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97話 デート(7)ミーア編
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次の日、ベッドの横にはマリアンナの姿はなかった。
私は朝食を食べた。
今日は最終日のミーアの日だ。
ミーアは魔導予備学校の寄宿舎に住んでいるためもう少ししたら屋敷に来るだろう。
「おはようございます」
ミーアがやって来た。
私はミーアを迎えに行くとその姿に驚いた。ずいぶんおめかしして、まるでお人形のように可愛い。
「えへ、ちょっと張り切っちゃった」
ミーアの着ているドレスには無数のヒラヒラが付いており、それがふわふわとなびいていた。
私はあまりの可愛らしさに思わずミーアを抱きしめていた。
「ちょっと、まだ早いわよレオン。来年結婚してからね」
周りを見渡すとマリアンナ達が勢揃いしており、白い目で私を見ていた。
私は慌ててマリアンナから離れた。
「へ~、朝からお熱い事ですね」
エマが嫌味を言う。
「私の時はそういうのなかったです」
シズが言った。
どうもこの行為に対して、みんな言いたい事があるようだ。
私はみんなから逃げるようにミーアの手を取って外に出た。
外に出てミーアと並んで歩いた。
「こうしてレオンと二人で歩くの初めてね」
「そういえばそうだな。いつもはノエルがいるからな」
「ノエル兄さんは騎士団で頑張っているわ」
「そうだな、ノエルは筋はいい。いい騎士になると思うよ」
「でもノエル兄さんはレオンと並べるようになりたいみたい」
「なるほど。時間はかかるかもしれないけれど、いつかそういう日が来るかもしれないな」
実際、私も才能という面では恵まれていない。前世での長い修行があったからだ。ノエルなら努力すればいつか私に近づくことも可能だろう。もっとも私も鍛錬を怠らないので、その差は埋まらないかもしれないが。
「ところで、今日はどこに行く?」
「公園でお散歩がいいかな。歩きながらゆっくりとレオンと話がしたい。それで後で何か買って」
私達は王立公園に向かった。
ミーアはおそるおそる私と手を繋いだ。私が軽く握り返すとミーアは安心した顔をした。
「こうやってレオンと手を繋いで歩く事が夢だったの」
ミーアは歩きながら話し出した。
「ねえ、覚えてる。子供の頃」
「ああ、覚えてるよ」
「あの頃のレオンに憧れてたの。とっても強いし、何でも知ってるし、それにとっても優しいし」
「あの頃のミーアは何だか不思議な感じの子だったな」
「そういえばそうだったわ。私、子供の頃は魔術にしか興味がなくて……」
「今もだろ。普段はローブ来てるじゃないか」
「あれは学校がそう言ってるからよ。いつもローブを着て魔道士としての心構えを忘れるなって」
「ローブはブランさんの店のがいいのか?」
「そうね、王都にもいいのがあるんだけど、やっぱりブランさんの店が一番ね」
「ミーアは今の魔導予備学校を卒業したらどうするんだ?」
「レオンのお嫁さん……には当然なるとして、やっぱり魔導学校に進学したい。そして宮廷魔導士になりたい……ダメ?」
「いや、全然構わないよ。冒険者もするのか?」
「そうね、私は『風の守護者』一員だから、冒険者も続けたい。冒険者、面白そうだし」
そして一呼吸おいてミーアは言った。
「でもどれかを選べって言われたら、レオンのお嫁さんを選ぶわ。それが一番の夢。他の人にずいぶん先に越されたけどレオンと結婚するのが幼い頃からの私の夢」
「なんだか照れるな」
「私にも盛大な結婚式してよね」
「もちろんだ。王宮でできるかは分からないけど」
「王宮じゃなくても構わないわ。でも盛大な結婚式にしたい。そうだ、辺境伯領で挙げましょう。王都で挙げて知らない貴族ばっかり来てもしょうがないし」
