緒に屋敷へと戻って行った。掲示板を確認すると今日の相手はルティアだな。続きがあると言う事だ。

「今日はありがとう。楽しかったぞ」

 屋敷に入るとルティアの言葉遣いは元に戻っていた。何だか寂しいような気がした。

「あ、そうだ、この後もよろしくにゃ」

 ルティアはそう言うと寝室へと駆けて行った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~

深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。 ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。 それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?! (追記.2018.06.24) 物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。 もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。 (追記2018.07.02) お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。 どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。 (追記2018.07.24) お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。 今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。 ちなみに不審者は通り越しました。 (追記2018.07.26) 完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。 お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。

櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。 夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。 ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。 あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ? 子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。 「わたくしが代表して修道院へ参ります!」 野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。 この娘、誰!? 王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。 主人公は猫を被っているだけでお転婆です。 完結しました。 小説家になろう様にも投稿しています。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

【連載版】婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
短編では、なろうの方で異世界転生・恋愛【1位】ありがとうございます! 読者様の方からの連載の要望があったので連載を開始しました。 シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます! ※連載のためタイトル回収は結構後ろの後半からになります。

処理中です...