「それはいいかもな。父上もできれば辺境伯領で結婚式を見たかったって言ってたしな」
「じゃあ、約束ね」
「ああ、約束だ」
そして私達は公園を抜けた。
公園を抜けた私達は近くの店に入り昼食を食べた。
「今日の記念に何か買って欲しいな」
店の中でミーアがそう言ったので、店を出ると宝飾店に向かった。
高級店であるため店の中は落ち着いた雰囲気であった。ミーアは宝石を眺めていた。
ミーアはその中でひときわ大きな青色の宝石がついた指輪に目を奪われた。
「なんてきれい」
ミーアがその指輪を眺めていると、店員がやって来て
「それはサファイアの指輪でございます。これだけ大きなサファイアは滅多にございません」
値段を聞くと金貨100枚であるとのこと。まあ、買えない金額ではないな。
「ミーア、それが気に入ったのか」
「うん、気に入ったわ。これを私に買ってくれるの?」
「今日の記念と婚約の記念にな」
「こんな高価な物……」
ミーアは目を潤ませた。
かなり高価な買い物であるが、ミーアが喜ぶのなら構わない。
支払いを済ませると指輪をミーアの指にはめてあげた。
「ありがとうレオン。大事にするね」
そして宝飾店を出ると、私とミーアは屋敷へと戻った。
屋敷に戻るとマリアンナ以下全員が私達をお出迎えしてくれた。
いつの間にかミーアもマリアンナ達の方へ移動していた。
「「「「「「「レオン、7日間どうもありがとう」」」」」」」
マリアンナ達が一斉にそう言うと皆お辞儀をした。
私は7日間連続デートと言う荒業を達成できたようだ。
私は強い疲労感とともに強い充足感に包まれた。
「で、誰が一番?」
「へ?」
「デートしてて誰が一番良かったって聞いてるの」
エマが迫力のある声で言った。
「そりゃ、比べられないよ。みんなインパクト……もとい印象深かったからな。みんな一番だ」
「そんなの通る訳ないでしょ。誰が一番なのよ!」
「勘弁してくれ、誰でもいいじゃないか」
その後もしばらくはこの言い合いが続いた。
私は朝食を食べた。
今日は最終日のミーアの日だ。
ミーアは魔導予備学校の寄宿舎に住んでいるためもう少ししたら屋敷に来るだろう。
「おはようございます」
ミーアがやって来た。
私はミーアを迎えに行くとその姿に驚いた。ずいぶんおめかしして、まるでお人形のように可愛い。
「えへ、ちょっと張り切っちゃった」
ミーアの着ているドレスには無数のヒラヒラが付いており、それがふわふわとなびいていた。
私はあまりの可愛らしさに思わずミーアを抱きしめていた。
「ちょっと、まだ早いわよレオン。来年結婚してからね」
周りを見渡すとマリアンナ達が勢揃いしており、白い目で私を見ていた。
私は慌ててマリアンナから離れた。
「へ~、朝からお熱い事ですね」
エマが嫌味を言う。
「私の時はそういうのなかったです」
シズが言った。
どうもこの行為に対して、みんな言いたい事があるようだ。
私はみんなから逃げるようにミーアの手を取って外に出た。
外に出てミーアと並んで歩いた。
「こうしてレオンと二人で歩くの初めてね」
「そういえばそうだな。いつもはノエルがいるからな」
「ノエル兄さんは騎士団で頑張っているわ」
「そうだな、ノエルは筋はいい。いい騎士になると思うよ」
「でもノエル兄さんはレオンと並べるようになりたいみたい」
「なるほど。時間はかかるかもしれないけれど、いつかそういう日が来るかもしれないな」
実際、私も才能という面では恵まれていない。前世での長い修行があったからだ。ノエルなら努力すればいつか私に近づくことも可能だろう。もっとも私も鍛錬を怠らないので、その差は埋まらないかもしれないが。
「ところで、今日はどこに行く?」
「公園でお散歩がいいかな。歩きながらゆっくりとレオンと話がしたい。それで後で何か買って」
私達は王立公園に向かった。
ミーアはおそるおそる私と手を繋いだ。私が軽く握り返すとミーアは安心した顔をした。
「こうやってレオンと手を繋いで歩く事が夢だったの」
ミーアは歩きながら話し出した。
「ねえ、覚えてる。子供の頃」
「ああ、覚えてるよ」
「あの頃のレオンに憧れてたの。とっても強いし、何でも知ってるし、それにとっても優しいし」
「あの頃のミーアは何だか不思議な感じの子だったな」
「そういえばそうだったわ。私、子供の頃は魔術にしか興味がなくて……」
「今もだろ。普段はローブ来てるじゃないか」
「あれは学校がそう言ってるからよ。いつもローブを着て魔道士としての心構えを忘れるなって」
「ローブはブランさんの店のがいいのか?」
「そうね、王都にもいいのがあるんだけど、やっぱりブランさんの店が一番ね」
「ミーアは今の魔導予備学校を卒業したらどうするんだ?」
「レオンのお嫁さん……には当然なるとして、やっぱり魔導学校に進学したい。そして宮廷魔導士になりたい……ダメ?」
「いや、全然構わないよ。冒険者もするのか?」
「そうね、私は『風の守護者』一員だから、冒険者も続けたい。冒険者、面白そうだし」
そして一呼吸おいてミーアは言った。
「でもどれかを選べって言われたら、レオンのお嫁さんを選ぶわ。それが一番の夢。他の人にずいぶん先に越されたけどレオンと結婚するのが幼い頃からの私の夢」
「なんだか照れるな」
「私にも盛大な結婚式してよね」
「もちろんだ。王宮でできるかは分からないけど」
「王宮じゃなくても構わないわ。でも盛大な結婚式にしたい。そうだ、辺境伯領で挙げましょう。王都で挙げて知らない貴族ばっかり来てもしょうがないし」
「それはいいかもな。父上もできれば辺境伯領で結婚式を見たかったって言ってたしな」
「じゃあ、約束ね」
「ああ、約束だ」
そして私達は公園を抜けた。
公園を抜けた私達は近くの店に入り昼食を食べた。
「今日の記念に何か買って欲しいな」
店の中でミーアがそう言ったので、店を出ると宝飾店に向かった。
高級店であるため店の中は落ち着いた雰囲気であった。ミーアは宝石を眺めていた。
ミーアはその中でひときわ大きな青色の宝石がついた指輪に目を奪われた。
「なんてきれい」
ミーアがその指輪を眺めていると、店員がやって来て
「それはサファイアの指輪でございます。これだけ大きなサファイアは滅多にございません」
値段を聞くと金貨100枚であるとのこと。まあ、買えない金額ではないな。
「ミーア、それが気に入ったのか」
「うん、気に入ったわ。これを私に買ってくれるの?」
「今日の記念と婚約の記念にな」
「こんな高価な物……」
ミーアは目を潤ませた。
かなり高価な買い物であるが、ミーアが喜ぶのなら構わない。
支払いを済ませると指輪をミーアの指にはめてあげた。
「ありがとうレオン。大事にするね」
そして宝飾店を出ると、私とミーアは屋敷へと戻った。
屋敷に戻るとマリアンナ以下全員が私達をお出迎えしてくれた。
いつの間にかミーアもマリアンナ達の方へ移動していた。
「「「「「「「レオン、7日間どうもありがとう」」」」」」」
マリアンナ達が一斉にそう言うと皆お辞儀をした。
私は7日間連続デートと言う荒業を達成できたようだ。
私は強い疲労感とともに強い充足感に包まれた。
「で、誰が一番?」
「へ?」
「デートしてて誰が一番良かったって聞いてるの」
エマが迫力のある声で言った。
「そりゃ、比べられないよ。みんなインパクト……もとい印象深かったからな。みんな一番だ」
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